テンバガーとは株価が10倍以上に上昇した銘柄です。テンバガーの見つけ方はさまざまですが、今後の成長が見込めることや低位株であること、トレンドに乗っていることなどです。テンバガーを見つけることができれば大きく資産を増やすことができます。日本でもアメリカでも定期的にテンバガーは誕生していますのでテンバガーの見つけ方、予想の方法を理解しましょう。
テンバガー(10倍株・10バガー)とは?
テンバガーとは、ある時点から株価が10倍以上に上昇した銘柄のことで、俗にいう10倍株です。"bagger"とは野球の「塁打」を意味し、"ten-bagger(「10塁打」)"で「1試合で10塁打を記録するほどの大活躍」をした銘柄を喩えています。10倍まで上昇しなくても900%上昇した銘柄もテンバガーとみなされることもあります。
この言葉は、アメリカでファンドマネージャーとして活躍したピーター・リンチが生み出しました。テンバガーの中には1年程度という短期間で急騰し株価が10倍以上になる銘柄もあるので、投資家としてはこのような銘柄に投資ができれば短期間で大きく資産を増やすことが可能です。
では、テンバガーにはどのような魅力と特徴があるのでしょうか?
テンバガーの魅力と特徴
テンバガーには様々な魅力と特徴がありますが、主な特徴は3つに集約されます。
それぞれの特徴についてわかりやすく説明します。
一攫千金が狙える
テンバガーの最大の特徴は、一攫千金が狙えることです。テンバガーは10倍以上株価が上昇する銘柄ですが、中には100倍以上株価が上昇する銘柄もあります。このような銘柄に投資をすることができれば一気に資産を増やすことが可能です。一攫千金が狙えるのはテンバガーの最大の特徴といえるでしょう。
配当金がない銘柄が多い
株式投資の醍醐味の1つにインカムゲインがありますが、テンバガーのように大きく株価が上昇する銘柄の多くは配当金がない銘柄が多いです。それは、これから成長するグロース株が多いからで、企業が利益を配当に回すよりも設備投資などを行う傾向にあるためです。
配当金は出ないですが、それ以上に大きく株価が上昇することがメリットです。
グロース株に多い
先ほども少し触れましたが、テンバガーは、成熟した大企業よりもこれから大きな成長が期待される中小型株に多いです。大企業の場合、前もってある程度の成長が見込まれているため、飛躍的に株価が上昇するケースはあまりありません。
一方、中小型株の企業に関しては、今後の事業や商品等で、将来的に一気に業績を大きく上昇させる可能性があるため、結果的に株価が跳ね上がる可能性があると言われてます。テンバガーを達成する銘柄の多くはグロース株に多いのも特徴の1つでしょう。
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2021年にテンバガーを達成した銘柄
2021年にテンバガーを達成した銘柄を、日本株と米国株に分けて見ていきましょう。
日本のテンバガー銘柄
日本で、2021年にテンバガーを達成した銘柄は合計1社のみです。2020年に株価が急上昇し、15社がテンバガーを達成した反動で2021年の達成企業は比較的少なかったです。
銘柄名 | 業種 | 2021年安値 | 2021年高値 | 上昇率 |
グローバルウェイ(3936) | 情報通信業 | 37 | 2192 | 592.4% |
米国のテンバガー銘柄
米国において、2021年にテンバガーを達成した銘柄は合計4社です。4社しかないのは一見少ないように見えますが、米国株は日本株よりも値動きが良く、10倍どころか100倍に上昇した銘柄も過去にはたくさんあります。
ティッカー | 銘柄名 | 業種 | 市場 | 底値 | 高値 | 上昇率 |
AMC | AMC ENTERTAINMENT HOLDINGS(AMCエンターテインメント・ホールディングス) | 演劇事業 | NYSE | $2.00 | $72.62 | 36.3倍 |
GME | GAMESTOP CORP A(ゲームストップ) | サービス業 | NYSE | $17.15 | $483.00 | 28.1倍 |
SAVA | CASSAVA SCIENCES INC(キャッサバ・サイエンシズ) | 医療関連 | NASDAQ | $6.78 | $146.16 | 21.5倍 |
