投資スタイル(短期・中期・長期)はどうやって決めればいい?メリット・デメリットについても解説

投稿日:2022/01/11 最終更新日:2024/07/17
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株式投資は、株の銘柄を選び、投資する資産運用です。銘柄の選び方や売却のタイミングは、さまざまなスタイルに分類できます。株を買ってすぐに売るスタイルもあれば、数年以上保有し続けるスタイルもあります。短期・中期・長期といった投資スタイルの特徴を理解した上で資産運用を行いましょう。

この記事では、株式投資のスタイルを選択するための情報を、初心者向けに紹介します。 

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 この記事の監修者
 菅原 良介
 Finatext サービスディレクター・アナリスト。日本テクニカル協会認定テクニカルアナリスト。早稲田大学 政治経済学部 経済学科卒業。
 Finatextグループで展開される投資・証券サービスのディレクターを担当する傍ら、アナリストとしても活動。グループで展開するコミュニティ型株取引アプリSTREAM内で開催されるイベントのモデレーターなども務め、国内メディアへの寄稿も行う。

投資スタイルを決める必要性って?

あなたが株の初心者であるなら、何かひとつのスタイルに絞った投資をおすすめします。投資方法を決める理由は主に2つです。

1つ目の理由は、買う銘柄を決めやすくなるためです。自分の投資スタイルを限定することで、おのずと買う銘柄も限定されます。投資スタイルと合致する銘柄もあれば、合致しない銘柄もあるためです。自身が決定した投資スタイルに合致する銘柄を限定すれば、投資先の迷いを減らすことができます。

2つ目の理由は、納得して投資できるためです。自分の投資スタイルを決定し、勉強すれば、無理な投資に手を出すことがなくなります。何よりも、自分の生活やライフスタイルに適合した投資スタイルを選べば、楽しんで投資活動を送ることができます。何事も、楽しむことが長続きのコツです。

ぜひ、自分に合った投資スタイルで投資を楽しんでください。

投資スタイルの種類    

投資スタイルはさまざまな種類に分けることができ、最も知られている投資スタイルは投資期間の長さで分類される「短期投資」「中期投資」「長期投資」の3つです。ここでは「投資期間の長さ」以外にも、「銘柄の種類」と「どの利益に注目するか」の合計3点から、投資スタイルを紹介します。

投資期間の長さ

投資スタイルは投資期間により、以下の3つに分類できます。

 ・短期投資:数分、1日、数日〜数週間 
 ・中期投資:数か月〜数年
 ・長期投資:1年以上、数十年、一生涯

今回の記事では、主に投資期間によって投資スタイルを区分けし、紹介します。

銘柄の種類

株式投資の対象となる銘柄は、以下の3つに分類できます。それぞれについて紹介します。

 ・バリュー投資 
 ・グロース投資
 ・その他の投資

バリュー投資|安定株を狙う

バリュー投資は、バリュー株(安定株)と呼ばれる種類の株に絞って投資するスタイルです。バリュー株とは、既に企業として成長し、安定期に入った企業の株を指します。代表的なバリュー株は、三菱商事や三井住友銀行です。

そして、バリュー投資はバリュー株のうち、企業価値と比較して株価が割安である銘柄を狙います。割安株を購入し、企業価値に見合った値に上がってから売却する投資スタイルです。そのため、いかに株式市場から将来性のある割安株を見つけるかが重要です。

バリュー株はファンダメンタルズ分析を活用し、PERやPBRなどを用いて投資判断を下すため、一般的には中期投資から長期投資までのスパンで用いられることが多いです。

【関連記事】グロース株・バリュー株とは? 

