注目トピックス 日本株
平和RE Research Memo(1):「NEXT VISION」では分配金成長及び投資主価値の向上を推進
配信日時:2022/02/14 15:01
配信元:FISCO
■要約
1. 東京都区部に集中投資、平和不動産のサポートが大きな強み
平和不動産リート投資法人<8966>は、平和不動産<8803>グループの投資法人であり、中小規模の事業所数が多く、人口増加傾向が続く東京都区部を中心に、オフィス及びレジデンスに集中的に投資する複合型REITだ。全国各地の証券取引所やオフィスビルを所有・賃貸し、日本橋兜町・茅場町の再活性化及び札幌再開発事業化を推進する再開発事業などのデベロッパー事業を幅広く展開する平和不動産の経験とノウハウを最大限に活用できることが、同REITの大きな強みである。
2. 2021年11月期はコロナ禍の影響は軽微、譲渡損益を除く当期純利益・分配金は過去最高を更新
2021年11月期は、営業収益6,876百万円(前期比2.2%増)、営業利益3,361百万円(同1.6%増)、経常利益2,972百万円(同1.9%増)、当期純利益2,971百万円(同1.9%増)となり、営業収益及び各段階利益は、いずれも期初予想を上回って着地した。物件譲渡益は減少したものの、期初の公募増資時及び期中の物件取得が収益寄与し、譲渡損益を除く当期純利益は過去最高を更新した。分散の効いたポートフォリオ、潤沢なフリーキャッシュ、十分な内部留保、低い鑑定LTV、コミットメントライン、格付など、不測の事態に備えて十分なリスク耐性を備えており、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響は一部の商業区画での賃料減免など限定的であった。外部成長戦略では資産の入替による収益増加、内部成長戦略では既存オフィスの収益減少を上回る既存レジデンスの収益増加、財務運営では借入費用の減少などによって、譲渡益等の一時的要因を除く賃貸収益ベースの利益は拡大した。物件譲渡益の剥落に伴いEPU(1口当たり当期純利益)は減少したものの、内部留保取り崩しによってDPU(1口当たり分配金)は期初予想を40円上回る2,890円(前期比90円増)となり、12期連続でスポンサー変更後の最高値を更新した。着実な成長に加えて、内部留保残高54.1億円、フリーキャッシュ残高79.1億円を有することが、継続的な物件取得、財務基盤の安定化、将来の安定的な分配金支払いなどを可能にしている。
3. 2022年5月期も譲渡損益を除く当期純利益・分配金は過去最高を予想
2022年5月期の業績予想については、営業収益6,826百万円(前期比0.7%減)、営業利益3,168百万円(同5.7%減)、経常利益2,749百万円(同7.5%減)、当期純利益2,748百万円(同7.5%減)、2022年11月期の業績予想については、営業収益6,807百万円(同0.3%減)、営業利益3,160百万円(同0.3%減)、経常利益2,731百万円(同0.7%減)、当期純利益2,730百万円(同0.7%減)を予想している。予想上は物件の売買を想定せず、物件譲渡益の剥落による利益減少を見込んでいるものの、2022年5月期は新規物件の寄与等により、譲渡損益を除く当期純利益は過去最高更新を見込む。レジデンスは新規取得2物件のリースアップ(テナント付け)を予定どおりに完了し、当期から巡航ベースでの通期寄与を見込み、繁忙期に臨む。以上のことから、EPUは減少するものの、潤沢な内部留保を取り崩すことで、2022年5月期のDPUは2,940円(前期比50円増)、2022年11月期も2,940円と過去最高水準を予想している。
4. 「NEXT VISION」では分配金3,300円、資産規模3,000億円、AA格付、再エネ導入割合100%を目指す
同REITは、中長期目標「NEXT VISION」で、分配金3,300円、資産規模3,000億円、AA格付、再生可能エネルギー導入割合100%を目標に掲げている。分配金の目標達成に向けては、資産規模拡大よる外部成長や、大きく残る賃料ギャップの回収を進める方針だ。資産規模拡大については、スポンサー・サポートによるパイプライン物件の開発・確保などにより、年間物件取得金額150~200億円を目指す。格付については、2021年11月期にA+(ポジティブ)となったことから、今後も資産規模拡大と財務体質改善によるAA格への格上げを目指し、投資口需要の拡大と流動性向上を目指す。これらに加え、サステナビリティ(ESGの観点から社会・企業を持続させて行く考え方)向上に向けて、再生可能エネルギー電力の導入割合100%の達成を目指す。2021年11月期末には、全物件で再生可能エネルギーへの切り替えを完了しており、「NEXT VISION」の目標達成に向けて、順調なスタートを切っていると言える。
