育児休業給付金の支給条件と注意点について分かりやすく解説

投稿日:2023/01/05 最終更新日:2023/10/27
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育児休業給付金は会社員の方であれば利用できる制度ですが、給付金をもらえる条件や期間は気になる方も多いのではないでしょうか。パパ・ママ育休プラス制度などを利用すれば支給期間を延長できるなど制度を理解しておくことで柔軟な育児計画を立てることにつながるので、この記事を読んで支給の条件や期間を覚えておきましょう。

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育児休業給付金は、育児・介護休業法と雇用保険に基づいて設けられた制度です。この制度は、原則として1歳未満の子どもを養育するために育児休業を取得した場合に利用できます。育休期間中でも、この給付金によって一定額の収入を保証することが可能です。

取得には条件があり、その詳細は管轄の行政機関のHPで確認できます。しかし、多くの人にとってはその情報が複雑で理解しにくいこともあります。そこで、今回は支給条件、支給期間、注意点などをわかりやすく解説します。この情報を参考にして、制度をうまく活用しましょう。

また、育児休業給付金を受け取るための申請手続きや必要な書類、提出先も大変重要です。適切な手続きをしないと、給付金を受け取ることができない場合もありますので、注意が必要です。特に、申請の際の期限を逃してしまうと、後から給付を受けることができなくなる場合もあるため、事前にしっかりと確認しておくことをおすすめします。

さらに、給付金の額は雇用形態や収入、勤務時間などによって異なるため、自身の状況に合わせた詳細な計算が必要となります。専門家や窓口担当者との相談を積極的に行い、確実に給付金を受け取るためのステップを踏んでください。

育児休業給付金の支給条件

育児休業給付金を取得するための大前提として、雇用保険の被保険者であることがあげられます。そのため、自営業者の方などは育児休業給付金を受け取ることができないので注意してください。

休業開始前には一定期間の就業が必要です。具体的には、休業開始日前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上または就業した時間数が80時間以上ある完全月が12か月以上存在することです。逆に育児休業給付金の支給期間中については賃金を一定以上受け取ると、育児休業給付金が支給されなくなります。

これは、育児休業給付金の目的が、育児期間中に賃金がなくなる(減る)ことに対して財政的な負担を軽減することだからです。

【関連記事】:育児休業給付金とは?受給条件や申請方法、受給期間を徹底解説!

支給前の条件

支給の前提となる条件は以下の3点をすべて満たしていることです。

  1. 1歳未満の子を養育するために、育児休業を取得した被保険者であること
  2. 雇用保険の被保険者であること
  3. 休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上または就業した時間数が80時間以上ある完全月が12か月以上あること

1つ目の条件については、当然ですが育児休業が目的である必要があります。育児休業とは産後8週間を経過してからの期間を指します。

8週間経過後、子が1歳の誕生日になる前日までが育児休業期間となります。育児休業期間は一定の条件を満たせば延長することもできます。また、2回まで分割取得することも可能です。

具体的にどのような条件を満たせば延長することができるのか、また2回に分割するのに必要な申請や手続きなどはあらかじめ確認しておくと良いでしょう。

2つ目は雇用保険の被保険者であることなので、原則会社員の方が対象となります。そのため、雇用保険に加入することができない自営業者や個人事業主、フリーランスの方などは育児休業給付金の対象になりません。また、専業主婦の方も受け取ることができません。

すこしややこしいですが、育児休業給付金などの給付金は対象の保険によって受け取ることができる対象者が違うことは覚えておきましょう。

3つ目は休業開始前に一定以上の就業期間があるかどうかです。育児休業給付金の目的が育児期間中に賃金が減ることに対して、財政的な負担を減らすというものであり、休業開始前に就業期間がない場合は、そもそも賃金が減ることはありませんので、育児休業給付金の目的を満たすことができません。

原則は以上の通りですが、疾病、負傷などのやむを得ない理由がある場合には期間を2年間加算することができ、最大4年間で判定します。

 出産・育児にかかわる給付金   対象の保険  給付金の目的

 ※専業主婦・自営業者

 出産育児一時金  健康保険や国民健康保険
 (扶養者も対象)
 出産にかかわる資金の支援  対象
 出産手当  健康保険     出産前後の給与減に対する支援    対象外
 出生育児休業給付金   雇用保険   原則男性の育休取得による給与減に対する支援(4週間以内)    対象外
 育児休業給付金   雇用保険   育児休業期間中の給与減に対する支援    対象外


※上表の専業主婦は扶養者でかつ雇用保険には加入していない、自営業者は国民健康保険の加入者かつ雇用保険に加入していない前提

育児休業給付金の支給額

育児休業給付金は休業開始時の賃金に応じて支給されます。具体的な計算方法は以下の通りです。

育児休業給付金 = 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%

 支給期間の注意点

支給期間中の注意点として、育児休業給付期間中に賃金を受け取ると、育児休業期間前の賃金との割合に応じて育児休業給付金の支給額が少なくなります。休業期間中に80%以上の賃金が支給される場合は育児休業給付金の支給はありません。育児休業を取得する前に、この点を確認しておくようにしましょう。

