注目トピックス 市況・概況
来週の相場で注目すべき3つのポイント:米8月CPI、米中8月小売売上高、米アップル新製品発表会など
配信日時:2021/09/11 17:58
配信元:FISCO
■株式相場見通し
予想レンジ:上限30800-下限29800円
来週の日経平均は堅調か。次期政権への期待を背景に引き続き底堅い展開が想定される。8月27日以降の日経平均の上げ幅は2500円を優に超えた。急ピッチの上昇からテクニカル面では短期的な過熱感を指摘する声も聞かれるが、長かった日本株の欧米対比での独り負け状態を踏まえれば、まだキャッチアップの序盤に過ぎないだろう。
上昇相場の初期は、グローバルマクロ系のヘッジファンドの買いや、商品投資顧問(CTA)の追随買いなどが主体だったが、足元では長期目線の実需筋も買いを入れてきているとの声が聞かれる。今後も押したところではこうした実需筋の買いや、これまで逆張りで売り方に回っていた個人投資家による買いが入ってくると思われ、全員参加型の買いから総じて底堅い展開が想定される。
一方、足元やや軟調な米株市場については、新型コロナ感染再拡大や高バリュエーションを背景に、米国経済や米国株の見通しを引き下げる専門家が増えてきており、やや気掛かり。週末には、8月生産者物価指数(PPI)をきっかけにインフレ懸念が再燃し、ダウは5日続落している。今月は債務上限引き上げや財政支出法案を巡る与野党の駆け引きが想定され、米国の政治不透明要因から短期的な調整も警戒される。
また、米中の経済指標にも注目。直近、欧州でも高いインフレ率が確認されていることから、欧州中央銀行(ECB)が債券購入ペースを減速させる計画を明らかにするなど、世界的にインフレが懸念されている。米連邦準備理事会(FRB)はインフレについて「一時的」とのスタンスを維持しており、米消費者物価指数(CPI)も前回7月は前月比で減速するなど、鈍化の兆しも見られているが、8月分の結果次第では再びインフレへの警戒感が高まりかねない。
さらに、米国及び中国では鉱工業生産や小売売上高が発表される。景気減速懸念がくすぶるなか、指標の結果次第では最高値圏にある米株価指数の下押しにつながりかねない。加えて、前回約10年ぶりの低水準となったミシガン大学消費者信頼感指数が週末に控えており、こちらも米消費者心理の低下基調が継続しているかどうかを確認するうえで注目される。
半年以上、日経平均が調整を続けている間に最高値更新を続けていた米国株が、9月特有の季節性要因も意識されるなか、上述したような要因で短期的に調整すると、さすがに足元好調の日本株も一時的に連れ安する場面があるかもしれない。しかし、欧米対比でバリュエーションに割安感が強く、見直し機運が高まり始めたばかりの日本株の調整は限定的になりそうだ。
自民党総裁選の告示は17日、投開票は29日の予定。今後は各候補者のメディア露出も増えはじめ、政策への言及なども増えてくる。材料は豊富とみられ、「脱炭素」や「DX」といったテーマ株物色も引き続き旺盛となりそうだ。
新型コロナ感染動向も、東京都での新規感染者数の前週比減少傾向が継続しており、感染ピークアウトが鮮明になってきている。9日、政府は東京都などに発令中の緊急事態宣言の9月末までの延長を決定したが、同時に、段階的に行動制限を緩和していく方針を決めた。具体的な内容などが分かってくれば、経済活動再開銘柄の株価反転へとつながっていきそうだ。
そのほか、米アップルが製品発表イベントを現地時間14日に開催する。村田製作所<6981>やイビデン<4062>など関連銘柄の刺激材料となることが期待される。
■為替市場見通し
来週のドル・円は底堅い値動きか。市場参加者の間では、今年の米経済成長見通しを引き下げる動きが広がっている。米国経済の早期正常化への期待は弱まりつつある。8月非農業部門雇用者数は予想を大きく下回るなど、雇用情勢が改善しているとは言い切れない部分もある。ただ、今月21−22日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)に向け、インフレ指標が高水準なら、量的緩和策の早期縮小観測が広がることでドル買い意欲が強まりそうだ。
来週発表される経済指標では9月14日発表の消費者物価コア指数(CPI)が有力な手掛かり材料となりそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)は、インフレ高進は一時的との見解を変えていないが、参考指標となる8月生産者物価コア指数は市場予想を上回った。8月消費者物コア価指数が7月実績並みかそれ以上の水準(前年比+4.3%以上)だった場合、金利先高観がやや強まり、ドル買い材料になるとみられる。また、16日発表の8月小売売上高が改善すれば、景気減速懸念は後退し、量的緩和策の早期縮小を想定したドル買いが強まる可能性もある。米国株式の上昇は一服しているが、8月小売売上高などの経済指標が改善した場合、米国株式はしっかりとした値動きを見せる可能性があるため、株高を意識したドル買い・円売りが増えることも予想される。
■来週の注目スケジュール
9月13日(月):7-9月期法人企業景気予測調査、国内企業物価指数(8月)、Geolocation Technologyが福証Q-Boardに新規上場、決算発表:神戸物産、米・財政収支(8月)、石油輸出国機構(OPEC)月報など
9月14日(火):鉱工業生産(7月)、米・消費者物価コア指数(8月)、米・アップルが製品発表イベント、国際エネルギー機関(IEA)月報など
9月15日(水):コア機械受注(7月)、米・中・鉱工業生産指数(8月)、中・小売売上高(8月)、米・ニューヨーク連銀製造業景気指数(9月)など
9月16日(木):貿易収支(8月)、月例経済報告(9月)、米・小売売上高(8月)、米・フィラデルフィア連銀製造業景況指数(9月)など
9月17日(金):自民党総裁選告示、欧・ユーロ圏CPI(8月)、米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(9月)など
