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ピアズ Research Memo(1):通信業界のベストパートナー企業からリテールテックNo.1企業を目指す
配信日時:2021/09/15 15:01
配信元:FISCO
1. 2021年9月期第3四半期累計業績の概要
ピアズ<7066>の2021年9月期第3四半期累計(2020年10月−2021年6月)の連結業績は、売上高で前年同期比21.3%減の2,387百万円、営業利益で同38.8%減の187百万円、経常利益で同34.4%減の214百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同48.7%減の103百万円となった。前期業績に貢献したキャッシュレス推進事業が、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)に伴う飲食店や小売店などへの訪問営業自粛により、大きく減少したことが減収要因となった。一方で、携帯ショップ向けの接客支援や教育研修のオンライン化を進めたことや外注費・交通費等の削減もあって売上総利益率は前年同期比8.2ポイント上昇し、金額ベースでも同6.4%増益(同45百万円増)となるなど収益力は向上した。ただ、オンライン接客センターの開設やリテールテック等その他新規事業への先行投資を実施したことで販管費が同164百万円増加し、減益要因となった。なお、第3四半期(2021年4月−6月)だけで見ると、前年同期の水準が低かったこともあるが、売上高は同104.0%増の837百万円と第3四半期として過去最高を更新し、営業利益も先行投資を行うなかで3百万円(前年同期は85百万円の損失)と黒字を確保した。
2. 2021年9月期業績見通し
2021年9月期の売上高は前期比4.2%減の3,340百万円、営業利益は同78.9%減の70百万円、経常利益は同73.5%減の100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同71.1%減の69百万円と前回予想を据え置いた。第3四半期までの売上進捗率は71.5%とコロナ禍が長期化するなかでやや想定を下回っており、会社計画から下振れする可能性がある。ただ、利益ベースでは第3四半期までに通期計画を超過しており、第4四半期も先行投資を行いながら、計画を達成していく方針だ。なお、オンライン接客の需要が増加していることに対応するため、2022年3月までに接客センターを増設し、席数を現在の50席から2~3倍に拡張する予定となっている。そのほか、飲食業界向けモバイルオーダーシステム「ZEROレジ」については、個店向けの営業活動がコロナ禍でできないなかでショッピングモールのフードコートへの導入が進み始めており、また、大手代理店へのOEM提供も2021年秋頃から開始される見通しとなっており、今後の導入店舗数拡大が期待される。リモートワーク推進事業として新たに運営を開始した完全個室型作業スペース「Remote BOX」は、現在都心に3拠点(14席)を開設しており、2022年3月までに年内500席を目標に主要都市で物件の探索を開始している。
3. 中期経営計画について
同社は中期経営計画「PEERS TRIPLE GEAR」でリテールテック分野を重点領域と定め、同分野で国内トップ企業を目指す方針を打ち出した。小売・飲食業界ではIT投資が進まず、ノウハウの蓄積もいまだ属人的で生産性が低いこと、人手不足が続くことなどから、店舗のDX化が避けては通れない課題となっている。同社では通信業界で培った販売現場のコンサルティングノウハウとリテールテックを組み合わせることでこうした課題を解決することができると考えている。リテールテックのツールについては、国内だけでなく海外の先進的な企業ともアライアンスを組むことで拡充し、場合によっては日本向けにカスタマイズすることで、利便性向上を図り、導入を促進していく考えだ。同社は事業戦略の第一段階として、顧客開拓の入り口となる「リテールテックプラットフォーム」を2021年7月にオープンした。同プラットフォーム上で20種類以上の国内外のリテールテック商品を紹介し、店舗のDX化に取り組みたい企業からの問い合わせに対して、コンサルティングから導入支援までを行っていく。現状は集客力のあるプラットフォームに育成するため、商品や商品以外のコンテンツ(業界情報やリテールテック分野の情報等)の拡充を行っている段階であり、本格的に同プラットフォームを通じたプロモーション施策を開始するのは2022年春以降となる見通しだ。その間に、リテールテック分野の専門コンサルタントも増員していく予定にしている。また、将来的には自社ツールの開発提供も視野に入れている。同社は2023年9月期までをリテールテック領域でトップ企業を目指すための投資期間と位置付けているため、営業利益は年間1億円程度のペースが続く見通しだが、中期計画の最終年度となる2025年9月期には売上高100億円、営業利益8−10億円を業績目標に掲げており、2024年9月期以降に利益成長ステージに入る見通しだ。
4. 株主還元策
