生命保険とは?
生命保険とは?
まずは生命保険とはどんな金融商品なのか理解をしましょう。そもそも生命保険はヒトを対象にした保険で、被保険者である方が死亡した場合、保険の受取人が保険金を受け取ることができる保険です。万が一のときに備えての保障を受けられるのが大きなメリットです。生命保険にはその保障内容に応じて、終身保険・定期保険・医療保険・がん保険・養老保険などの種類があります。それぞれの生命保険の種類によって保障範囲やメリットやデメリットも変わってきます。
生命保険の保障対象
生命保険は生命保険会社が提供しており、その保障範囲は人の命や身体のリスクに関わる内容です。終身保険、定期保険、収入保障保険、個人年金保険、学資保険などが該当します。
一方で、損害保険会社が提供しているのがモノに関わるリスクに対する保険。例えば、児童や保険や火災保険、個人賠償責任保険などが該当します。
とはいえ、保障対象だけですべての保険を説明できるわけではありません。医療保険やがん保険、介護保険や就業不能保険などは生命保険会社も損害保険会社も提供しており、明確な区分ができない保険に区別されます。
生命保険の保障範囲
生命保険によって保障される範囲は「死亡」したとき、ないしは「高度障害状態」になったときです。高度障害状態とは「両眼の視力を全く永久に失ったもの」「言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの」「中枢神経系・精神または胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの」などの状態を指しています。病気や事故に巻き込まれて万が一の事が起きてしまったときと認識しておきましょう。
一方で、従来の医療保険やがん保険の保障は病気や怪我で「入院して治療を受けていること」や「手術を受けて通院する」といった内容に対して保障が受けられます。病気や怪我で入院したときには入院給付金が入院日数に応じて保障されますし、所定の病気の手術を受けた場合には手術給付金が保険によって支払われます。
「自宅で長期間療養している状態」や「自分では動けず介護が必要な状態」になったときの保障は「就業不能保険」や「介護保険」が範囲する領域です。入院して治療を受けている状態と高度障害状態や亡くなってしまう間の範囲と覚えておくとよいでしょう。
生命保険と医療保険の違い
生命保険が亡くなったり、高度障害になったときに対しての保障を受けられる保険に対して、医療保険は病気や怪我で入院や手術をしたときに給付金を受けられる保険です。保障内容以外の違いは加入できる年齢上限や保険料払込期間などに出てきます。
生命保険に加入できる年齢の上限が満75歳までに対して、医療保険は満85歳まで加入が可能です。それぞれ保障期間は10年間から一生涯の終身と同じですが、払込期間は生命保険が満50歳から終身なのに対して、医療保険では満60歳から終身となっています。医療保険の加入上限が満85歳までが可能なのに対して生命保険は満75歳までと、生命保険よりも10年分幅があります。その点も意識しておきましょう。
項目 | 生命保険 | 医療保険 |
保障内容 | 死亡保障 | 医療保障 |
保障期間 | 10年~終身 | 10年~終身 |
加入年齢上限 | 満75歳まで | 満85歳まで |
払込期間 | 満50歳~終身 | 満60歳~終身 |
保険の受取人は夫婦ならば配偶者、子どもがいればその子どもに指定するのが一般的です。単身の場合の受取人は親や兄弟です。保険会社ごとに受取人にできる範囲は決まっており第三者に設定するのは難しいです。
生命保険は遺された家族が不自由なく暮らせるための保障という側面があります。ですから、家族が居る方は生命保険に加入すれば亡くなったときにも家族に安心を届けることができます。一方、単身の方や若い方の場合は医療保険に加入することで病気や事故への備えになります。家族構成を鑑みて生命保険か医療保険かを選ぶとよいでしょう。
生命保険の仕組み
生命保険はどのような仕組みで運用されて契約した方への保障がなされるのでしょうか。生命保険の仕組みに関して説明していきます。
相互扶助の原理
生命保険を理解するために覚えておきたいのは「相互扶助の原理」です。生命保険はたくさんの保険契約者が公平に保険料を負担しており、それをベースの財源として誰かが亡くなった時や高度障害状態に陥った際に給付金を受け取る事ができる仕組みになっています。加入者の誰かが生活に困窮することのないように、社会性や公共性に配慮して安全性と有利性を求めた資産運用が成されています。
実際に契約者から集まった保険料と支払った保険金は等しくなることを基本にしています。生命保険会社では年齢別や男女別に試算した死亡率を出し、被保険者ごとに保険料が公平になるように設計されています。統計データにより死亡率は年齢が上がれば高くなります。
また、平均寿命も女性の方が長いように男女によっても同じ年齢でも死亡率は異なります。この死亡率を保険料に加味することで相互扶助を成り立たせています。
