株に関する情報はどこで集める?
株式投資には、銘柄や売買のタイミングを見極めるために世界経済情勢や企業情報の収集が欠かせません。インターネットが普及した現代は個人でも簡単に情報を得ることができます。
しかし、株式投資を始めたばかりの頃は、どの情報を参考にすればいいか判断に困るかもしれません。ここでは、投資に関する情報収集のためのツールをいくつかご紹介します。
新聞
情報収集ツールとしてまず最初に挙げられるのが新聞です。新聞は株取引の入門書といえます。情報の早さではインターネットに劣りますが、調査に基づいた確かな情報が掲載されており、インターネットよりも信頼性の高い情報を収集することができます。良質な知識を得るには新聞を読むと良いでしょう。
また社会で今何が起きているのか、専門的見地から理解でき、使える情報を仕入れることができます。インターネットで得ることができる情報も、辿っていけば一次情報は新聞であることも多いため、すべての情報収集の基礎と言えるでしょう。
多くの種類がある新聞の中でも特に「日本経済新聞」は経済紙トップクラスの情報量が手に入り、初心者にもやさしい投資情報も充実しているため、おすすめの新聞です。また、楽天証券に口座を持っていれば「日本経済新聞 電子版」を無料で読むことができます。
日本経済新聞の他にも、株式投資に関わる情報収集に役立つ新聞が、証券専門新聞である「株式新聞」です。
国内トップシェアを誇る証券専門誌であり、小型株・中型株・新興市場・IPO(新規上場)の情報といった、独自視点のコンテンツが豊富です。大企業だけでなく中小企業への投資も考えているという方は、ぜひ「株式新聞」をチェックしてみましょう。
なお、2021年3月31日をもって紙媒体は廃刊になったため、現在はWebのみで配信されています。
書籍
書籍は新聞に比べてさらに情報の早さでは劣るものの、見やすくまとめられていて、繰り返し読むことができるというメリットがあります。
株式投資のバイブルとされる書籍は「会社四季報」です。証券取引所に上場している全企業のデータが網羅されており、個人投資家だけでなく金融機関や公的機関からも長年支持されています。株式投資の情報収集として会社四季報は有効な手段と言えます。
会社四季報は、3月・6月・9月・12月の年に4回発行されている季刊雑誌です。これから株取引を考えている人には、多くの企業の3月期決算結果と新年の業績予想が掲載されている6月発行の会社四季報・夏号がおすすめです。
会社四季報は2,000ページを超えるほど大ボリュームなので、まずは銘柄一覧から興味のある銘柄を調べてみてください。
他にも、ダイヤモンド社が発行する初心者向けの投資情報誌「ダイヤモンドZAi」もおすすめです。
株式取引の落とし穴・株の基礎知識・用語説明といった株式取引が初めての方に向けた特集もよく組まれています。ダイヤモンドZAiは、新聞にはないエンターテイメント性のある企画もあります。新聞からは情報が読みとりにくい株取引初心者の方にとって、わかりやすい内容になるよう工夫されています。
テレビ
テレビは新聞や書籍のように自分が知りたい情報だけを選べませんが、逆にいえば自分で積極的にトピックを探す必要がなく受け身で視聴できるため、気負わずに情報収集が可能です。
株式取引に役立つ番組は、「Newsモーニングサテライト」が筆頭です。テレビ東京系列で月曜日~金曜日の5:45~7:05まで放送しています。株式取引の市況分析・経済指標の解説・市場の動向を取り扱っており、株式取引初心者でもわかりやすくマーケット情報を知ることができる番組です。
他にも「WBS(ワールドビジネスサテライト)」もおすすめです。テレビ東京系列で月曜日~木曜日は22:00~22:58まで、金曜日は23:00~23:58まで放送しています。WBSは、事件や政治の報道ではなく、経済の話題が中心に取扱っているため、株式取引で今後の動き予想に役立つ番組です。
インターネット
インターネットにおける情報収集の強みは、スピード性です。インターネットでは膨大な量かつリアルタイムな情報が手に入るため、随時チェックすることで売買のタイミングを逃しにくくなります。リアルタイムでチャートを見てマーケットの動きを把握できるのはインターネットの大きな強みです。
投資ニュースサイトでは、国内だけではなく世界の株式情報が確認できます。また、証券会社が運営する会員向けのコンテンツなら、会員にしか伝えられない希少性の高い情報を得ることができます。
企業も、IR(投資家向け情報)をインターネット上に公開しています。有価証券報告書や四半期報告書を読み解くことができれば、その企業の株について値動きの予測に役立ちます。
また、インターネットでは企業の株主優待や各証券会社の手数料も比較することができます。証券会社によって手数料が異なるため、口座開設の際は比較して検討すると良いでしょう。
インターネットは、スマートフォン・タブレットがあれば閲覧できるため、場所を選ばず移動時間などにチェックできる媒体です。
初心者にもおすすめのオンライン情報源
