チャートの見方についてやさしく解説!株価チャートから株の買い時を探る方法とは?

投稿日:2022/01/13 最終更新日:2023/09/01
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株価チャートは、株式投資を始める上で理解が必要な基礎知識です。こちらでは、株価チャートについての知っておくとよい知識を、株式投資の経験がない初心者に向けてまとめました。具体的には株価チャートの概要・構成要素・読み方を分かりやすく解説しています。また、チャートの分析手法についても簡単にご紹介します。
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この記事の監修者

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菅原良介

株式会社Finatext

証券アナリスト

Finatext サービスディレクター・アナリスト。日本テクニカル協会認定テクニカルアナリスト。早稲田大学 政治経済学部 経済学科卒業。Finatextグループで展開される投資・証券サービスのディレクターを担当する傍ら、アナリストとしても活動。グループで展開するコミュニティ型株取引アプリSTREAM内で開催されるイベントのモデレーターなども務め、国内メディアへの寄稿も行う。

株価チャートとは? 

株価チャートとは、株価の動きを認識しやすいようにグラフで表記したものです。参考として、チャート(chart)とは表やグラフの総称です。

あらゆる投資家はこのチャートを見て売買のタイミングを判断します。株価チャートは株価の推移を月・年などの一定期間で分けて表示できるため、株価が視覚的に分かりやすく捉えることができます。

株価チャートは何を表している? 

株価チャートは主に以下で説明する3つを表しています。

1つ目は、過去にその株価の値動きがどのように変化してきたかです。具体的には1日、1週間、1か月、3か月、1年ごとなどの株価変動を確認できます。

2つ目は、株価が今後どのような値動きを見せるかです。株価の値動きには一定の法則が存在しているため、株価の変動をある程度予測できます。

3つ目は、現在の株価が安すぎるのか高すぎるのかを確認できます。たとえば、ここ半年間の株価変動だけを見ていると上昇して見える株価も、実際にはこの1年で最も株価が低い値を示していることがあるでしょう。

このように、株価チャートには、株式投資で利益を生む情報が豊富に載っています。銘柄や会社の業種ごとに、株価がどのような動きをするか分かれば、売買のタイミングが分かり、利益や配当金、株主優待を受け取ることができます。ただし、配当金や株主優待の有無や内容は銘柄ごとに別途調べる必要があります。

株価チャートはどこで見られる? 

株価チャートは銘柄ごとにYahoo!ファイナンスや日経新聞のホームページといった場所で見ることができます。また、各証券会社や金融機関のホームページでも確認が可能です。最近では、手軽に確認できるアプリも増えています。

株価チャートの構成要素を確認!

株価チャートの構成要素とそこからわかるもの株価チャートは主に以下の3つで構成されています。これから株式投資を始める人は押さえておきましょう。

①値動きを表すローソク足

ローソク足とは、1日、1週間、1か月といった期間ごとの値動きを表しています。ローソク足は2種類(陽線・陰線)あり、1本のローソク足から4種類(始値・終値・安値・高値)の株価を読み取ることが可能です。

 始値:最初に取引された際の価格
 終値:最後に取引された際の価格
 高値:期間中に取引された最高値の価格
 安値:期間中に取引された最安値の価格

株式投資は買い手と売り手が見つかって初めて取引が成立します。なお、最初に成立した取引を寄付(よりつき)とも呼びます。寄付は始値と同じ意味を表すこともあります。

値動きを表すローソク足

ローソク足における陽線と陰線

陽線と陰線

ローソク足の見た目は、白い四角と黒い四角の上下に線が伸びている図形です。こちらの白いローソク足が陽線、黒いローソク足が陰線と呼ばれています。

陽線は、終値が始値よりも高い時を表します。ローソク足の四角は実体または本体と呼ばれており、実体の端はそれぞれ始値と終値を表しています。陽線の上が終値、下が始値です。つまり、陽線は取引開始時よりも取引終了時の方が高い株価を表しています。