また、育児休業給付金は育児休業開始から180日で給付率が変わります。具体的に支給される育児休業給付金がどれくらいの額になるか等をこちらの記事で解説しています。

【関連記事】:育児休業給付金はいくら貰える?計算方法について解説

育児休業給付期間中に退職をすることになる場合、育児休業給付金が支給されるのは退職日を含む支給単位期間の一つ前の支給単位期間までとなります。支給単位期間の末日で退職した場合は当該期間も含みます。

育児休業給付金の支給について注意点

育児休業給付金は退職前提である場合、受け取ることができません。また、育児休業給付金が実際に支給されるには時間がかかる点にも注意が必要です。

令和4年10月から育児休業は原則2回まで分割取得が可能になりました。出産や育児に関する制度は改正されることも多いため、最新の情報を確認するようにしてください。

退職を前提としている場合、受け取れない

育児休業給付金は原則として育児休業終了後に復職することを前提とした給付金です。そのため、育児休業開始時点で在職していても、育児休業期間中の退職を前提としている場合は給付金を受け取ることができません。

ただし、育児休業給付金の受給資格確認後に退職する予定になり、その後退職した場合は、その退職日を含む支給単位期間の一つ前の支給期間までは育児休業給付金の支給対象となります。支給単位期間の末日で退職した場合はその期間も支給単位に含まれます。

厳密に言えば、退職を前提としているかどうかはわからないため、お勤めの会社と相談して育児休業給付金と退職の手続きを進めるようにしてください。

支給までに時間がかかる

育児休業給付金が入金されるまでには時間がかかります。育児休業給付金の初回支給は出産から5か月~半年程度かかるのが一般的です。

給付金の支給までに時間がかかるのは、育児休業の開始と申請のタイミングが理由です。育児休業は出産後8週間経過してから開始(出産から8週間は産後休業)となります。さらに、そこから2か月間の間で賃金が発生しているかの実績が確認できてから初回申請となります(つまり育児休業まで約2か月、育児休業開始から2か月経って申請)。

以降は原則2か月に1回支給申請をします。申請は基本的にお勤めの会社から管轄のハローワークへ行うことになるため、実際の申請がいつ行われるかはわかりません。上記の期間を考慮しても入金が遅いと感じるようであればお勤めの会社に相談してみて下さい。

【関連記事】育児休業給付金の初回振込が遅すぎる理由とは?給付金の注意点や事前の準備

育児休業は原則2回まで分割可能

育児・介護休業法の改正により、令和4年10月から育児休業は2回まで分割して取得することができるようになりました。これによって夫婦間で交代して育児休業を取得したり、短期間で分割して取得したりするなど柔軟な対応をすることができます。

分割取得は原則2回まで行うことができますが、3回目以降は育児休業給付金の支給が受けられません。ただし、保育所利用の申し込みをしているが利用できない、養育予定者が病気や死亡等により育児ができなくなったなどの例外事由に該当する場合には回数制限から除外されます。

例)回数制限の例外自由(参考資料から一部抜粋)

育児休業の申し出対象である1歳未満の子について、保育所等での保育利用を希望し、申し込みを行っているが、当面その実施が行われない場合

その他の例外事由については、以下の厚生労働省のパンフレットでご確認ください。

【参考】:厚生労働省「令和4年10月から育児休業給付制度が変わります

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育児休業給付金の支給期間は?

育児休業給付金の支給期間は、原則対象の子供が1歳になるまでですが、一定の条件をみたせば最大2歳まで延長できます。また、「パパ・ママ育休プラス制度」を利用することにより、育児休業期間を延長しやすくなりますので、夫婦で育児休暇を利用できるなら検討してみて下さい。

原則は子どもが1歳になるまで

育児休業給付金は原則対象の子供が1歳に達する日の前日までが対象期間です。開始タイミングは母親の場合、出産翌日から8週間が経過した後からが育児休業期間となります。

父親の場合は出産予定日から育児休業期間とすることができます。この場合も育児休業終了期間は子供が1歳に達する日の前日で変わりません。

条件を満たすと最大で2歳まで延長できる

保育所への申し込みを行っているにもかかわらず、保育を受けることができないなどの理由により1歳に達した後に育児休業を取得する場合は、子供が1歳6カ月になるまで育児休業給付金の支給対象になります。それ以降もさらに保育が行われない場合には最長で2歳になるまで延長が可能です。

また、配偶者などの養育予定者が死亡、病気、離婚等によって育児ができなくなった場合なども延長事由に該当します。他にも細かい条件がありますので詳細は以下の資料を参照してください。

