資産を「保有」することで獲得できるインカムゲインに注目することは、投資家の豊かな人生を形成するための一助となり得ます。インカムゲインを重視した運用手法は、初めて投資を行う方から投資の専門家まで、幅広い投資家が資産形成を行うのに適した投資手法の一つと考えられます。しかし、インカムゲインには、投資を行う上でいくつかの注意点も存在しています。
本稿を通して、インカムゲインとは何かを俯瞰するとともに、メリットとデメリットを深く理解することで、将来の資産形成に役立てましょう。
インカムゲインとは?
インカムゲインとは、資産運用によって得られる配当金や利子など、一定期間ごとに受け取ることができる収益のことを指します。インカムゲインは、企業などが稼ぎ出した利益が源泉となっており、株式や債券といった金融商品を保有することで得ることができます。
インカムゲインは、投資資産の価格変動に左右されるキャピタルゲインとは異なり、安定的な収益が得られることから、リスクを抑えた投資手法として注目されています。
インカムゲインとキャピタルゲインの違い
インカムゲインとキャピタルゲインは、どちらも資産運用で得られる収益という意味では同じですが、受け取る方法やその源泉が異なります。インカムゲインは、金融商品を「保有」することで配当や利子などの定期的な収益が獲得できる一方で、キャピタルゲインは、投資資産の価格が上昇した際に、当該資産を「売却」することで得られる収益を指します。
キャピタルゲインは、金融商品の価格上昇によって大きな収益が得られる可能性がありますが、反面、2020年3月に起きたコロナショックのように、資産価格が大きく下落した場合には、大幅な損失が発生するリスクがあります。
投資の種類別インカムゲインについて
インカムゲインを得ることができる金融商品は、様々な種類に分けることができます。以下、金融商品の種類別に特徴を見ていきましょう。
普通預金/定期預金の場合
利息が付いている普通預金・定期預金は、預けたお金から一定期間ごとに利息を受け取ることができます。これらの預金は、預金者1人当たり、1金融機関毎に元本1,000万円までが預金保険制度によって保証されています。
そのため、安全性が高いという特徴があります。ただし、2023年4月現在、日本は、米国などと比較して金利が相対的に低く、利息収入は限定的になっています。
株式投資の場合
保有する株式に対する配当金から収益を得ることができます。配当金は、企業が稼ぎ出した利益が株主に還元されるものであり、一定期間(通常は半期に一回)毎に支払われます。
企業によっては、1株当たりの配当金や利益に対する配当の割合(配当性向)を経営目標に掲げている場合があるため、安定した収益を見込むことができます(ただし、企業業績の動向には注意が必要です)。
投資信託の場合
専門家に運用を任せた上で、多様な国、業種、企業や資産に分散投資を行うことができるため、リスクを分散した状態でインカムゲインを得ることができます。
ただし、投資信託には買付け手数料や信託報酬といった様々な費用が追加的にかかる点には留意が必要です。
FXの場合
FX(外国為替証拠金取引)は、通貨の価格差から収益を得るイメージが強いですが、インカムゲインを得ることもできます。
FX取引では、購入した通貨の金利を受け取り、売却した通貨の金利を支払う必要があるので、2つの通貨間の金利差からインカムゲインを獲得することができます。
不動産投資の場合
不動産物件からの賃料収入がインカムゲインとなります。借主との賃貸契約期間が複数年に亘るため、当該期間は安定した収益を見込むことができます。反面、実物不動産に投資する場合は、初期投資として多額の資金が必要になります。
また、空室が出た場合に、賃借人を探す費用や賃料収入が得られないリスクがあります。
仮想通貨の場合
仮想通貨に投資をしてインカムゲインを獲得する方法には、レンディングとステーキングといった2種類の方法があります。レンディングは、対象の仮想通貨を一定期間、ビットコインの取引所に貸し出すことで、借り手から手数料を得ることです。
一方、ステーキングは、ブロックチェーン(電子的な台帳)上の取引内容を記録する見返りとして、報酬を得ることを指します。
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インカムゲインのメリット・デメリット
