後場の投資戦略
FOMCは波乱なしであく抜け上昇?
配信日時:2021/12/13 12:11
配信元:FISCO
[日経平均株価・TOPIX(表)]
日経平均;28696.68;+258.91TOPIX;1982.83;+7.35
[後場の投資戦略]
週明けの日経平均は大幅反発。警戒されていた11月の米CPIは前月比での伸びが+0.8%と市場予想の+0.7%を上回ったが、変動の激しい食品・エネルギーを除いたコアでは+0.5%と市場予想と一致。記録的な高い伸びとはなったが、事前に警戒されていたこともあり、想定内との受け止めから、相場はポジティブに反応した。週明けの東京市場でも、半導体関連を中心にハイテク株に買いが先行している。しかし、関連株は先週末に値を崩していたものが多く、下げた分を取り戻したに過ぎず、14日からの米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に投資家のポジションが強気に傾いたわけではないだろう。
前場の日経平均も一時300円超の上げ幅となったが、先週同様に200日移動平均線が位置する28800円手前では伸び悩む展開となっている。依然としてFOMCを確認するまでは相場の方向感は不透明だ。
一方、米国ではアップルが上場来高値を更新したほか、マイクロソフトも大幅高で上場来高値を窺う位置にあるなど、ハイテク株の強さが改めて注目されている。こうしたハイテク株高もあり、S&P500指数にいたっては既に史上最高値を更新している。FOMCを前にしたこの強さに安心感を抱いていいのかどうかは正直難しい。米連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策の誘導目標とするフェデラル・ファンドレート(FFレート)の金利先物市場の動きからは、オミクロン株が出現する前から、FRBの量的緩和縮小(テーパリング)の加速を織り込む形で来年3回の利上げを織り込んでいた。一時、年1~2回に後退していたが、オミクロン株の脅威が後退するとともに再び年3回の利上げを織り込んできている。
米ハイテク株の強さやS&P500の史上最高値更新が、こうしたFRBのタカ派を織り込んだうえでの動きなのか、それとも、金利先物市場ほどにはタカ派になることはないと見込んでいるのかは定かではない。こればかりは蓋を開けてみないと分からないだろう。ただ、FRBのパウエル議長は次期議長の再任が決まった際から、明らかに姿勢が急速にタカ派にシフトしている。こうした変化の背景には、インフレ高止まりを要因に支持率が低迷しているバイデン大統領からの圧力があったのではないかと思わず勘ぐってしまう。そのバイデン大統領は、11月のCPI発表直後には「物価上昇は鈍化しはじめている」とし、インフレ抑制に躍起だ。
このため、今回のFOMCは、ドットチャートも注目だが、タカ派にシフトしたと思われるパウエル議長の記者会見にも注目だろう。さすがに、ドットチャートでいきなり中央値が年3回の利上げになることはないだろうとは思う。また、テーパー・タントラムの再来を防ぐために長い間、粘り強く慎重に市場と対話し続けてきたパウエル議長が、仮にバイデン大統領からの圧力を受けていたとしても、相場にサプライズをもたらすような過度なタカ派発言をするとも思えない。
しかし、もし万が一、米ハイテク株の強さやS&P500の史上最高値がこうした筆者同様の「さすがに~はないだろう」で成り立っているとしたら、先行きは危うい。次期FRB議長の再任が決まった際のように、パウエル議長が想定外のタカ派発言をしないようにと願うばかりだ。
さて、後場の日経平均は引き続き上値が軽いとはいえずとも、堅調な動きが想定される。上海総合指数がしっかりなうえ、香港ハンセン指数は大幅に上昇、時間外の米株価指数先物も軒並み堅調で、外部環境は良好だ。一方、14日からのFOMCが直前なだけに、様子見ムードも強く、大引けにかけては改めて上げ幅を縮める動きも想定される。
<AK>
日経平均;28696.68;+258.91TOPIX;1982.83;+7.35
[後場の投資戦略]
週明けの日経平均は大幅反発。警戒されていた11月の米CPIは前月比での伸びが+0.8%と市場予想の+0.7%を上回ったが、変動の激しい食品・エネルギーを除いたコアでは+0.5%と市場予想と一致。記録的な高い伸びとはなったが、事前に警戒されていたこともあり、想定内との受け止めから、相場はポジティブに反応した。週明けの東京市場でも、半導体関連を中心にハイテク株に買いが先行している。しかし、関連株は先週末に値を崩していたものが多く、下げた分を取り戻したに過ぎず、14日からの米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に投資家のポジションが強気に傾いたわけではないだろう。
前場の日経平均も一時300円超の上げ幅となったが、先週同様に200日移動平均線が位置する28800円手前では伸び悩む展開となっている。依然としてFOMCを確認するまでは相場の方向感は不透明だ。
一方、米国ではアップルが上場来高値を更新したほか、マイクロソフトも大幅高で上場来高値を窺う位置にあるなど、ハイテク株の強さが改めて注目されている。こうしたハイテク株高もあり、S&P500指数にいたっては既に史上最高値を更新している。FOMCを前にしたこの強さに安心感を抱いていいのかどうかは正直難しい。米連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策の誘導目標とするフェデラル・ファンドレート(FFレート)の金利先物市場の動きからは、オミクロン株が出現する前から、FRBの量的緩和縮小(テーパリング)の加速を織り込む形で来年3回の利上げを織り込んでいた。一時、年1~2回に後退していたが、オミクロン株の脅威が後退するとともに再び年3回の利上げを織り込んできている。
米ハイテク株の強さやS&P500の史上最高値更新が、こうしたFRBのタカ派を織り込んだうえでの動きなのか、それとも、金利先物市場ほどにはタカ派になることはないと見込んでいるのかは定かではない。こればかりは蓋を開けてみないと分からないだろう。ただ、FRBのパウエル議長は次期議長の再任が決まった際から、明らかに姿勢が急速にタカ派にシフトしている。こうした変化の背景には、インフレ高止まりを要因に支持率が低迷しているバイデン大統領からの圧力があったのではないかと思わず勘ぐってしまう。そのバイデン大統領は、11月のCPI発表直後には「物価上昇は鈍化しはじめている」とし、インフレ抑制に躍起だ。
このため、今回のFOMCは、ドットチャートも注目だが、タカ派にシフトしたと思われるパウエル議長の記者会見にも注目だろう。さすがに、ドットチャートでいきなり中央値が年3回の利上げになることはないだろうとは思う。また、テーパー・タントラムの再来を防ぐために長い間、粘り強く慎重に市場と対話し続けてきたパウエル議長が、仮にバイデン大統領からの圧力を受けていたとしても、相場にサプライズをもたらすような過度なタカ派発言をするとも思えない。
しかし、もし万が一、米ハイテク株の強さやS&P500の史上最高値がこうした筆者同様の「さすがに~はないだろう」で成り立っているとしたら、先行きは危うい。次期FRB議長の再任が決まった際のように、パウエル議長が想定外のタカ派発言をしないようにと願うばかりだ。
さて、後場の日経平均は引き続き上値が軽いとはいえずとも、堅調な動きが想定される。上海総合指数がしっかりなうえ、香港ハンセン指数は大幅に上昇、時間外の米株価指数先物も軒並み堅調で、外部環境は良好だ。一方、14日からのFOMCが直前なだけに、様子見ムードも強く、大引けにかけては改めて上げ幅を縮める動きも想定される。
<AK>
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