主要消費財メーカー、米国での追加値上げ計画
[4日 ロイター] - 米主要消費財メーカーが今年、米国での価格を従来計画よりもさらに、または広範囲に引き上げる計画を発表した。ハーシーやクロロックスのほか、紙製品「クリネックス」を製造するキンバリー・クラークなどが含まれる。
メーカーは通常、年末に小売業者と翌年の値上げ計画を話し合う。しかし、各社幹部は最近の四半期決算報告時に、利益率を守るため今年はより積極的に対応していると表明した。
クロロックスは3日、6月末までに製品の85%を値上げする計画を発表した。従来計画していた製品の70%から引き上げ、一部のブランドでは複数回値上げする予定とした。
ケビン・ジェイコブセン最高財務責任者(CFO)は昨年10月に発表した値上げに加え、今後2四半期中に実施する追加値上げに関して「(幹部が)小売店と話し合っている」とし、「必要に応じ、さらに値上げする用意がある。(2022年6月末までの)現会計年度でインフレがどのように推移するかを見極めたい」と説明した。
チョコレートメーカーのハーシーは、22年3月末までの第1・四半期に実施する値上げに加え、22年前半に米国でさらに値上げすると発表した。新たな値上げを計画しているにもかかわらず、22年には粗利益率が低下すると予想している。
キンバリー・クラークは先週、パルプや人件費、輸送費の上昇が続いているのを背景に、21年の4回の値上げに続いてさらに価格を引き上げると発表した。
他の加工食品メーカーも消費者への割引の一部を取りやめ、値上げの影響が強まっている。
データ分析会社IRIによると、1月23日までの1週間で顧客への販売プロモーションが昨年に比べて最も大きく減ったのは冷凍スナックや冷蔵食品などの食品だった。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による需給の不均衡により、ビッグマックから家庭用消耗品まであらゆるものの価格が上昇し、21年の米インフレ率は40年弱ぶりの大きさとなった。
決算発表後の経営陣のコメントによると、世界的なサプライチェーン(供給網)の問題が続く中、企業はナッツや植物油、界面活性剤、プラスチックなどのコスト増に悩まされている。輸送費や人件費も上昇している。
シティグループによると、米大手上場飲料メーカー8社の調整後営業利益率は平均で20年の26.4%から21年には25.7%へ低下した。米家庭用品大手では、平均税引前利益率が19.6%から19.4%へ低下した。キンバリー・クラーク、クロロックス、コルゲート・パルモリーブの3社は、いずれも利益率が低下した。食品会社でも、平均利益率が17.3%から17.2%へ低下した。