【2023年最新】育児休業給付の支給率80%への引き上げはいつから?2022年に改正された内容って何?

投稿日:2023/03/16 最終更新日:2023/10/26
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政府は2023年4月から、育児休業給付制度の最低支給率を、給与日額あたり80%へ引き上げることを表明しました。

具体的な引き上げ時期については未定ですが、もしこれが実現されれば、手取りベースでは育休取得前の給与と同等の収入を得ることが可能となります。

夫婦が協力して子育てと職場復帰の両立がしやすいように、育児に関する制度改正が2022年に施行されており、2023年からは育休取得の柔軟性が従来より向上しています。

一つ一つの制度を有効利用できるよう、まずは概要を理解しておきましょう。

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この記事の監修者

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菅原良介

株式会社Finatext

ファイナンシャルプランナー

早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。Finatextグループで展開される投資・証券サービスのディレクターを担当。保有資格は「2級フィナンシャル・プランニング技能士」「日本テクニカル協会認定テクニカルアナリスト」。資産形成に関するセミナー講師や執筆活動も積極的に行っているほか、株式投資の基礎や資産形成、ライフプランニング、資金計画などのアドバイスを得意とする。

育児休業給付制度の支給率引き上げはいつから?

育児休業給付金とは、1歳未満の子どもを養育するために育児休業を取得した際に、雇用保険から給付される制度のことです。この給付金のことを育休手当と呼ぶこともあります。

【関連記事】育休手当の支給日はいつからいつまで?計算方法について解説

2023年3月に岸田首相が会見を行い、育児休業給付制度において、男女で育休を取得した場合の給付金として前給与(※1)の80%を支給するように制度を改正する見通しであることが発表されました。

現在の支給額は前給与の50~67%ですが、80%に引き上げられることによって、育児休業中の社会保険料の免除と合わせ、手取り収入として実質給料の全額を受け取ることが可能になります。

具体的な改正時期は未定ですが、この改正が実施されれば、経済的理由で育児休業の取得を躊躇していた人々が今後休職しやすくなると期待されます。

※1:前給与とは、育休を取得する1ヶ月〜3ヶ月前に受け取っていた給与のことであり「育児休業開始前賃金」とも呼ばれる

【関連記事】育児休業給付金とは?受給条件や申請方法、受給期間を徹底解説!

67%から80%への引き上げ時期は今のところ未定

育児休業給付制度とは、育児休業(育休)を取得する際に、それまでの賃金の一定割合が支給される制度です。

育児休業給付金は雇用保険制度に基づき支給されるものです。育児休業前の2年間に、雇用保険の被保険者期間(11日以上働いた月)が12カ月以上あるなど、指定された条件を満たす場合、育児休業を取得することで支給されます。

現行の制度の支給額は以下の通りです。

  現行の制度  

  1. 育児休業日数180日目まで:休業開始時賃金日額×支給日数×67%
  2. 育児休業日数181日目以降:休業開始時賃金日額×支給日数×50%

育児休業給付金は最長で2年間まで受給が可能となっています。なお、休業開始時の日給は、育休開始前の6カ月の給料を180で割った金額となります。

細かい端数を除けば、給付金としておおむね月給の50〜67%相当がもらえると考えておくとよいでしょう。

例えば、育休開始前の平均賃金月給が30万円だった場合は、育休開始から180日間は月額約20万円、その後2年の間は月額約15万円が助成される計算になります。

育児休業給付は賃金の何パーセントか?育児休業給付は賃金の何パーセントか?

政府はこの育児休業給付金の最初の180日の部分の支給率を67%から80%に引き上げる方向で見直しを検討しています。

また、引き上げ水準や時期は未定ながら、180日以降の支給率の引き上げについても議論されているところです。休業中の収入減少を補うシステムを手厚くすることで、より子育てしやすい社会にしようという意図があります。

ただし、2023年3月時点では政府内で議論中であり、引き上げを実施するかどうか、そして引き上げ時期については未定となってます。

引き上げられるとどうなる?