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予想レンジ:上限30800-下限29800円
来週の日経平均は堅調か。次期政権への期待を背景に引き続き底堅い展開が想定される。8月27日以降の日経平均の上げ幅は2500円を優に超えた。急ピッチの上昇からテクニカル面では短期的な過熱感を指摘する声も聞かれるが、長かった日本株の欧米対比での独り負け状態を踏まえれば、まだキャッチアップの序盤に過ぎないだろう。
上昇相場の初期は、グローバルマクロ系のヘッジファンドの買いや、商品投資顧問(CTA)の追随買いなどが主体だったが、足元では長期目線の実需筋も買いを入れてきているとの声が聞かれる。今後も押したところではこうした実需筋の買いや、これまで逆張りで売り方に回っていた個人投資家による買いが入ってくると思われ、全員参加型の買いから総じて底堅い展開が想定される。
一方、足元やや軟調な米株市場については、新型コロナ感染再拡大や高バリュエーションを背景に、米国経済や米国株の見通しを引き下げる専門家が増えてきており、やや気掛かり。週末には、8月生産者物価指数(PPI)をきっかけにインフレ懸念が再燃し、ダウは5日続落している。今月は債務上限引き上げや財政支出法案を巡る与野党の駆け引きが想定され、米国の政治不透明要因から短期的な調整も警戒される。
また、米中の経済指標にも注目。直近、欧州でも高いインフレ率が確認されていることから、欧州中央銀行(ECB)が債券購入ペースを減速させる計画を明らかにするなど、世界的にインフレが懸念されている。米連邦準備理事会(FRB)はインフレについて「一時的」とのスタンスを維持しており、米消費者物価指数(CPI)も前回7月は前月比で減速するなど、鈍化の兆しも見られているが、8月分の結果次第では再びインフレへの警戒感が高まりかねない。
さらに、米国及び中国では鉱工業生産や小売売上高が発表される。景気減速懸念がくすぶるなか、指標の結果次第では最高値圏にある米株価指数の下押しにつながりかねない。加えて、前回約10年ぶりの低水準となったミシガン大学消費者信頼感指数が週末に控えており、こちらも米消費者心理の低下基調が継続しているかどうかを確認するうえで注目される。
半年以上、日経平均が調整を続けている間に最高値更新を続けていた米国株が、9月特有の季節性要因も意識されるなか、上述したような要因で短期的に調整すると、さすがに足元好調の日本株も一時的に連れ安する場面があるかもしれない。しかし、欧米対比でバリュエーションに割安感が強く、見直し機運が高まり始めたばかりの日本株の調整は限定的になりそうだ。
自民党総裁選の告示は17日、投開票は29日の予定。今後は各候補者のメディア露出も増えはじめ、政策への言及なども増えてくる。材料は豊富とみられ、「脱炭素」や「DX」といったテーマ株物色も引き続き旺盛となりそうだ。
新型コロナ感染動向も、東京都での新規感染者数の前週比減少傾向が継続しており、感染ピークアウトが鮮明になってきている。9日、政府は東京都などに発令中の緊急事態宣言の9月末までの延長を決定したが、同時に、段階的に行動制限を緩和していく方針を決めた。具体的な内容などが分かってくれば、経済活動再開銘柄の株価反転へとつながっていきそうだ。
そのほか、米アップルが製品発表イベントを現地時間14日に開催する。村田製作所<6981>やイビデン<4062>など関連銘柄の刺激材料となることが期待される。
■為替市場見通し
来週のドル・円は底堅い値動きか。市場参加者の間では、今年の米経済成長見通しを引き下げる動きが広がっている。米国経済の早期正常化への期待は弱まりつつある。8月非農業部門雇用者数は予想を大きく下回るなど、雇用情勢が改善しているとは言い切れない部分もある。ただ、今月21−22日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)に向け、インフレ指標が高水準なら、量的緩和策の早期縮小観測が広がることでドル買い意欲が強まりそうだ。
来週発表される経済指標では9月14日発表の消費者物価コア指数(CPI)が有力な手掛かり材料となりそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)は、インフレ高進は一時的との見解を変えていないが、参考指標となる8月生産者物価コア指数は市場予想を上回った。8月消費者物コア価指数が7月実績並みかそれ以上の水準(前年比+4.3%以上)だった場合、金利先高観がやや強まり、ドル買い材料になるとみられる。また、16日発表の8月小売売上高が改善すれば、景気減速懸念は後退し、量的緩和策の早期縮小を想定したドル買いが強まる可能性もある。米国株式の上昇は一服しているが、8月小売売上高などの経済指標が改善した場合、米国株式はしっかりとした値動きを見せる可能性があるため、株高を意識したドル買い・円売りが増えることも予想される。
■来週の注目スケジュール
9月13日(月):7-9月期法人企業景気予測調査、国内企業物価指数(8月)、Geolocation Technologyが福証Q-Boardに新規上場、決算発表:神戸物産、米・財政収支(8月)、石油輸出国機構(OPEC)月報など
9月14日(火):鉱工業生産(7月)、米・消費者物価コア指数(8月)、米・アップルが製品発表イベント、国際エネルギー機関(IEA)月報など
9月15日(水):コア機械受注(7月)、米・中・鉱工業生産指数(8月)、中・小売売上高(8月)、米・ニューヨーク連銀製造業景気指数(9月)など
9月16日(木):貿易収支(8月)、月例経済報告(9月)、米・小売売上高(8月)、米・フィラデルフィア連銀製造業景況指数(9月)など
9月17日(金):自民党総裁選告示、欧・ユーロ圏CPI(8月)、米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(9月)など
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