投資信託のリスクを学んで万が一に備える

投稿日:2022/11/22 最終更新日:2023/10/10
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投資信託で投資をするときには価格変動リスクや為替リスクなどの5つのリスクに注意が必要です。また取引においては購入・運用期間中・売却時それぞれに手数料がかかることも忘れてはいけません。

さらに収益を獲得すると税金がかかり、口座のタイプによっては確定申告が必要になることもおさえておきましょう。この記事では投資信託のリスクやコスト、税金などについて紹介します。

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この記事の監修者

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菅原良介

株式会社Finatext

証券アナリスト

Finatext サービスディレクター・アナリスト。日本テクニカル協会認定テクニカルアナリスト。早稲田大学 政治経済学部 経済学科卒業。Finatextグループで展開される投資・証券サービスのディレクターを担当する傍ら、アナリストとしても活動。グループで展開するコミュニティ型株取引アプリSTREAM内で開催されるイベントのモデレーターなども務め、国内メディアへの寄稿も行う。

投資信託が持つ5つのリスクってどれくらい

投資信託には主に5つのリスクによって損益が発生したり、急に換金されてしまったりする可能性があります。想定外の動きに戸惑うことなく投資信託をうまく活用するためには、5つのリスクを抑えておくことが大切です。

  1. 価格変動リスク
  2. 金利変動リスク
  3. 償還リスク
  4. 為替変動リスク
  5. 信用リスク

 

【関連記事】投資信託で大損する原因は?過去の暴落パターンについて紹介

1.価格変動リスク

投資信託の価格(正確には基準価額と言います)が変化することで損益が発生するのが価格変動リスクです。投資信託は投資家から集めたお金を、株や債券などの多数の金融商品に投資して運用します。投資先の株や債券の価格変動に応じて投資信託の価格も変化します。

通常の投資信託は営業日ごとに1日一回、投資先の価格に応じて、投資信託の価格がアップデートされます。投資信託の価格が上昇すれば投資家の収益となり、下落すれば損失となるのです。

2.金利変動リスク

投資信託の投資先が債券の場合には、金利変動も損益をもたらすリスクとなります。債券の価格は金利と逆の動きをする性質があるため、金利が上がれば価格が下がり、金利が下がれば価格は上がります。

また、満期までの期間が長い債券の方が金利変動のリスクが大きいため、少しの金利変動で価格は大きく変化します。投資先が債券の投資信託については、このように金利変動によっても損益が発生するのです。

3.償還リスク

償還とは、本来は有価証券が換金されてしまうことを意味し、投資信託の場合は満期償還と繰上償還が存在します。投資信託は、商品の運用期間にあたる「信託期間」が設定されていて、この信託期間が終了するタイミングで償還するのが満期償還です。

ただし、運用残高がある程度維持されている場合は、信託期間終了が近づいても「償還延長」と言って信託期間が将来にアップデートされる場合もあります。

一方で、繰上償還は信託期間中にもかかわらず償還されて、自動的に換金されてしまうものです。繰上償還が決まると、投資家の意向に関わらず換金されて損益が確定していまいます。

また、長期投資を想定して投資信託を保有していた投資家は、新たな投資先を探さなければなりません。

4.為替変動リスク

海外の資産に投資している投資信託の場合は、為替変動が投資信託の価格変動の要因となり、損益を発生させるリスクとなります。

為替動向と逆方向の損益が発生する一部の特殊な商品を除くと、通常は海外資産に投資している投資信託の場合、円安になれば価格上昇、円高になれば価格下落の要因となります。

例えば、米ドル円で考えてみましょう。ある投資信託が米国の株に100ドル分投資していたとします。ある時の為替が1ドル=100円だったとしたら、円ベースでの資産価値は10,000円です。

もし、円安になって1ドル=120円になった時は、株価自体が100ドルで変わらなかったとしても、円ベースでの資産価値は12,000円となり、2,000円が収益となります。

逆に1ドル=80円の円高になった時は、円ベースの資産価格が8,000円となり、2,000円の損失となるのです。このように海外資産に投資する投資信託には、現地通貨ベースでの価格推移だけでなく、為替変動リスクも存在するのです。  

5.信用リスク

信用リスクとは、債券などを発行する企業及び国が、予定通り利息支払いや償還をできなくなるリスクです。債券の利払いや償還を履行できないことを「債務不履行」というため「債務不履行のリスク」と言われることもあります。