例えば、加入者全員が同じ保険料だった場合、若い人にとっては保険金をもらえる機会は小さくなり、支払った保険料に対してその保障を受けられる額は少なくなってしまいます。そこで、年齢が高い人の保険料が高く設定されています。これはリスクに応じて保険金を算出しているということ。よって加入している方の負担も公平になっているのです。
保険料はどのように決まるの?(純保険料と付加保険料)
保険料はどのように決まるのでしょうか。保険料を決める要素についても抑えておきましょう。契約者が支払う保険料は保険会社に預けられた後2つの区分に分けられます。
一つは「純保険料」といって、払い込まれた保険金が給付金として支払うものです。この金額は年齢における死亡率と利率を加味して算出されており、保険会社によって大きな差はありません。
もう一つは「付加保険料」といって保険会社の経費や利益です。保険を販売するためには広告宣伝を行ったり、保険の維持や管理、保険料の集金のためには人員が必要で店舗運営にかかる固定費などもかかります。
例えば、保険会社には生保レディと呼ばれる保険の外交員が直接販売する生命保険がありますが、経費として外交員の人件費や事務所店舗の運営費がかかるために保険料が高額になる傾向があります。
一方で、ネット系保険は人経費や固定費を削減することで付加保険料が安く抑えられているのです。
保険金と給付金とは
生命保険のなかには、保険金と給付金という言葉が使われています。それぞれどのように違うのでしょうか。実は法的根拠などによって明確な使い分けがあるわけではなく、保険会社によって微妙に差異があります。
大枠ではすべて保険を契約して支払われるお金は「保険金」です。そのなかには「死亡保険金」や「高度障害保険金」などがあります。保険金が支払われると基本的には契約やその特約は終了します。
また「給付金」と呼ばれる保険金のなかには「入院給付金」や「手術給付金」、「がん診断給付金」などがあります。保険金を一括で払われるのではなく、入院や手術など要件を満たしたときに支払われます。給付金は支払われても契約は継続し
例えば、「遺族年金」や「高度障害年金」など。こちらは保険金が複数回にわたって支払われるために年金という名前が付いているのです。
主契約と特約とは
保険金の契約に関しても用語も覚えておきましょう。生命保険はメインの保障となる「主契約」とオプションの保障となる「特約」で成り立っています。
例えば、医療保険の場合、主契約は「死亡保障」です。「入院保障」や「がん保障」は入院したりがんになったときに保障を受けられるものなので特約に当たります。主契約は単独で加入ができます。一方で、特約はそれ単独では契約ができません。「入院保障」や「がん保障」を受けたいというのであれば、その医療保険に加入する形になります。
生命保険の加入率
生命保険に加入している方はどれくらいいるのでしょうか?生命保険の加入率を見てみましょう。
生命保険文化センターの平成28年度「生活保障に関する調査」によると、生命保険に加入している人は男性では80.6%、女性では81.3%となっています。年齢別で見ると20代が50%台ですが30代に上がると80%台に入ります。平均でならすと男女とも8割以上の方が加入しており、非常に高い契約率になっています。
生命保険と貯蓄の違い
そもそも生命保険を契約するか否かを考える際に、「自分で頑張って預貯金への貯蓄に励めばよいのでは?そうしたら老後の心配もないし……」という考えが頭をよぎるかもしれません。生命保険と貯蓄はどのように違うものなでしょうか。
預貯金で貯蓄をしようとすると一日で成り立つものではありません。一定の金額を貯めようとする場合はコツコツと積み立てていく形になります。貯金を預け入れてそれに対して金利が付き、経過期間が長くなればなるほど貯蓄額は増えていきます。
一方で、保険の契約は、経過期間は関係なく契約したその日から万が一のことに備えることができます。「預貯金は元本保証がされる」という意見もありますが、生命保険にも最低利率保障の商品があり、支払った保険金はきちんと自分に返ってくるのでこの点は心配もしなくてもよいと思います。
生命保険と預貯金を比べたときにデメリットになりうるのは、換金のしやすさです。預貯金はATMを通して直ぐに引き出せますが生命保険の場合は解約してから一定日数時間がかかります。
貯蓄 | 保険加入 | |
保障 | ✕ なし | 〇 あり |
安全性 | ◎ 元本保証 | 〇 最低利率保証の保険商品もある |
収益性 | △ 低金利 | 〇 貯蓄よりは利率が高い |
流動性 (換金性) |
◎ すぐに引き出せる | △ 解約してから一定の日数がかかる |
税制優遇 | ✕ なし | ◎ 保険料に応じて所得税を控除 |
とはいえ、総じて貯蓄は時間をかけることによって積み立て金を準備していくので三角ですが、生命保険は四角であると言えます。ご自身の貯蓄の状況なども鑑みた上で万が一への備えを考えるとよいでしょう。
生命保険にはどんな種類がある?