株取引に役立つオンライン情報は多数存在します。提供されているサービスにはそれぞれ特徴があるため、自分の株式投資のスタイルに適したサイトを選びましょう。
さまざまな分野に特化したサイトが存在するため、ここでは初心者におすすめな基礎的な情報収集に特化したサイトを紹介します。
銘柄分析におすすめのサイト
銘柄分析におすすめのサイトはYahoo!ファイナンスです。
Yahoo!ファイナンスは数多くの株式投資家が利用しています。株式情報のサイトでは最大級の利用者を誇ります。最新のニュースをチェックしながら、動きを知りたい株の銘柄を登録でき、無料版でも十分に役立つサイトです。
有料版のYahoo!ファイナンスVIP倶楽部(月額2,178円)に登録すると、Yahoo!ファイナンス掲示板の無視したいユーザーのリスト自動整理ができ、テレ東BIZが見放題で視聴できます。有料版のYahoo!ファイナンスVIP倶楽部に加入していないと視聴できない経済ニュースもあります。
また、上記で紹介したテレビ番組の倍速機能、ライブ配信の巻き戻し機能もあり、自分のペースで番組が視聴できます。無料版の利用だけでも問題ない場合もあるため、有料版の加入は必須ではありません。
なお、投資家によく利用されているYahoo!ファイナンス掲示板は、各投資家の個人的な判断による投稿のため、情報の信憑性には注意しましょう。
次の銘柄分析におすすめのサイトは株探(かぶたん)です。
株探も多くの株式投資家が利用しています。通常の業績は1年ごとですが、3か月ごとの企業の業績が閲覧できます。同じ条件の前年比と比較することで、こまめな業績の判断が可能です。個別銘柄の情報が豊富で、投資に必要な情報の多くが収集できます。
市場ニュースはカテゴリごとに色分けがされており、必要なニュースを素早く閲覧できます。どの市場ニュースを閲覧するか判断がつかないときは、カテゴリを絞って閲覧してみましょう。
経済ニュースにおすすめのサイト
経済ニュースでおすすめのサイトは日経平均電子版です。
日本経済新聞のWeb版ですが、紙媒体の新聞とは違い、速報をリアルタイムで確認できます。日本株への影響力が強く、日経平均電子版で取り上げられたニュースが即座に株価に影響することも少なくありません。
また、電子版のみのマーケット情報や記事も扱っています。無料版は、閲覧できる記事数が減りますが、有料版でしか閲覧できないコラムが月に10本まで閲覧可能です。有料会員登録は、必要だと感じた時でも問題はありません。豊富なニュースとコラムが読めるため、投資家以外にも閲覧者が多いサイトです。
次の経済ニュースでおすすめのサイトはロイターです。
アメリカを代表する情報企業の1部門として、他に類を見ないスピードでニュースを発信しているため、ロイターをチェックすればどこよりも早く海外情勢が確認できます。そのため国内株だけでなく海外株、投資信託への投資を考えている人にもおすすめのサイトです。
多言語で報道しているため、Webやアプリでも閲覧が可能です。日本の報道機関もロイターの記事を翻訳して報道することもあります。
また日本国内の株式取引のみ行っている場合でも、アメリカやその他外国の経済ニュースが国内の株価にも影響するため、海外の経済やニュースもチェックが必要です。
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株に関する情報収集で大切なポイント
ここからは株に関する情報収集で大切なポイントをお伝えします。
株取引において、現在は情報があふれており、どれが自分の求めている情報なのかが分かりにくくなっています。必要な情報は人によって異なるため、ポイントを押さえて情報収集に役立ててください。
集めたい情報によってサイトを使い分ける
知りたい情報に特化したサイトをいくつかピックアップしておくと便利です。
株取引といっても、銘柄のジャンルや企業は多岐にわたります。上記で紹介した銘柄分析サイトから購入する銘柄を決め、購入した銘柄に関連性のあるニュースにアンテナを張ってください。株取引では複数の銘柄を同時進行することも多いため、それぞれの銘柄に特化した情報サイトを探すことも重要です。
また、株取引には情報収集ツールもあるため、自力で探すよりはツールを使った方が手間も時間もかかりません。ツールを使う場合は、いくつかのツールを必要に応じて使い分けると効率良く情報を精査できます。
全ての情報を鵜吞みにしない
Yahoo!ファイナンスの掲示板、個人ブログ、SNSでは多くの情報が飛び交っています。そういった情報は一個人の意見も多々あるため、鵜吞みにせず、慎重な情報の精査が重要です。
中には他の投資家をわざと惑わすような、悪質な投稿もあるかもしれません。投資家によって株取引のスタイルが異なるため、一つの情報に盲目的にならずに自分のスタイルに合った情報を収集し、他の投資家の意見は参考程度にしましょう。
IR情報
IR情報について解説します。株式取引を始めるうえで、IR情報は株購入に重要な指標です。この項目ではIR情報を閲覧して、どう判断すれば株取引に活かせるか解説します。
IR情報とは何?
