投信/ETF
【第33回】中国H株指数のレバレッジ型・インバース型ETF 新たな投資機会を得る効果に期待 東証ETF
投稿日:2022/05/09
最終更新日:2022/11/01
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目次 [
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東証ETF・ETN活用プロジェクト [ なるほど!ETF・ETN ]
【第33回】
シンプレクス・アセット・マネジメント水嶋社長に聞く中国H株指数のレバレッジ型・インバース型ETF
新たな投資機会を得る効果に期待
- 2012年12月6日、シンプレクス・アセット・マネジメントのETF「中国H株ブル2倍上場投信」(1572)と「中国H株ベア上場投信」(1573)が東京証券取引所に新規上場した。両ETFは東証のレバレッジ型・インバース型に分類される、いわゆるブル・ベア型ETFだ。同社の水嶋浩雅社長に、設定の背景や特徴などを聞いた。
- 「中国H株ブル2倍上場投信」と「中国H株ベア上場投信」の概要を教えてください。
シンプレクス・アセット・マネジメント 代表取締役社長
水嶋浩雅氏
水嶋浩雅氏
- 「中国H株ブル2倍上場投信」と「中国H株ベア上場投信」が参考とする指数は、ハンセン中国企業株指数(H株指数)です。この指数の構成銘柄は香港株式市場に上場している40銘柄(2012年末現在)ですが、いずれも中国本土で事業を展開している中国資本の企業群。重厚長大な企業が多く、いわば純然たる中国企業と言えます。
- 「中国H株ブル2倍上場投信」は、このH株指数の前日比変動率の2倍になるように算出された「ハンセン中国企業株レバレッジ指数」に連動することを目指します。一方の「中国H株ベア上場投信」は、H株指数(配当込)に対して-1倍と、逆の値動きをする「ハンセン中国企業株ショート指数」への連動を目指します。
- 両ETFは全国の証券会社を通じて投資することが可能です。
中国の主な株式指数
- 両ETFの設定の背景と魅力は?
- グローバルのETF市場をみると、レバレッジ型・インバース型ETFの売買は活況で残高が大きいタイプが目立つなど、ETF市場では中心的な存在といえます。日本のETF市場では、残高はそう多くはないものの、売買代金においてはある程度のシェアを占めるようになってきました。
- 例えば、レバレッジ型・インバース型ETFとして2012年4月に初めて上場したのが、当社の「TOPIXブル2倍上場投信」「TOPIXベア上場投信」。「TOPIXブル2倍上場投信」の売買代金は東証のETFで3位、「TOPIXベア上場投信」が同9位になったこともあります(東証「月刊ETF・ETNレポート2012年12月版」)。また、今回上場した「中国H株ブル2倍上場投信」も同18位にランクされました(同)。
- ETFのメリットとしては一般に、(1)分散投資が容易、(2)投資コストが低い、(3)値動きがわかりやすい、(4)いつでも売買できる——などが指摘されています。レバレッジ型・インバース型ETFである「中国H株ブル2倍上場投信」「中国H株ベア上場投信」は長期投資というより、短期で収益獲得を目指す投資家さんのニーズに対応していると思います。日本におけるヘッジファンドの草分けとして「シンプレクスらしさ」を追求したETFとは何かということを考えた結果、投資家の方の興味がある中国株式市場を国内で取り引きできるレバレッジ型・インバース型ETFとして、今回の上場となりました。
- 「中国H株ブル2倍上場投信」「中国H株ベア上場投信」は、世界初の中国H株指数を対象にしたレバレッジ型・インバース型ETFです。日本の投資家の方々がこれまで得ることができなかった投資機会を新たにご提供できる点が大きな魅力と言えるでしょう。
- 中国H株指数が今後も上昇すると判断すれば、「中国H株ブル2倍上場投信」を活用することで通常の中国H株インデックス投信やETFなどよりも大きな収益が期待できます。一方で間近に調整局面がくると判断するなら、「中国H株ベア上場投信」で収益が期待できるし、手持ちの中国株式投信やETFなどの価格変動リスクへのヘッジとして活用することもできます。
- 投資にあたっての注意点などがあれば教えてください。
- 大きく2つのポイントがあります。1つ目が、日本株式と比べてボラタイルな中国株式の指数を参考にしていること。値動きが相対的に大きい、つまりややハイリスクなETFということができます。
- 2つ目が、レバレッジ型・インバース型ETFが連動することを目指す投資対象指数は、日々の値動きに対して2倍もしくは逆の値動きをすること。しかし長期投資した場合は、必ずしも2倍や−1倍にはならないことがあります。
- これは、レバレッジ型・インバース型の連動指数には日々の値動きが累積することによって複利効果が生じるためです。特に、連動指数の値動きが上昇と下降を繰り返した場合に、2倍や-1倍からの乖離(かいり)が大きくなる傾向があります。これが、長期投資に不向きといわれる理由の1つで、投資にあたってご注意いただきたい点でもあります。
- ETF組成・運用に関する今後の取り組みは?
- ETFは長期投資から短期の投機的な投資まで、様々な活用ができる懐の深い金融商品です。個人投資家の方にとっての投資のメリットは、少額から投資できて投資コストも低く、売買しやすい(流動性がある)などです。東証に上場するETFは120本を超えましたが、グローバル市場から比較すると、投資対象や手法などでまだまだ拡大する余地が残されています。
- 長年低迷していた日本の株式市場にも、投資成果を着実に上げている商品や投資手法が存在します。ETFも使い方によっては、投資家の方の収益拡大に寄与できると思います。当社の取り組みが、少しでも日本の株式市場の活性化に貢献できるよう、今後もETFビジネスに積極的に取り組んでいきたいと考えています。