生命保険にはその保障内容に応じて「死亡保険」「生存保険」「生死混合保険」「その他の保険」の分類にわけられます。それぞれを理解した上で、あなたにピッタリの保険に加入しましょう。
死亡保険
死亡保険とは保険の対象者が亡くなった時、もしくは高度障害状態になったときに保険金が払われます。主に「定期保険」と「終身保険」があります。定期保険は保障の期間が定められていて、期間内に亡くなった場合に保険金が払われます。期間を過ぎて生存をしていた場合、保険金は支払われません。いわゆる掛け捨て保険と呼ばれます。保険料が安く大きな保障を受けられます。終身保険は保障期間が一生涯です。亡くなった場合、保険金は必ず支払われます。保険料は定期保険よりも高めになります。
生存保険
生存保険とは保険の対象者が保険期間が終わり生存していたときに保険金が支払われる保険です。
例えば、「学資保険」や「個人年金保険」などが生存保険に該当します。学資保険は将来の進学する学校の入学金や授業料を準備するための保険で、保険期間が終われば保険金が支払われて入学準備に使うことができます。個人年金保険は老後資金の順位のために保険金支払うものになります。定義としては生存保険は保険期間中に亡くなった場合、保険金は支払われないとされていますが、学資保険や個人年金保険は払い込んだ保険料相当分の死亡保険金が支払われる仕組みに一般的になっています。
生死混合保険
死亡保険と生存保険を組み合わせた「生死混合保険」というものもあります。保険の対象者が、契約期間内に亡くなった場合や高度障害になったときに死亡保険金が支払われますが、保険期間が満了したら生存保険金として支払われるタイプです。
生死混合保険には「養老保険」が代表的な保険として上げられます。死亡保険の保険金額と満期の保険金が同額になります。
\ お金・保険のことならマネードクターへ /
生命保険の種類ごとの特徴とポイント
生命保険について、おおまかな分類がわかったところで、それぞれの保険種別の細かい種類について、特徴やポイントを理解しましょう。保険の種別や細かい特徴を理解することで、よりあなたにピッタリな生命保険がみえてくるはずです。
死亡保険の種類
死亡保険には「定期死亡保険(定期保険)」「終身死亡保険(終身保険)」「定期保険特約付終身死亡保険(定期付き終身)」「収入保障保険」の分類があります。それぞれの特徴を理解して、あなたの目的にピッタリの保険に加入しましょう。
定期死亡保険(定期保険)
定期保険のなかでも代表的な「定期死亡保険」。契約から満了まで一定の期間を定めます。そして、その間保険金を支払うことで一定の死亡保障を受けられます。契約を更新できる定期死亡保険もありますが、契約が満了したら保障もなくなります。
◆特徴(保険期間・保険金・保障内容等)
そもそも定期死亡保険は一定期間の死亡保障確保を主目的とした生命保険です。保険期間中に死亡・高度障害といった支払事由に該当すると、保険金が原則一時金で支払われます。支払事由に該当しなければ、何も受け取れずに終わる商品です。解約しても解約返戻金はありません。あってもわずかで、満期金もありません。定期死亡保険はいわゆる掛け捨ての保険となります。契約は契約時に決めた日(満期)までで一定期間の保障になります。ただし、満了日に更新可能な場合もあります。月払い保険料が同じ金額の終身保険と比較して高めの死亡保険金で契約できるのも特徴の一つです。
◆保険料
「定期死亡保険(定期保険)」の保険料、保険期間中は変わりません。ただし、更新した場合は変わります。同じ保障内容の終身保険と比較すると割安になります。毎回の保険料は保険期間が長いほど高くなっていきます。
保険期間 | 保険料(月額) |
10年で満了 | 低め (500~1000円) |
30年で満了 | 中くらい (1000~2000円) |
70年で満了 | 高め (2000~3000円) |
※30歳男性/500万円の定期保険の保険期間ごとの保険料
※あくまで一例です。詳細は各保険会社にご確認ください
◆メリットデメリット/注意点
「定期死亡保険(定期保険)」のメリットは、一番は「終身保険と比べて保険料が安い」ことにあります。また「保険期間を選べる」ので、特定の期間に絞って保障を準備することができます。加えて、保険料の見直しがしやすいことも特徴です。デメリットを挙げると「保険料は掛け捨て」です。解約したり、保険期間が終了しても受け取れるお金はありません。また、一定期間で保障が終わるので一生涯の保障にはなりません。その点は注意をした上で契約に望んだほうが良いでしょう。
