空売り残高とは?株価との関係についてわかりやすく解説!

投稿日:2021/03/08 最終更新日:2023/03/14
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信用取引の残高は、投資家が証券会社から資金や株式を借り入れて約定した結果という事実だけでなく、その残高から推測できることがあります。多くの投資家が信用残高を投資の参考情報にしています。どのように利用しているかを見ていきましょう。
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この記事の監修者

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菅原良介

株式会社Finatext

証券アナリスト

Finatext サービスディレクター・アナリスト。日本テクニカル協会認定テクニカルアナリスト。早稲田大学 政治経済学部 経済学科卒業。Finatextグループで展開される投資・証券サービスのディレクターを担当する傍ら、アナリストとしても活動。グループで展開するコミュニティ型株取引アプリSTREAM内で開催されるイベントのモデレーターなども務め、国内メディアへの寄稿も行う。

そもそも信用取引残高とは

信用取引には、投資家が証券会社から資金を借り入れて株式を買い付けた/買付約定した「信用取引買い残高」と、投資家が証券会社から株式を借り入れて売却した/売却約定した「信用取引売り残高」があります。信用取引売り残高は空売り残高とも呼ばれ、空売りをする上では重要な情報を提供する指標の一つになってます。信用取引によって、投資家の手元にある資金や株式以上の取引が実現しています。

では、「信用取引残高が多いとどうなる?」「減るとどうなる?」と考えている方は多くいらっしゃるでしょう。決算発表内容の好調や不調などで、信用買い残高や信用売り残高が膨らむなど、各銘柄のニュースに連動することも多くあります。信用取引残高の膨らみは、各銘柄の値上がりや値下がりの期待値に比例するとも言えます。

一方で、信用取引残高は投資家が証券会社から資金や株式を借り入れている状態となりますので、のちのちその資金や株式を返済する必要があります。買い残高の場合は売り返済(転売)、売り残高の場合は買い返済(買戻し)が主になります。これらは株式市場での売買(約定)を伴いますので、多くの買い残高は将来の売り要因、多くの売り残高は将来の買い要因になると考えることができます。特に制度信用取引の場合は、借り入れてから返済までの期日を6ヵ月以内と定めている点が重要となります。

このような、現物株の取引では生じないような、信用取引が株価へ及ぼす影響について見ていきましょう。

空売り残高とは

信用買い残

信用買い残高は、投資家が証券会社から資金を借り入れて約定した残高となることから、値上がり期待の銘柄で残高が膨らむ傾向があります。

信用買い残高が膨らみ、かつ、株価も上昇すると、上昇分の利益確定をするための売り(売り返済)の動きが出るなど、株価上昇に対して反発の動きが出ることがあります。信用買い残高の変化が株価に与える影響については、後ほど詳しく説明します。

信用売り残

信用売り残高(空売り残高)は、投資家が証券会社から株式を借り入れて約定した残高となることから、値下がり期待の銘柄で残高が膨らむ傾向があります。

信用売り残高(空売り残高)が膨らみ、かつ、株価も下落すると、下落分の利益確定をするための買い(買い返済)の動きが出るなど、株価下落に対して反発の動きが出ることがあります。信用売り残高の変化が株価に与える影響についても、後ほど詳しく説明します。

【この記事もおすすめ】
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株価への影響

信用取引における大切なこととして、多くの場合で借入時の約定(新規約定)と返済時の約定(返済約定)の2回、株式市場で約定されることが挙げられます。信用取引残高は、多くの場合で将来に返済約定される残高とも言えることに注目しましょう。

将来の売り圧力(信用買い残高)

決算発表の内容が好調な銘柄や新商品の売れ行きが好調な銘柄など、企業価値が高まると推測される銘柄については、手元に資金がなくても買いたくなるため、このような銘柄は信用買い残高が膨らむ傾向にあります。ただし、信用取引の場合は、将来必ず返済する必要があります。そこでポイントを挙げます。

