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NY市場サマリー(3日)ユーロ/ドル3週間ぶり高値、利回り急伸 株反落

配信日時:2022/02/04 07:38 配信元:REUTERS

[3日 ロイター] -

<為替> ユーロが対米ドルで3週間ぶり高値を付けた。欧州中央銀行(ECB)理事会後のラガルド総裁の発言を受け、引き締めペースが速まるという観測が強まった。

ECBは3日に開催した理事会で、主要政策金利を予想通り据え置いた。同時にインフレリスクが増大していることを認め、年内に利上げに動く可能性を排除せず、ハト派スタンスからの転換が鮮明となった。ラガルド総裁は会見で「インフレは高止まりし、予想以上に長期化する公算が大きいが、今年を通じ鈍化する」と予想。ECBが政策行動を急がないとしつつも、これまでに示してきた年内利上げの「公算は極めて小さい」という発言を繰り返すことも避けた。

ユーロ/ドルは一時、1月14日以来の高値となる1.1452ドルに上昇。終盤の取引では1.2%高の1.1441ドル。1日の上昇率としては2020年12月初旬以来の高さとなる勢い。

ユーロ圏の短期金融市場では、80%の確率で6月に10ベーシスポイント(bp)の利上げが実施されるという見方が織り込まれたほか、年末までに計40bpの利上げが実施される可能性をほぼ完全に織り込んでいる。ラガルド総裁の会見前は90%の確率で計30bpの利上げが予想されていた。

ポンドは対ユーロで一時2年ぶり高値を更新。イングランド銀行(英中央銀行)は3日、金融政策委員9人のうち5人の賛成多数で政策金利を0.25%から0.50%に引き上げると決定。インフレ高進が懸念されるなか、4人は0.50%ポイントの利上げを主張した。

ただ、ラガルドECB総裁のタカ派的な発言を受け、ポンドは下げに転じ、終盤の取引でユーロ/ポンドは0.1%高の84.09ペンス。

ポンド/ドルは0.2%高の1.3598ドル。

主要通貨に対するドル指数は0.7%安の95.311。1日としては21年5月以来の大幅安となる見通し。

リフィニティブのデータによると、米連邦準備理事会(FRB)が3月に0.25%ポイント引き上げ、今年は計5回の利上げが行われると予想されている。またフェデラル・ファンド(FF)金利先物市場では、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で50bpの利上げが実施される確率を約20%織り込んでいる。

4日発表される1月の米雇用統計が注目される。ロイターの調査によると、1月の非農業部門雇用者数は15万人増と、前月から伸びが鈍化し、失業率は3.9%で横ばいで推移することが予想されている。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 米債利回りが急上昇した。英中銀のタカ派的な利上げを受けた。

英中銀は3日、金融政策委員9人のうち5人の賛成多数で政策金利を0.25%から0.50%に引き上げると決定した。インフレ高進が懸念されるなか、4人は0.50%ポイントの利上げを主張した。

米10年債利回りは終盤で1.822%。一時1.847%と1月28日以来の高水準を付けた。

2年物利回りは1.188%に上昇した。

2・10年債の利回り差は63ベーシスポイント(bp)に拡大した。

物価連動国債(TIPS)利回りも上昇。30年物TIPSは0%に接近した。終盤はマイナス0.022%だった。

米労働省が3日に発表した1月29日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比2万3000件減の23万8000件となった。市場予想(24万5000件)以上に減少し、1月に想定された雇用の伸び鈍化が一時的なものである可能性が高いことを示唆した。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 米国株式市場は5営業日ぶりに反落して取引を終えた。フェイスブックを手掛けるメタ・プラットフォームズが業績見通しへの失望感から急落し、他のIT大手の好決算を受けたこのところの相場回復にストップがかかった。

メタが前日に発表した第1・四半期の売上高見通しは市場予想を下回り、同社はその理由として、アップルのプライバシー規約変更や中国発の動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」などとの競争激化を挙げた。

