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トレードワークス Research Memo(5):2021年12月期の営業利益は前期比2倍増と急回復する見通し
配信日時:2021/09/17 16:05
配信元:FISCO
■今後の見通し
1. 2021年12月期の業績見通し
トレードワークス<3997>の2021年12月期は売上高で前期比18.4%増の2,500百万円、営業利益で同114.4%増の230百万円、経常利益で同113.0%増の230百万円、当期純利益で同118.2%増の160百万円と期初会社計画を据え置いた。売上高は過去最高を2期連続で更新し、各利益は3期ぶりの増益に転じる見通しだ。
下期の売上高は金融ソリューション事業における新規顧客向けシステムのリリースが複数案件予定されており、第2四半期との比較で第3四半期、第4四半期と右肩上がりに増加する見込みとなっている。いずれも新規参入のインターネット証券会社で、フロー型となる開発収入とストック収入を獲得していくことになる。開発プロジェクトは複数年にまたがっており、2022年以降も段階的に機能を追加していく予定だ。下期はフロー型売上が増加することから、ストック売上比率については通期で6割前後の水準になると予想される。
一方、営業利益に関しては第2四半期並みの水準が続く前提となっている。これは、新規顧客向け案件について原価高になることを想定していることや(派遣を活用することを前提)、人材獲得のための採用費の増加を見込んでいるためだ。人員については通期で約20名の採用を見込んでいる(第2四半期までに8名採用)。また、投資情報などコンテンツの仕入コストについては仕入れ先との交渉により着実に低減が進んでいる。なお、外注費については社内エンジニアの育成により抑制していくことが可能と見られ、利益ベースでは保守的な予算になっていると弊社では見ている。
事業別売上高では、金融ソリューション事業で増収を見込んでいるほか、FXシステム事業も若干の増収を見込んでいる。同事業に関しては遅延していた案件が下期に売上計上される見込みとなっている。引き続きシステムの機能拡充と営業体制の強化により、新規顧客の開拓を進めていく。現在は営業1名にプリセールス1名の2名体制となっており、顧客開拓のためには増員が必要になると見ている。また、セキュリティ診断事業は既存顧客の更新契約が進むことで通期でも増収となる見通しだ。
2021年12月期における重点施策として同社は、「成長戦略の更なる推進」と「収益性向上への取り組み強化」をテーマに掲げ、以下の施策を推進している。
(1) 「成長戦略の更なる推進」
持続的な成長を実現していくため、フロー型からストック型へのビジネスモデルへの転換を推進していくほか、データセンター等の戦略投資の継続、主力事業の深耕・領域の拡大、新領域への進出とその事業確立、働き方改革や人手不足解消など生産性向上をテーマとした高需要領域への進出、ニューノーマル時代への戦略強化などに取り組んでいく。前述のとおりフロー型からストック型へのビジネスモデル転換については順調に進んでおり、クラウドECプラットフォームの開発など新領域への進出に向けた取り組みも具体的に動き始めている。下期においてもこうした取り組みをさらに推進していく方針だ。
(2) 「収益性向上への取り組み強化」
収益性向上のため、プロジェクトマネジメント力のさらなる強化と金融知識を有するエンジニアの育成による自社開発力の強化を推進していく。また人材の採用を強化し、金融知識・技術のスキル向上のための教育体制の充実・強化(オンライン教育の活用含む)を図っていく。同社の場合、システムエンジニアの基本スキルであるプログラミング能力だけでなく複雑な金融商品や法規制など関連知識も身に付けることが重要で、「金融×IT」のスキルを兼ね備えることで顧客が求める品質の高い製品・サービスの開発が可能になると考えている。例えば、エンジニアが顧客の悩みを聞き、翌日には問題解決の方策を提案できるレベルにまでなることを目標としている。エンジニアがこうした金融の知識を身に付け戦力化するまでには最低2年程度かかると同社は見ており、継続的な収益成長を目指すために今後も計画的な人材採用及び育成を進めていく方針だ。そのほか、顧客との関係構築をより強固なものとするため顧客資産や技術情報などの連携体制の強化・確立に取り組んでいく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
