株式を学ぶ (基礎編)

【株式投資】株売買すると手数料や税金ってどのくらいかかる?確定申告って必要?仕組みをわかりやすく解説

最終更新:2022/01/11 19:37

株取引を始めたい方は、何に対してどのくらいのコストがかかるのか知らなければ、株取引で損する可能性があります。株取引には、株を購入する以外にも取引手数料や税金といったコストがかかり、証券会社や取引方法によっても異なります。そのため、株取引に関するコストを具体的に知ったうえで株取引を始めることが重要です。今回の記事では株取引に関するコストや確定申告の方法、株の節税対策について分かりやすくご説明します。

株取引のコストとは?

株は、株式会社が投資家から資金を受け取る代わりに渡す証明書です。また、株を保有している投資家を株主と呼びます。株主は、保有する株に対して支払われる配当金や株取引によって出た利益を得ることができ、また株主総会での議決権(会社の重要な意思決定に関わる権利)も持ちます。株取引とは一般に証券会社を介して株を購入・売却する取引です。

株取引には株を購入する以外にもさまざまな金銭的コストが伴うため、株取引を始める際は具体的にかかるコストを知っておくことが重要です。以下では、株購入以外でかかるコストについて具体的にご説明します。

主に取引手数料と税金

株取引にかかるコストとして、株を購入する以外では主に「取引手数料」と「税金」が挙げられます。取引手数料は証券会社から株を購入・売却する際にかかるコストです。そして、株取引が成立した際には、取引手数料に対しての消費税も発生します。株の購入自体に税金は発生しません。株取引における税金とは、株を売買した際に生じた利益に対して発生します。

配当金にも税金がかかる

株取引において譲渡益(株を買って、売ったときの差益)のみ税金が発生すると思われがちですが、配当金を受け取る際にも税金が発生します。配当金とは、会社から株主に支払われる現金です。主に会社の利益が上がった際に支払われます。しかし、配当金の有無は会社によって異なるため、必ずしも配当金を獲得できるわけではありません。いずれにせよ、獲得した配当金に対し、決められた税率分の税金を納付しなければなりません。

信用取引の場合、さらにコストがかかる

株の取引方法には「現物取引」「信用取引」の2種類があります。現物取引は自己資産によって株を売買する。つまり、自分のお金の範囲内だけで投資をやりくりする方法です。それに対して、信用取引は証券会社に資金や株といった委託保証金を担保として預けることで、自己資産以上の株を売買できる制度です。担保として預けた委託保証金の約3倍まで株を取引できます。すなわち、証拠金を担保にお金を借りて、自分の持つ以上の金額で株を売買できる、という方法です。取引手数料と税金といったコストはどちらの取引方法でもかかりますが、信用取引ではさらに「信用金利」「貸株料」といったコストがかかります。

信用金利とは、株取引をするために証券会社から借りた資金に対する利息です。1年ごとに約3%前後の利息が発生する年利がかかります。そして、貸株料は売却したい株を証券会社から借りることに対して支払う費用です。貸株料も信用金利と同じく1年ごとの利息で約1.5%前後の年利がかかります。どちらも証券会社によって異なるため確認することが重要です。

株取引にかかる手数料とは

株取引における手数料は、証券会社に支払う費用を指します。株取引は一般に証券会社を介するため、売買する手続きに対して手数料が発生します。例えば、取引する金額に対して1%の取引手数料を支払うといったケースです。ただし、金額に対して割合で取引手数料が決まりますが、最大手数料が一定に決められている場合もあります。以下では手数料が発生するタイミングや注意点をご説明します。

成立した取引についてのみ手数料がかかる

取引手数料は、株を購入・売却したタイミングで取引手数料が発生します。つまり、株取引が成立しない限り取引手数料は発生しません。そして、取引手数料は「1回の株取引が成立するごと」にかかる場合以外に「1日や1か月といった単位ごとの定額制」があります。定額制を例として挙げると、1日の取引が100万円以下の場合は500円、200万円以下の場合は1,500円の手数料が1日ごとにかかる、といったものがあります。これらはあくまで例のため、詳しくは各証券会社にお問い合わせください。

証券会社によって異なる

株取引の取引手数料は証券会社によって異なります。取引金額に応じて取引手数料は異なり、取引金額が小さければ、取引手数料も比例して安いことがほとんどです。証券会社によっては、取引金額がある一定の金額を下回れば取引手数料が無料といったサービスを提供しています。そのため、利用する証券会社を選ぶ際には、取引手数料がどのくらいであるか事前に確認することが重要です。

取引スタイルによっては手数料に注意        

株取引する際、取引スタイルによって手数料で損する可能性もあるため、取引手数料の仕組みを分析しなければなりません。一度に大口の株を購入して、しばらく売却する予定がないといった場合は、一度の取引で取引手数料を支払っても損を小さく抑えることができます。しかし、1日に何度も取引するのに、取引の度に取引手数料を支払っていては、取引手数料のみでも金額が大きくなってしまいます。そのような場合は、定額制の方が良いかもしれません。取引手数料の仕組みを分析し、取引スタイルに応じて選択することが重要です。

【あわせて読みたい】
証券口座、どうやって開設するの?証券口座の種類についても分かりやすく解説!