投資信託の投資先となっている債券における利払いや償還が滞ると、投資信託には損失が発生するため、信用リスクも投資信託におけるリスクとなるのです。     

投資信託の運用で発生するコスト

投資信託を運用する際には購入時・運用期間中・換金時に発生する3つのコストがあります。これらのコストを把握していないと、購入可能額や投資のパフォーマンスを見誤ってしまいかねないので、それぞれのコストについておさえておく必要があります。

【関連記事】:投資信託にかかる手数料の目安は?シミュレーションや安く抑える方法を紹介

購入時にかかるコスト

投資信託を購入するときには、販売会社に購入時手数料を支払わなければならない場合があります。購入時手数料は販売会社によって、そして投資信託の銘柄によって個別に設定されます。

また、中には「ノーロード」と呼ばれる購入時手数料が発生しない商品もあります。手数料が低い傾向にあるSBI証券や楽天証券をはじめとしたネット系銀行では相対的にノーロードの投資信託が多く、購入時のコストをかけずに投資信託での投資を行うことが可能です。

運用期間中にかかるコスト

運用期間中には、運用管理費用(信託報酬)、監査報酬、売買委託手数料などが発生します。信託報酬は投資信託を維持する報酬として販売会社、投資信託の運用会社、信託銀行に分配されます。

また監査報酬は投資信託の損益計算などの計理が適切に行われていることを評価する監査人に支払われるものです。

売買委託手数料は投資信託の売買に応じてファンドが有価証券を売買するときの手数料を、投資家に負担してもらう目的で徴収されます。

いずれの手数料も投資信託の銘柄や販売会社によって水準が異なりますが、インデックス運用や投資先がシンプルな投資信託の方が、運用期間中のコストは安い傾向にあります。

なお、運用期間中のコストはファンドの資産の中から日々徴収されていきます。投資家が追加で資金を支払うことはありませんが、コストの分だけ投資信託の価格が下がる原因となるのです。

運用期間中の手数料は販売会社や運用会社の収入源の一角でもあり、なければ投資信託の運営は不可能なので、このコストについては全ての投資信託で多かれ少なかれ発生します。

換金時にかかるコスト

換金時には、信託財産留保額が発生する投資信託があります。信託財産留保額は売却に伴う事務手数料を、投資信託を保有する他の投資家に間接的に負担させないために徴収されるというのが一義的な理由ですが、短期間での安易な換金を抑制する意味合いもあります。

なお、購入時手数料と同様に、信託財産留保額が設定されていない投資信託も少なくありません。

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投資信託に税金はどのくらいかかる?

投資信託を運用した結果、収入が発生した時には所得税や住民税が発生します。得た収益をもとに所得や支払うべき税金を確定するために、確定申告が必要な場合もあります。

投資信託にかかる税金や確定申告が必要なケースについて見ていきましょう。

  • 分配金や売却益には税金がかかる
  • 確定申告が必要なケースを知る

分配金や売却益には税金がかかる

投資信託で得た分配金は配当所得、売買によって発生した収益は譲渡所得となります。投資信託をはじめとした有価証券投資の場合は、両者の所得に対する所得税率が一緒で、2022年時点では復興特別所得税を含めて20.315%となります。

すなわち分配金や収益が発生しても、その2割超は税金として徴収されてしまうのです。

【関連記事】:投資信託の分配金とは?いつ受け取る?再投資についても解説

確定申告が必要なケースを知る

所得が発生した場合、サラリーマンのように源泉徴収制度がなければ、確定申告で所得と支払い税額を確定しなければなりません。

投資信託を売買する証券口座においては、投資家自身が損益計算をしなければならない「一般口座」と、販売会社が損益計算を行うが源泉徴収を行わない特定口座(源泉徴収なし)については、配当所得と譲渡所得を確定申告しなければなりません。

一方で特定口座(源泉徴収あり)の場合は、自動的に税金が控除されるため、確定申告は必須ではありません。ただしこの場合も過年度の損失と、当年の収益を損益通算して、所得税額を圧縮したい人は、やはり確定申告をする必要があります。

投資信託で損をしないための対策

投資信託にはさまざまなリスクがあるため、損失を100%防ぐことはできません。しかし、この後紹介するポイントを守れば、損失が大きくなってしまったり、原因がわからないまま損失を被ってしまう事態を避けられます。

一括か積立か投資スタイルを決める

一括投資とはまとまった資金を一気に投資信託に投入することで、積立投資は毎月一定額を継続的に投入する投資スタイルです。一括投資はタイミングをとらえれば大きな収益を上げられますが、価格が下がれば損失も大きくなるリスクがあります。