MMAT | META MATERIALS INC(メタマテリアルズ) | IT・通信 | NASDAQ | $21.76 | $21.76 | 16.0倍 |
過去のテンバガーを達成した銘柄
過去にテンバガーを達成した銘柄やその数を、日本株と米国株に分けて紹介します。
日本のテンバガー銘柄
2020年に日本株でテンバガーを達成した銘柄を一覧表にしました。数は少ないですが、米国株は全体的に上昇率が良く、1年間で10倍株にならなくても数年かけて10倍以上になる銘柄はたくさんあります。
銘柄名 |
業種 |
2020年安値 |
2020年高値 |
上昇率 |
テラ(2191)(※1) |
サービス業 |
92円(3/13) |
2,175円(6/9) |
23.6倍 |
BASE(4477) |
情報通信業 |
774円(3/13) |
17,240円(10/8) |
22.3倍 |
ダントーHD(5337) |
ガラス・土石製品 |
58円(3/13) |
1,065円(10/7) |
18.4倍 |
すららネット(3998) |
サービス業 |
682円(3/13) |
9,350円(10/14) |
13.7倍 |
不二硝子(5212) |
ガラス・土石製品 |
330円(3/13) |
4,100円(11/18) |
12.4倍 |
ケアネット(2150) |
サービス業 |
537円(3/19) |
6,420円(12/2) |
12.0倍 |
サイバーリンクス(3683) |
情報通信業 |
334円(3/13) |
3,925円(12/2) |
11.8倍 |
プロルート丸光(8256) |
卸売業 |
47円(4/7) |
538円(6/9) |
11.5倍 |
不二精機(6400) |
機械 |
150円(3/13) |
1,670円(12/14) |
11.1倍 |
チェンジ(3962) |
情報通信業 |
585円(4/3) |
6,390円(9/28) |
10.9倍 |
Jストリーム(4308) |
情報通信業 |
638円(3/13) |
6,840円(12/3) |
10.7倍 |
ベガコーポレーション(3542) |
小売業 |
398円(4/6) |
4,265円(8/5) |
10.7倍 |
クレアHD(1757)(※2) |
建設業 |
19円(4/23) |
200円(7/6) |
10.5倍 |
GMOグローバルサインHD(3788) |
情報通信業 |
1381円(3/19) |
14,210円(10/15) |
10.3倍 |
松屋アールアンドディ(7317) |
輸送用機器 |
805円(4/7) |
8270円(11/27) |
10.3倍 |
(※1)2022年8月5日破産手続きを申請し、当社の上場廃止が決定した。
(※2)現在は、中小企業ホールディングスという名前に変更。
いかがでしょうか?結果、情報通信業など今後の成長可能性や利益率の高い業種がたくさん入っているのがわかります。
また、大企業ではなく中小型株が達成していたり、株価が比較的安い低位株が多いのも特徴です。そこから、利益や売上高を拡大し、マーケットから注目を集めてテンバガーを達成したことが分かります。
米国のテンバガー銘柄
2020年にテンバガーを達成した米国株をまとめました
ティッカー | 銘柄名 | 業種 | 市場 | 底値 | 高値 | 上昇率 |
GLSI | GREENWICH LIFESCIENCES INC(グリニッジ ライフサイエンス社) | 医療関連 | NASDAQ | $3.26 | $158.07 | 48.4倍 |
MARA | MARATHON DIGITAL HOLDINGS INC(マラソン・デジタル・ホールディングス) | デジタル資産テクノロジー | NYSE | $0.35 | $14.66 | 41.8倍 |
OCGN | OCUGEN INC(オキュジェン) | 医療関連 | NASDAQ | $0.17 | $3.05 | 17.9倍 |
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テンバガー候補銘柄の見つけ方・探し方
テンバガーを見つけることができれば大きく資産を増やすことができます。では具体的にどのようにテンバガー候補銘柄を見つければ良いのでしょうか。主な見つけ方や探し方は5つあります。
テンバガー候補銘柄の見つけ方・探し方
- 過去テンバガー候補銘柄の傾向は?