株取引にかかる税金とは

株取引における税金は、株を売買した際の利益に対して発生します。ただし、株取引において発生する課税にも2つの方法があるのです。以下では2つの課税方式や株取引のどのような利益に税金が発生するかについてご説明します。

申告分離課税と総合課税

株取引において発生する税金には「申告分離課税」と「総合課税」の2つの課税方式がとられています。課税方式は選択できますが、一般に申告分離課税をとることが多いとされています。それぞれに特徴があるため、自分に適切な課税方式を選択することが重要です。

総合課税は、各種の所得を合計した金額に対して「累進課税」方式で税金を計算します。対して、申告分離課税は一定の所得を他の所得と合計せずに一定割合で税金を計算します。

申告分離課税と総合課税とは…

累進分離課税…他の所得と合計せず、単独で税額を分離して算出する(配当なら20.315%)所得の額に拘らずに一律の税率となる。

総合課税…複数の所得を合計して税額を算出する。所得額に応じて税金が変わる

課税対象となる利益は2種類

課税の対象は、株の売買で出た利益である「譲渡益」と株主に支払われる「配当金」の2種類があります。「譲渡益」「配当金」それぞれについて特徴や納付方法をご説明します。「譲渡益」「配当金」それぞれについて特徴や納付方法をご説明します。

譲渡益

譲渡益とは、株を売却した際に出た利益を指します。譲渡益の金額は売却金額から購入価格や取引手数料を差し引くことで割り出すことができます。株式の譲渡益への課税は「申告分離課税」のみ選択できます。そして、割り出した譲渡益税率20%の税金が発生します。譲渡益も所得の一部ですが、一般の所得税とは別に申告・納付する必要があります。そのため、申告・納付漏れに注意が必要です。ただし、のちに説明するような源泉徴収つきの証券口座の場合は申告不要です

配当金

配当金とは、株主に対して支払われる現金を指します。譲渡益とは納付方法が異なり、原則として源泉徴収された状態で支払われるため、確定申告は不要です。一般に申告分離課税をとって納付しますが、配当金による所得分の税金を控除する「配当控除」を受ける場合は、総合課税として確定申告しなければなりません。また、配当益で申告分離課税を選択できるのは、上場株式の配当に対してのみです。

どのくらい税金でとられる?

譲渡益・配当金のどちらにも税率20.315%の税金が発生します。税率の内訳は所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%です。
配当金にかかる税率は、保有する株が上場されているかどうかによって異なります。上場とは、株が証券取引所で売買されていることです。保有する株が上場している場合の配当金には税率20.315%が課せられますが、上場していない株の場合は税率20.42%が課せられます。配当金にかかる税金は原則として源泉徴収されますが、上場している株でも保有率が高い場合や上場していない株への配当金を受け取った場合は、確定申告が必要です。そのため、保有する株が上場しているか、株の保有率はどのくらいなのかを把握しておくことが重要です。

<上場株式の場合>
譲渡で得た所得×20.315%
※20.315%の内訳(所得税15%、住民税5%、所得税額の2.1%に相当する復興特別所得税0.315%

 

株式投資の税金計算株式投資の税金計算

損益通算とは?

損益通算とは、利益と損失を相殺できる制度です。確定申告することで損益通算できます。例えば、10万円の利益が出た後の株取引で10万円の損失を出した場合、出た利益と出した損失を相殺してプラスマイナスゼロの状態にできます。つまり、利益の10万円に対し納付するはずの税金を、損失の10万円で相殺できるため、納付額を減らすことが可能です。

繰越控除とは?

繰越控除とは、株を譲渡する際に出た損失を翌年以降の最長3年間まで繰り越すことができる制度です。例えば、昨年100万円の損失を出していて今年の利益が150万円だった場合、課税対象となる利益は50万円のみとされます。それは、昨年の損失である100万円分が控除されているためです。ただし、繰越控除を申請した年から3年間は、株取引をしていない場合でも毎年確定申告する必要があります。そのため、申告漏れに注意してください。

配当控除とは?

