共済とは?保険との違いは?どちらを選ぶべき?

投稿日:2022/04/08 最終更新日:2023/03/17
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組合員がお金を出して助け合う仕組みの共済。共済と保険はどのように違うのでしょうか。共済の保障内容や特徴、メリットやデメリットついて、共済が向いている方がどんな方なのかについて解説していきます。
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共済とは?

共済とは「相互扶助」の理念で運営されています。
加入した組合員が掛け金を出し合い、誰かが困っていたら共済金を支払いみんなで助け合う仕組みです。
誰かが困っていたらお互いに助け合う形で成り立っています。

共済の特徴

共済は非営利で運営されていて、加入するためには組合員にならなければいけません。
また、セーフティーネットが保険会社とは違うなどの特徴があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

共済は非営利である

そもそも共済は営利を目的にせず非営利の事業として行われています。
営利を目的としているわけではないので、集めたお金を積極的に運用をすることはせず、国債や現預金などで運用して堅実に資産を守ってます。

加入には組合員になる

共済に加入するためには組合員になる必要があり、例えば「都道府県民共済」では、共済事業に賛同した人は出資金200円を支払えば加入できます。
運営は都道府県毎にことなり、その地域に居住しているないしは勤務している人が加入できます。

都道府県民共済の加入例
都道府県民共済の加入例

JA共済では出資金を支払うと准組合員になり共済に加入ができます。
一定の範囲ならば准組合員にならずに共済加入する員外利用も可能です。

セーフティーネットが共済と保険会社とでは違う

共済は事業なので経営上のリスクがあります。
万が一、保険会社が破綻した場合には保険会社を引き継ぐ機構が資金の援助や保険契約の引き継ぎを行いますが、共済が破綻したときのセーフティーネットは保険会社とは異なります。

また、セーフティネットは共済ごとに異なる場合があり、保障が受けられない可能性もあるため、加入する共済の経営状況がどうなっているのかはしっかり確認して加入をしましょう。

共済の種類

大規模な共済では共済の商品も多く揃えています。
万が一亡くなったときの生命共済、医療保障を受けたい際の医療共済、がんにかかったときに備えるがん共済、介護に備えた介護共済などがあります。
また、火事に備えた火災共済や自動車事故に備えた自動車共済などもあります。

共済には都道府県民共済、全労済、CO・CP共済、JA共済などがあります。これらを4大共済と呼びます。

4大共済
4大共済

都道府県民共済は居住地か勤務先のある都道府県の共済に加入するものなので、引っ越しをする場合には移管の手続きを行うことで保障を引き継げます。ただし、山梨県、福井県、鳥取県、島根県、愛媛県、佐賀県、沖縄県の8県では都道府県民共済は行われていません。

全労済は労働組合員や勤労者の福利厚生が目的の共済で、組み合わせもバリエーションに富んでいます。
CO・CP共済は住んでいる地域のコープ組合員になることで加入ができる共済です。
JA共済はJA共済連の各都道府県の支部を通じて各地のJAで構成された共済です。たとえ、自宅が農家でなくても准組合員として加入することができます。
4大共済以外にも中小企業の経営者などが加入する小規模企業共済・中小企業退職金共済などもあります。

共済と保険の違い

共済と生命保険は似ているようで異なる側面もあります。制度と商品の両面から違いを見ていきましょう。

使われている用語の違い

共済と生命保険ではそのなかで使われている用語が違います。
例えば、共済を運営している協同組合では保障事業を「保険」ではなく「共済」と呼びます。

支払う保険料は掛け金と呼び、支払われる保険金は共済金です。
保険では契約する人を保険契約者と呼びますが共済では加入者です。保険で支払われる配当金も共済では割戻金と呼びます。保険期間のことを共済期間となっています。
ただし、言葉が違うだけで、得られる保障内容は大きく変わりません。

