投資信託とは?初心者でもわかる基本と仕組みについて解説

投稿日:2023/01/25 最終更新日:2024/08/22
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投資信託は、投資家から集めた資金を、専門家に投資・運用を任せる商品です。運用成果が投資家それぞれの投資金額に応じて分配される仕組みになっています。昔からある金融商品ですが、運用に壁を感じている方でもプロと同等の運用成果が出せる事や長期投資、分散投資の観点から注目されています。仕組みとリスクを理解して資産運用に活用してみましょう。
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この記事の監修者

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菅原良介

株式会社Finatext

証券アナリスト

Finatext サービスディレクター・アナリスト。日本テクニカル協会認定テクニカルアナリスト。早稲田大学 政治経済学部 経済学科卒業。Finatextグループで展開される投資・証券サービスのディレクターを担当する傍ら、アナリストとしても活動。グループで展開するコミュニティ型株取引アプリSTREAM内で開催されるイベントのモデレーターなども務め、国内メディアへの寄稿も行う。

投資信託とは?

投資信託とは「信じて託す」すなわち自分の資産を信頼できる人に運用を任せる商品となっています。ここでは、仕組みと手数料について紹介していきます。       

投資信託の仕組み

投資信託は19世紀後半イギリスで中流階級でも投資に参加できるようにと、多くの人々が少しずつお金を出し合って、深い知識や豊富な経験を持つ人に投資を任せる方法が発明されました。現在、投資信託は「投資信託運用会社」によって商品が組成され、主に証券会社、銀行などの「販売会社」を通じて販売され、多くの投資家からお金を集めます。専門家は商品の運用指針や目標にしたがってリスク、リターンを計算し複数の資産、銘柄に投資します。

しかしながらプロに任せたからといって確実に資産が増えるわけではありません。そのときの相場の状況によって左右されるものなので、相応のリスクがあります。  

投資信託を始める理由

なぜ投資信託すなわち資産運用をしないといけないのか解説します。 

将来への不安

将来のために資産を残す必要があります。戦後の高度経済成長期以降は金利が高くついたため、預金するだけで資産を増やす環境がありました。しかしながら現在、預金金利ではお金をふやしにくい環境が続いています。 そんな中、人生の中で結婚や住宅の購入等、お金が必要となる場面はやってきます。

老後のための資産形成

日本の年金制度は原則、現役世代から集めた掛金を今の年金世代に渡す仕組みになっています。 しかし、日本では「少子高齢化」が急速に進んでいるので、現役世代が減り、年金生活者を支えることが難しくなってきています。

2019年に金融庁が公表した報告書により、「老後2,000万円問題」が話題となりました。老後2,000万円問題とは、無職の高齢者夫婦世帯(夫65歳、妻60歳)において、老後30年間で約2,000万円が不足するという問題です。もちろん2,000万円の老後資金を保有していなくても、公的年金や私的年金、その他の方法で無理なく生活していける方も多いです。しかし、この問題の背景には将来的な年金の受給にまつわる不安、退職金が減少傾向にあることなどがあげられます。

先行きが不透明な、そしてリスクが多い時代だからこそ資産形成を始める事が重要となってきます。

投資信託にかかる費用の種類

プロにまかせるので投資家は手数料を払う必要があります。手数料は主に3つあります。

1つ目は、購入手数料です。「購入金額の○%+消費税」という形でかかります。たとえば買付手数料1%の投資信託を1万円分購入したら、110円がかかることになります。買付手数料が無料の商品はノーロード投資信託と呼ばれます。

2つ目は、信託報酬です。 投資信託を保有している間に引かれる運用手数料のことを言います。商品ごとに何%と設定されており、年間でその割合の報酬を引くという指標となっていますが、実際には毎日少しずつ手数料が引かれています。

3つ目は、信託財産留保額です。言い換えると解約時手数料と言えます。解約申込を受けた投資信託は、保有する有価証券を売却し解約代金を調達します。運用会社が意図しないタイミングで解約することにより、損失が出る可能性もあります。必要な費用をまかなう手数料となっています。

【関連記事】投資信託にかかる手数料の目安は?シミュレーションや安く抑える方法を紹介

初心者が投資信託を始めるメリットは?

