インカムゲインとキャピタルゲインの違いとは?運用方法や選び方について分かりやすく解説!

投稿日:2022/03/10 最終更新日:2023/08/01
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株式投資を始めるためには、専門的な知識を身に付けなければなりません。株式投資における専門的な知識は数多くありますが、その一つにインカムゲインとキャピタルゲインがあります。どちらも株式投資によって得る利益に関する重要な考え方です。2つの利益の違いを理解すれば、目標とする資産形成のための具体的な計画を立てることができます。 今回は、インカムゲインやキャピタルゲインとは何かについて解説します。
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インカムゲイン・キャピタルゲインとは

株式投資の利益に関する用語では、「株式」や「配当金」など聞き慣れた言葉もあります。しかし、インカムゲインやキャピタルゲインは聞いたことがないという人も多いのではないでしょうか。

インカムゲインとキャピタルゲインは、資産運用をして結果的に得ることができる利益の名称です。主に株式投資で使われる言葉ですが、株式投資以外にも投資信託・FX投資・不動産投資といった投資でも使われます。ただし、それぞれの投資により内容は異なります。 そんなインカムゲインとキャピタルゲインは、名称は似ているものの具体的な内容は異なります。そこでここからは、インカムゲインとキャピタルゲインの概要を、それぞれ詳しく解説します。

インカムゲイン=資産保有中に得られる利益

インカムゲインとは、資産保有中に継続的に得ることができる利益です。例えば、不動産投資をすると家賃収入を継続的に得られます。この家賃収入による利益をインカムゲインといいます。

インカムゲインのメリットは、ローリスクで安定した利益を得ることができる点です。短期的な評価額の動向に一喜一憂する必要がなく、保有しているだけで安定した利益を受け取ることができます。

一方で、利回りが低くハイリターンが期待できない、保有期間中に大量の含み損が発生するリスクがあるというデメリットもあります。含み損とは、未決済の損益です。株式を売却していないものの、取得時の価格よりも評価額が安くなってしまっている状態は、含み損が発生しています。インカムゲインは長期保有が基本のため、含み損が増加しやすい点に注意が必要です。

インカムゲインは全ての投資手法に発生するわけではありません。インカムゲインが発生する投資手法は、株式投資・投資信託・金(ゴールド)・不動産投資・ソーシャルレンディングです。また、FX投資もキャピタルゲインがメインにはなるものの、金利差によってインカムゲインが得られることもあります。それぞれの投資のインカムゲインは下記の表の通りです。

株式投資 配当金
投資信託 分配金
金(ゴールド) スワップポイント
不動産投資 家賃収入など
ソーシャルレンディング 分配金
FX投資 スワップポイント

スワップポイントとは金利差調整分です。FX投資では2カ国の通貨を利用するため、各国で金利差が生じます。この金利差を「スワップポイント」といいます。 なお、インカムゲインは0になる場合はあるものの、マイナスになることはありません。

【関連記事】インカムゲインとは?キャピタルゲインとの違いやおすすめ銘柄について解説!

キャピタルゲイン=売却時に得られる利益

キャピタルゲインとは、保有している資産を売却する際に得られる利益です。株式投資においては、購入時よりも株価が高いタイミングで売却した際に得られる利益を「キャピタルゲイン」と呼びます。

キャピタルゲインのメリットは、短期間でハイリターンが期待できる点です。ただし、ハイリターンを狙った投資にはハイリスクがつきものです。ハイリターンを狙って多額の株式を取得しても、値下がりしてしまうと大きな損失が発生します。

キャピタルゲインは全ての投資に発生するわけではありません。キャピタルゲインがある投資手法は、株式投資・投資信託・不動産投資・仮想通貨(暗号資産)・FX取引です。インカムゲインは、投資手法により内容が異なりますが、キャピタルゲインはどの投資方法でも売却益を指します。

キャピタルゲインは、購入価格を基準としてプラスになる場合とマイナスになる場合があります。例えば、保有している株式を購入時よりも高い株価で売却すればプラスになりますが、値下がりしているタイミングで売却するとマイナスになります。