終身死亡保険(終身保険)
終身死亡保険は保険期間が終身の保険です。その保障は被保険者が亡くなるまでずっと続きます。保険期間や保障金、保障内容、メリット、デメリットについて解説していきます。
◆特徴(保険期間・保険金・保障内容等)
「終身死亡保険」は保険期間が終身です、つまり一生涯保障が続く生命保険となります。解約さえしなければいつか必ず保険金が支払われる保険です。ただし、解約返戻金が年々積み上がっていきます。その点では、貯蓄性も兼ね備えた商品と言えるでしょう。低解約返戻金型終身保険というのもあります。定期保険と同じく、満期金はありません。月払い保険料が同じ金額の定期保険と比較して低めの死亡保険金で契約となります。
◆保険料
「終身死亡保険(終身保険)」の保険料は一生涯、変わらないのがポイントです。なかでも「終身払」と「有期払」があります。終身払の場合は、保険料を一生涯支払う必要があります。同じ保障内容の定期保険と比較すると割高になるのも特徴です。有期払は一定期間中に保険料を払い込む必要があります。1回毎の保険料は終身払いよりも高くなりますが、保険料の払込期間が終われば保険料の負担はなくなります。
◆メリットデメリット/注意点
「終身死亡保険(終身保険)」のメリットは「保障が一生涯続く」ことにあります。契約してから期間が経てば契約払戻金が増加するのでお金が必要になった時には解約して使うこともできます。一方でデメリットは同じ保険金額の定期保険と比較すると保険料が高くなることにあります。また保険料を終身払にした場合、一生涯保険料を支払わなければいけなくなります。ずっと保険料を支払い続けられる金銭的な余裕があるかどうかには注意をしましょう。
定期保険特約付終身死亡保険(定期付き終身)
定期保険特約付き終身死亡保険、定期保険に加えて収入保障保険を加えて死亡保障を受けられる保険です。大きな保障が必要な期間だけ定期死亡保険特約で保障を厚くして、その期間を過ぎたらその保障ははれ死亡保険金額だけになります。死亡保障の期間は亡くなるまで一生涯続きます。保険期間や保障金、保障内容、メリット、デメリットについて解説していきます。
◆特徴(保険期間・保険金・保障内容等)
「定期保険特約付終身死亡保険」の特徴は定期死亡保険と終身死亡保険を組み合わせた生命保険にあります。子供の養育費等で大きな保障が必要な時期だけ、定期死亡保険特約で保障を厚くし、その時期が過ぎても終身死亡保険で長く保障を得ることが可能です。終身保険といいながら、通常、定期部分の保障の方が大きくなっています。定期部分はほぼ掛け捨ての保険になりますから、死亡保障が一生涯続くわけではないので注意が必要です。定期保険や医療特約などは、一定の年齢で更新ができなくなります。通常は、保険料払込期間を過ぎると定期部分の更新ができなくなります。大半が掛け捨ての定期保険で終身保険の比率が小さい場合は、貯蓄性は乏しくなるのは覚えておきましょう。
◆保険料
「定期保険特約付終身死亡保険」の保険料は更新型の場合、更新ごとに保険料が値上がりしていきます。子どもが小さいときなど高額の保障が必要な時に安く保障を確保することで、年齢ごとに保障を下げていくことなどもできます。
◆メリット・デメリット/注意点
「定期保険特約付終身死亡保険」のメリットは、必要な時期に合わせて保障をできることにあります。一方で、デメリットは更新型の場合保障料が値上がりしていくことにありますので、その点には注意をして契約を考えましょう。
収入保障保険
収入保障保険は、万が一のときに受け取れる保険金を一時的に受け取るのではなく、分割して受け取れる保険です。保険期間や保障金、保障内容、メリット、デメリットについて解説します。
◆特徴(保険期間・保険金・保障内容等)
「収入保障亡保険」の特徴は定期死亡保険の一種で、万が一のときに受け取れる保険金を一時ではなく、一定期間にわたり分割して受け取れる保険であることにあります。死亡保険金を年金形式で受け取るため、年数経過とともに保険金の受取総額も一定額ずつ減少します。定期保険と違って、万が一のことが加入して日が浅い段階で起きた場合と、満了間際に起きた場合とで受け取れる保険金は、最終的な受取額の合計が変わります。ただし、解約返戻金はありませんし、満期金もありません。契約時に決めた日(満期)まで、つまり、一定期間となっています。