バリュー投資のメリット

バリュー投資は、株の売却だけでなく「配当」によってさらなる利益を得ることができる投資スタイルです。配当とは、企業が自社の利益を株式保有者に対して分配することです。バリュー株は安定期に入った企業の株であるため、多くの配当を得ることができます。配当に興味がある人は、企業の配当利回りに注目しましょう。

バリュー投資のデメリット

安定期に入った企業の株価は、通常大きく変動しません。そのため、得ることができる利益も次に紹介する「グロース投資」より少なくなる可能性があります。バリュー投資は株の売却だけでなく、配当による利益も考慮して投資する必要があります。

さらに、安い価格で取引されているからといって全てのバリュー株が投資に適しているわけではありません。

バリュー株には成長の見込みのない企業も多く、そういった企業は一見とても割安に見えるのですが、将来的には利益を生み出さないばかりか倒産のリスクもあるので、企業価値を精査しておく能力が求められます。元本割れのリスクも考慮した上で株式投資を行いましょう。

グロース投資|成長株を狙う

グロース投資は、グロース株(成長株)と呼ばれる種類の株に絞って投資するスタイルです。グロース株とは、まだ成長途上にある企業の株を指します。

代表的なグロース株は、AppleやAmazonなどです。グロース投資は、成長途上であるグロース株を購入します。そして、企業が成長して株価が上昇するまで待ってから売却する投資スタイルです。

グロース投資は異なるスパンにおける成長が見込めるため、運用スタイルが短期投資から長期投資まで幅広く用いられています。

【関連記事】グロース株・バリュー株とは 

グロース投資のメリット

グロース投資のメリットは、大きな利益を期待できることです。企業が大きく成長すれば、株の価格は何倍にも膨れ上がります。企業の業務内容や社会のトレンドを把握して、いかに将来性のある企業を見つけられるかがチャンスのカギです。

グロース投資のデメリット

グロース投資のデメリットは、企業が成長しなければ利益を得ることができない点です。投資した企業が早期に倒産してしまう危険性もあり、大きな損益を生む可能性もあります。そのため、一つのグロース株に大部分の資金をつぎ込むのではなく、複数のグロース株や他のバリュー株に投資することでリスクを分散する事が大切です。

また、一般的に、グロース株はバリュー株より金利に敏感に反応するので、関連する経済データなどを分析できる素養も求められます。

その他の投資|インデックス投資など

バリュー投資、グロース投資の他にも「インデックス投資」と呼ばれる投資スタイルがあります。インデックスとは、市場の値動きを示す指数です。

インデックス投資はインデックスを基準に、複数の銘柄に対して分散投資する投資スタイルです。代表的なインデックスは、日経平均株価やTOPIXです。

一般的に、インデックス投資は中期投資から長期投資のスパンで用いられることが多いですが、レバレッジETFなど短期投資向けの商品も存在しています。上記のような指数に連動する投資信託を購入することで投資ができます。

インデックス投資のメリット

インデックス投資のメリットは、安定した利益を得ることができる点と複利効果により投資期間が長ければ長いほど投資した元本が増える点です。

また、特定の銘柄に着目する必要がありません。複雑な分析をすることなく、低コストで運用できます。複利効果を上手く利用して長期的に投資を続けると良いでしょう。

さらに、NISAなどの既存の制度を活用し資産運用することでより一層コストを抑えることも可能です。

インデックス投資のデメリット

インデックス投資のデメリットは、短期的な利益を得ることができない点です。上記のバリュー投資やグロース投資は取引することですぐに利益を得ることができます。

しかし、インデックス投資は保有期間の長さが大事で、短期間で大きな利益を得ることができない可能性の高い投資スタイルです。更に、インデックス投資では株主優待がもらえないこともデメリットの一つとして挙げられます。

どの利益に注目するか

株式投資によって得ることができる利益は、以下の2種類に分類できます。

キャピタルゲイン|資産を売買する投資スタイル

キャピタルゲインは資産の売買によって利益を得る投資スタイルです。キャピタルゲインの基本は「安く買い、高く売る」です。割安で購入した株式が値上がりしたら売却し、利益を得ます。また、割安で購入したものの値上がりではなく値下がりしてしまったことによる損失は「キャピタルロス」と呼びます。

