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退職・年金ナビ [ 保険の買い方選び方 ]
【第26回】生命保険と税金(2)
受け取った保険金や年金にはどんな税金がかかる?
- 生命保険の保険金や各種給付金、年金等を受け取るとき、税金がかかる場合があります。
- そんなときに注意したいのは、保険金などの種類や契約形態によって税金の種類が変わるということ。場合によっては受取額に大きな差が生じる可能性もあります。
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契約形態による税金の違い
- 生命保険に加入する場合、だれが保険料を支払い(契約者)、だれが保険の対象になり(被保険者)、だれが保険金を受け取るのか(保険金受取人)を決める必要があります。
- そして、この三者の関係—つまり契約形態によって、受け取る保険金は「所得税+住民税」、「相続税」、「贈与税」のいずれかの課税対象になります(図参照)。
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※所得税の対象になる場合、住民税も課税の対象になります。
※各種の控除などにより、税額がゼロの場合もあります。 - この図を見て分かるとおり、終身保険などから受け取る死亡保険金について、契約者と被保険者が同じで、保険金受取人が異なるときは「相続税」の課税対象となります。ただし、死亡保険金の受取人が法定相続人であれば「500万円×法定相続人の数」まで非課税となります。なお、平成23年度税制改正大綱において、死亡保険金の非課税枠を利用できる対象者の範囲が縮小される案が提出されています。詳しくは第8回「相続対策に欠かせない保険」をご参照ください。
- それ以外は保険の種類が変わっても、契約者と保険金受取人が同じであれば「所得税」の課税対象となり、契約者と保険金受取人(死亡保険金の場合は三者すべて)が異なれば「贈与税」の課税対象となります。
- また、個人年金保険について、例えば夫が契約者となって保険料を支払い、年金を妻が受け取るというようなケースでは、年金の支給開始時に夫から妻へ年金を受け取る権利である「年金受給権」の贈与があったとみなされて贈与税がかかります。その上、妻が毎年受け取る年金にも雑所得として所得税がかかります。
- 夫が妻の老後を考えてこのような契約形態にするのはよくあることです。しかし、保険にかかる税金の中では、一般的に贈与税がいちばん多額になりますし、その後の年金に対しても税金がかかってきます。
- 受け取った年金は老後の生活資金として夫婦2人で使えば良いわけですから、課税上は、契約者と保険金受取人は同じにしておくのが賢いやり方といえます。
- このほか生命保険を解約した場合に、契約者が受け取る解約返戻金や祝金・生存給付金については、一時所得として所得税の課税対象となります。
- ただし、一時払い養老保険や一時払い変額保険(有期型)など、一時払いで加入する保険で、保険期5年以下または5年以内に解約したものは「金融類似商品」とみなされ、預貯金と同じように、受取金額と払込保険料との差益に対して20%の源泉分離課税になります。
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税金がかからない保険金や給付金
- 保険金や給付金には税金がかからないものもあります。病気やケガで入院し、被保険者が受け取る入院給付金は課税対象とはなりません。
- また、身体の傷害や病気を原因として受け取る高度障害保険金や特定疾病保障保険金、リビング・ニーズ特約などの生前給付金も非課税です。
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年金型保険の二重課税問題
- これまで、収入保障保険のように死亡保険金を遺族が年金形式で受取る保険の場合、被保険者の死亡時に相続税が、年金の受取時に所得税が課税されていました。
- ところが、これが二重課税で違法だという訴訟が起こり、平成22年7月に最高裁が「相続税の課税対象になった部分に対して所得税の課税対象とはならない」という判決を下しました。
- これを受けて平成22年10月20日以降、相続時に課税された部分は年金受取時の所得税の課税対象から除かれるように変更されています。
- また、すでに該当する年金を受け取っている遺族に対しては、平成17年分から平成21年分についてそれぞれの年で所得税を納め過ぎている場合、所得税が還付されます。
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加入している保険の契約形態も確認しておこう
- このように保険というのは税金に深くかかわっています。受け取るときに慌てないためにも、保険を契約する際は、どの時点でどのような税金がかかるかをしっかり確認してから加入することが大切です。
- また、原則として被保険者の変更はできませんが、契約者と受取人は契約継続中であればいつでも変更することができます。加入している保険の契約形態も一度確認してみてはいかがでしょうか?
- 執筆:ファイナンシャル・プランナー 黒田尚子
所属:プラチナ・コンシェルジュ
掲載日:2011年11月28日