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トレードワークス Research Memo(1):ストック型への転換堅調、2021年12月期の営業利益は前期比2倍へ
配信日時:2021/09/17 16:01
配信元:FISCO
■要約
トレードワークス<3997>は証券会社やFX会社等の金融業界を主要顧客とする独立系システム開発会社である。インターネット証券取引システムを中心に、ディーリングシステムや不公正取引監視システム等の開発、クラウドサービス(SaaS※型サービス)を展開し、証券会社向けが売上高の約9割を占める。証券知識に精通したエンジニアの育成に注力しており、競合と比較して低コスト・短納期かつ多様な顧客ニーズに対応できる開発力を有していることが強みとなる。
※SaaSとは、Software as a Serviceの略称で、クラウドを利用した「顧客に対し必要な機能の提供」を行うサービス形態。
1. 2021年12月期第2四半期累計業績の概要
2021年12月期第2四半期累計(2021年1月~6月)の業績は、売上高で前年同期比25.3%増の1,078百万円、営業利益で80百万円(前年同期は85百万円の損失)と計画どおりの進捗となった。売上高は金融ソリューション事業において既存顧客からの新規案件をリリースしたことや、ストック型収入の積み上げが増収要因となった。利益面では増収効果に加えて、プロジェクトマネジメント力の強化に伴う生産性向上、並びに採用費用を中心に販管費の減少が増益要因となった。なお、2021年4月に同社が特定顧客に対して提供したシステムにおいて不正アクセス事象が発生した影響により、同顧客向けのストック収入が減少したほか、当該事象にかかる情報セキュリティ対策費用を特別損失として13百万円計上したが、全体の業績に与える影響は軽微であった。
2. 2021年12月期の業績見通し
2021年12月期業績は、売上高で前期比18.4%増の2,500百万円、営業利益で同114.4%増の230百万円と期初計画を据え置いた。下期も証券システムで複数の新規顧客数向け開発案件のリリースが予定されており、会社計画の達成は可能と弊社では見ている。また、2021年7月には金融システムのノウハウを生かした新規サービスとして、クラウドECプラットフォーム「Emerald Blue」(SaaS型)を開発したことを発表している。受注、決済管理、配送のほか顧客分析機能などネットショップの運営に必要な機能を集約しており、今後の展開が注目される。現在は自社でテスト運用を行っている段階であり、本格的な拡販活動はその状況を見てからとなる。顧客分析等による最適なマーケティング施策を打つ機能も備えており、今後の動向が注目される。なお、人材採用については通期で20名程度を予定している(第2四半期までに8名採用)。
3. 今後の成長戦略
同社は成長戦略として、収益基盤の安定化を図るためのビジネスモデルの転換(開発・フロー型から利用型・ストック型へ)とコアビジネスの強化、並びに新領域・新サービスに取り組んでいる。このうちビジネスモデルの転換に関しては、2020年12月期で売上高の67.9%がストック型で占めるまでになっている。まだ事業規模が小さいため、新規案件の状況次第で増減する可能性はあるものの、従来よりも収益の安定性は向上しているものと思われる。今後もストック型収入は6割強の水準を適正水準として事業運営を進めていく方針だ。また、新領域・新サービスについてはクラウドECプラットフォームサービス以外にも新たな業種での展開を視野に入れているほか、VR/AR技術を活用したソリューションサービスの取り組みも進めていく予定で、今後の動向が注目される。
■Key Points
・2021年12月期第2四半期累計業績は原価率の改善が進み、3期ぶりに営業黒字を達成に
・下期は新規顧客向け開発案件のリリースを予定、2021年12月期の営業利益は前期比2倍増と急回復する見通し
・既存事業の深耕と新事業領域・新サービスの展開により成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
トレードワークス<3997>は証券会社やFX会社等の金融業界を主要顧客とする独立系システム開発会社である。インターネット証券取引システムを中心に、ディーリングシステムや不公正取引監視システム等の開発、クラウドサービス(SaaS※型サービス)を展開し、証券会社向けが売上高の約9割を占める。証券知識に精通したエンジニアの育成に注力しており、競合と比較して低コスト・短納期かつ多様な顧客ニーズに対応できる開発力を有していることが強みとなる。
※SaaSとは、Software as a Serviceの略称で、クラウドを利用した「顧客に対し必要な機能の提供」を行うサービス形態。
1. 2021年12月期第2四半期累計業績の概要
2021年12月期第2四半期累計(2021年1月~6月)の業績は、売上高で前年同期比25.3%増の1,078百万円、営業利益で80百万円(前年同期は85百万円の損失)と計画どおりの進捗となった。売上高は金融ソリューション事業において既存顧客からの新規案件をリリースしたことや、ストック型収入の積み上げが増収要因となった。利益面では増収効果に加えて、プロジェクトマネジメント力の強化に伴う生産性向上、並びに採用費用を中心に販管費の減少が増益要因となった。なお、2021年4月に同社が特定顧客に対して提供したシステムにおいて不正アクセス事象が発生した影響により、同顧客向けのストック収入が減少したほか、当該事象にかかる情報セキュリティ対策費用を特別損失として13百万円計上したが、全体の業績に与える影響は軽微であった。
2. 2021年12月期の業績見通し
2021年12月期業績は、売上高で前期比18.4%増の2,500百万円、営業利益で同114.4%増の230百万円と期初計画を据え置いた。下期も証券システムで複数の新規顧客数向け開発案件のリリースが予定されており、会社計画の達成は可能と弊社では見ている。また、2021年7月には金融システムのノウハウを生かした新規サービスとして、クラウドECプラットフォーム「Emerald Blue」(SaaS型)を開発したことを発表している。受注、決済管理、配送のほか顧客分析機能などネットショップの運営に必要な機能を集約しており、今後の展開が注目される。現在は自社でテスト運用を行っている段階であり、本格的な拡販活動はその状況を見てからとなる。顧客分析等による最適なマーケティング施策を打つ機能も備えており、今後の動向が注目される。なお、人材採用については通期で20名程度を予定している(第2四半期までに8名採用)。
3. 今後の成長戦略
同社は成長戦略として、収益基盤の安定化を図るためのビジネスモデルの転換(開発・フロー型から利用型・ストック型へ)とコアビジネスの強化、並びに新領域・新サービスに取り組んでいる。このうちビジネスモデルの転換に関しては、2020年12月期で売上高の67.9%がストック型で占めるまでになっている。まだ事業規模が小さいため、新規案件の状況次第で増減する可能性はあるものの、従来よりも収益の安定性は向上しているものと思われる。今後もストック型収入は6割強の水準を適正水準として事業運営を進めていく方針だ。また、新領域・新サービスについてはクラウドECプラットフォームサービス以外にも新たな業種での展開を視野に入れているほか、VR/AR技術を活用したソリューションサービスの取り組みも進めていく予定で、今後の動向が注目される。
■Key Points
・2021年12月期第2四半期累計業績は原価率の改善が進み、3期ぶりに営業黒字を達成に
・下期は新規顧客向け開発案件のリリースを予定、2021年12月期の営業利益は前期比2倍増と急回復する見通し
・既存事業の深耕と新事業領域・新サービスの展開により成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
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