投資戦略として、いかに割安の銘柄を見つけて、株価の上昇率がより高い時点で売却できるかが、キャピタルゲインでは重要になります。

キャピタルゲインのメリット

キャピタルゲインのメリットは、大きな利益を期待できる点です。企業が大きく成長すれば、株の価値は何倍にも膨れ上がります。

キャピタルゲインのデメリット

キャピタルゲインのデメリットは、大きな損失につながる可能性がある点です。企業の成長や株価の上昇を期待して株式を購入する投資スタイルであるため、思ったような利益を得ることができないケースもあります。含み損が発生する可能性もあるので、キャピタルゲインは基本的に「ハイリスク・ハイリターン」です。

インカムゲイン|資産を保有し続ける投資スタイル

インカムゲインは、企業から得ることができる配当金」によって利益を得る投資スタイルです。主に安定期に入った企業の株(バリュー株)を購入します。

また、インカムゲインの別の手法として、株式ではなく債券を購入し、その利子から利益を得るという方法もあります。後者の手法が一般的にはより安全だと言われています。

インカムゲインのメリット

インカムゲインのメリットは、安定した収益を期待できる点です。株価の変動により利益・損益を生むキャピタルゲインと比較すると、ローリスクで運用できます。

インカムゲインのデメリット

インカムゲインのデメリットは、大きな利益を期待できない点です。配当金の平均利回りは2%程度です。

一方のキャピタルゲインは、企業が成長すればするほど大きな利益を得ることができます。インカムゲインはローリスクであるものの、ローリターンでもある投資スタイルです。

また、投資期間に関してもキャピタルゲインと比較すると長期に渡ることが多く、短期的には大きな利益が得られない傾向にあります。

また、成長途上にある企業は、配当によって株主還元するより、その分の資金を成長投資へ回して株主価値の向上を狙う、という方針をとる場合も少なくありません。そのため、配当は比較的少なくなる、もしくは配当を行わない(例えば、amazon)という場合もあるので、注意が必要です。

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投資スタイルを決めるときのポイント

投資スタイルは「自分の好み」によって決めることをおすすめします。自分のライフスタイルや性格に合わない投資スタイルを選んでも、長続きしない可能性があるためです。場合によっては、大きな損益を生む可能性もあります。

ここでは、ライフスタイルや性格、好みなどのポイントから、おすすめの投資スタイルを紹介します。

自分のライフスタイル

投資は、自分の生活に支障の出ない範囲ですることをおすすめします。ライフスタイルに合わない投資スタイルを選ぶと、自分の生活がいい加減になったり、投資のミスにより大損をする可能性があります。自分のライフスタイルに合った運用手法を選びましょう。

また、投資に用いる資金も、生活に支障の出ない範囲で設定してください。投資にかまけて大損し、生活できなくなってしまっては目も当てられません。

株初心者の方は、収入のうち、生活や保険料、貯蓄に回す分や自分と家族が余暇で使う分を決めて、余ったお金で投資を楽しんでください。そして「時間」も大切です。仕事や家事、家族との時間を確保した上で、投資活動をしてください。

性格や好み

自分の性格や好みを把握することは、投資において、ひいては投資スタイルを決めることにおいて重要です。

たとえば、勝負好きな方・失敗から切り替えづらい方は株価が暴落した際に株を売却しづらい可能性があります。また、我慢強く人の成長を見守ることが好きな方は長期投資に向いているでしょう。せっかちですぐに利益を得たい方には、短期投資が向いています。

さまざまな投資スタイルを学び、自身の性格や好みに応じて投資スタイルを選択してください。

短期・中期・長期投資のメリット、デメリット

ここでは、投資期間ごとの投資スタイルについて、メリットとデメリットを紹介します。

短期投資

短期投資は最短で数分程度、長くとも数週間程度のペースで、頻繁に取引(トレード)する株式投資スタイルです。常に相場を確認し、多少の値動きを見逃さずに取引する必要があるため、時間のある方や株式投資上級者向けの投資スタイルです。

短期投資は、1日で取引を完結する「デイトレード」と、数日から数週間かけて取引する「スイングトレード」に分類されます。素早く判断を下すことができる人や、投資活動に多くの時間を割くことができる方におすすめできる投資スタイルです。