積立投資はドル・コスト平均法が作用することで平均購入単価が下がり、損益が大きくブレにくい特徴があります。ハイリスクを許容できる人は一括投資で大きな収益を狙うのがおすすめな一方、損失リスクを抑制したい人には積立投資が適していると言えるでしょう。

買っている投資信託の中身について知る

投資信託は多数の株や債券などの有価証券に投資しています。その数は数千銘柄に及ぶものもあり、全銘柄を正確に把握することは現実的ではありません。

しかし、どのようなセクターや国、通貨の証券に投資をしているのか、どのような銘柄が多く入っているのか、など投資信託の中身を大まかに知っておくことをおすすめします。

投資信託説明書(交付目論見書)には、その投資信託の運用の仕組みや大まかな投資先のルール、手数料などがわかるので参考にすると良いでしょう。また、ほとんどの投資信託は「月次レポート」という運用状況を紹介するレポートを毎月発行しています。

ここには投資先についてさらに詳しく書いているため、投資信託の現状をより詳しく知ることが可能です。これらの書類にしっかり目を通して、自分が保有する投資信託がどのようなリスクを持つものなのか把握しておくと、背景がわからないまま損失を受ける事態を避けられるでしょう。

分散投資で、リターンを安定させる

投資信託を複数購入して分散投資すれば、特定の資産や銘柄などの価格変動の影響を抑制し、リターンを安定させることが可能です。分散には大きく分けて地域分散、資産分散、時間分散が存在します。

地域分散は例えば日本株と米国株、欧州の株に投資するといったように投資する国を分散することです。また、株、債券、REITなど投資する金融商品を分散させれば資産分散となります。最後に購入するタイミングを複数回に分けて投資すれば、時間分散が働きます。

以下では国内株式、国内債券、海外株式、海外債券のそれぞれの値動きと、4つの資産に均等に分散投資した時の2019年12月末〜2020年12月末の日次の値動きを示したものです。

4つの資産に投資した時の値動きである赤い線は、大きな変動を抑えながら、程よく価格が上昇していることがわかります。

NISAやiDeCoを活用する

投資信託での運用においては、約20%の税金が発生することもネックとなります。実はNISAやiDeCoといった制度を活用すれば、税制上の優遇を受けることが可能です。

NISAは毎年一定額の投資によって発生する分配金や売買益に対して、一定期間の間非課税とする制度で、一般NISAと積立投資に適したつみたてNISAがあります。

また、iDeCoは老後の年金を補完するもので、毎月一定額を拠出して運用を行い、運用資産を60歳以降年金もしくは一時金として受け取ることが可能です。

iDeCoの拠出金は所得から控除できるため、税金を減らすことができます。また、運用益に税金がかからず、かつ老後に受け取る資金は年金なら「公的年金等控除」、一時金の場合は「退職所得控除」の対象となるためやはり税制上優遇されます。

これらの制度をうまく活用すれば、投資に際して支払う税金を抑制可能です。

【関連記事】:つみたてNISAはどれくらい節税できる?NISA・iDeCoと徹底比較

まとめ

投資信託で投資をするときには損益の原因となるリスクや、投資において発生するコストを正確に理解し、思わぬ形で損失を受けたり、パフォーマンスを見誤ったりすることのないよう、注意が必要です。

また、分散投資やNISA・iDeCoの活用などによって、大きな損失や税金の支払いを抑えながら効率的な投資を行うのがおすすめです。自分が許容できるリスクの大きさを考えたうえで、適切な投資信託や手法を選んで、投資を行なってみてください。

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よくある質問

Q

投資信託はいくらから購入できるの?

A

ほとんどの投資信託は手数料を除いた部分で10,000円程度で購入できます。中には100円程度で購入可能なサービスを行なっている証券会社もあります。

Q

投資信託の価格はいつ時点の株価や債券価格が反映されるの?

A

投資信託の価格変動と、投資先の株価・債券価格の変動の間にはタイムラグがあります。国内の資産に投資する投資信託の場合は、投資先の価格変動が投資信託の価格に反映されるのは同日の夜か翌朝ごろです。海外資産へ投資する投資信託の場合は1日以上タイムラグがあるケースもあります。

Q

投資信託の投資先はどんな資産なの?

A

投資信託によって大きく異なり、国内外の株や債券のほか、不動産へ投資するREITや、原油・金といったコモディティに投資するものもあります。また、多数の資産に投資するため、一つの投資信託で高い分散効果を持ちます。

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