制度上の違い

共済と保険は制度上、根拠法令や監督省庁が違います。

項目 保険 共済
根拠法令 保険業法 消費生活協同組合法
農業協同組合法
監督官庁 金融庁 厚生労働省・農林水産省など
商品審査制度 あり あり
監督・検査 あり あり
責任準備金制度 あり 一部あり
公的セーフティネット 生命保険契約者保護機構 なし
メリット ・誰でも保険の加入検討・申込が可能
・種類が多く自分に合った商品を選びやすい
・保険会社破たん時の保護制度が整備
・掛金が手頃
・掛金が年齢・性別である程度一定
・決算内容に応じて割戻金が発生する
デメリット ・共済と比較すると一般的に保険料が割高
・保険料が性別や年齢で変わる
・組合員以外の共済加入は不可
・保護機構などが存在しないので、組合が破たんしたときには契約者保護が難しい

※詳細は各保険会社・共済組合にお問い合わせください

生命保険会社の根拠法は保険業法で監督省庁は金融庁ですが、都道府県民共済や全労済、CO・CP共済は消費生活協同組合法に基づいて厚生労働省が監督省庁です。
JA共済は農業協同組合法に基づいて農林水産省が監督省庁です。

商品特性の違い

共済と保険は商品特性も異なります。
共済と保険の保障内容を比べてもその内容が一致することはほぼありませんので、保険料や保障内容の良し悪しを比較して検討するのは難しいです。

項目 保険 共済
保障内容 A保険 定期医療保険 B共済 入院保障
共済期間・保険期間 10年(80歳まで自動更新可) 1年(60歳まで自動更新可)
入院保障 1万円(60日) 1万円(120日)
通院保障 なし 1500円
手術保障 10万円 2.5万円・5万円・10万円
先進医療保障 なし 150万円限度
死亡保障 なし 10万円
掛け金・保険料 1,920円/月 2,000円/月

※詳細は各保険会社・共済組合にお問い合わせください

月々の掛け金をほぼ同じ場合で、定期保障タイプの40代女性で比べてみると、加入可能な期間が共済では60歳までで、保険では80歳までとなっていたりします。
入院限度日数も共済では120日間で保険では60日間など差が出てきます。
保障の内容をより変更しやすいのは保険です。保障を選ぶ際に、自分の希望する保障が受けれるかどうかで検討するとよいでしょう。

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共済のメリット

共済には「掛け金がリーズナブル」「掛け金が一律である」「商品がシンプルである」「割り戻し金が受けとれることもある」という4つのメリットがあります。それぞれ見ていきましょう。

掛け金がリーズナブル

共済の期間は、終身で保障を受けるものよりも期間が短く設定されているため、月々1000~2000円程度の掛け金で加入できるものが多いです。
掛け金がリーズナブルなので、手軽に加入ができるのはメリットでしょう。

掛け金が一律である

一部の共済では年齢による掛け金や保障の差をなくしているため、共済では掛け金が一律になっていることが多いです。
保険会社では多くの商品が生命表にそって1歳刻みで月々の保険料が変わり、一般に年齢が上がると保険料も上がるようになっています。
共済のように掛け金が一律であれば、年齢の上昇に伴う保険料の上昇は心配する必要はありません。

商品がシンプルである

共済の商品内容は非常にシンプルになっています。
死亡保障と医療保障をセットにしており、どちらかを選ぶ煩わしさをなくしているものもあります。
掛け金も加入年齢に関わらず一律でシンプルになっているのでわかりやすいのはメリットです。

割り戻し金が受けとれることも

剰余金があれば、割戻金として払い込んだ掛け金の一部が加入者に返金される仕組みがあります。
必ず割戻金が受け取れるわけではありませんが、共済によっては30%前後戻ってくるケースもあります。
少ない掛け金で割戻金が受け取れるのはメリットです。

割戻金の仕組み
割戻金の仕組み

共済のデメリット

共済には「保障金額が少ない」「年齢によって保障にバラツキがある」「商品のバリエーションが少ない」といったデメリットがあります。デメリットについて解説していきます。