陰線は陽線と逆であり、上が始値、下が終値を表します。つまり、陰線は取引開始時よりも取引終了時の方が低い株価を表しています。

なお、陽線と陰線は似ているため、始めのうちは混合してしまいがちです。勘違いによって投資が失敗しないように気を付けましょう。

ローソク足のヒゲ

ローソク足の実体から上下に伸びている線をヒゲ、または影と呼びます。また、上方向に伸びているヒゲを上ヒゲ(上影)と呼び、端が高値を表します。一方、下方向に伸びているヒゲを下ヒゲ(下影)と呼び、端が安値を表します。ヒゲが長いほど始値・終値と、安値・高値の差が大きい、すなわち株価の変動が大きいと説明できるでしょう。

ローソク足の使い分け・パターン

ローソク足には、期間ごとにそれぞれ日足、週足、月足といった呼ばれ方があります。短期間の動きを見る時は日足、中期間の動きを見る時は週足、長期間の動きを見る時は月足です。投資のスタイルごとにローソク足の種類を使い分けます。

ローソク足にはさまざまなパターンがあり、その形によって性質が異なるため、今後の株価が上昇するか、下落するかを予測できます。

②トレンドを表す移動平均線

移動平均線とは、該当日から過去の一定期間における株価の平均値を結び、線に表したものです。

移動平均線の特徴

移動平均線は同じ銘柄の同じ時期でも、平均を取る期間でグラフの形状が異なります。日足を例にすると、短期間なら5日分・中期間なら25日分・長期間なら75日といった期間です。その他、週足なら13週・26週・52週、月足なら12か月・24か月・60か月の平均期間を取ることが一般的です。

移動平均線を見るメリット

移動平均線を見ることで、ローソク足による値動きの補完として株価の大まかな流れ、すなわちトレンドを把握できます。

トレンドとは今後株価が上昇し続けるか、または下落し続けるか、はたまた横ばいかといった、株価の大まかな動きを指します。トレンドの種類は、上昇トレンドと下降トレンド、もみあいとも呼ばれるボックストレンドの3つです。

それぞれの見分け方として、上昇トレンドは、移動平均線が右上がりで、ローソク足は陽線が連続しています。下降トレンドは、移動平均線が右下がりで、ローソク足は陰線が連続しています。上昇トレンドと下降トレンドは、それぞれ対称な特徴です。

そして、もみあいは小さな上昇と下落を繰り返す、もしくは急激な価格の上昇と下降が続きます。トレンドを把握することで、利益のチャンスを掴むことも損失のピンチを回避することも可能です。

株式の売買時には、ローソク足とあわせて移動平均線をしっかりと確認しましょう。

③取引の量を表す出来高 

出来高とは、一定期間中にその銘柄がどのくらい売買されたかを表している指標です。この指標は、ローソク足や移動平均線とは異なり、株価ではなく取引数量を表しています。

売買が成立している株の数であるため、出来高が高い時は、その銘柄が多くの投資家に注目されていることを示します。反対に、出来高が低い時は、あまり投資家に注目されていないことの表れです。

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株価チャートから株の買い時をどう読み取る?

株価チャートの見方を踏まえた上で、適切な買い時をいかに読み取るかが重要です。ここでは、株価チャートから買い時を読み取る方法について詳しく解説します。買い時のチャンスを見逃さないために、買い時に共通する特徴を覚えておくようにしましょう。

基本的には上昇トレンドのときに買う 

買い時のポイントとして、基本は株が上がっているときに買い、下降トレンドに転じるときに売る形の戦略が無難な方法です。そのため、株式投資を始めたばかりの初心者は、株が上がっているときに買い、下降トレンドへ転じるときに売りましょう。

前述の通り上昇トレンドでは、移動平均線が右上がりであり、ローソク足も右上がりに陽線で連続しています。反対に、初心者のうちは下降トレンドが起きている時に購入してはいけません。下降トレンドの時は、失敗しやすくリスクが高いため、慣れて来るまでは手を出さないようにしてください。

押し目買いとは? 