配当控除とは、株主への配当金に対する税額控除の制度です。ただし、総合課税方式を申請している場合に限ります。配当金に対する税金は原則源泉徴収されます。しかし、総合課税方式を選択している場合、確定申告の際も所得税を支払うため、二重で税金を支払っている状態になってしまいます。二重で支払っていた分の税金は、確定申告後に還付されますが、申告分離課税方式をとっている場合は配当控除を受けることができないため、配当控除を受けたい場合は必ず総合課税方式を選択しましょう。ただし、のちに説明するように、総合課税は累進税率がかかりますが、一方で申告分離課税は所得によらず一定の20.315%であることに注意が必要です。そのため、申告分離課税の場合の税負担と、総合課税で配当控除を受けた場合の税負担とを比べて検討するのが良いでしょう。

申告分離課税なら所得によらず

一般の所得税には、累進課税制度がとられています。累進課税とは、所得が大きくなるにつれて税率も高くなる制度です。しかし、株取引によって出た利益は申告分離課税制度をとっているため、税率が変化することはなく、累進課税制度をとることはありません。

確定申告が必要な場合って

確定申告とは、その年の所得を計算した後に申告し、税金を納付する一連の手続きを指します。株取引において出た利益も所得に分類されるため、原則として確定申告が必要です。しかし、確定申告が必要な場合とそうでない場合があるため、それぞれについてご説明します。

原則、確定申告が必要

株取引において利益が出た場合は、原則として確定申告する必要があります。その他にも以下に該当する場合は確定申告してください。

 ・株を売却した際に損失が出た
・損益通算する
・配当控除を受ける

特に、損失が出た場合は確定申告することをおすすめします。損失を最長3年間繰り越し、損益通算できるためです。また、繰越控除を申請してからの3年間は、株の売買をしていない場合でも損益通算するために確定申告をしなければなりません。申告漏れがないよう注意してください。

確定申告が不要な場合

株を取引している口座の種類によっては確定申告が不要の場合もあるのです。株を取引する際、株取引専用の口座を開設します。口座の種類には以下の3つがあります。

・一般口座
・源泉徴収ありの特定口座
・源泉徴収なしの特定口座

一般口座は、譲渡益や税金の計算をすべて自分で行います。対して、特定口座は源泉徴収の有無に関わらず証券会社が譲渡益や税金の計算をするため、個人の負担が減ります。そして、一般口座と源泉徴収なしの特定口座は確定申告が必要です。しかし、源泉徴収ありの特定口座では確定申告が必要ありません。源泉徴収によって既に税金を納付しているためです。

ただし、どの種類の口座でも株取引において損失が出た場合は、確定申告をしておくと損失が減るケースもあります。そのため、損失が出た際は、確定申告する必要があるかを見極めることが重要です。

株式投資で確定申告が必要か否か株式投資で確定申告が必要か否か

確定申告に必要な書類

株取引の確定申告には、以下5種類の書類が必要です。いずれも国税庁ホームページからダウンロードできます。

・確定申告書B 第一表
・確定申告書B 第二表
・確定申告書B 第三表
・株式等に係る譲渡所得者の金額の計算明細書
・確定申告書付表

ただし、確定申告書付表は損失が出て「損益通算」や「繰越控除」を受ける場合にのみ提出する必要があります。

節税する方法

株取引における税金も節税対策が可能です。節税対策を行い、株取引における損失を最小限にとどめましょう。

利益を20万円以下に抑える

株取引における利益が20万円以下の場合は、非課税の対象とされます。ただし、以下のどちらかに該当している場合のみです。

・一般の所得を一か所のみから受け取っており、年間での給与所得が2,000万円以下である
・収入が年金受給のみで、かつ年間400万円以下である

このように、株取引の利益を20万円以下に抑え、条件を満たしている際は非課税となるため、節税対策ができます。しかし、非課税の対象となるのはあくまで所得税のみです。そのため、所得に応じた住民税は別に申告しなければなりません。株取引の利益が20万円以下の場合でも、必ず住民税を申告してください。

NISA口座なら非課税

NISAは、少額投資非課税制度の略称です。そして、NISA口座は非課税口座とも呼ばれています。予め決められた一定の金額内で取引することで、その取引で出た利益が非課税の対象となる制度です。ただし、非課税で株を保有できる期間には期限があります。期限付きではあるものの、NISAの種類によって最長20年間は非課税のまま株を保有できます。

まとめ

株取引において、取引手数料や利益に対して税率20.315%といったコストはほとんどの場合かかってきます。ただし、証券会社や取引方法などの条件によって具体的な金額は異なります。そのため、それらを事前に確認すること、自分の取引方法に適切な選択をすることが重要です。また、株取引で得ることができる利益はあくまで所得です。株取引で損をしないためにも、確定申告が必要かどうかを見極め、必要な場合は必ず申告してください。今回の記事を参考に、株を購入する以外にかかる具体的なコストを知ったうえで、株取引を始めましょう。

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