インカムゲインには、メリットもあればもちろんデメリットもあります。ここでは、それぞれについて具体的に見ていきましょう。
メリット
インカムゲインを重視した投資手法の最大のメリットは、安定した現金収入が得られることです。
インカムゲインの源泉は、企業などが稼ぎ出した利益であるため、投資対象に価格変動があった場合でも、定められた期間に一定金額がインカムゲインとして得られます。そのため収入の予測がしやすく、継続的な収入を求める投資家にとって魅力的な選択肢となり得ます。
デメリット
一方、インカムゲインの最大のデメリットは、配当や利息などの収益が固定的であることが多く、物価や金利が大きく上昇する局面では、実質的な収益が減少してしまうことが挙げられます。
また、投資対象の財務状況や収益性の悪化によって配当金や利息が減少してしまう可能性があり、そのようになった場合は、インカムゲインが減ってしまうリスクがあります。
おすすめのインカムゲイン重視銘柄
インカムゲインを重視した投資手法は、参入障壁が高い業種、優れた無形資産(特許、ブランドや認可など)やネットワーク効果(顧客数の増加に伴って、製品・サービスの価値が向上すること)を有する競争優位性に優れた企業を選定することがおすすめです。
例えば、公共交通機関、SNSやクレジットカードなどが挙げられる)を有する競争優位性に優れた企業を選定することが重要です。こうした企業は、強力なライバルの出現や競争激化による利益率の低下を避けやすいため、持続的に利益を挙げることができます。
そのため、長期的に安定したインカムゲインを投資家に提供することができます。インカムゲインのメリットを最大限に享受するために、最も重要な要素であると言えます。
インカムゲインが向いている人・注意点
インカムゲインは手堅く、安定した資産運用を目指す投資家に向いています。定期的に一定額の収入を得られることで、生活費から将来に向けた資産形成まで、幅広い領域でインカムゲインを有効に利用することができるでしょう。
これだけ注意しておこう!
高い利率や利回りのみを重要視することには、大きなリスクが潜んでいる可能性があります。このような投資対象には、将来の財務状況や収益性の悪化懸念から、リスクに見合った高いインカムゲインを金融市場が要求していると考えられます。
そのため、持続的にインカムゲインを得るためには、先述したように、長期的に収益が安定した企業を選定することが重要です。
また、過度にリスクを取りすぎないために、投資家のリスク許容度に合った金融商品を選択し、十分な情報収集やシミュレーションを重ねることも大切です。
まとめ:インカムゲインで人生100年時代に向けた準備をしておこう!
人生100年時代と言われる昨今、持続的にインカムゲインを産み出す投資資産を保有することは、投資家の未来を強力にサポートするとともに、人生を豊かにするためのドライバーとなり得ます。
特に、参入障壁が高い業種、優れた無形資産やネットワーク効果を有する競争優位性に優れた企業を選定することで、そのメリットを高めることが可能になると考えます。
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株式会社IFA Leading チーフポートフォリオマネージャー
穗積拓哉(ほづみたくや)
よくある質問
Q | インカムゲインとキャピタルゲイン どっちがいい? |
A | インカムゲインは安定した収入を得られますが、長期的な資本成長よりも低いリターンを提供する傾向があります。一方、キャピタルゲインは資産価値の上昇により高いリターンを得られますが、その変動性は高く、不安定な場合があります。どちらがいいかは、投資家の目的や戦略によって異なります。 |
Q | インカムゲインとキャピタルゲインの違いは何ですか? |
A | インカムゲインとは、投資家が株式や債券などの資産を保有している間に得る利益であり、配当や利子、賃借料などが該当します。一方、キャピタルゲインとは、投資家が資産を売却した際に得られる利益であり、資産の取得時よりも高い価格で売却することによって生じます。 |
Q | インカムゲインが向いている人は? |
A | インカムゲインが向いている人は、安定した収入を得たい人や、老後の生活資金を確保したい人、リスクを取りたくない人、または短期的な投資よりも長期的な投資を望む人です。 |