押し目買いとは、上昇トレンドの株価が一時的に下がったポイントを見計って買うことを表します。株価チャートの読み間違いをしてしまうリスクが伴うため、中級者向けの買い方です。

押し目買いは、上昇トレンドがまだ続くと考えることができる時に多く行われます。押し目買いは、株価が移動平均線にタッチした時点で買うことがポイントです。

なお、混同しやすい手法として「ナンピン買い」は平均取得価格を下げる目的で既存の保有銘柄2回以上買い増し、押し目買いは保有数量を上げる目的で行います。

押し目買いとは

押し目買いとは

トレンドの転換点も重要

株の買い時ポイントでは、トレンドの転換点を見極めることも重要です。トレンドの見極め方として、2つの方法があります。

ゴールデンクロスとは

ゴールデンクロスとは

1つ目は、ゴールデンクロスと呼ばれるポイントです。ゴールデンクロスとは、短期間の移動平均線が長期間の移動平均線を、下から上へ突き抜けている点です。これは、上昇トレンドへ転じる合図であるため、低い株価で購入するピークを迎えたと説明できます。

デットクロスとは

デットクロスとは
2つ目は、デッドクロスと呼ばれるポイントです。デッドクロスとは、短期間の移動平均線が長期間の移動平均線を上から下へ突き抜けている点です。これは、下降トレンドへ転じる合図であるため高い株価で売却するピークを迎えたと説明できます。

このように買いのタイミングが掴めれば、利益を上げやすくなります。株価の動きは銘柄ごとに特徴があるので、投資したい会社を見つけた場合、まずは過去にどのような動きをしていたかチャートで確認してみましょう。

チャートを見ただけでは儲けられない

株式投資で儲けたいならば、株価チャートを眺めるだけでなく、社会情勢にも広く目を向けるようにしましょう。企業の財務データをはじめ、景気動向・経済状況、政府の財政・金融政策、その他事件やイベントといった、日本・世界の政治・経済にアンテナを張る必要があります。そして、手に入れた情報を元に相場の分析が必要です。

以下で主な2つの分析手法を解説します。

テクニカル分析

テクニカル分析とは、過去にあった株価の値動きからトレンドや今後の株価がどのように動くか、一定の法則を見つける手法です。主にローソク足、株価チャートその他様々な指標を用いて売買のタイミングを判断し取引を行います。

具体的には、過去の株取引と似たケースがあるならば、この先も同じ結果が起きると予測します。テクニカル分析は確率の高い取引が可能であるため、多くの投資家が活用しています。分析力を上げてより精密に株価チャートを分析することで予想の精確性が高まり、より低いリスクで株式投資ができます。

デメリットは、突発性の高い出来事は考慮できない点です。ある日、政府が発表した内容によって、株価が予想外の動きを見せる可能性もあります。また、分析するための指標が多いため、初心者には分かりにくく難しい方法です。

【この記事もおすすめ】
 株式投資のテクニカル分析とは?初心者にもわかりやすく基本を解説! 

ファンダメンタル分析 

ファンダメンタル分析とは、景気動向や金融政策、財政政策といった社会の動きが、株式市場にどのような影響を与えるかを分析する手法です。加えて、ファンダメンタル分析では企業の財務状況を分析することで、その会社に成長の見込みがあるかを調べます。

ファンダメンタル分析のメリットは、事前に価格変動が起きる可能性を把握できる点です。そのため、中長期間でのリスクが把握しやすく、短期間の株価変動に翻弄されません。テクニカル分析ではカバーできない突発性の高い出来事があっても安定した投資ができます。

一方ファンダメンタル分析のデメリットは、分析する量が多く、入手した情報の全てが正しい情報かが分からない点です。不確かな情報をもとに分析してしまうと、正しい分析結果を得ることはできません。そのため、分析に必要な正しい情報を得るまでに時間がかかってしまいます。

ファンダメンタル分析も、初心者にはとても難しく、情報を素早く入手できる人でなければ向いていない分析方法です。

【この記事もおすすめ】
 ファンダメンタルズ分析とは?分析方法の基本をわかりやすく解説! 

まとめ

株価チャートを読むことで、過去の株価変動を知ることができ、今後の株価変動を予測することが可能です。具体的にはローソク足や移動平均線、出来高から読み取りができます。株式投資の初心者は上昇トレンド・下降トレンドなどのわかりやすい法則から投資判断を行いましょう。

そして、株式投資に慣れてきたら、押し目買いを行ったり、テクニカル分析・ファンダメンタル分析などの難易度の高い分析を学習したりすることをおすすめします。株価チャートから売買のタイミングを掴みましょう。

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