ちなみに、FX(Foreign Exchange:外国為替取引)では、特別な場合を除いてほとんどが数分〜数時間、数日の短期で取引されます。こちらも、市況やトレンドを素早くつかみ、迅速に売買が実施できる決断能力が必要なため、ある程度の投資経験が求められます。

デイトレード|数分~数時間程度

デイトレードは、1日のうちに何度もトレードを繰り返す投資スタイルで、その日に買った株式を翌日まで持ち越さず、当日中に売却するのが特徴です。企業の業績や出来事などはあまり考慮せず、短時間の値動きのみに注目して投資先を決定します。

値動きの幅は小さいため、一度の取引による利益は少額です。そのため、何度も積極的にトレードを繰り返して利益獲得を目指す必要があります。

最近では、自動売買システムを利用して取引する方も。また、デイトレードよりもさらに短い、数秒単位の取引を行う「スキャルピングトレード」も存在します。

スイングトレード|数日~数週間

スイングトレードは、デイトレードよりも長い時間をかけて取引する投資スタイルです。企業の業績やニュースなども考慮しつつ、値動きに注意して売買取引を行います。デイトレードよりも、一度の取引による利益を多く見込むことができる投資スタイルです。

デイトレードは1日で取引が完結します。一方のスイングトレードは、1日では完結しません。そのため、取引所が閉まっている間に企業に起きた事件・トラブルの影響で大きな損益を生む可能性もあります。

短期投資のメリット

短期投資は、資金効率がよく、少ない投資で多くの利益を得る可能性がある投資スタイルです。1つの取引で損をしても、また別の取引で持ち直すこともできます。

取引は短期で完結するため、いち早く売買の結果を出したいという方には最適かもしれません。また、企業の業績や経済状況の影響を受けにくい投資スタイルでもあります。企業を細かく分析する手法は面倒だ、と感じる方におすすめできる投資スタイルです。

短期投資のデメリット

短期投資で得られる利益は少額であるため、多くの利益を得るためには何度も取引を繰り返す必要があります。そのため、取引手数料もかさみます。短期投資を行う際には手数料が利益を上回ることがないよう気を付けましょう。

そして、初期投資が少ないと何度取引を繰り返しても資金が増えません。まとまった利益のためには、まとまった初期投資が必要です。また、取引所が閉まっても常に株価チャートやニュースをチェックする必要があります。

市場にとってサプライズとなる情報が不意に出たとき、株価は短期的に大きく変動します。しばしば「短期投資ならチャートだけに注目していれば良い」と思い込む人がいますが、短期投資ではこのような急変動の影響を大きく受けるため、チャートだけでなくさまざまな新情報やニュースにも注目していなければいけません。

さらに、長期投資よりリスクの高い手法でもありますから、損失を出したときに割り切れる心持ちも大切です。そのため、ある程度投資に慣れた人で、かつ投資へ多くの時間を割ける人でなければ難しい投資スタイルでしょう。

最後に、利益を短期間で享受できる反面、利益を出せるようになるまでには中長期的な練習と鍛錬が必要になるのもデメリットとして挙げられます。

中期投資

中期投資は、数か月程度の期間をかけて投資する投資スタイルです。主に短期投資と長期投資の特徴を持ち合わせつつ、基本的なメリットとデメリットは長期投資と一致します。中期投資では「ファンダメンタルズ分析」と「テクニカル分析」の両方を用いて株の値動きを予想し投資します。

短期投資ができるほど時間はないものの、こまめにお金が欲しい方におすすめできる投資手法です。

ファンダメンタルズ分析とは|長期投資向け

企業の価値を詳細に分析する手法が「ファンダメンタルズ分析」です。企業の安定性・成長性・収益性などを、企業の業績を記した「財務諸表」から分析します。多くの情報を指標として扱う必要があるため、数字全体を掴める知識や経験が必要とされる分析手法です。中期投資では、投資先を決定するために用いられます。