投資信託は投資初心者が資産運用を始めるにあたって良い商品とおすすめできます。投資信託のメリットについて解説します。 

少額から始められる

投資信託では、ネット証券等では最低100円から購入可能です。株式投資を始める際には基本100株単位で数万から数十万円とある程度まとまった金額が必要で、いきなり大金を投資するのもリスクがあるのではないかと一般的に考えます。投資信託は、複数の投資家から資金を集めているので、個人で運用できないような商品へ投資できることも魅力です。  

投資に時間をかけなくて済む

投資信託は、運用のプロが運用方針に従って投資を行うので売買の取引のみで簡単に資産運用ができます。分散投資も行い、自身では購入しづらい海外の金融商品もポートフォリオに組まれていたりするため、判断の難しい投資や時間に余裕のない方は特に効率的に運用できます。

簡単に分散投資が可能

分散投資とは、様々な銘柄や資産に分散して投資することです。分散投資を行う事で、リスクの低減を行うことができます。投資信託は銘柄選定から全て運用を一任する商品なので、簡単に分散投資が可能です。

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理解すべき投資信託のリスクとは?

投資信託にもリスクによって損益が発生したり、急に換金されてしまったりする可能性があります。投資信託をうまく活用するためには、仕組みだけでなくリスクも理解しておくことが大切です。    

価格は日々変動する

投資信託も金融商品なので、日々の経済状況によって相場が変化します。投資信託では毎日、取引価格である基準価額が公表されています。株式同様、元本保証がなく購入額よりも売却額が下回り損をする可能性があります。

株みたいに時間単位で取引できない

株式は、刻々と株価が変動しているため時価で売買が可能です。対して、一般的な投資信託の基準価額は、投資信託が組み入れている株式や債券などの時価評価を基に1日に1回算出されます。1日の間ならどの時間に売買しようと価格は同じであることに注意が必要です。

商品ごとにリスクの大きさはバラバラ

もし投資信託を買う決断をしても投資信託の商品(公募投信)は5,000種類以上あります。それぞれに目標リターンのそれに対するリスクがあるので、安易に商品を選んで投資すると大きな損失を被る場合があります。購入の際は、投資先の国やポートフォリオについて確認しておきましょう。

投資信託の種類について

上記で投資信託が5,000以上あると紹介しました。ここでは大まかにどのような運用商品があるのかを紹介します。  

インデックス型投資信託

インデックス投資とは、市場の値動きに連動する特定の指数(=インデックス)に連動することを目標として投資する方法です。現代ではさまざまな指数があります。例えば日本でいえば、日経平均株価やTOPIXといった指数、米国ならS&P500やダウ平均などの株価指数がしばしば活用されます。 そのような指標にと同等の動きをする運用指針を示しているのが、インデックス型投資信託です。 メリットとしては、手数料が低い、つみたてNISAの対象商品になっている場合が多いなどがあります。  

【関連記事】インデックス投資とは?失敗要因やシミュレーション方法をわかりやすく解説

アクティブ型投資信託

インデックス型投資信託のような指標よりも高い利回りを目指すのがアクティブ型投資信託です。運用の専門家が投資方針に基づいて成長しそうな企業や債券等に積極的に投資します。 メリットとして1点あります。1点目は運用のプロの手腕でインデックスを大きく上回るリターンが期待できる点です。2点目は、マーケットが大きく下落した局面でもリスクヘッジをして損失を減らす運用を行うファンドもある点です。

デメリットとしては、ファンドマネージャーによる調査や銘柄管理に手間がかかるため、インデックス型に比べると、運用手数料などのコストは基本高くなります。また、いくらプロが運用したからと言って確実に利益が出るわけではないので、運用レポート等を確認しておく必要があります。  

