注目トピックス 日本株

デイトナ Research Memo(1):二輪事業を基幹に、電動乗物事業や新エネルギー開発事業などの新規領域に事業拡大

配信日時:2021/09/16 15:01 配信元:FISCO
■要約

デイトナ<7228>は、二輪車部品・用品を中心とする企画・開発及び卸販売並びに小売販売の事業を行うメーカーである。世界にバイクカスタマイズの楽しさを発信すると同時に、世界から吸収した新しい世界観を日本のライダーに提案し、バイク文化創造へチャレンジを続けているクリエイティブな企業である。独自の企画力、開発力を発揮し、世界のバイクライダーのニーズに対応する商品・サービスを提供し、世界で最も支持されるブランドを目指している。

1. 業績概要
2021年12月期第2四半期の売上高は5,766百万円(前年同期比33.5%増)、営業利益は837百万円(同119.8%増)となり、すべてのセグメントが順調に推移した。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響が続き、感染者が増加した地域では再び緊急事態宣言等が発令される不安定な経済環境にあるなか、二輪車が「3密」を回避できる趣味として、また公共交通機関に代わる通勤手段としての注目を集めており、同社でも取り扱い商品ジャンルの多くが前年同期を上回る販売状況となった。なお、2021年5月に2021年12月期第2四半期業績予想の上方修正を発表しているが、これを上回って着地した。また、通期計画に対する第2四半期進捗率は、売上高で54.0%、営業利益で58.2%と順調に推移している。

2021年12月期についても2021年5月に上方修正を発表し、売上高で10,680百万円(前期比7.8%増)、営業利益で1,439百万円(同21.3%増)としている。業績は順調に推移しているものの、コロナ禍の影響によって特に海外仕入れ商品で、ロックダウンや原材料不足による製造遅延、船便のコンテナ不足による配送遅延や輸送コストの上昇などを懸念している。このため、第2四半期時点では上記の修正値を据え置いたものの、例年と比較した利益進捗を考慮すれば保守的な予想であると弊社では見ている。

2. 中期経営方針
同社グループは2022年に創業50周年を迎えることから、2021年3月に中期経営方針を発表した。数値目標は、2021年12月期に連結売上高107億円、2023年12月期には連結売上高114億円とし(M&A除く)、二輪アフターパーツ販売を除く事業領域で25%以上の売上シェアを目標に、2023年12月期に20%以上の実現を目指す。また、バイク文化の創造企業として世界のライダーに支持される「ブランド」を実現するために、国内主要ジャンルで顧客支持率No.1を獲得し、No.1ブランドとして勝ち残るビジョンを掲げている。

3. SDGsに関する行動計画
同社は、SDGs(持続可能な開発目標)に取り組んでおり、化石燃料に代わるまたは化石燃料使用量を減らすことにより環境への貢献ができる代替エネルギーの研究と、それを実用化するための商品開発を行っている。一例を挙げると、再生可能エネルギー事業の一環として自社太陽光発電設備で発電した電力を活用し、同社及びグループ企業で使用する電力を2021年度内に100%再生可能エネルギーで賄う取り組みを開始する。2032年にFIT(再生可能エネルギーの普及を目的とした固定価格買取制度)が終了する同社本社の太陽光発電設備を継続運用することにより、発電した電力で直接本社電力を賄う「本社電力オフグリッド」を目指す。また、自社太陽光発電設備では、環境価値が付随した電力を安定して需要先に供給することや、自社設備を大規模停電時後に起こる地域復興時の電力源として活用するための検討も進めている。

■Key Points
・二輪事業を基幹に、電動乗物事業や宅配事業サポート、新エネルギー開発事業などの新規領域に事業拡大
・2021年12月期第2四半期業績は二輪車業界の追い風を受け、すべてのセグメントが順調に推移
・ 2021年12月期業績は海外仕入れ商品でコロナ禍の影響を懸念し上方修正値を据え置いたものの、例年と比較した利益進捗を考慮すれば保守的な予想
・環境への貢献ができる代替エネルギーの研究と、それを実用化するための商品開発を推進

(執筆:フィスコ客員アナリスト 村瀬智一)


<YM>

Copyright(c) FISCO Ltd. All rights reserved.

ニュースカテゴリ