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ETFを使ったアクティブ投資の基礎知識 - ETF活用術 - 東証ETF活用プロジェクト 東証ETF
投稿日:2022/05/09
最終更新日:2022/11/01
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目次 [
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東証ETF・ETN活用プロジェクト [ 個人投資家のETF活用術 ]
【第12回】
ETFを使ったアクティブ投資の基礎知識
- パッシブとアクティブ
- このコラムでは、ある程度の期間にわたって買い持ち(バイ・アンド・ホールド)することを前提に、ETFを使った分散ポートフォリオについて考えてきました。こうした投資法は「パッシブ投資」と呼ばれています。市場全体を示すインデックスに沿ってパッシブ投資することは、市場平均を上回るリターンを追求するアクティブ投資ではファンド(投資信託)の選定が難しいことや、アクティブファンドは信託報酬がやや高めであることを考えると、効率的であるとも言われます。
- そして、パッシブ投資のポートフォリオを個人が自分の力で作り上げるのに最適なツールがETFであると、説明してきました。
- しかし実は、パッシブ投資だけで資産を増やす(ある程度長い期間持った後で見ると保有資産の価値が高まっている)ためには、対象資産の市場が成長傾向にあることが前提となります。ところが1990年代前半から、日本の株式市場は必ずしも右肩上がり傾向になっていないことは周知の事実です。市場を代表する株価指数への連動を目指すETFを長期保有するだけで資産を増やすことは、非常に難しいと言わざるをえません。
- そこで注目したいのが、ETFを使った分散投資です。日本以外の先進国や新興国の株式や債券、不動産(REIT)、金・コモディティといった成長する可能性の大きい市場にも投資をしておけば、それぞれ市場価格の短期的なブレはあっても、中長期でみれば市場の成長とともに資産価値が上がっていくことが期待されるのです。
- 現時点でも、東証に上場されているETFを使って、こうした分散ポートフォリオを作ることができます。どの資産にどのくらいの比率を割り当てるかという問題は、ある程度経験に基づいた情報が必要になりますので、たとえば1年ごとに見直すと決めて、少しずつ調整していくといいでしょう。
- そこで、実践的な注意点が2つあります。ひとつは、コモディティや新興国株など短期間で価格の上下が激しい市場を対象とするETFを買う際は、市場が下がりきったと思われる時に買うことです。完全に底値を当てることは容易ではありませんが、できるだけ安いタイミングで買っておけば、長期保有した後で資産価格の上昇を大きくしやすくなります。
- もう一点は、リバランスです。経験的に自分にとって心地よい資産比率(割り当て金額比率)が決まってきたら、その比率を守りたいところです。しかし、それぞれの資産クラスによって成長の速度が違うのに加え、時には下がることもあるため、保有比率にずれが生じることもあります。そこで、半年ごととか1年ごとというように期間を決め、定期的に資産比率の調整をします。値上がりした結果、比率が当初の予定より大きくなっているものは売り、逆に小さくなっているものは買い、当初の保有比率に「リバランス」するのです。
- そうすることで、上昇相場での利食い(利益確定)と、下落した相場での安値での買いを行い、全体として次なる資産成長への土台を作ることができます。
- ETFを使ったアクティブ投資
- アクティブ投資は、比較的短期の売買によって、パッシブ投資が前提としている市場成長に勝つことを目的とする投資です。ETFは個別株式と同様に取引できるうえに、1つの銘柄で多くの銘柄に分散投資することが可能になります。
- 原理は「できるだけ安く買ってできるだけ高く売る」に尽きますが、売買回数が増えれば、それだけ手数料コストがかさむため、買った時と比べて、かなり高い値がついたところで売る必要があります。
- また信用取引を使えば、自己資金以外のお金を使って投資倍率を上げる「レバレッジ効果」を活用することや、ショート(空売り)から入る、つまり「できるだけ高く売ってできるだけ安く買い戻す」といった手法も使えます。
- 例えば、いくつかのネット証券では、「30万円の委託保証金を入れれば100万円まで投資可能」といった条件になっており、約3倍のレバレッジをかけたり、100万円分まで株券(ETF含む)を借りてショートしたりすることができます。
- ただし、借りたお金と利息、それにショートの場合は借りた株券を3カ月以内に返却しなければならない、3カ月を超えると追証(おいしょう、追加の保証金)を差し入れなければならない、そのほかに信用取引手数料もかかる、などのルールをあらかじめ確認しておくことが必要です。
- 信用取引を利用するだけでリスクが増大することをくれぐれも認識し、失敗した時に支払いをしても、保全したい資産を取り崩さないで済む程度の金額に抑えておきましょう。
- アクティブに役立つアイデア
- 次に、ETFを使ったアクティブ投資に役立ちそうなアイデアをいくつか紹介します。アクティブ投資で勝つためには、対象とするETF銘柄、すなわち特定の資産市場の値動きをかなりの精度で予測する必要があります。
- まず参考になるのは、景気サイクルと資産市場との一般的な関係です。景気が底から反転して拡大していく局面では、企業の活動が活発化し、原材料やエネルギーの消費が増えるため、株式やコモディティ価格は値上がりしやすくなります。一方、景気の後退局面では、その逆のことが起きます。
- 株式の場合は、業種ごとに景気感応度が違いますから、TOPIXシリーズのセクター別ETFを活用することもできます。例えば、景気拡大局面では製造業や消費財関連、不動産などが上がりやすく、後退局面では、公益事業や医薬品などが相対的に強くなる傾向があります。
- また、企業の株価よりコモディティ価格のほうが、世界の景気変動による影響を受けやすいことも意識しておくとよいでしょう。ただし、コモディティの中でも金(ゴールド)は、米ドルはじめ通貨の影響なども受け、独特の値動きをします。
- 外国債券の場合は、各国の中央銀行の政策を注視する必要があります。景気が過熱ぎみのとき徐々に利上げ政策がとられるならば、その後、より金利の高い国債の発行が予想されます。
- 景気感応度とは別に、市場そのものの習性のようなものも、また売買のタイミングを判断する材料に使われます。「モメンタム投資」と呼ばれる手法で、ある資産市場で値上がりトレンドに入ると、ほぼ一定期間、値上がりが継続する習性があるとわかっている場合に使われます。特にコモディティなど、景気サイクルよりも短期の値動きをしやすい資産市場で、しばしば判断材料とされています。
- アクティブ投資家として成功するには、このような傾向を理解したうえで日々のニュースに敏感になり、ニュースとそれぞれの市場がどう関連しているのかに細心の注意を払わなければなりません。また近年では、グローバリゼーションや世界的な資金余剰によって、各資産市場の連動性が高まり、ある資産市場が値上がりするとバブル的になりやすいことが指摘されています。こうしたことにも注意しながら、一人ひとりがアクティブ投資で勝つ独自の方法を見つけていくことが必要なのです。
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監修者:菅原 良介
編集者:K-ZONE money編集部