信用取引のレバレッジはどのくらいかけるべき?

投稿日:2022/01/20 最終更新日:2023/03/14
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信用取引の特徴の一つにレバレッジをかけた取引ができるということがあります。レバレッジをかけることで投資効率を上げる効果も期待できますが、その分、リスクも膨らみます。レバレッジをかけた株取引を利用する際の留意点等について詳しく確認していきましょう。
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レバレッジは何倍までかけられる?

レバレッジとは直訳すると「てこの原理」ですが、投資用語として使う場合は、(「てこ」が小さな力で重い物を動かすことができることと同様に)少ない自己資金で大きな投資効果を得ることを指します。

レバレッジを効かせた取引には、金融機関等からお金を借り入れて行う取引や先物取引などの差金取引などがありますが、信用取引も証券会社からお金や株券を借りて行う取引という面で、投資元本のうち自分の資金で拠出する分を抑え利益を最大化させるレバレッジ取引の一つと言えます。

信用取引では、委託保証金と呼ばれる担保を約定価額の30%以上証券会社に預けて株式の売買を行います。つまりは、手元資金を担保にして最大3.3倍までレバレッジを効かせて取引を行えるということになります。

しかし、レバレッジが大きければ大きいほど、株価が値下げした時に大きな損害を被るリスクも増えますので、注意とリスクヘッジが必要不可欠になります。

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初心者は低レバレッジから始めよう

レバレッジを効かせるということは、少ない資金で大きな投資効果を得るということをお話ししましたが、ここでいう投資効果とは、プラスの効果もあればマイナスの効果もあるということに留意する必要があります。つまりは、利益(プラスの効果)も大きくなるが、損失(マイナスの効果)も大きくなる可能性があるということです。

また、言い換えると、投資対象のちょっとした値動きに伴う損益も、レバレッジを効かせるとその分大きくなるということにもなりますので、マーケットの動向にはより緻密かつスピーディーに対応していかないと、思わぬ大きな損失を被ることにもなりかねません。

したがって、投資経験の少ないうちは、現物取引でレバレッジを効かせずに取引を実施するか、信用取引を行うにしても、レバレッジを2倍以下に抑えた取引から始めるなどしたうえで、投資経験を積んでいくに連れて少しずつレバレッジをかけていくことをお勧めします。

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レバレッジをかける際に気をつけるべきこと

それでは、実際に信用取引でレバレッジをかけて取引を行う場合には、どういったことに気を付けていく必要があるのか、詳しく確認していきましょう。

銘柄選びに気を付ける

先ほど説明した通り、レバレッジをかけて取引を行った場合には、損益の振れ幅もその分、大きくなりがちですので、市場の変動等に対して、よりスピーディーに対応していく必要があります。

しかしながら、流動性の低い銘柄、つまり板の薄い銘柄では、反対売買を行って建玉の手仕舞いを行おうとしても思ったタイミングや価格で取引を行えない、更には取引自体ができないといったことにも想定されます。

また、もともと値動きの激しい銘柄は、レバレッジをかけることによって損益の振れ幅が更に拡大するといったことも考えられますので、想定以上の損失を被ることのないよう、銘柄を選ぶ際にはこうした銘柄特性を十分確認したうえで取引を行うようにしましょう。

商品性の理解に加え、さらに銘柄の信用残高を確認し「信用買い」と「信用売り」のどちらに傾いしているのかを確認してから判断することをおすすめします。

追証の発生に気を付ける

信用取引では委託保証金と呼ばれる担保を約定価額の30%以上差し入れる必要があり、この委託保証金から建玉の評価損等を差し引いた額が、証券会社毎に定められている委託保証金維持率を下回った場合に、「追証」と呼ばれる追加担保の差し入れが求められます。

信用取引でレバレッジをかけて取引を行うということは、委託保証金が約定代金の100%未満で取引を実施するということで、これが30%であるときが最大のレバレッジ(3.3倍)ということになります。この状態は、委託保証金維持率に対する余裕がほとんどないことになりますので、ほんの少しの株価の下落によって、すぐに追証がかかってしまうおそれがあります。追証に対応できなかった場合は証券会社による建玉の強制返済が実施され、損失分を返済できなかった場合は投資家に直接請求されます。

したがって、レバレッジをかけて信用取引を行っている場合には、委託保証金の状況(委託保証金維持率への接近具合)について常に注意を払い、予め追証発生に備えた対応策を確認しておくことが重要となります。

自分の売買ルールを守る

このようにレバレッジ取引は損益の振れ幅の大きい取引と言えますので、自身の資産状況などを踏まえたリスク許容度を分析把握し、このリスク許容度に合った売買ルールを予めしっかり決めて確実に守ることが必須となります。

想定以上に損失が膨らむことを防ぐには、含み損が一定以上になった場合に手仕舞いを行う「損切りルール」を決めておくというのもよいかもしれません。

自らの意思で損切りルールを守るのが難しい場合、あらかじめ逆指値の売り注文を発注し、指定した値段以下になったら自動的に損切りするようにすることをおすすめします。

まとめ

信用取引を使ったレバレッジ取引について説明してきました。レバレッジ取引は大きなリターンも期待できますが、反面、損失も同様に大きくなるハイリスクな取引であるということを十分理解しておく必要があります。投資対象銘柄の厳選、保有しているポートフォリオのリスク管理、さらにその前提として「自分の資産がどの程度の損失まで耐えうるのか」というリスク許容度の把握など、準備を欠かさないようにしましょう。

取引経験が少ないうちは、信用取引を行うにしてもレバレッジを抑えた取引から始め、損切りルールなどリスクコントロールスキルの向上に合わせて少しずつレバレッジを引き上げて適度なレバレッジで取引を行うことが大切になります。

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