- テクニカル分析で予測できる?
- ファンダメンタルズ分析で予測できる?
- 株式チャートからスクリーニング
- 引き際が重要!利益確定のタイミングを計ろう
テンバガー候補銘柄の見つけかたや探し方についてわかりやすく説明をします。
過去テンバガー候補銘柄の傾向は?
過去のテンバガー候補銘柄の傾向は以下の通りです。
過去のテンバガー候補銘柄の傾向
- 時価総額が300億円以下
- 上場して5年以下
- 利益率が高い
時価総額が大きすぎる企業は既に人気や注目を集めていて急成長が見込めないため、なかなか短期でのテンバガーは達成しづらい傾向にあります。また上場して長期間経過している企業も緩やかに成長する傾向にあるのでテンバガーの達成は難しいでしょう。
最近のテンバガー銘柄を見ると情報通信業など利益率が高い業種が多い傾向にあります。情報通信業は利益率が高い傾向にあるので多くのトレーダーの期待を集めるのでしょう。トレンド、テーマをしっかりチェックすることも収益の伸びが期待出来る銘柄を見つける方針にもなるでしょう。
もちろん、今回挙げた基準以外にもテンバガーを達成している企業には様々な特徴があります。しかし、まずは今回挙げた3つの基準を参考にしてスクリーニングするのが良いでしょう。
テクニカル分析で予測できる?
テクニカル分析とは移動平均線やRSI、MACDなどのテクニカル指標を使って過去の値動きから将来の株価の値動きを予測する分析手法です。テクニカル分析は比較的短期間の株価予想に使われますが、テクニカル分析を使ってテンバガーの予測もできます。
例えば、テクニカル指標を使ってトレンドをつかむことができれば今後急激に上昇する銘柄を見つけることができるでしょう。トレンドを見つけるためのテクニカル指標の代表格は移動平均線です。
移動平均線とは過去一定期間の終値の平均値を結んだラインで相場のトレンドの方向や勢いを予測できます。移動平均線にはゴールデンクロスとデッドクロスという代表的なトレード手法があり、トレンドの方向をつかむには非常に使いやすいテクニカル指標といえるでしょう。
ファンダメンタルズ分析で予測できる?
ファンダメンタルズ分析とは企業業績など企業が成長する基礎的な条件を分析して株価の動向を予測する手法です。ファンダメンタルズ分析はテクニカル分析に比べて長期での株価予想に適した予測方法になります。
ファンダメンタルズ分析では売上高や利益などの企業業績を分析し株価を予測するので投資初心者の方でも利用しやすい分析手法です。テンバガーの中には1年以内で達成する銘柄もありますが、基本的には長い期間かけて達成する銘柄が多いのでファンダメンタルズ分析はテンバガーを見つけるのに非常に適した分析手法といえるでしょう。
ファンダメンタルズ分析を行う際には、資料として会社四季報を有効に活用すると良いでしょう。四季報では、企業の営業利益および財務状況、業界環境、記者による評価コメントやレビューなど、その銘柄について詳細かつ手軽に情報を入手でき、成長株の発掘にも有効です。また、SBI証券や楽天証券など、投資家向けに四季報が無料で閲覧できるネット証券も多くあるので、「四季報を読めるかどうか」を証券口座選びの際の1つの基準としても良いでしょう。
実際にファンダメンタルズ分析を行う場合、具体的にはPER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)といった指標をもとに企業の株価が本質的価値に対して割安であるか、または割高であるかを判断します。企業価値に対して株価が大幅に低い企業は今後株価が上昇する可能性が高いです。
株式チャートからスクリーニング
テンバガーを達成する銘柄の株式チャートは、上昇基調でありブレイクアウトがよく発生している特徴があります。ブレイクアウトとは、横ばいの値動きから、横ばいの目安となるラインを突き抜けて大きく株価が上下する動きのことです。