育児休業給付金が見直され、支給割合が賃金の80%まで引き上げられた場合、平均的な年収の人にはおおむね育休取得前の手取りに近い金額が支給されます。

制度の改正で80%への引き上げが実現すれば、可処分所得の面で見ると経済的なハンディを負うことなく育児休業を取得できるでしょう。

また、給与所得者は所得税・住民税に加えて社会保険料などを負担しているので、実際に消費できる手取り額は給与額面の80%程度となるのが一般的です。しかし、育児休業中に受給する育児休業給付金は給与ではないため、所得税や住民税の負担は発生しません。

このように、育休取得中は税金負担や社会保険料なども免除されるので、育休給付金は支給された分を丸ごと使うことができます。すなわち、フルタイムで働いていた時から手取りの収入額をほとんど減らすことなく育休期間を過ごすことが可能となるのです。

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2022年度の育児休業給付制度の改正ポイント

育児・介護に伴う休業に関連するルールを定めている育児・介護法は、直近で2021年6月に改正され、2022年から施行されています。この改正では、育児休業の分割取得が可能になり、また産後パパ育休や出生時育児休業給付金の制度が創設されました。

育児休業の分割取得

新制度の下では、育児休業を従来より柔軟に取得することが可能になっています。まず、これまで育児休業は1度しか取得することができませんでしたが、2022年10月からは2回取得が可能になりました。

これまで、夫婦ともに育児休業は子どもが1歳になるまでの間に一度だけ取得できることとなっていました(母親は子どもの出産から8週間後までにとる産後休業の終了後から取得可能)。しかし、この点が改正され、夫婦ともに子どもが1歳になるまでの間に、分割して2回の育児休業を取得できるようになったのです。

また、取得可能日数は原則1年間で、保育所に入所できないなど所定の条件のもとでのみ、最長1年間の延長が可能でした。しかし、子どもが1歳になった時と1歳半になった時の半年刻みでしか育児休業の延長可否を決めることができない仕組みとなっており、パパとママの仕事に合わせた柔軟な対応ができない制度でした。

例えば、育児期間中に夫婦間で育休を交代したいと思っても、交代するタイミングが子どもが1歳及び1歳半になる時に限定されていました。

ところが2022年10月に制度改正により、子どもの出生から1年を過ぎたあとの育休でも、半年のサイクルを待たずとも延長の要否が決められるようになり、夫婦間での柔軟な交代が可能になりました。これにより夫婦が協力して職場復帰と子育てを両立できるようになったのです。

育児休業の分割取得について

育児休業の分割取得について

産後パパ育休と出生時育児休業給付金

父親の育休制度や出生時育児休業給付金についても、従来より柔軟性が向上し、また充実したものになっています。

2021年以前の制度の中には、妻が産休期間の時に夫が子育てや家事をサポートできるようにする目的の、「パパ休暇」という制度がありました。これは、産休が取得できる期間に当たる子どもの出生後8週間の間において、ママに加えパパも育休をとった場合、パパが一旦復職した後でも、もう一度育休を取得できるという制度です。2022年よりこのパパ休暇は廃止され、より柔軟性の高い産後パパ育休制度(出生時育児休業制度)が開始されました。

従来のパパ休暇の制度では、一度取得したら産休期間(子どもの出生後8週間が経過するまで)が明けるまで、2回目の育休が取得できませんでした。産休期間中には、休暇の分割取得ができないシステムとなっていたのです。しかし、産後パパ育休制度では、産休期間中でも2回に分けて休暇を取得することが可能になります。

産後パパ育休制度では、1度目の休暇を取得した後一時的に仕事に復帰し、2度目の休暇を再取得することができるようになりました。出生時や退院時に休暇を取得後いったん復職し、その後子どもが生まれてから8週間が経過する前であっても休暇を再取得することもできます。このような制度の新設により、より柔軟に休暇を取れるようになりました。

さらに、産休および産後パパ育休期間の給付制度として活用するため、「出生時育児休業給付金)の制度が創設されました。出生時育児休業給付金とは、原則産後パパ育休を取得した男性に支給される補助金のことです。これは休業1日あたり賃金日額の67%が受け取れる制度となっています。