保障金額が少ない

掛け金が少ない分、大きな保障を得られないのは共済のデメリットです。
万が一、亡くなってしまったときへの備えや、がん診断保障、先進医療保障などでは加入限度額が低い共済もあります。万が一のときに大きな保障を得たい場合には保険を選んだほうがよいでしょう。

年齢によって保障にバラツキがある

共済は高齢になると加入できる商品が限られてしまいます。保障期間が終身の商品は少なく、保障金額も変わってきます。

年齢によって保障内容が異なる
年齢によって保障内容が異なる

終身の保障を得たいならば保険商品を選んだほうが良いでしょう。
また、掛け金が一律なので、若ければ掛け金が割高になる可能性もあるので気をつけましょう。

商品のバリエーションが少ない

共済では商品のバリエーションが少ないのもデメリットです。
保険には積立をして貯蓄を兼ねる商品もある一方で、共済では貯蓄に向いた商品は多くありません。
多くが死亡保障と医療保障がパッケージ化されており、別々で入ることはできません。
少ないバリエーションのなかで選ばなければいけないので、年齢や状況に合わせて細かく保障を設定するには向いていません。

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共済と保険どちらを選ぶ?

共済と保険とどちらを選べばよいのでしょうか?
共済が向いている方、向いていない方について解説していきます。

共済が向いている人

持病がある人や最低限の保障が欲しい人にとって、共済はピッタリかもしれません。

持病などがある人

持病などがあり健康に自身がない方には共済は向いています。
保険に加入する際には自身の病歴などの健康状態を告知することが必要です。この健康告知は共済のほうが緩やかになっており、持病がある方にも加入しやすくなっています。
健康状態が理由で保険に加入できなかった方は共済に申し込むと加入できる可能性があります。

最低限の保障が欲しい人

共済は掛け金が安く、医療保障と死亡保障が備わっていますので、最低限の医療保障と死亡保障を得たいという方には向いています。
出来る限り手頃な掛け金で加入できるので大きなメリットでしょう。

少し保障を付け足したい人

既に何かしらの保険に加入していて、追加で保障を付け足したい方にも共済は向いています。
職業や年齢の状況、家族構成の変化などによって保障を厚くしたい局面はあるはずです。
その際にプラスアルファで共済に加入して必要な保障を得るのは選択肢の一つです。

共済が向いていない人

一方で、「一生涯の保障が欲しい人」「健康状態に自信のある人」「生活保障として考えている人」は共済が向いていないかもしれません。

一生涯の保障が欲しい人

共済は60歳から段階的に保障が減額されていきます。また、終身の保障を得られる共済は数が少ないです。
そのため、一生涯で保障を受けたい場合には保険商品を選んだほうが、保障をきちんと受けられます。

健康状態に自信のある人

健康状態に自身がある方の場合には保険を選んだほうがより好条件の保障を得られる場合もあります。
例えば、喫煙歴の有無や健康診断の結果で一定の条件を満たせば、保険料が割引かれる保険があります。
健康状態に問題がなく自身がある方は共済だけなく広く民間の保険を探してみると良いでしょう。

生活保障として考えている人

共済の保障は高額な死亡保障ではありません。
葬儀費用やお墓を準備するためにカバーできる金額ですが、残された家族がその後も十分に生活していくお金や子どもの学費としては物足りない金額です。
家族の生活保障を考えるのであれば数千万円単位の死亡保障が得られる保険のほうが向いています。
生活保障を考えるならば、定期保険や収入保障保険を中心に検討しましょう。

まとめ

共済は少ない掛け金で死亡保障と医療保障が受けられる相互扶助の仕組みです。
民間の保険とは異なる形で保障が得られるので、自身の状況や加入している保険と照らし合わせてしっかり検討して考えていくとよいでしょう。

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