現物しかやらないから増担保とか関係ない!のかな?

投稿日:2021/12/26 最終更新日:2023/06/12
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個人投資家の中には、リスクの観点から現物取引しか行わないというスタンスの方もいるでしょう。しかし、現物取引のみの場合でも、信用関連の情報についてはきちんと見ておく必要があります。株価の大きな変動要因となるからです。今回は、信用取引規制のひとつである増担保規制や解除による株価の変化の特徴や、投資の対象としてどう捉えていくかについて解説します。
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この記事の監修者

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菅原良介

株式会社Finatext

証券アナリスト

Finatext サービスディレクター・アナリスト。日本テクニカル協会認定テクニカルアナリスト。早稲田大学 政治経済学部 経済学科卒業。Finatextグループで展開される投資・証券サービスのディレクターを担当する傍ら、アナリストとしても活動。グループで展開するコミュニティ型株取引アプリSTREAM内で開催されるイベントのモデレーターなども務め、国内メディアへの寄稿も行う。

過熱した取引を規制する増担保規制とは

増担保規制は、相場への過熱を抑えるために行われる信用取引規制のひとつで、信用取引の残高が大きくなりすぎた場合に行われます。例えば、東京証券取引所などが所属する日本取引所グループ(JPX)は、信用取引のガイドラインに抵触する場合、該当銘柄の取引に増担保規制を実施します。

信用取引を行う場合は、通常30%の委託証拠金(委託保証金ともいいます)が必要です。増担保規制では、この割合(委託保証金率)が50〜70%に引き上げられる、もしくは委託証拠金の中の現金の割合に20〜40%が求められます。このことによって、投資家の証拠金負担が大きくなるため、過剰な信用取引を抑えることができるのです。また、増担保規制は証券取引所が発するだけでなく、証券会社が独自に行う場合もあります。
なお、増担保規制は規制実施後の新規の建玉が対象となるため、以前から保有している建玉に対しては通常通りの保証金率となります。

増担保規制は、信用取引に対しての規制であるため、現物の取引そのものについて規制されるわけではありません。しかし、増担保規制がされた場合には信用取引の減少に、解除された場合には増加に繋がるため、株価の大きな変動をもたらすことがあります。そのため、信用取引の有無にかかわらず信用情報も見ておかなければなりません。増担保規制の前段階として日々公表銘柄への指定がありますので、所有している場合には注意しておきましょう。増担保規制に関する情報が、現物の取引にも影響を与える場合があります。

ちなみに、増担保規制など信用取引に関する規制については、日本取引所グループ(JPX)のwebページにて公表されています。どの銘柄に規制の実施があるか、日々更新を確認しておくようにすると良いでしょう。 

増担保規制による株価の影響

信用取引で増担保規制が行われると、保証金率および保証金の現金比率の上昇によって委託証拠金に必要な資金が増えることから、増担保規制以降の新規の信用取引による取引量が減少するのが一般的です。信用取引量が抑制されず増加するようであれば、さらに貸借禁止などの措置が行われます。増担保規制が発せられた時、株価がどう動くかは銘柄によって差がありますが、一般的には信用による買い圧力が弱まるために、新規の買いが入りいづらくなることで、下落を招きます。特に短期的に上げた銘柄ではその傾向が強くなります。しかし、株価が適正な銘柄では、増担保規制が行われても株価に大きな変動がない場合もあります。必ずしも規制=下落=売却、と考える必要はありませんが、値動きや取引には注意が必要です。

逆に、増担保規制が行われても株価が上昇を続けるケースもあります。しかし、この場合は空売りの解消による上昇や、仕手筋の投機的な動きが続いているに過ぎない場合もあり、ある日突然反落する可能性も高いです。規制中の上昇時の新たな投資については慎重に取引すべきでしょう。

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増担保銘柄は投資に値するか

増担保規制は、取引の過熱が落ち着き、一定の条件を連続して満たした場合(東京証券取引所では、各基準値を5営業日連続でクリアした場合)には解除され、再び通常の条件で信用取引ができるようになります。

増担保規制が行われた場合に下落した銘柄は、解除後に株価が上昇することがあります。中にはストップ高をつける銘柄もあり、その高騰を狙うという投資法もあるほどです。しかし、解除されたからといって株価が必ずしも戻るというわけではなく、上昇は安定して人気の高い銘柄に限られるでしょう。また、値動きの大きな新興市場銘柄においては、規制と解除を繰り返すものもあります。これらの銘柄は増担保規制を受けることでかえって注目されることになったとも考えられます。

仮に業績等問題のない銘柄が、増担保規制が要因で株価が下落した場合には、現物での取引は後に値上がりチャンスとなり得るかもしれません。増担保規制は現物で取引をしている人にとって直接の制限はありませんが、このような影響があらわれるため、見逃してはいけないのです。

株価の変動要因には決算内容など会社の経営状況や数値状況に関するものもありますが、短期的には信用取引規制も大きく存在します。増担保規制の前段階である日々公表銘柄指定の段階から株価の動きには注視しておきましょう。

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よくある質問

Q

増担保とは?

A
増担保とは、信用取引にかかる規制のひとつである「増担保規制」のことを指します。信用取引による市場の過熱を抑制するため、その銘柄の取引に必要な担保(委託保証金)の割合(委託保証金率)を引き上げるという措置です。

詳しくは「過熱した取引を規制する増担保規制とは」を参照
Q

増担保規制の条件は?

A

増担保規制の発動条件は大きく4つで、「残高基準」「信用取引売買比率基準」「売買回転率基準」「特例基準」のどれかひとつを満たすと増担保規制が発動されます。

【関連記事】:増担保規制とは?解除条件や株価への影響について解説

Q

増担保規制が解除されるのはいつ?

A

増担保規制が解除されるのは「解除基準を5営業日連続で達成したとき」で、最終的には証券取引所が判断します。
具体的には、信用取引の残高が下がったかを見る「残高基準」と、株価の移動平均との乖離を見る「株価基準」の2つがあります。

【関連記事】:増担保規制とは?解除条件や株価への影響について解説

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