生命保険を学ぶ

生命保険の配当金とは?仕組みは?いつもらえる?税金はかかるの?

最終更新:2022/04/08 13:01

生命保険には設定された予定率よりも多く保険料が集まった場合に「余剰金」が還元されて配当金が出ることがあります。生命保険の配当金は保険料の払い戻しに当たるケースが多く、株式投資の配当金とは性質が異なります。生命保険の配当金や仕組み、どのような税金がかかるのかについて解説していきます。

生命保険の配当金とは?

生命保険の配当金は、保険契約者が保険料を支払うなかで設定された予定率よりも多く保険料が集まった場合に発生する「余剰金」が還元されるものです。
余剰金があった場合には契約者にお金を還元して生命保険の「配当金」となります。

生命保険の配当金の仕組み
生命保険の配当金の仕組み

生命保険の配当金は、保険料の払い戻しに当たるケースが多く、株式投資の配当金とは異なるケースが多いので混同しないようにしましょう。

保険料は予定率によって決まる

保険契約者が支払う保険料は、「予定死亡率」、「予定利率」、「予定事業費率」によって計算されます。
実際に保険を運用していくなかで、亡くなる方の人数や運用利回り、事業にかかる経費などの実績は変わっていく可能性があります。

予定率とは
予定率とは

予定利率と実際に発生した金額の差益を余剰金と呼び、一定額の余剰金が発生した際には契約者にお金が還元されます。これが生命保険の「配当金」になるのです。
生命保険の配当金を決める予定率について見ていきましょう。

予定利率とは?

予定利率とはその保険の予定している運用利回りのことで、外貨建て保険の場合は外国為替で運用されていたり、債権などを中心に運用されている保険などが多いです。
予定利率は予め決まっている一方で実際に予定した通りの運用利回りにならないケースも多いです。

予定死亡率とは?

予定死亡率とは保険を契約している方がどの程度亡くなる可能性があるかを試算したもの。
性別や年齢など統計データを元に、亡くなる可能性の生命表に基づいて将来の死亡者数を予測しています。

予定事業費率とは?

予定事業費率とは保険会社の事業コストの予定率です。
保険会社は保険商品の加入者を募って契約を結び、保険料を集めて事案が発生したら保険金を支払います。
一連の事業活動に必要とされる人件費やオフィス賃料など諸経費に見込まれるものを予定事業費と呼びます。

配当金の3つの差益

生命保険の配当金は「死差益」、「利差益」、「費差益」の3つから成り立っています。
それぞれの差益はどのように発生するのかについて見ていきましょう。

死差益

死差益は実際に保険を運用するなかで死亡率が予定死亡率よりも低かった場合に生まれる余剰金です。
例えば、60才の男性が年間1万人いるなかで5人亡くなる場合には予定死亡率は0.0005になります。
実際に1人しか亡くならなかった場合には、4人分が死差益として発生します。

利差益

予定していた運用利益よりも実際の運用利益が多かった場合に発生する余剰金が利差益です。
例えば、ある保険商品が年間2%の運用益を見込んでいたなかで、実際には3%の運用益が得られた場合には1%が利差益となり、保険契約者に還元がなされます。

費差益

費差益とは、保険会社が事業を展開するなかで発生する経費が予定していたものとは異なった時に発生する差益です。実際の保険会社の財務状況や営業活動の増減によっても異なってきます。

有配当と無配当の保険がある?

生命保険の配当金には「有配当」と「無配当」のものがあり、さらに有配当のものには「3利益源配当タイプ」と「利差配当タイプ」があります。

配当金の種類
配当金の種類

有配当の保険

有配当の保険の場合、予定率と実際に保険を運用した際と比べて利益を生む差がでた場合には配当金が支払われます。有配当の生命保険には3利源配当タイプと利差配当タイプの2種類があります。

3利源配当タイプ

「3利源配当タイプ」は死差率、利差率、費費率によって生じた差益を用いて配当金を支払うものです。
毎年分配型の支払いパターンが主で、通常では契約から3年目の契約応当日から分配がなされます。
毎年分配型以外では「3年ごと配当」など期間を区切ったタイプもあります。

利差配当タイプ

利差が生じた際に、その利差を用いて配当金を支払うのが「利差配当タイプ」です。
「5年ごと利差配当型」が多く、通常では契約して6年目の応当日から5年ごとに配当金が支払われます。
ほかにも3年ごとに配当金が出るものや、毎年配当金が支払われるものもあります。

無配当の保険

配当がない無配当の保険もあります。当初から死差や利差、費差の発生を少なくなるように設計し、保険料も有配当のものと比べて下げているので配当金は支払われません。

有配当保険でも注意が必要

有配当保険でもそれぞれの予定利率通りに運用が出来た場合には配当金は支払われません。
有配当の保険でも必ずしも配当金が支払われるわけではないことはしっかりと覚えておきましょう。
有配当保険は無配当保険よりも保険料が割高なことは認識しておきましょう。

配当金の受け取り方法

配当金の受取方法には「積立方式」「買い増し方式」「相殺方式」「現金支払い方式」の4つがあります。
配当金の受け取りは積立方式が一般的です。それぞれの受け取り方法について見ていきましょう。

