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日本株を代表する株式指数 「TOPIX」とETF投資(前編) - ETF活用術 - 東証ETF活用プロジェクト 東証ETF

最終更新:2022/05/09 15:42

東証ETF・ETN活用プロジェクト [ 個人投資家のETF活用術 ]

【第3回】

日本株を代表する株式指数 「TOPIX」とETF投資(前編)

ETFはこれまでお話してきたとおり、インデックスへの連動を目指した上場投資信託です。ETFの銘柄選びはインデックスを選ぶことになりますから、まずはインデックスを知ることから始めましょう。実際のETFの銘柄名には、「TOPIX連動型上場投資信託」、「日経225連動型上場投資信託」といった具合に、連動対象となっているインデックスが書かれている場合が多く、投資するインデックスを選べれば銘柄選択もしやすくなっています。
TOPIXの概要と歴史
今回は、日本の株式のインデックスとして最も代表的な「東証株価指数(以下、TOPIX)」を取り上げます。TOPIXはTokyo Stock Price Indexの略称です。
なぜ最も代表的かというと、TOPIXは東京証券取引所(東証)第一部市場に上場する株式全体(2010年3月末で1680銘柄)、すなわち日本の上場会社の時価総額の大半をカバーしているからです。このため、日本の株式全体の動向を見るための指標として、また景気動向をはかるための指標として活用されています。
もちろん機関投資家の世界でも、国内株式投資のベンチマークとして広く使われてきています。市場平均を取るインデックス運用の基本が、TOPIX連動型のファンドである場合も多いのです。日本経済全体の成長の平均をとることを基本にしよう、という意味合いですね。
個人投資家でも投資できるETFでもTOPIX連動型の銘柄は充実しています。「TOPIX連動型上場投資信託」(野村アセットマネジメント)や「ダイワ上場投信—トピックス」(大和証券投資信託委託)、「上場インデックスファンドTOPIX」(日興アセットマネジメント)、「MAXIS トピックス上場投信」(三菱UFJ投信)があります。
 TOPIXそのものの動向は、夜のニュースなどでもその日の終値が紹介されますので、馴染みのある方も少なくないのではないでしょうか。
さて、そのTOPIXの歴史は長く、東証が1969年7月から算出・公表しています。時価総額加重型の株式指数とも呼ばれますが、東証第一部上場銘柄は新規上場や上場廃止によって銘柄数が変化するため、単純な平均を使うとどうもすっきりません。そこでTOPIXは1968年1月4日を100ポイントとして計算し、現在はその基準からどう変化しているかを示す形で連続性を持たせています。現在が1000ポイント前後であるなら、基準日の10倍ほどになっているわけですね。

出所:QUICK
「浮動株反映」とは?
近年のTOPIXには「浮動株反映」と呼ばれる、大事な工夫がされています。その仕組みを説明しましょう。
まず、指数の算出に使う「指数用株式数」は次の式で計算されます。
指数用株式数=指数用上場株式数×浮動株比率
浮動株比率とは、一般的に、市場で流通する可能性の高い株式の割合のことです。東証では、有価証券報告書などから、上場株式数のうち固定的に所有されていると見られる株式数を推計し、残りを浮動株として扱っています。浮動株比率は変動するため、企業の決算期毎に定期的に見直しを行うほか、企業がコーポレートアクションを行なう際などにも適宜見直しを行うなど、できるだけ実際に市場で売買される可能性のある株式だけを計算対象とする努力がなされています。
これは、インデックスを利用した運用の利便性を向上させるための工夫です。日本企業の場合、取引関係の維持のためなどで持ち合い株式が少なくありません。つまり、これらは「市場で売買される可能生の低い株式」と言うこともできるでしょう。
そうした固定された株式の比率が高い銘柄(浮動株比率が低い銘柄)をインデックスに含めて算出してしまうと、インデックスファンドが買う場合に、市場で売買される少ない株数をめぐって買い集めた結果、需給要因で株価が上昇し、株価の値動きを過度に歪めることにつながる恐れがあります。インデックスに連動するはずのファンドの買いが、インデックスを動かしてしまう懸念があります。
そこで、東証を含めインデックスの算出者は、上場株式のうち浮動株だけを指数に含めるため、浮動株化した株式数(指数用株式数)でインデックスの算出を行なっているのです。


出所:東京証券取引所「浮動株指数の導入について〜TOPIXへの浮動株比率反映と影響緩和策〜」
TOPIXの多様化
ところで、2007〜08年に発生した世界的な金融危機を経て、年金基金など機関投資家の世界では、株式投資の核をグローバル株式の動向に連動させる方向へと見直しを進める動きがあります。先進国の経済が足踏み状態であるのに対し、新興国経済は金融危機後も力強い復活を遂げ、成長軌道に戻りました。さらに今後も中長期的な成長が期待されることから、新興国への資産配分を増やしていこうというものです。
しかし一方で、企業情報の詳しさや株式取引の安全性、さらに為替リスクの面において、日本の投資家が投資するうえでもっとも安心できるのは日本市場である、という見方も根強く存在します。
加えて今日では、TOPIXシリーズも多様化が進んでいます。規模別・業種別・スタイル別など、派生したインデックスが数多く存在し、それらをベンチマークとしたETFも複数上場されています。常に市場で売買可能なETFであれば、機動的かつ多分散なポートフォリオの構築にも有効です。
投資家による株式運用の多様化、高度化が進んでいくうえで、こうした派生インデックスの活用、とりわけETFを用いた運用が、今後注目を集めていくのではないでしょうか。次回はそんなTOPIXから派生したインデックスシリーズの多様化の状況、さらにTOPIXへの追随を目指すうえでETFを活用するメリットをご紹介します。


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