◆保険料
「収入保障保険」の保険料は、保険期間中は変わりません。その点、一定の収入がある方にとっては安心して契約ができるのではないでしょうか。
◆メリット・デメリット/注意点
「収入保障保険」のメリットは、同額の保障を提供する定期保険と比べて保険料が割安なことあるでしょう。一方でデメリットは亡くなった時期によって受け取れる金額が変わること。亡くなった際に受け取れる保険金額を厚くしたい場合は注意が必要です。
生存保険の種類
生存保険の代表例は「個人年金保険」「学資保険」です。それぞれを理解して、あなたに目的にピッタリの保険に加入しましょう。
個人年金保険
個人年金保険には、「定額年金型保険」と「変額年金保険」があります。定額年金保険は保険料を払込期間の終了まで積み立てて、その間に亡くなったら死亡保険金が受けとれます死亡保障期間が終わったら積み立てたお金から年金が受取れます。変額年金保険は株式や債権などで運用しており、その運用次第で将来受け取れる年金額が変動する保険です。保険期間や保障金、保障内容、メリット、デメリットについて解説します。
◆特徴(保険期間・保険金・保障内容等)
「個人年金保険」は主に老後の生活資金を準備する目的とした保険です。一時にまとまった金額でなく、年金形式で支払われるのが特徴です。年金の受取期間によって、終身年金/有期年金/確定年金の大きく3種類に分けられます。
種類 | 年金の受取期間 | 被保険者が死亡したあと |
終身年金 | 被保険者(年金受取人)が生存している限り、 一生受け取ることができる |
年金の支払いは終了するため、元本割れのリスクがある |
有期年金 | 被保険者(年金受取人)が生存している限り、 契約時に設定した期間だけ受け取ることができる |
年金の支払いは終了するため、元本割れのリスクがある |
確定年金 | 被保険者(年金受取人)が生死に関係なく、 契約時に設定した期間だけ受け取ることができる |
遺族が年金受取人となり、年金が支払われる |
※あくまで一例です。詳細は各保険会社にご確認ください
年金受取期間を10年、20年などと具体的に定めるものを「確定年金」といいます。一方で、生きている限りずっと受け取れるものを「終身年金」といいます。保険料払込満了時の年金支払い原資の額があらかじめ決まっています。予定利率などの計算根拠が決まっている定額型の年金もあれば、年金受取開始までに資金を運用し、その成果によって年金支払い原資が変動する「変額年金」もあります。
◆保険料
「個人年金保険」の保険料、年金として受け取る金額をどのように設定するかによってその保険料も変わってきます。自身の収入や年金として準備する額等を鑑みて設定するのがよいのではないでしょうか。
◆メリット・デメリット/注意点
「個人年金保険」のメリットは「自分自身で年金として生活資金を準備できること」にあります。将来の不安に対して保険で準備をすることができます。一方で、変動型年金を選んだ場合、将来受け取れる年金額が目減りしてしまうかもしれないというリスクとデメリットがあります。個人年金保険の運用先がどのような金融商品で運用されているか。そのリスク度合いはどのようなものかは確認した上で運用をしたほうが良いでしょう。
学資保険
学資保険は子どもの教育資金の準備のための保険です。子供の年齢に合わせて医療保障や死亡保障が受けられるほかに、満期を迎えたら保険金が支払われ教育に使うことができます。保険期間や保障金、保障内容、メリット、デメリットについて解説します。
◆特徴(保険期間・保険金・保障内容等)
「学資保険」はお子さまの入学時や進学時に祝金や満期保険金を受け取ることができる教育資金を準備するための貯蓄型の保険です。通常、契約期間中に契約者である親が亡くなった場合でも、それ以降の保険料の支払いが免除され、祝金や満期保険金を受け取れます。教育資金以外に、子供や親の死亡保障があったり、子供の医療保障がついた学資保険もあるが、さまざまな保障をつけると教育資金となる受取金の返戻率が100%を下回る場合があります。つまり、貯蓄性が低下するということです。