直近と比較し、出来高が膨らんだ場合、信用買いの新規が多く約定されている可能性があります。制度信用取引の場合、その日から6ヵ月以内に返済する必要があるため、次に出来高が膨らむタイミングで信用買いの返済(売り返済)が多く約定されている可能性があります。売り返済が多く約定される可能性から、信用買い残高が多いかつ信用倍率(信用買い残高と信用売り残高の比率)が高い銘柄を空売りの対象にすることは空売り機関の手口の一つになっており、株価の下落に注意する必要があります。

信用買い残高が膨らみ続けると、あるタイミングで一気に返済され、売買高が膨らみ、株価が下落する場合があるので注意が必要です。

将来の買い圧力(信用売り残高)

決算発表の内容が不調な銘柄や不祥事を起こしてしまった銘柄など、企業価値が下がると推測される銘柄については、手元に株式がなくても売りたくなるため、このような銘柄は信用売り残高が膨らむ傾向にあります。ただし、信用取引の場合は、将来必ず返済する必要があります。そこでポイントを挙げます。

直近と比較し、出来高が膨らんだ場合、信用売りの新規が多く約定されている可能性があります。制度信用取引の場合、その日から6ヵ月以内に返済する必要があるため、次に出来高が膨らむタイミングで信用売りの返済(買い返済)が多く約定されている可能性があります。

信用売り残高が膨らみ続けると、あるタイミングで一気に返済され、売買高が膨らみ、株価が上昇する場合があるので注意が必要です。

ちなみに個人投資家に対して、機関投資家は大口の信用取引を行うことも多く、マーケットへ予想以上の影響を及ぼすこともあります。信用取引の情報ではありませんが、5%ルールといわれる「大量保有報告書」や「変更報告書」などで機関投資家の動向を確認できるので、こういった点にも目を配ってみると良いかもしれません。

山場は6ヵ月以内と限らない?!

制度信用取引の返済は6ヵ月以内と繰り返しましたが、山場は6ヶ月以内とは限りません。

たとえば、株価上昇局面において、信用取引買い残高を保有している投資家が引き続き株価は上昇すると考えた場合、同日中に買い残高の返済約定(売り返済)と買い残高の新規約定をして、買い残高を建て直すことがあります。これを「信用残高を回転させる」「信用残高が回転する」と言います。回転させることで、返済の期日は新規約定の時点から6ヵ月とカウントし直すことになります。

株価に下限のある信用売りに比べ、株価に上限のない信用買いで、引き続き、値上がると判断し、信用残高を回転させる投資家は多くいます。

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空売り比率

以前は、1日の出来高と同日の信用売り残高を比較した「空売り残高比率」を1つの指標として、信用売り残高の膨らみや返済タイミングの推測に利用されていました。しかし現在は、信用取引において回転売買(売り買いを同日に複数回できる)が可能となったため、指標としての意味合いは薄れています。今回説明する「空売り比率」と混同することがあるので注意しましょう。

現在では、「空売り比率」が東証でも公表され、1つの指標となっています。

空売り比率とは

1日の売買代金のうち、信用取引売りの占める代金の割合を指します。

信用取引は回転売買が可能であるため、当日の最終的な残高を推察することはできませんが、株価上昇局面においては、売買代金に占める信用取引売りの割合が低くなる傾向にあります。これは、新規売りを注文しづらい状態であることを示しているとされています。

空売り比率の見方と使い方

東証にて、日々「空売り集計」として、全体集計および業種別集計を公表しています。公表される時間帯は16:30であり、リアルタイムの情報ではないものの、日々の出来高の内訳として信用取引売り約定(空売り)がどれだけあったかを把握することが1つの指標になります。1日だけの情報では分析できませんので、過去の情報と併せて、分析する必要があります。

また、空売りに関する情報をまとめている「空売りネット」(karauri.net)というサイトがあります。空売りネットの見方については、気になる銘柄を検索することや、空売り比率と空売り残高のランキングなども閲覧できます。

まとめ

信用取引の買い残高および売り残高について、新規約定・返済約定と株式市場で2回売買(約定)することによる株価への影響を説明しました。信用残高の膨らみや制度信用残高の返済期日などの情報や知識が大切です。また、東証が公表している情報も有益ですので参考にしましょう。

監修:日本証券金融株式会社
編集:K-ZONE money編集部

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