4種類の受け取り方式

受け取り方法 詳細 メリット・デメリット
積立方式 保険会社が配当金を預かり、契約者の口座に積み立てておく ・まとまった金額にして受け取ることができる
・配当金に一定の利息が付く
・積立途中であっても、契約者が一部の金額を自由に引き出すことができる
買い増し方式 配当金を一時払いの保険料にあてて、保険を買い増す 保険金が増額となり保障が手厚くなる
相殺方式 配当金をこれから払い込む保険料と相殺する 保険料から配当金分の金額を差し引くことで、保険料負担が減る
現金支払い方式 配当金を現金で受け取る 配当金が少額だった場合には家計の足しにもならない可能性がある

※詳細は各保険会社にお問い合わせください

生命保険の配当金は、配当金を保険会社に積み立てる「積立方式」が一般的です。
予定利率から差益が発生した配当金を積み立てて、まとまった金額になった数年後に受け取るものです。
積み立てることで利息が付くのがメリットで、積立途中でも一部の金額は引き出すことが可能です。

「買い増し方式」は配当金を保険料に回して、保険の保障を買い増す方式です。
支払う保険金が増えるので得られる保障が手厚くなるのがメリットです。

「相殺方式」は保険料から配当金分の金額を差し引く方法です。
保障内容は変わらず、保険料の負担を軽減させることが出来ます。

「現金支払い方式」は配当金を現金で受け取る方法です。配当金がでたら都度受け取ります。
ただし、配当金が少額だった場合には受け取った金額が微々たるものなので、特に家計の足しにもならない可能性があります。

配当金の受け取り時期

配当金の支払い時期には「毎年」と「3年ごと」や「5年ごと」などがあります。
それぞれの期間を迎えたら配当金が支払われます。毎年配当型は毎年配当金が支払われますが、通常は契約から3年後の契約応当日から支払いがなされます。

受け取りタイプ 詳細
毎年配当型 毎年配当金が支払われる
3年ごと配当型 3年ごとに配当金が支払われる
5年ごと配当型 5年ごとに配当金が支払われる

※詳細は各保険会社にお問い合わせください

長期間の継続契約に対して特別配当が得られるタイプもあります。
特別配当には10年以上など長期間の継続した保険契約に対して支払われるものと、消滅時特別配当という死亡した際や満期に達したことで契約がなくなった際に支払われるものとあります。

配当金に税金はかかる?

生命保険の配当金には税金はかかるのでしょうか?
原則的には、株式の配当金とは異なり事後生産によって生じるので課税の対象にはなりませんが、受け取った金額の多寡や保険期間中なのか否かによって変わってきます。具体的に見ていきましょう。

契約期間中に受け取る場合

保険契約期間中に配当金を受け取った場合には課税にはなりませんが、確定申告の生命保険料控除を申請する際には、支払保険料から配当金額を控除した金額で生命保険料控除の申請をする必要があります。
支払った保険料から配当金が戻ってきたので、実際に支払った保険料が変わるためです。

保険金の支払い開始日以後に受け取る場合

保険金の支払開始日以降に配当金を受け取った場合には課税対象になります。
年金受取の場合では「雑所得」として、一括受け取りでは「一時所得」として所得税が課税されます。
そのほかの「雑所得」や「一時所得」と合算して課税金額を計算しましょう。

保険金とあわせて受け取る場合

配当金を保険金とともに受け取る場合にも合わせて課税対象になります。
配当金額を保険金額に含めて確定申告を申告しなければなりませんが、生命保険の保険金の受け取りは契約者本人が受け取るのか、遺族が受け取るかなどによって相続税や所得税、贈与税の対象など変わってきます。
支払事由によって税の処理が異なるのでしっかりと確認をしましょう。

満期保険金と受け取る場合

配当金を満期保険料とともに受け取る場合にも課税対象になります。一時所得として所得税、住民税の対象となり、個人年金保険で配当方法が保険金買増方式の場合、雑所得として所得税、住民税の対象となります。
また、確定申告が必要ではない会社員の人が満期保険金で20万円を超える場合と、満期保険金+配当金の所得税が20万円を超えた場合、確定申告する必要があります。
確定申告を自らしている自営業の人は満期保険金+配当金の額が課税対象となります。

源泉徴収税がかかる場合とは?

前で説明した通り課税対象となります。
有配当の保険では保険金と一緒に受け取ると課税対象となるため注意が必要となります。

特別配当金の場合

生命保険の配当金には特別配当もあります。
10年以上など長期間に渡って契約をした場合に支払われる「長期継続特別配当」と、亡くなった際や満期に達したなど契約が消滅する際に支払われる「消滅時特別配当」があります。
これらの特別配当も課税は通常の生命保険の配当金と同じ方式になるので、特別配当金が支払われた際には保険会社からの案内をしっかりと確認しましょう。

まとめ

生命保険の配当金、有配当の保険でも配当がもらえないケースもあります。
配当金はあくまで予定利率から差益がでた際に支払われるもので保険を運用するなかで派生的に得られるもので、配当金を目当てに保険を検討するのはあまり得策ではありません。
あくまで、得たい保障内容をしっかり確認した上で、自身に合った保障から保険を選ぶようにしましょう。

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