メタの株価は26.4%急落し、ロイターの算出によると、時価総額は2000億ドル超減少。米企業が1日で失った時価総額としては、アップルが2020年9月3日に記録した1800億ドルを超えて過去最大となった。

ロイターの算出によると、メタの下落でナスダックの時価総額は0.9%、S&P500の時価総額は0.6%、それぞれ減少。この日の下落率はナスダックが20年9月、S&P500が21年2月以来の大きさとなった。

他のソーシャルメディア企業も売られ、ツイッターは5.6%安。ピンタレストは10.3%、スナップは23.6%、それぞれ急落した。

IT大手のアルファベットやマイクロソフトも3%超下落。アマゾン・ドット・コムは引け後の決算発表を前に7.8%安となった。

決済大手ペイパル・ホールディングスの決算を嫌気して前日に売られたフィンテック銘柄はこの日も軟調。これらの銘柄は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴うデジタル決済の普及で恩恵を受けたが、高バリュエーションが今年も正当化されるか疑問視する声が上がっている。

ペイパルは6.2%安。ブロック、アファーム・ホールディングス、ソフィ・テクノロジーズは4.9─11%下落した。

一方、TモバイルUSは決算と業績見通しを好感して10.2%高となった。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 米長期金利の上昇を背景に、4営業日ぶりに反落した。4月物の清算値(終値に相当)は前日比6.20ドル(0.34%)安の1オンス=1804.10ドル。

英中銀はこの日の金融政策委員会で、政策金利を25bp引き上げ、0.5%にすると決めたと発表。FRBによる利上 げの動きが改めて意識され、米長期金利が上昇。これが重しとなり、金利を生まない資産である金は一時1788ドル台まで下落した。市場の関心は4日に発表される米雇用統計に集まっている。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> ウクライナ情勢の緊迫化や有力産油国の追加増産見送り決定が支援材料となる中、続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月3月物の清算値(終値に相当)は前日比2.01ドル(2.28%)高の1バレル=90.27ドル。中心限月の清算値としては2014年10月以来約7年4カ月ぶりに90ドル台に乗せた。4月物は1.76ドル高の88.45ドルだった。

石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は2日、3月も追加増産を見送り、産油量を毎月40万バレルずつ引き上げる従来の小幅な増産方針を維持した。世界的なエネルギー需要が回復する中で小幅な増産方針が維持されたことで、需給引き締まり観測が強まり、原油の買い地合いが前日から継続した。

また、主要産油国であるロシアがウクライナに軍事侵攻し、欧米が制裁に踏み切れば供給逼迫(ひっぱく)は免れないとの観測も相場を支えた。外国為替市場では対ユーロでドルが下落し、ドル建て商品として割安感が強まったことも原油の追い風となった。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 114.95/114.99

始値 114.82

高値 114.98

安値 114.74

ユーロ/ドル NY終値 1.1438/1.1442

始値 1.1279

高値 1.1451

安値 1.1268

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 93*27.00 2.1562%

前営業日終値 95*05.50 2.0940%

10年債(指標銘柄) 17時05分 95*28.50 1.8360%

前営業日終値 96*16.00 1.7660%

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*05.50 1.6737%

前営業日終値 99*16.75 1.6000%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*11.50 1.2019%

前営業日終値 99*14.38 1.1560%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 35111.16 -518.17 -1.45

前営業日終値 35629.33

ナスダック総合 13878.82 -538.73 -3.74

前営業日終値 14417.55

S&P総合500種 4477.44 -111.94 -2.44

前営業日終値 4589.38

COMEX金 4月限 1804.1 ‐6.2

前営業日終値 1810.3

COMEX銀 3月限 2237.5 ‐33.2

前営業日終値 2270.7

北海ブレント 4月限 91.11 +1.64

前営業日終値 89.47

米WTI先物 3月限 90.27 +2.01

前営業日終値 88.26

CRB商品指数 259.9909 +0.5030

前営業日終値 259.4879

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