【参考】:厚生労働省「育児休業給付の内容と支給申請手続 P14:3 支給対象期間の延長

パパ・ママ育休プラス制度とは

パパ・ママ育休プラス制度は、簡単に言えば夫婦両方で育児休暇を取得すれば子が1歳2カ月に達するまでの期間を育児休業期間にできる制度です。

注意すべきポイントは給付回数が増えるわけではなく、1歳2カ月の間に1年間が支給対象(女性の場合は産業休業期間と育児休業期間をあわせて1年)となり、対象期間が延長となる点です。

そのため、例えば子が1歳になるまでは母親が育児休業をとり、それ以降は父親が育休を取得するような使い方が考えられます。

厳密には子が1歳に達する日の翌日以前に育児休業を開始しなくてはいけないなどの条件があります。以下の全てを満たす場合、パパ・ママ育休プラス制度が利用できます。

  1. 育児休業開始日が、当該子の1歳に達する日の翌日以前であること
  2. 育児休業開始日が、当該子に係る配偶者が取得している育児休業期間の初日以後であること
  3. 配偶者が当該子の1歳に達する日以前に育児休業を取得していること

パパ・ママ育休プラス制度の配偶者は実際の婚姻関係がなく、事実婚でも認められています。

育児休業給付金の支給期間について注意点

育児休業給付金を延長するときには手続きが必要です。第1子の育児休業給付金の支給期間を延長しても、第2子が生まれた場合には第1子の育児休業給付金の支給が終了する点には注意してください。

延長には段階的な手続きが必要

育児休業給付金の延長をする場合、1歳6か月まで延長するタイミングと、2歳まで延長するタイミングのそれぞれで延長手続きが必要で、どちらもそのタイミングで延長事由に該当しなければなりません。

パパ・ママ育休プラス制度を利用した上で支給期間を延長する場合は、1歳2か月が終わったタイミングでの手続きと延長事由の該当が必要です。

支給期間を延長するときには以下の書類をハローワークへ提出します(電子申請も利用可能です)。

 提出書類  育児休業給付金支給申請書
 「支給対象となる期間の延長事由-期間」に必要情報を記載
 添付書類   延長事由に該当することを確認資料(以下のうちのいずれか)
 ・当面保育所等で保育が行われない事実を証明することができる書類
 ・世帯全員について記載された住民票の写し、母子健康手帳(写しも可) 
 ・保育を予定していた配偶者の状態についての医師の診断書等

支給期間に第2子を妊娠した場合

第2子を妊娠した場合、第2子出産時点で第1子の育児休業給付金の支給は終了します。2名の子供の育児給付金をもらえることはありません。ただし、第2子の産前休業を取るかどうかによって第1子の育児休業給付金の支給期間が変わるのでよく検討するようにしてください。

第2子を妊娠した場合の育児休業給付金についてはこちらの記事で解説しています。

【関連記事】:育児休業給付金はいくら貰える?計算方法について解説

まとめ

育児休業給付金の支給は子供が1歳になるまでが基本ですが、条件によっては延長することができます。夫婦両方で育児休暇を取得する「パパ・ママ育休プラス制度」を利用すればほぼ無条件で1歳2か月まで延長できるのでご夫婦での育児休業が可能か検討してみて下さい。

「パパ・ママ育休プラス制度」の導入は、子育て中の夫婦が共に子育てを体験し、より充実した休暇期間を過ごせるように設けられたものです。この制度を利用することで、夫婦間の協力体制が築かれ、子育ての負担を分散することができます。さらに、父親が育休を取得することで、父子の絆を深める時間を持つことができるのは、家族全体にとって非常に価値のある時間となります。

また、この制度を活用することで、職場環境や社会的な理解も進むと期待されています。現代では、男性も積極的に育児に参加することが求められており、このような制度の存在は非常に重要です。もし、ご夫婦での育児休業を考えている場合は、この制度の詳細や利用方法についても、事前に情報を収集し、計画的に進めることをおすすめします。

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よくある質問

Q

育児休業給付金は男女関係なく受け取れますか?

A

男性でも育児休業給付金は受け取ることができます。ただし、男性と女性で育児休業期間の考え方が変わる点には注意してください。男性の場合、出産予定日から育児休業期間を開始することができます。

詳しくは「育児休業給付金の支給条件」を参照。

Q

育児休業給付金をできる限り早くもらう方法はありますか?

A

育児休業給付金は事業主(お勤めの会社)からハローワークへ申請するので、入金されるタイミングはわかりません。お勤めの会社の担当者の方と密に相談しながら進めることが早く支給されることにつながるかもしれません。

【関連記事】育児休業給付金の初回振込が遅すぎる理由とは?給付金の注意点や事前の準備

Q

育児休業給付金は他の手当て(出産育児一時金など)と併用できますか?

A

可能です。例えば出産育児一時金は出産費用の負担軽減を目的としており、それぞれ目的が異なります。他にも「出産手当金」「出生時育児休業給付金」などが併用できます。

【関連記事】産休や育休(育児)中にもらえる手当とは?計算方法や条件について

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