ETFなどその他投資信託

投資信託で株式のように証券取引所に上場しているものもあります。それを上場投資信託といいます。 有名なものだと「ETF」「J-REIT」があります。

「ETF」は「Exchange Traded Fund」の略で株価指数連動型上場投資信託のことです。日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)等に連動する運用成績を目指すファンドです。

【関連記事】ETFとは?投資信託との違いや仕組みについてわかりやすく解説

「J-REIT」は「Japan Real Estate Investment Trust」の略で不動産投資信託(REIT)のことです。

J-REITに関しては、以下の記事に詳しく書かれていますのでご覧ください。  

【関連記事】【J-REIT初心者入門】J-REITとは?メリットやリスク、現物不動産投資との違いを解説

商品タイプを確認するには

種類も豊富な投資信託ですが、買う前には商品がどのような運用方針であるか、過去の運用成績はどれくらいなのか、商品ごとの特徴としてどのようなリスクがあるかなどを確認する必要があります。それを確認できる資料として、商品ごとに目論見書という書類があります。一見、難しいものと思われがちですが目的、手数料等など確認しなければいけない点に関して分かりやすく記載されています。一度確認してみてください。

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投資信託と株式投資の違いとは

資産運用を始めようかと考えている方向けに株式投資と投資信託の主な違いについて解説します。  

自分で投資先を選ぶか否か

株式投資では各企業に対し、どこに投資するべきかを業務内容や財務等の観点から分析する必要があります。投資信託では、どのファンド(商品)が上手く投資できているか見込みがあるかを判断するため、株式投資よりも容易に投資判断をすることが可能です。

売買タイミングも全てお任せ

投資信託は文字の通り「信じて託す」金融商品であるため、投資判断、執行まで全てプロに一任します。投資初心者や投資に時間がかけられないサラリーマンにも適しており、比較的リスクも少ないので初心者でも始めやすいのが特徴です。

NISAだけでなくiDeCoなどの税制優遇も

どちらにもNISAの税制優遇制度はあります。投資信託には、さらにiDeCoという老後の資産形成のための優遇制度もあります。是非活用してみてください。

投資信託人気ランキング

ここでは2023年1月25日現在の純資産残高ランキング(ETFを除く)を掲載しておきます。参考にしてみてください。

順位 ファンド名 カテゴリー 会社名 純資産残高
(百万円)
1 (AB・米国成長株投信Dコース(H無) 予想分配金 国際株式・北米 アライアンス 1,723,033
 
2 eMAXIS Slim米国株式(S&P500 国際株式・北米 三菱UFJ国際 1,699,375
 
3 ピクテ・グローバル・インカム株式(毎月分配) 国際株式・グローバル ピクテ 1,008,764
 
4 eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) 国際株式・グローバル 三菱UFJ国際 847,224
 
5 グローバルESGハイクオリティ成長株式(H無) 国際株式・グローバル アセマネOne 834,401
 

こちらの記事では、手数料に関する記事も掲載しているので参考にしてください。

【関連記事】投資信託にかかる手数料の目安は?シミュレーションや安く抑える方法を紹介

まとめ

投資信託は、少額から資産運用できる、初心者でも投資をしやすいなどのメリットがあります。元本保証ではなく、資産価値は増減する可能性があるものの、一つのファンドを購入するだけで分散投資を行えるため、簡単にリスク軽減が可能です。投資信託をきっかけに徐々に投資知識を身に着け、資産運用を始めることも検討してはいかがでしょうか。

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よくある質問

Q

投資信託の運用成績は?

A

運用実績は商品ごとに異なります。3年間で最もリターンが大きいファンドでは25%を超えるものもあります。

Q

投資信託に税金はかかる?

A

個別元本を上回る部分について手数料を引いた利益から税金20.315%が課せられます。

Q

投資信託の選び方は?

A

投資対象が何か、どんな方法で運用するか等を考える必要があります。

Q

投資信託のリスクはどう取る?

A

人それぞれの状況に応じてリスク許容度は異なります。まず、リスクについて理解してから自身のライフプランに沿って考えてみましょう。

【関連記事】投資信託のリスクを学んで万が一に備える

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