上昇基調かつブレイクアウトがよく発生しているとテンバガーになりやすいので株式チャートを見て銘柄のスクリーニングをするのも良いでしょう。
引き際が重要!利益確定のタイミングを計ろう
テンバガー銘柄は株価が上昇するのも早いですが、下落するのも早いです。自分の勘で「まだまだ上がるだろう」と思う気持ちもわかりますが、ある程度満足いく水準まで株価が上昇したらさっさと利益確定した方が良いでしょう。
株価が移動平均線を下回ると下落局面に入った目安になります。取引の際は、テクニカル分析を駆使し、情報収集を行いながら利益確定のタイミングを逸しないようにしましょう。
テンバガー銘柄に投資する際の注意点
テンバガーは非常に魅力がありますが、なかなかこのような銘柄に出会うのは難しいです。大きく上昇するどころか逆に短期間で大きく下落してしまう銘柄もたくさんあります。そのような場合、いかに素早く損切りができるかが投資判断で肝心になります。
また一般的に、高いリターンを追求するということは、同時に相応のリスクも許容しているということを意味します。特に、テンバガーに化けるような中小規模の銘柄は、バリュー銘柄に比べてボラティリティ(株価の変動)が大きいとされます。テンバガーを期待してそのような銘柄を購入するということは、同時にそれ相応のダウンサイド(価格の下振れ)リスクも背負うことを意味している点に注意が必要です。
もちろん先ほど紹介したテクニカル分析やファンダメンタルズ分析を駆使すればある程度、テンバガー銘柄を予測する事は可能です。しかし100%予測できるわけではありません。資産全体を増やし、リスクを回避するためにはテンバガー狙いだけではなく様々な銘柄に分散して投資するのが良いでしょう。株だけでなく、債券や投資信託等、他のファンドや金融商品の購入も分散投資になります。
例えば、テンバガー銘柄の多くは配当は出ませんが、配当が高い銘柄を持つことによって安定的な収入源を確保できます。またバリュー株はグロース株に比べて安定感があるのでポートフォリオ全体を安定させてくれるでしょう。
このように、テンバガーは非常に魅力的ではありますが同時にリスクもあるため、様々な資産に分散をして投資するようにしましょう。
まとめ
今回はテンバガーについて説明をしました。株価が10倍以上になるテンバガーには夢があります。毎年着実にテンバガーは出ており2022年も期待できるでしょう。大きなチャンスへ期待するには相応のコストがかかるように、テンバガーを正確に予測するのは難しいですが狙い目をつけるのは可能です。今後の成長を見込めることや低位株であることなどが条件です。テンバガー銘柄は急騰した後すぐ元の価格に戻るリスクがあります。そのため利確のタイミングについても判断する必要があります。ぜひ今回の記事を参考にしていただきテンバガーを実際に探してみてはいかがでしょうか。
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よくある質問
Q | テンバガーの由来や意味を教えてください |
A | テンバガーの由来は野球からです。「bagger」は野球の二塁打、三塁打の「塁打」の意味で、 「十塁打」を放つような大活躍した選手のイメージを株価に重ね、10倍以上値上がりした銘柄をテンバガーと呼ばれるようになりました。 |
Q | テンバガーの候補はどのように見つけるのですか? |
A | グロース株で低位株、時価総額が低い株、利益率が高いなどの条件を満たしている銘柄が候補になります。 |
Q | 2021年のテンバガーの達成した銘柄は? |
A | 日本株はグローバルウェイ、INCLUSIVE、東京機械製作所、米国株では、AMCエンターテインメント・ホールディングス、ゲームストップ、キャッサバ・サイエンシズです。 |