5. 分配金の継続的な増加に伴い、投資家の評価もさらに高まると予想
同REITの投資口価格は、コロナ禍に伴う社会全体の景気・企業業績への不安に伴い、2020年3月に大きく下落した。しかし、感染症対策の進展もあり、投資口価格は東証リート指数を上回る回復基調で推移している。その結果、2022年1月27日現在のNAV倍率(1口当たり投資口価格/1口当たり純資産額)は1.07倍と、オフィス・レジデンス複合型REITの平均の0.96倍を上回っている。ただし同REITでは、入替戦略の推進、賃料増額改定、キャップレートの低下などに伴い、含み益は成長を続けている。加えて、今後も分配金の増加が継続すると期待されることから、投資家の評価は一層上がると見られる。さらに、同REITは環境認証の取得にも注力している。これらのサステナビリティへの積極的な取り組みが投資家に評価されていることも、同REITの投資口価格が堅調な一因と考えられる。
■Key Points
・東京都区部を中心とするオフィス・レジデンス複合型REITで、平和不動産のサポートが大きな強み
・2021年11月期業績ではコロナ禍の影響は限定的で、譲渡損益を除く当期純利益・分配金は過去最高を更新。DPUは12期連続でスポンサー変更後の最高値を更新
・2022年5月期は物件譲渡益の減少に伴い減益を見込むも、譲渡損益を除く当期純利益は過去最高の見込み。内部留保の活用により、DPUは過去最高を予想
・「NEXT VISION」では、分配金3,300円、資産規模3,000億円、AA格付、再生可能エネルギー導入割合100%を目指す
・コロナ禍の影響により2020年3月に投資口価格が下落するも、市場平均を上回る回復基調で推移。継続的な分配金の増加やサステナビリティへの取り組みが投資家から評価
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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1. 東京都区部に集中投資、平和不動産のサポートが大きな強み
平和不動産リート投資法人<8966>は、平和不動産<8803>グループの投資法人であり、中小規模の事業所数が多く、人口増加傾向が続く東京都区部を中心に、オフィス及びレジデンスに集中的に投資する複合型REITだ。全国各地の証券取引所やオフィスビルを所有・賃貸し、日本橋兜町・茅場町の再活性化及び札幌再開発事業化を推進する再開発事業などのデベロッパー事業を幅広く展開する平和不動産の経験とノウハウを最大限に活用できることが、同REITの大きな強みである。
2. 2021年11月期はコロナ禍の影響は軽微、譲渡損益を除く当期純利益・分配金は過去最高を更新
2021年11月期は、営業収益6,876百万円(前期比2.2%増)、営業利益3,361百万円(同1.6%増)、経常利益2,972百万円(同1.9%増)、当期純利益2,971百万円(同1.9%増)となり、営業収益及び各段階利益は、いずれも期初予想を上回って着地した。物件譲渡益は減少したものの、期初の公募増資時及び期中の物件取得が収益寄与し、譲渡損益を除く当期純利益は過去最高を更新した。分散の効いたポートフォリオ、潤沢なフリーキャッシュ、十分な内部留保、低い鑑定LTV、コミットメントライン、格付など、不測の事態に備えて十分なリスク耐性を備えており、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響は一部の商業区画での賃料減免など限定的であった。外部成長戦略では資産の入替による収益増加、内部成長戦略では既存オフィスの収益減少を上回る既存レジデンスの収益増加、財務運営では借入費用の減少などによって、譲渡益等の一時的要因を除く賃貸収益ベースの利益は拡大した。物件譲渡益の剥落に伴いEPU(1口当たり当期純利益)は減少したものの、内部留保取り崩しによってDPU(1口当たり分配金)は期初予想を40円上回る2,890円(前期比90円増)となり、12期連続でスポンサー変更後の最高値を更新した。着実な成長に加えて、内部留保残高54.1億円、フリーキャッシュ残高79.1億円を有することが、継続的な物件取得、財務基盤の安定化、将来の安定的な分配金支払いなどを可能にしている。
