注目トピックス 日本株
アイリック Research Memo(1):保険分析・販売支援プラットフォーマーのFintech企業
配信日時:2021/10/06 16:01
配信元:FISCO
■要約
アイリックコーポレーション<7325>は、企業テーマに「人と保険の未来をつなぐ~Fintech Innovation~」を掲げている。自社開発のシステム・サービスを活用し、保険分析・販売支援プラットフォーマーとして事業展開するFintech企業である。
1. 来店型保険ショップ、保険分析・販売支援ソリューション、「スマートOCR」を展開
自社開発した業界唯一のワンストップ型保険分析・検索システム「保険IQシステム」を活用して、来店型保険ショップ「保険クリニック」を直営とFCで全国展開するとともに、保険分析・販売支援プラットフォーマーとして金融機関や保険代理店向けのシステム販売も行っている。また、AIを搭載した非定型帳票対応の次世代型光学的文字認識システム「スマートOCR(AI-OCR)」関連を成長分野と位置付けている。セグメント区分は、保険販売事業(「保険クリニック」直営店運営の直営店部門、法人向け訪問型保険販売の法人営業部門)、ソリューション事業(システム提供のAS部門、「保険クリニック」FC展開のFC部門)、及びシステム事業(子会社(株)インフォディオの「スマートOCR」関連)としている。
2. 自社開発システムによるワンストップソリューションが強み
保険販売(訪問型、来店型)は競合の多い市場だが、コンサルティングから契約まで業界唯一のシステムを自社開発して、ワンストップソリューションで展開していることが強み・競合優位性となっている。店舗数は増加基調で、成約率も上昇基調である。2020年11月にはオリコン顧客満足度(R)ランキング「来店型保険ショップ」で「保険クリニック」が総合第1位を獲得した。市場環境として、かつては90%前後を占めていた生命保険営業員からの加入比率が低下し、一方で保険代理店からの加入比率が上昇基調である。同社にとって市場環境は良好と言えるだろう。
3. 2021年6月期は2ケタ増収だが先行投資で減益
2021年6月期連結業績は、売上高が前期比11.3%増の4,638百万円、営業利益が同23.7%減の365百万円、経常利益が同23.4%減の374百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同27.8%減の233百万円となった。売上面は直営店部門の堅調推移、FC部門やシステム事業の大幅伸長などで2ケタ増収となったが、利益面はシステム事業の「スマートOCR」大型案件のカスタマイズで売上原価が増加し、先行投資に伴う販管費の増加(新規出店に伴う人件費や家賃の増加、TVCM費用の増加)などにより減益となった。
4. 2022年6月期は大幅増収増益予想
2022年6月期連結業績予想は、売上高が前期比20.0%増の5,564百万円、営業利益が同50.3%増の550百万円、経常利益が同48.8%増の557百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同49.6%増の349百万円としている。中期経営計画で1年目の2021年6月期と2年目の2022年6月期を「投資・準備期間」と位置付けて、システム投資、店舗網拡大、広告宣伝活動など戦略的な先行投資実行で販管費が増加する見込みだが、主力事業がおおむね順調に推移して大幅増収増益予想としている。なお下期偏重の計画としている。新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の影響が和らいだうえで積極的な事業展開ができれば、会社予想に上振れ余地があると弊社では考えている。
5. 成長分野の「スマートOCR」の拡大も推進
「3年後のあるべき姿」を策定し、目標数値には2023年6月期の売上高70億円、営業利益10億円を掲げている。2021年6月期と2022年6月期は「投資・準備期間」と位置付けて、システム投資、人財投資、広告宣伝投資など戦略的な先行投資を実行する。このため売上の増加に比べて、利益の伸びは小幅にとどまる計画としている。そして2023年6月期を「成長の年」として目標値の達成を目指す。保険分析・販売支援のプラットフォーマーとして収益拡大を図るとともに、成長分野と位置付ける「スマートOCR」の拡大も推進し、Fintech企業としての成長を目指す方針だ。中期的に高成長が期待できると弊社では考えている。
■Key Points
・自社開発システムを活用し、保険分析・販売支援プラットフォーマーとして事業展開するFintech企業
・2022年6月期は大幅増収増益予想
・成長分野の「スマートOCR」の拡販も推進
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<EY>
