NY市場サマリー(14日)ドル上昇、株式続落 利回り上昇
[14日 ロイター] - <為替> ニューヨーク外為市場では、米連邦準備理事会(FRB)がタカ派姿勢を維持するとの観測からドル指数が1週間ぶりの高値を付けた。
米労働省が朝方発表した11月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比0.8%上昇、前年同月比9.6%上昇した。供給網の混乱が続く中、前年同月比では2010年11月以来の大幅な伸びとなった。これを受け、FRBはこの日から2日間の日程で開始した連邦公開市場委員会(FOMC)でテーパリング(量的緩和の縮小)の加速を決定するとの観測が高まっている。
主要6通貨に対するドル指数は96.493と、今月7日以来の高値を更新。終盤の取引では96.304と、ほぼ横ばい。
今週はFRBのほか、欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行(英中央銀行)、スイス国立銀行(SNB)、日銀などが政策決定会合を開催。短期金融市場ではFRBは来年6月までに利上げに踏み切るとの見方が出ているが、他の主要中銀による利上げの見通しは出てない。
ユーロは0.07%安の1.1278ドル。独IFO経済研究所が持続的な供給制約と新型コロナウイルス流行第4波がドイツ経済の回復をさらに遅らせているとして、2022年の成長率予測を9月時点の5.1%から3.7%に引き下げたことを受け、ユーロは下落していた。
ドルは対円でほぼ横ばいの113.565円。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは前日に付けた今月4日以来の安値からは上げたものの、11月初めに付けた過去最高値からは約30%低い水準にある。
<債券> 米金融・債券市場では、米債利回りがイールドカーブ(利回り曲線)全体にわたって上昇した。ただ、この日の高水準からは上昇幅を縮めた。2010年以来の大幅な伸びとなった米卸売物価を受け、FRBが14─15日のFOMCでタカ派的な声明を出すとの見方が強まった。
米労働省が14日に発表した11月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比0.8%上昇、前年同月比9.6%上昇した。供給網の混乱が続く中、前年同月比では2010年11月以来の大幅な伸びとなり、当面はインフレ高進が継続するとの見方が裏付けられた。
BMOキャピタル・マーケッツの金利ストラテジスト、ベン・ジェフェリー氏は「きょうの動きは主に朝方に発表された米卸売物価を受けたものだ」と指摘。あすのFOMCの結果発表を控えポジション調整の債券売りも出たと述べた。
FRBは15日に、資産買い入れの縮小加速を示唆する見通し。これにより利上げ開始時期が前倒しされる可能性もある。
10年債利回りは1.5ベーシスポイント(bp)上昇の1.439%。30年債利回りは1.2bp上昇の1.825%。
序盤にややスティープ化していたイールドカーブは午後にフラット化。今月に入り80bp前後と比較的狭いレンジで推移している。
2・10年債の利回り差は77.9bpと前日終盤の78.1bpから縮小した。
2年債利回りは1.4bp上昇の0.659%だった。
物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物が2.698%。前日は2.732%だった。10年物は2.403%だった。
<株式> 米国株式市場は続落して取引を終えた。11月の卸売物価指数(PPI)上昇率が市場予想を上回り、14─15日のFOMCで資産買い入れペースのさらなる縮小が発表されるとの見方が強まった。
新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の急速な感染拡大も投資家心理を冷やした。
大型ハイテク関連株が下げを主導し、セールスフォース・ドットコムやマイクロソフト、アドビ、アルファベットがS&P総合500種とナスダック総合を下押しした。
アップルも0.8%下落したが、一時の安値からは下げ幅を縮小して引けた。同社はこの日、新型コロナ感染者急増を踏まえ、米国内の店舗で全ての顧客と従業員に対するマスク着用義務を再導入すると発表した。
S&P500の主要11セクターのうち10セクターが下落し、情報技術は1.6%安。一方、FOMCでタカ派的なトーンが打ち出されるとの見方から、金融は0.6%高となった。
バークシャー・ハザウェイとバンク・オブ・アメリカはともに1%超上昇した。
ファイザーは0.6%高。開発中の新型コロナ経口治療薬「パクスロビド」について、重症化リスクのある患者の入院や死亡の予防で約90%有効であることを示す最終分析を発表し、オミクロン株に対しても効果がある可能性が示されたと明らかにした。
ビヨンド・ミートは9.3%高。パイパー・サンドラーが投資判断を「アンダーウエート」から「ニュートラル」に引き上げた。
<金先物> 米長期金利の上昇とドル高が重しとなり、3営業日ぶりに反落した。中心限月2月物 の清算値(終値に相当)は前日比16.00ドル(0.89%)安の1オンス=1772. 30ドル。
<米原油先物> 世界エネルギー需給の先行き不透明感が重しとなり、続落した。米国産標準油種WT Iの中心限月1月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.56ドル(0.79%)安の 1バレル=70.73ドル。2月物は0.54ドル安の70.52ドルだった。
ドル/円 NY終値 113.71/113.74
始値 113.52
高値 113.75
安値 113.44
ユーロ/ドル NY終値 1.1257/1.1261
始値 1.1318
高値 1.1321
安値 1.1254
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 101*03.50 1.8267%
前営業日終値 101*14.00 1.8130%
10年債(指標銘柄) 17時05分 99*12.50 1.4411%
前営業日終値 99*17.50 1.4240%
5年債(指標銘柄) 17時05分 100*02.50 1.2337%
前営業日終値 100*05.50 1.2140%
2年債(指標銘柄) 17時04分 99*22.25 0.6568%
前営業日終値 99*23.00 0.6450%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 35544.18 -106.77 -0.30
前営業日終値 35650.95
ナスダック総合 15237.64 -175.64 -1.14
前営業日終値 15413.28
S&P総合500種 4634.09 -34.88 -0.75
前営業日終値 4668.97
COMEX金 2月限 1772.3 ‐16.0
前営業日終値 1788.3
COMEX銀 3月限 2192.4 ‐40.4
前営業日終値 2232.8
北海ブレント 2月限 73.70 ‐0.69
前営業日終値 74.39
米WTI先物 1月限 70.73 ‐0.56
前営業日終値 71.29
CRB商品指数 224.3261 ‐1.0263
前営業日終値 225.3524