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ロシアと中国、G20声明草稿の地政学的緊張の表現を抑制

配信日時:2022/02/19 02:03 配信元:REUTERS

[ジャカルタ/東京 18日 ロイター] - ジャカルタでの17─18日の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で作成された声明の草稿を巡り、ロシアと中国が表現を弱めるよう要請し、地政学的緊張が世界経済の見通しを曇らせているとの言及の前にあった「現在の」という表現を削除した。複数の関係筋が明らかにした。

会議はオンライン、対面の両方の形式で実施された。最終版の英語の声明は会議後に配布予定。

ロイターが入手した初期の原稿では、ウクライナとロシアの国境での危機への直接の言及は既になく、G20は「(現在の)地政学的緊張から生じるものを含む」リスクを監視するとだけ書かれていた。

声明の起草者は、出席者全員が合意しているわけではない文言にはかっこをつける。複数の関係筋がロイターに語ったところによると、ロシアと中国は 「現在の」という言葉を削除するよう求めた。

議長国であるインドネシアのスリ・ムルヤニ・インドラワティ財務相は現地の記者団に対し、最終的な表現に至るまでに時間がかかったとして「言及されている地政学的な緊張関係に関わる国々が居合わせたからだ」と説明した。

ロイターが入手した最新の英文声明の草稿には「地政学的緊張や、マクロ経済および金融の脆弱性から生じるものも含めて主要なグローバルリスクを引き続き監視する」と書かれていた。

このあいまいな表現は、主要7カ国(G7)の財務相が14日発表した共同声明とは大きく異なる。ロシアがウクライナに侵攻すれば、「大規模な」経済的影響に直面することになると表現していた。ロシア、中国はともにG7のメンバーではない。

スリ・ムルヤニ氏は、気候変動対策としての炭素に価格を付けることへの支持に慎重な国があることや、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で債務負担が悪化した低所得国をどう支援するかが最も難しいテーマになっていると述べた。

声明の草稿では、供給の混乱や需給の不一致、商品・エネルギー価格の上昇により、多くの国でインフレ率が上昇していると指摘し、「中央銀行はそれぞれの任務に従って価格の安定性を確保するために必要な行動を取るとともに、政策スタンスを明確に伝えることに取り組む」と書かれている。

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