賃金日額の計算方法や、細かい支給条件は育児休業給付と同様です。これらの制度により、産後直後の産休・産後パパ育休期間も経済的な心配が軽減され、より負担を感じずに過ごすことができるようになりました。

男性の育休制度改正のイメージ

男性の育休制度改正のイメージ

また、育児休業給付制度は2023年4月にも改正される予定です。この改正では、社員が1,000人を超える企業の事業主に、年に1度育児休業等の取得状況を公表することが義務付けられます。これには育児休業の取得を促進させる狙いがあると考えられます。

さらに、3月の岸田首相の会見では育児休業制度をより充実させるため、給付金支給率の引き上げ以外にも以下の改革を検討していることが発表されました。

給付金支給率の制度の改正

  1. 時短勤務を行う労働者に対する給付金の支給
  2. これまでは育休給付対象外であった非正規労働者、フリーランス、自営業への経済的支援

今後、このような制度の改正が4月の法改正時などに行われるかは未確定ですが、これらが実現されればより多くの男性が育児休業を取得しやすくなる可能性があります。政府がどのような判断を下すのか、各種メディアで最新情報をチェックしましょう。

【関連記事】産後パパ育休制度は法改正で何が変わった?給付金の取得条件や期間について

まとめ

育児休業給付金の見直しについては現在政府内で検討中であり、実施されるかどうか、また実施時期は未定です。

一方で、2021年6月改正、2022年10月施行の産休・育休関連の法により、夫婦が協力しながら、従来より柔軟に職場復帰と子育てを両立できるようになりました。

2023年4月の改正をはじめ、今後も育休・産休関連の法律は改正され、より充実した制度になる可能性が高いため、注意深く情報収集を行う必要があります。

給付面についても働き手をサポートする形での制度改正が期待されるところですが、出産前後のトラブルや、想定外の負担増などのリスクも無視できません。

また、家族が増えるタイミングは、将来の備えを見直すうえで適切な時期でもあります。生命保険への新規加入や拡充を検討して、出産期やその後の備えを万全な状態にしておくことをおすすめします。

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よくある質問

Q

育児休業給付金はどのくらい支給される?

A

2023年3月時点の制度の下では、最初の180日が前給与の67%、それ以降は休業期間に応じて50%が支給されます。

詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

【関連記事】育児休業給付金はいくら貰える?計算方法について解説

Q

出生時育児休業給付金はどのくらい支給される?

A

出生時育児休業給付金は2022年10月に始まった制度で、2023年3月時点では給付額は賃金の67%となっており、80%に引き上げられる可能性があります。

産休期間にあたる最大8週間のうち、実際に休暇を取得した日数に応じて支給されます。なお、出生時育児休業給付金の支給日数は、育児休業給付金の給付率が高くなる、最初の180日に加算されます。

「育児休業給付制度の2022年度改正ポイント」について詳しく見る

Q

2022年の制度改正でどんなポイントがあった?

A

全体として、育休取得を推進する制度改正が行われました。例えば次のような制度が施行されています。

1. 企業に対して、育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施や相談体制の整備、事例集の収集・共有など、育休取得をサポートする制度整備の義務づけ等(相談窓口設置)
2.社員数1,000人以上の企業における育児休業の取得状況公表の義務化(2023年4月から施行)

「2022年の制度改正のポイント」について詳しく見る

Q

産後パパ育休ではどれくらい休みを取得できますか?

A

子どもが産まれて8週間以内のうち、最長4週間まで取得できます。

詳しくは下記の記事も参考にしてください。

【関連記事】産後パパ育休制度は法改正で何が変わった?給付金の取得条件や期間について

Q

産休、育休中にもらえる手当は何がありますか?

A

「育休手当」のほか、「産休手当」、「児童手当」、「出産育児一時金」、「妊婦健診費の助成金」を受給できます。

詳しくは下記の記事も参考にしてください。

【関連記事】産休や育休(育児)中にもらえる手当とは?計算方法や条件について

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