キャピタルゲインがマイナスになった状態、つまり売却によって発生する損失は「キャピタルロス」と呼びます。

株式投資におけるインカムゲイン

前述の通り、インカムゲインは投資の種類ごとに内容が異なります。ここからは、株式投資におけるインカムゲインについて詳しく解説します。

インカムゲインとは
インカムゲインとは




 

配当金

株式投資におけるインカムゲインは「配当金」と「株主優待」です。

株式投資は、株式会社が発行している株式を取得し、企業の利益に応じた配当金や株主優待などの優遇を受けることができます。

配当金とは、会社が得た利益を株式の保有数に応じて株主に還元するお金です。企業により配当金が出る時期は異なるものの、通常年に1回または2回受け取ることができます。

株式会社に投資してその会社に利益が出たからといって、必ずしも配当金があるわけではありません。株式会社の中には配当金のない「無配当」の会社もあります。 インカムゲイン(配当金)を目的に株式投資をする場合には、投資を検討している銘柄に配当金があるかを事前に確認してください。

インカムゲインを重視した株式投資方法

前述の通り、株式会社全てに配当金があるわけではなく、中には無配当の会社もあります。そのため、インカムゲインを重視する場合には、事前に配当金の有無を確認しなければなりません。

また、インカムゲインは株価の短期的な動きに影響されず、長期的に安定して配当金を受け取ることができるというメリットがある一方で、配当の利回りは年間数%とハイリターンは狙えにくいというデメリットがあります。実際、株式投資におけるインカムゲインの配当利回りの平均は2%前後です。 インカムゲインを重視した株式投資は、リスクを最小限に抑えたい、長期的に安定したインカムゲインを得たいという方に向いています。逆に、短期間でハイリターンを狙いたい人には不向きです。

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株式投資におけるキャピタルゲイン

株式投資におけるキャピタルゲインは、株式を売却した際に得ることができる「売却益」です。 ここからは、株式投資におけるキャピタルゲインについて、投資方法と併せて詳しく解説します。

キャピタルゲインとは
キャピタルゲインとは

売却益

キャピタルゲインとは売却時に得られる利益ですが、株式投資においては株式を売却した際に得られる利益のことを指します。例えば、株価10万円で購入した株式を株価20万円で売却すると、売却益は10万円になります。この10万円がキャピタルゲインです。

株式投資におけるキャピタルゲインは、インカムゲインに比べるとリターンが大きくなりやすいという特徴があります。なぜなら、先ほどご紹介した通り株式投資におけるインカムゲインの年間平均利回りは約2%です。一方でキャピタルゲインは、購入した金額を大きく上回ることがあるためです。もちろん、キャピタルゲインが少ない場合やキャピタルロスになるリスクもありますが、ハイリターンを狙う場合にはキャピタルゲインの方が良いでしょう。

キャピタルゲインを重視した株式投資方法

キャピタルゲインはプラスになることもあるものの、マイナスになるリスクもあります。

株式投資でキャピタルロスを避けるためには、値上がりが見込める成長株を買うことが大切です。ただし、初心者の方は成長株がどれかわからないという方も少なくありません。そこで、成長株の見極め方を確認しましょう。

成長株を見極めるためには、自己資本利益率(ROE)と売上高成長率を確認しましょう。自己資本利益率は「当期純利益 ÷ 自己資本 × 100」で算出でき、業種によるものの10%を上回っていれば優良企業です。また、売上高成長率は「(当期売上高ー前期売上高)÷前期売上高」で算出できます。同業他社と比較してその企業がどの程度成長しているかを見極めます。

このように、自己資本利益率と売上高成長率を算出して成長株かを見極めて投資してください。その株価が成長株だった場合には、大きいキャピタルゲインも期待できます。

株価下落のリスクに注意

株式投資ではハイリターンを狙うと、その分リスクも大きくなります。キャピタルゲインを狙う際には、株価下落のリスクが伴うことも覚えておきましょう。

例えば、成長株と見込んで買った株式が思うように成長せず、株価が下落することもあります。株価が下落した状態で売却すると、売却損であるキャピタルロスが発生します。特に、保有期間が1日のデイトレードのような短期間の取引は、キャピタルロスが発生しやすくなるため注意が必要です。

短期間の取引は株価を瞬時に読まなければならないため、チャートを見慣れていない初心者は長期間の取引でキャピタルゲインを狙った方が良いでしょう

【この記事もおすすめ】
チャートの見方・読み方をやさしく解説!株価チャートから株の買い時を探る方法とは?