◆保険料
「学資保険」の保険料はどの程度になるのでしょうか。目安となるのは教育に必要な金額です。幼稚園入学から高校卒業ま公立で約500万円、私立で約1700万円必要とされてます。大学進では200万円~1000万円程度必要となっています。これらの金額を準備するためには計画的に行っていきたいもの。ご自身の収入に合わせて設定していくのがよいでしょう。
◆メリット・デメリット/注意点
「学資保険」のメリットはなんといってもその貯蓄性の高さです。学資保険を契約することで教育費を準備することができ、万が一の際でも保険料払込免除によって保険は継続できます。デメリットはインフレーションには対応できないこと。そして、途中で解約すると元本割れしてしまう可能性があること等が挙げられます。
生死混合保険の種類
生死混合保険の代表例が「養老保険」で、養老保険は保障と貯蓄を兼ね備えた保険です。生死混合保険の代表格である養老保険を理解して、あなたに目的にピッタリの保険に加入しましょう。
養老保険
養老保険は満期まで生存すれば満期金が、それまでに亡くなった場合は満期金と同額の死亡保障金が受け取れる保険です。保険期間や保障金、保障内容、メリット、デメリットについて解説します。
◆特徴(保険期間・保険金・保障内容等)
「養老保険」は満期まで生存していれば満期金が、満期までになくなった場合には満期金と同額の死亡保険金が受け取れます。そして、養老保険には解約返戻金も満期金もあります。何年後にいくら貯めたいかという目標から保険期間と満期保険金額を設定することで保険料が自動的に決まるため、計画的に資金を準備するのにも用いられており、つまり「保障」と「貯蓄」を兼ね備えている保険と言えるでしょう。
保障の期間は契約時に決めた日(満期)まで、つまり、一定期間です。月払い保険料が同じ金額の定期保険と比較して低めの死亡保険金で契約となります。
◆保険料
「養老保険」の保険料は、保険期間中は変わりませんが、定期保険と比較すると割高になるのがポイントです。保険期間の途中でも、解約返戻金を有効利用することができますが、保険料は安いとはいえません。
◆メリットデメリット/注意点
「養老保険」のメリットは「満期金が決まっていること」です。受取金額が決まっており、将来のプランを立てやすく、万が一の際にも保障を受けることができることです。デメリットは「保険料が高くなる」点にあります。大きな保障を用意するには難しいため、十分な死亡保障として使うには少々難点があります。
生命保険の種類ごとの保険料
ここまでの通り、保険の種類によって保険料が大きく変わります。
保険の種類 | 保険料(月額) | 保険期間 | 払込期間 |
定期保険 | 低め (1000~2000円) |
30年で満了 | 30年間 |
終身保険 | 中くらい (4000~7000円) |
終身 | 終身払い |
養老保険 | 高め (10000円~) |
60年で満了 (30歳から30年間) |
60歳まで (30歳から30年間) |
※あくまで一例です。詳細は各保険会社にご確認ください
自身の収入やライフステージの変化など受けたい保障内容によって選ぶべき生命保険は変わってきますので、目的・ライフステージに応じて最適な生命保険を選びましょう。
目的・ライフステージに応じて最適な生命保険を選ぼう
目的・ライフステージに応じてどのような保険が適しているのでしょうか?
① 死亡した後、遺族に資金を残したい場合
亡くなることに備えてや、遺族に資金を遺したいときには「定期保険」や「終身保険」、「養老保険」を組み合わせるなどして準備するのが、そのニーズに合致しています。
備えるべきは子どもが生まれてすぐ。仮に幼い子どもを遺して亡くなった場合、家族の生活が苦しくなってしまいます。子どもの成長に合わせてその負担を減らして備えていくのがセオリーとなるでしょう。遺族の生活資金や子どもの教育資金等への備えにもなり、葬儀費用への備えにもなります。
② 将来のために資金を準備したい場合
将来のために資金を準備したい時には「定期保険」や「終身保険」、「学資保険」が有効です。老後資金の準備には終身保険で備えることができます。子どものための教育資金には「学資保険」で準備をするのがよいでしょう。
\ お金・保険のことならマネードクターへ /