また、安定性・成長性・収益性などの財務情報が好感され株価に反映されるには時間が掛かるため、短期的な投資よりも中長期に渡る投資において重要な分析手法になります。

テクニカル分析とは|短期投資向け

過去の株価の動き(チャートなど)に基づき、売買のタイミングを見計らう分析手法です。自分の勘だけでなく、今後の値動きを予想するツールなどの力を借りて投資できます。一方で、テクニカル分析によって得られる予想はあくまで「予想」であるため、現実の結果とは異なるケースも想定しなければなりません。また、突発的な事象に対処しづらい分析手法でもあります。中期投資では、投資先の決定後に株の購入タイミングを見計らうために用いられます。

中期投資のメリット

短期投資のように常に値動きに目を光らせる必要はありません。そのため、時間がない人や本業を別に持つ人でもある程度投資活動ができます。

また、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の両方を用いる投資スタイルであるため、投資の勉強にうってつけです。中期投資は長期投資に近い手法でありながら、現金化が早く資金効率も良い点をメリットとして挙げることができます。

そして、長期投資よりも株価を予測しやすい手法でもあります。加えて中期投資では、短期投資的にテクニカル分析の手法を学んだり、長期投資と同様にさまざまな情報に触れ分析することになります。

そのため、短期投資と長期投資の合いの子として、株取引だけでなく資産運用や経済全般の知識について学ぶことができます。

中期投資のデメリット

素早く対応しなければ大きな損失につながります。明確な損切りルールを設定する必要があるでしょう。

長期投資

長期投資は、1年以上かけて投資する投資スタイルです。投資スタイルによっては、半永久的に投資を続けるケースもあります。

長期投資はファンダメンタルズ分析による企業分析・経済分析がカギを握るスタイルです。さまざまな企業を入念に調査し、長期にわたって利益を生む見込みのある企業に対して投資します。
長期保有をしていく上で価格変動等によって配分が偏る場合があります。そのような時は資産のリバランスといって、定期的に自身の資産全体を確認する事が重視されます。

長期投資は、じっくりと腰を据えて投資をしたい方や、株式投資を将来のための資産形成手段として考えたい方におすすめできる投資手法です。

長期投資のメリット

長期投資は、短期的な株価の変動に影響を受けづらい投資スタイルです。株価の細かな浮き沈みに一喜一憂することがないため、精神的にも安定して投資できます。

一度投資先を選べばあとは手間もかからないため、時間がない人でもチャレンジしやすい投資スタイルです。株価の細かな変動に気を揉む必要もなく、取引回数も少なく済むため、取引手数料のようなコストも抑えることができます。

また、企業からの配当や、株主に対する特別サービス「株主優待」も享受できます。株主優待を受けるには、株を保有していなければならない日があるため、気を付けましょう。

また積立投資を長期的に行う(月に1回など)ことで、1回でまとめて投資して保有するよりも、株や投資信託の取得単価の削減を期待できます。これを「ドル・コスト平均法」と呼びます。

特に、投資信託で長期・積立投資を行えば銘柄や資産の分散効果も期待でき、「長期・分散・積立」という投資の3原則を実践できます。投資信託の利用を検討している方は、投資信託に関連する記事で詳しい内容を参照してください。

長期投資のデメリット

長期投資は、長い時間をかけて少しずつ利益を得る投資スタイルです。資金効率は優れないため、すぐにお金が欲しい方にはあまりおすすめできません。また、投資する銘柄を詳細に分析する必要があるため、銘柄選びに時間を必要とします。

そして、長期投資は急激な市場環境や市場構造の変化に対応できないため、損害が生まれる可能性もあります。短期・中期投資よりもローリスクではあるものの、必ず安全であるとは言い切れません。

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結局のところどうやって決めればいい?