インカムゲインとキャピタルゲインにかかる税金

投資で得た収益は原則として課税対象です。ただし、株式投資や投資信託の収益にはインカムゲインとキャピタルゲインの2種類があり、それぞれで内容が異なることから受取時にかかる税金も異なります。

そこでここからは、インカムゲインとキャピタルゲインにかかる税金について、それぞれ詳しくご紹介します。 

インカムゲインにかかる税金

まずはインカムゲインにかかる税金を確認しましょう。

株式投資におけるインカムゲインは「配当金」です。配当金で得られる利益は、利益の20.315%が課税対象です。税額は「利益(配当金総額)×20.315%」で計算できます。例えば、5万円の配当金を受け取る場合には、「50,000×20.315%=11,575」となり、11,575円を納税します。

なお、インカムゲインにかかる税金は住民税と所得税です。税率20.315%の内訳は、住民税が5%、所得税が15.315%です。通常の配当金の所得税率は15%です。しかし、2013年1月から2037年末まで東日本大震災の復興特別所得税が2.1%追加されており、現在の所得税率は15%×2.1%=0.135%が上乗せされて15.315%となっています。

また、インカムゲインは総合課税・申告分離課税・申告不要の3つの選択肢から受取方法を選ぶことができます。それぞれの特徴は以下の通りです。

・総合課税 源泉徴収の上、他の所得と総合課税される方法。配当控除の適用も可能。

・申告分離課税 上場株式の売却損失や配当などと通算できる方法。

・申告不要 配当金の合計額に関わらず確定申告は不要。他の所得と合算せずに源泉徴収のみ。

上記の通り、総合課税では配当控除の適用が可能です。配当控除とは、課税所得の金額に応じて住民税・所得税それぞれで控除が受けられる制度です。配当控除を適用すると、課税所得が1,000万円以下の場合、所得税は配当所得の10%、住民税は配当所得の2.8%が控除されます。また、課税所得が1,000万円を超える場合には、1,000万円を超えた部分について控除の割合が半分になります。

上の3つから、最適な方法を選んだ上で配当金を受け取りましょう。
インカムゲインにかかる税金
インカムゲインにかかる税金

キャピタルゲインにかかる税金

次に、キャピタルゲインにかかる税金を解説します。 キャピタルゲイン、つまり株式を売却して得た利益は原則として、確定申告で株式等の売却損益以外の所得に対して20.315%の税金が課税されます。株式等の売却損益以外とは、給与所得や事業所得のことです。キャピタルゲインは、これらとは分けて税金を計算します。なお、この制度は「申告分離課税制度」と呼びます。

キャピタルゲインにかかる税額は「利益(譲渡価格-取得費用-手数料等)×20.315%」で算出します。譲渡価格とは売却収入、取得費用とは株式の購入代金です。 キャピタルゲインも、税率20.315%(所得税が15.315%・住民税が5%)が課税されます。

また、注意点として課税対象は売却して実現した利益のみです。含み益(評価益)は課税対象にはなりません。なお、含み益とは保有する株式の株価は値上がりしているものの、まだ売却していない状態です。売却した株式の利益のみ課税となることを覚えておきましょう。
キャピタルゲインにかかる税金
キャピタルゲインにかかる税金
上場株式の配当金の3つの選択肢
上場株式の配当金の3つの選択肢

まとめ

株式投資を始め、投資をする際にはインカムゲインとキャピタルゲインについて把握しておくことが重要です。投資手法によっては、インカムゲインのみしか発生しないなど、どちらかのみしか関連しない場合もありますが、株式投資ではインカムゲインとキャピタルゲインどちらも発生します。 株式投資におけるインカムゲインは配当金や株主優待、キャピタルゲインは売却益です。インカムゲインを得るためには、投資しようとしている銘柄が配当金を出しているかを確認しなければなりません。また、キャピタルゲインを効率良く得るためには、成長株を見極める力が必要です。

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