NY外為市場=ドル軟調、大型歳出法案やオミクロン株懸念が重し
[ニューヨーク 20日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルが下落した。米民主党穏健派のジョー・マンチン上院議員が前日にバイデン大統領の看板政策である大型歳出法案を支持しないと表明したことに加え、新型コロナウイルスのオミクロン変異株の感染拡大を受け米中期債の利回りが低下したことなどが背景。
終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.1%安の96.532。
BKアセットマネジメントのマネジング・ディレクター、キャシー・リエン氏は「オミクロン株懸念で株価が下落していることもあり、年末特有の調整が入っている」との見方を示した。
マンチン議員は19日、1兆7500億ドル規模の気候変動・社会保障関連歳出法案「ビルド・バック・ベター(よりよき再建)」を支持しないと表明。声明で、民主党がパンデミック(世界的大流行)や地政学的脅威への米国の対応能力を「大きく阻害する」債務負担の増加を推し進めていると非難した。
これを受け、米ゴールドマン・サックスが来年の四半期ベースの米国内総生産(GDP)予測を下方修正するなどの動きが出た。
世界主要中央銀行の一連の政策決定会合が終わったことで、市場の注目がオミクロン株の急速な拡大に戻る中、オランダが19日にロックダウン(都市封鎖)入り。この日は英国のジョンソン首相がオミクロン株の抑制に向けあらゆる措置の導入を検討していると述べたほか、ドイツのショルツ首相は21日に予定される州首相との会合で、人との接触を減らす制限措置強化や追加接種の加速を巡り検討すると明らかにした。
MUFGの外為アナリスト、リー・ハードマン氏は顧客へのノートで「オミクロン株による破壊的な影響に関連する事実が週末の間に出てきたことで、投資家心理が傷ついた」としている。
欧州で一段の抑制措置が導入されるとの懸念から高リスク通貨が売られ、豪ドルは0.2%安。
英ポンドは対ドルで0.3%下落し、5日ぶり安値を付けた。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインはほぼ横ばいの4万6939.87ドル。
ドル/円 NY終値 113.58/113.61
始値 113.67
高値 113.72
安値 113.34
ユーロ/ドル NY終値 1.1275/1.1279
始値 1.1269
高値 1.1303
安値 1.1269