ここまで、投資スタイルに関わるさまざまな情報を紹介しました。ここからは、実際に投資スタイルを決めるための手がかりを紹介します。

楽しむことと損を出さないことが一番大事

投資においては「楽しむこと」「損を出さないこと」の2つが大事です。投資は、短期投資でも長期投資でも、一朝一夕で大稼ぎできるものではありません。

しかし、楽しめなかったり、大損をしてしまったりすると、投資活動は長続きしません。「この投資スタイルなら楽しめそう」「この投資スタイルなら大きな損はしないかも」と、個人投資では自身が納得できるスタイルを見つけてください。

最初のうちは「儲けたい」というより「損失を出さない」という意識で運用すると、少しずつうまくいくこともあるようです。損失を最大限に抑えるという視点で、投資を始めてみましょう。

初心者におすすめの投資スタイル

初心者には「分散投資」がおすすめです。理由として「分散効果」があります。

分散効果の分かりやすい例として挙げられる金言が「卵を1つのカゴに盛るな」です。卵が満載されたカゴを落とすと、すべての卵が一気に割れてしまいます。しかし、いくつかのカゴに分けて卵を盛っておくことで、1つのカゴが落ちても損害を抑えることが可能です。また、割れなかった卵から雛が孵り、より大きな利益を生む可能性もあります。

投資の場合は、ただ複数の銘柄を買うだけでなく、異なる業界や異なる国の銘柄を買うと、投資対象が広がり、よりリスクを抑えることが可能です。

たとえば、建築業界にのみ絞って投資していると、建築業界そのものが不況に陥ったとき、大きな損をします。業界を分散して投資すると、可能な限りリスクを抑えることができます。このように、業界や国を分散して複数の銘柄を保有することで、分散投資にはリスクを低くする効果があります。1つの銘柄だけを重視せず、様々な業界の銘柄に分散したポートフォリオを作るのが大切です。

また、途中で投資スタイルを切り替えることはおすすめできません。たとえば、短期投資で値下がりしてしまった株をすぐに売却せず、中長期投資に切り替えることを「塩漬け」と呼びます。

値上がりの保証がない場合は、株を塩漬けしても無意味です。思い切って早期に売ってしまい、別の銘柄を買うほうが資金効率を上げることができる可能性を期待できます。

【関連記事】初心者向け!基本的な株の取引方法まとめ -ゼロからはじめる株式投資- 

まとめ

初心者向けに、株式投資のスタイルについて紹介しました。初心者には、ローリスクでありながら投資を楽しむことができる「分散投資」がおすすめです。

しかし「もっとチャレンジしたい」という方は、この記事を参考にして、別の投資スタイルに挑戦してはいかがでしょうか。長期投資、短期投資にはそれぞれ向き不向きがあります。それぞれの運用スタイルを学んで、自分に合った資産運用の方法を見つけましょう。

この記事で紹介したように、投資スタイルにはさまざまな種類があります。ご自身に合った投資スタイルを見つけて、投資を楽しんでください。

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よくある質問

Q

長期投資の目安は?

A

基本的に明確な定義はありませんが、長期投資では「少なくとも1年以上」同じ銘柄を保有し続けるのが一般的でしょう。ただし資産形成を目的にした長期運用などでは、10-20年あるいは半永久的に保有することも珍しくありません。

詳しくは「長期投資」を参照

Q

長期投資はなぜ安定する?

A

長期投資が安定するのは、保有期間を長くすればするほど短期間の相場変動の影響を受けなくなるためです。あくまで過去の投資成績ではありますが、実際に投資期間を長くとるほど、リターンの上振れ・下振れ幅も小さくなる傾向にあります。
加えて、投資期間が長くなれば、その分「複利効果」を得ることもできます。

【関連記事】株式投資にはどんなメリット・デメリットがある?投資スタイルによる違いも解説

Q

グロース投資、バリュー投資とは?

A

グロース投資とは「企業の成長性」に焦点を当てる投資スタイルです。売上高成長率などの成長性指標や、成長分野でビジネスをおこなっている、有望な技術を有しているといった点に注目して銘柄を選定し、投資します。
一方、バリュー投資とは「株価の割安度」に注目します。本来の価値より市場で過小評価されている銘柄を探し出し、「真の価値」へ株価が戻るまで保有するスタイルです。ファンダメンタル分析によって真の企業価値を算定したり、PERやPBRなど株価の割安度合いを判断する指標をもとに投資判断を行います。

【関連記事】グロース株・バリュー株とは?どんな銘柄がある?違いと見分け方について解説

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