IRとは、インベスター・リレーションズの略称です。企業が投資家や株主に向けて企業についての情報を伝える活動を指します。
具体的には、決算報告・業績予想・他社との業務提携といった企業に大きな影響を与える情報の開示です。このIRが企業の株価を大きく左右することもあるため、株を購入した企業のIRは常にチェックする必要があります。
株式を上場している企業は投資判断に必要な情報を開示することを義務付けられていますが、企業から投資家や株主に向けたアピールのために積極的に公開している企業もあります。アピールする理由としては、企業が情報を開示して、株主だけではなく投資家にも魅力的だと伝え、株購入を促すためです。
どこで見る?
多くの企業は、自社のホームページにIR情報を掲載しています。購入を検討している株の銘柄があれば、まず企業の公式ホームページを閲覧してください。
また、企業の代表者が企業理念、現在行っている取り組みを紹介している場合もあります。どの情報を重視すればいいか不明な場合は、まずは決算を参照しましょう。
どんなことが分かる?
IR情報からは企業の業績はもちろん、業績予想の修正・有価証券報告書・合併・企業買収の発表といったさまざまな情報が手に入ります。決算発表の前であっても、業績予想の修正によっては株価が大きく動きます。
株の購入検討まで至っていない場合に、企業自体を詳しく知りたい時は、「有価証券報告書」をチェックしてください。有価証券報告書は業績好調な部門・財務の安定度・企業の課題を数字で閲覧でき、社員の平均年収も記載されています。企業内部の動向を知ることができるため、今後の株価の予測に役立ちます。
個人投資家が見るべき情報は?
IR情報で個人投資家が見るべき情報は「決算短信」と「四半期報告書」です。
決算によって株価は変動します。業績と株価は連動しやすいため、最初は決算をチェックしましょう。
決算短信とは、一定期間の決算内容と決算に関連する情報をまとめた資料です。有価証券報告書は決算から3か月以上経ってから発表されますが、決算短信は決算から1~2か月後に発表されます。決算の速報のような意味合いもあり、株価に影響を与えやすい資料です。
四半期報告書は、3か月ごとに決算の途中経過を伝える資料です。業績予想に対する進捗状況や実績を確認できるため、値動きの予測に使うことができます。なお、上場企業は基本的に四半期報告書を作成する義務があります。
有価証券報告書と四半期決算短信の方が詳しい情報が載っていますが、スピーディーに業績を確認したい時は決算短信の確認をおすすめします。
まとめ
株取引において、重要な武器は情報です。株取引を成功させるには、正しい情報を手に入れ、それを精査した上で株式購入を行う必要があります。
しかし、現状は情報も多く、どの情報を信用するかが鍵です。しっかりと信用できる情報とできない情報を線引きし、投資家としての投資スタイルを固めることも重要です。
信憑性のない情報や、誇張して表現されている情報に惑わされないように、精査することが求められます。これは株取引だけでなく、投資信託やFXなど他の投資方法についてもいえることです。
自分が持つ資産を着実に運用するために、情報収集は必要な手段です。これから株式取引を始めようとしている方は、一気に情報を入れず、少しずつニュースと株価の動きを確認してみてください。
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