1. 2021年12月期の業績見通し
トレードワークス<3997>の2021年12月期は売上高で前期比18.4%増の2,500百万円、営業利益で同114.4%増の230百万円、経常利益で同113.0%増の230百万円、当期純利益で同118.2%増の160百万円と期初会社計画を据え置いた。売上高は過去最高を2期連続で更新し、各利益は3期ぶりの増益に転じる見通しだ。
下期の売上高は金融ソリューション事業における新規顧客向けシステムのリリースが複数案件予定されており、第2四半期との比較で第3四半期、第4四半期と右肩上がりに増加する見込みとなっている。いずれも新規参入のインターネット証券会社で、フロー型となる開発収入とストック収入を獲得していくことになる。開発プロジェクトは複数年にまたがっており、2022年以降も段階的に機能を追加していく予定だ。下期はフロー型売上が増加することから、ストック売上比率については通期で6割前後の水準になると予想される。
一方、営業利益に関しては第2四半期並みの水準が続く前提となっている。これは、新規顧客向け案件について原価高になることを想定していることや(派遣を活用することを前提)、人材獲得のための採用費の増加を見込んでいるためだ。人員については通期で約20名の採用を見込んでいる(第2四半期までに8名採用)。また、投資情報などコンテンツの仕入コストについては仕入れ先との交渉により着実に低減が進んでいる。なお、外注費については社内エンジニアの育成により抑制していくことが可能と見られ、利益ベースでは保守的な予算になっていると弊社では見ている。
事業別売上高では、金融ソリューション事業で増収を見込んでいるほか、FXシステム事業も若干の増収を見込んでいる。同事業に関しては遅延していた案件が下期に売上計上される見込みとなっている。引き続きシステムの機能拡充と営業体制の強化により、新規顧客の開拓を進めていく。現在は営業1名にプリセールス1名の2名体制となっており、顧客開拓のためには増員が必要になると見ている。また、セキュリティ診断事業は既存顧客の更新契約が進むことで通期でも増収となる見通しだ。
2021年12月期における重点施策として同社は、「成長戦略の更なる推進」と「収益性向上への取り組み強化」をテーマに掲げ、以下の施策を推進している。
(1) 「成長戦略の更なる推進」
持続的な成長を実現していくため、フロー型からストック型へのビジネスモデルへの転換を推進していくほか、データセンター等の戦略投資の継続、主力事業の深耕・領域の拡大、新領域への進出とその事業確立、働き方改革や人手不足解消など生産性向上をテーマとした高需要領域への進出、ニューノーマル時代への戦略強化などに取り組んでいく。前述のとおりフロー型からストック型へのビジネスモデル転換については順調に進んでおり、クラウドECプラットフォームの開発など新領域への進出に向けた取り組みも具体的に動き始めている。下期においてもこうした取り組みをさらに推進していく方針だ。
(2) 「収益性向上への取り組み強化」
収益性向上のため、プロジェクトマネジメント力のさらなる強化と金融知識を有するエンジニアの育成による自社開発力の強化を推進していく。また人材の採用を強化し、金融知識・技術のスキル向上のための教育体制の充実・強化(オンライン教育の活用含む)を図っていく。同社の場合、システムエンジニアの基本スキルであるプログラミング能力だけでなく複雑な金融商品や法規制など関連知識も身に付けることが重要で、「金融×IT」のスキルを兼ね備えることで顧客が求める品質の高い製品・サービスの開発が可能になると考えている。例えば、エンジニアが顧客の悩みを聞き、翌日には問題解決の方策を提案できるレベルにまでなることを目標としている。エンジニアがこうした金融の知識を身に付け戦力化するまでには最低2年程度かかると同社は見ており、継続的な収益成長を目指すために今後も計画的な人材採用及び育成を進めていく方針だ。そのほか、顧客との関係構築をより強固なものとするため顧客資産や技術情報などの連携体制の強化・確立に取り組んでいく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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