アイリックコーポレーション<7325>は、企業テーマに「人と保険の未来をつなぐ~Fintech Innovation~」を掲げている。自社開発のシステム・サービスを活用し、保険分析・販売支援プラットフォーマーとして事業展開するFintech企業である。
1. 来店型保険ショップ、保険分析・販売支援ソリューション、「スマートOCR」を展開
自社開発した業界唯一のワンストップ型保険分析・検索システム「保険IQシステム」を活用して、来店型保険ショップ「保険クリニック」を直営とFCで全国展開するとともに、保険分析・販売支援プラットフォーマーとして金融機関や保険代理店向けのシステム販売も行っている。また、AIを搭載した非定型帳票対応の次世代型光学的文字認識システム「スマートOCR(AI-OCR)」関連を成長分野と位置付けている。セグメント区分は、保険販売事業(「保険クリニック」直営店運営の直営店部門、法人向け訪問型保険販売の法人営業部門)、ソリューション事業(システム提供のAS部門、「保険クリニック」FC展開のFC部門)、及びシステム事業(子会社(株)インフォディオの「スマートOCR」関連)としている。
2. 自社開発システムによるワンストップソリューションが強み
保険販売(訪問型、来店型)は競合の多い市場だが、コンサルティングから契約まで業界唯一のシステムを自社開発して、ワンストップソリューションで展開していることが強み・競合優位性となっている。店舗数は増加基調で、成約率も上昇基調である。2020年11月にはオリコン顧客満足度(R)ランキング「来店型保険ショップ」で「保険クリニック」が総合第1位を獲得した。市場環境として、かつては90%前後を占めていた生命保険営業員からの加入比率が低下し、一方で保険代理店からの加入比率が上昇基調である。同社にとって市場環境は良好と言えるだろう。
3. 2021年6月期は2ケタ増収だが先行投資で減益
2021年6月期連結業績は、売上高が前期比11.3%増の4,638百万円、営業利益が同23.7%減の365百万円、経常利益が同23.4%減の374百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同27.8%減の233百万円となった。売上面は直営店部門の堅調推移、FC部門やシステム事業の大幅伸長などで2ケタ増収となったが、利益面はシステム事業の「スマートOCR」大型案件のカスタマイズで売上原価が増加し、先行投資に伴う販管費の増加(新規出店に伴う人件費や家賃の増加、TVCM費用の増加)などにより減益となった。
4. 2022年6月期は大幅増収増益予想
2022年6月期連結業績予想は、売上高が前期比20.0%増の5,564百万円、営業利益が同50.3%増の550百万円、経常利益が同48.8%増の557百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同49.6%増の349百万円としている。中期経営計画で1年目の2021年6月期と2年目の2022年6月期を「投資・準備期間」と位置付けて、システム投資、店舗網拡大、広告宣伝活動など戦略的な先行投資実行で販管費が増加する見込みだが、主力事業がおおむね順調に推移して大幅増収増益予想としている。なお下期偏重の計画としている。新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の影響が和らいだうえで積極的な事業展開ができれば、会社予想に上振れ余地があると弊社では考えている。
5. 成長分野の「スマートOCR」の拡大も推進
「3年後のあるべき姿」を策定し、目標数値には2023年6月期の売上高70億円、営業利益10億円を掲げている。2021年6月期と2022年6月期は「投資・準備期間」と位置付けて、システム投資、人財投資、広告宣伝投資など戦略的な先行投資を実行する。このため売上の増加に比べて、利益の伸びは小幅にとどまる計画としている。そして2023年6月期を「成長の年」として目標値の達成を目指す。保険分析・販売支援のプラットフォーマーとして収益拡大を図るとともに、成長分野と位置付ける「スマートOCR」の拡大も推進し、Fintech企業としての成長を目指す方針だ。中期的に高成長が期待できると弊社では考えている。
■Key Points
・自社開発システムを活用し、保険分析・販売支援プラットフォーマーとして事業展開するFintech企業
・2022年6月期は大幅増収増益予想
・成長分野の「スマートOCR」の拡販も推進
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<EY>
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