同社は現在、成長過程にあり、優先的に人材投資やシステム投資、新規事業の開発投資などに資金を投下して、一層の事業拡大を目指すことが株主にとって最大の利益還元につながると考えている。また、今後は収益力の強化や安定的な事業基盤の確立に向け、内部留保の充実、業績状況や外部環境、今後の資金需要なども勘案して、その都度適正な経営判断を行い、配当を決定していく方針としている。2020年9月期は創立15周年記念の意味を含めて1株当たり30円の配当を実施した。2021年9月期は今のところ未定としているが、実施する方向で検討しているもようだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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ピアズ<7066>の2021年9月期第3四半期累計(2020年10月−2021年6月)の連結業績は、売上高で前年同期比21.3%減の2,387百万円、営業利益で同38.8%減の187百万円、経常利益で同34.4%減の214百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同48.7%減の103百万円となった。前期業績に貢献したキャッシュレス推進事業が、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)に伴う飲食店や小売店などへの訪問営業自粛により、大きく減少したことが減収要因となった。一方で、携帯ショップ向けの接客支援や教育研修のオンライン化を進めたことや外注費・交通費等の削減もあって売上総利益率は前年同期比8.2ポイント上昇し、金額ベースでも同6.4%増益(同45百万円増)となるなど収益力は向上した。ただ、オンライン接客センターの開設やリテールテック等その他新規事業への先行投資を実施したことで販管費が同164百万円増加し、減益要因となった。なお、第3四半期(2021年4月−6月)だけで見ると、前年同期の水準が低かったこともあるが、売上高は同104.0%増の837百万円と第3四半期として過去最高を更新し、営業利益も先行投資を行うなかで3百万円(前年同期は85百万円の損失)と黒字を確保した。
2. 2021年9月期業績見通し
2021年9月期の売上高は前期比4.2%減の3,340百万円、営業利益は同78.9%減の70百万円、経常利益は同73.5%減の100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同71.1%減の69百万円と前回予想を据え置いた。第3四半期までの売上進捗率は71.5%とコロナ禍が長期化するなかでやや想定を下回っており、会社計画から下振れする可能性がある。ただ、利益ベースでは第3四半期までに通期計画を超過しており、第4四半期も先行投資を行いながら、計画を達成していく方針だ。なお、オンライン接客の需要が増加していることに対応するため、2022年3月までに接客センターを増設し、席数を現在の50席から2~3倍に拡張する予定となっている。そのほか、飲食業界向けモバイルオーダーシステム「ZEROレジ」については、個店向けの営業活動がコロナ禍でできないなかでショッピングモールのフードコートへの導入が進み始めており、また、大手代理店へのOEM提供も2021年秋頃から開始される見通しとなっており、今後の導入店舗数拡大が期待される。リモートワーク推進事業として新たに運営を開始した完全個室型作業スペース「Remote BOX」は、現在都心に3拠点(14席)を開設しており、2022年3月までに年内500席を目標に主要都市で物件の探索を開始している。
3. 中期経営計画について
同社は中期経営計画「PEERS TRIPLE GEAR」でリテールテック分野を重点領域と定め、同分野で国内トップ企業を目指す方針を打ち出した。小売・飲食業界ではIT投資が進まず、ノウハウの蓄積もいまだ属人的で生産性が低いこと、人手不足が続くことなどから、店舗のDX化が避けては通れない課題となっている。同社では通信業界で培った販売現場のコンサルティングノウハウとリテールテックを組み合わせることでこうした課題を解決することができると考えている。リテールテックのツールについては、国内だけでなく海外の先進的な企業ともアライアンスを組むことで拡充し、場合によっては日本向けにカスタマイズすることで、利便性向上を図り、導入を促進していく考えだ。同社は事業戦略の第一段階として、顧客開拓の入り口となる「リテールテックプラットフォーム」を2021年7月にオープンした。同プラットフォーム上で20種類以上の国内外のリテールテック商品を紹介し、店舗のDX化に取り組みたい企業からの問い合わせに対して、コンサルティングから導入支援までを行っていく。現状は集客力のあるプラットフォームに育成するため、商品や商品以外のコンテンツ(業界情報やリテールテック分野の情報等)の拡充を行っている段階であり、本格的に同プラットフォームを通じたプロモーション施策を開始するのは2022年春以降となる見通しだ。その間に、リテールテック分野の専門コンサルタントも増員していく予定にしている。また、将来的には自社ツールの開発提供も視野に入れている。同社は2023年9月期までをリテールテック領域でトップ企業を目指すための投資期間と位置付けているため、営業利益は年間1億円程度のペースが続く見通しだが、中期計画の最終年度となる2025年9月期には売上高100億円、営業利益8−10億円を業績目標に掲げており、2024年9月期以降に利益成長ステージに入る見通しだ。
4. 株主還元策
同社は現在、成長過程にあり、優先的に人材投資やシステム投資、新規事業の開発投資などに資金を投下して、一層の事業拡大を目指すことが株主にとって最大の利益還元につながると考えている。また、今後は収益力の強化や安定的な事業基盤の確立に向け、内部留保の充実、業績状況や外部環境、今後の資金需要なども勘案して、その都度適正な経営判断を行い、配当を決定していく方針としている。2020年9月期は創立15周年記念の意味を含めて1株当たり30円の配当を実施した。2021年9月期は今のところ未定としているが、実施する方向で検討しているもようだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<AS>
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