3. 2022年5月期も譲渡損益を除く当期純利益・分配金は過去最高を予想
2022年5月期の業績予想については、営業収益6,826百万円(前期比0.7%減)、営業利益3,168百万円(同5.7%減)、経常利益2,749百万円(同7.5%減)、当期純利益2,748百万円(同7.5%減)、2022年11月期の業績予想については、営業収益6,807百万円(同0.3%減)、営業利益3,160百万円(同0.3%減)、経常利益2,731百万円(同0.7%減)、当期純利益2,730百万円(同0.7%減)を予想している。予想上は物件の売買を想定せず、物件譲渡益の剥落による利益減少を見込んでいるものの、2022年5月期は新規物件の寄与等により、譲渡損益を除く当期純利益は過去最高更新を見込む。レジデンスは新規取得2物件のリースアップ(テナント付け)を予定どおりに完了し、当期から巡航ベースでの通期寄与を見込み、繁忙期に臨む。以上のことから、EPUは減少するものの、潤沢な内部留保を取り崩すことで、2022年5月期のDPUは2,940円(前期比50円増)、2022年11月期も2,940円と過去最高水準を予想している。
4. 「NEXT VISION」では分配金3,300円、資産規模3,000億円、AA格付、再エネ導入割合100%を目指す
同REITは、中長期目標「NEXT VISION」で、分配金3,300円、資産規模3,000億円、AA格付、再生可能エネルギー導入割合100%を目標に掲げている。分配金の目標達成に向けては、資産規模拡大よる外部成長や、大きく残る賃料ギャップの回収を進める方針だ。資産規模拡大については、スポンサー・サポートによるパイプライン物件の開発・確保などにより、年間物件取得金額150~200億円を目指す。格付については、2021年11月期にA+(ポジティブ)となったことから、今後も資産規模拡大と財務体質改善によるAA格への格上げを目指し、投資口需要の拡大と流動性向上を目指す。これらに加え、サステナビリティ(ESGの観点から社会・企業を持続させて行く考え方)向上に向けて、再生可能エネルギー電力の導入割合100%の達成を目指す。2021年11月期末には、全物件で再生可能エネルギーへの切り替えを完了しており、「NEXT VISION」の目標達成に向けて、順調なスタートを切っていると言える。
5. 分配金の継続的な増加に伴い、投資家の評価もさらに高まると予想
同REITの投資口価格は、コロナ禍に伴う社会全体の景気・企業業績への不安に伴い、2020年3月に大きく下落した。しかし、感染症対策の進展もあり、投資口価格は東証リート指数を上回る回復基調で推移している。その結果、2022年1月27日現在のNAV倍率(1口当たり投資口価格/1口当たり純資産額)は1.07倍と、オフィス・レジデンス複合型REITの平均の0.96倍を上回っている。ただし同REITでは、入替戦略の推進、賃料増額改定、キャップレートの低下などに伴い、含み益は成長を続けている。加えて、今後も分配金の増加が継続すると期待されることから、投資家の評価は一層上がると見られる。さらに、同REITは環境認証の取得にも注力している。これらのサステナビリティへの積極的な取り組みが投資家に評価されていることも、同REITの投資口価格が堅調な一因と考えられる。
■Key Points
・東京都区部を中心とするオフィス・レジデンス複合型REITで、平和不動産のサポートが大きな強み
・2021年11月期業績ではコロナ禍の影響は限定的で、譲渡損益を除く当期純利益・分配金は過去最高を更新。DPUは12期連続でスポンサー変更後の最高値を更新
・2022年5月期は物件譲渡益の減少に伴い減益を見込むも、譲渡損益を除く当期純利益は過去最高の見込み。内部留保の活用により、DPUは過去最高を予想
・「NEXT VISION」では、分配金3,300円、資産規模3,000億円、AA格付、再生可能エネルギー導入割合100%を目指す
・コロナ禍の影響により2020年3月に投資口価格が下落するも、市場平均を上回る回復基調で推移。継続的な分配金の増加やサステナビリティへの取り組みが投資家から評価
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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