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【第6回】インフレヘッジとして取り入れたいコモディティETF - 東証ETF 東証ETF
投稿日:2013/06/27
最終更新日:2022/08/01
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目次 [
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東証ETF・ETN活用プロジェクト [ ETFの活用方法 ]
【第6回】
インフレヘッジとして取り入れたいコモディティETF
- この連載の最終回は、コモディティのETFの活用方法についてです。
- 第1回で紹介した基本ポートフォリオでは、2タイプともコモディティの組入れ比率を全体の10%としました。コモディティは、株式や債券とは異なる値動きをする傾向があり、分散投資の対象として有効です。それに加えて、将来のインフレに備えるという観点からも、ポートフォリオに組み入れておきたい資産だからでした。
- 基本ポートフォリオで提案した「金」「原油」のETF以外にも、多様なコモディティETFが東証に上場しています。
- コモディティの種類
- コモディティとはいわゆる「商品」のことで、原油、金、小麦、などさまざまなものがあります。ここでは以下の3つのセクターに分けて、コモディティの種類や特徴を確認しておきましょう。
- 1.エネルギーセクター
- 原油、天然ガス、ガソリン、オイルなどです。代表格は「原油」でしょう。
- 原油の種類には「WTI」の他に「北海ブレント」や「中東ドバイ」などがあります。WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)は、西テキサス地方で産出される高品質の原油で、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で取引されているWTI原油先物は、取引量と市場参加者が多く、市場の流動性が高いことから、原油価格の主要な指標となっています。
- 2.金属セクター
- 金属のうち、貴金属としては金、銀、プラチナ、パラジウムなど、また産業金属としてはアルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、スズなどがあります。代表的なのはやはり「金」でしょう。
- 金は通貨の代替物としての価値も持っているため、世界各国で通貨(特に米ドル)への信頼度が低下したときには、価格が上昇する傾向があります。
- 金の現物取引の中心はロコ・ロンドンと呼ばれるロンドン市場、一方、先物取引の中心はニューヨーク市場です。
- 3.農産物セクター
- 農産物は、大きく「穀物」「家畜」「ソフト」に分類することができ、穀物には小麦、トウモロコシ、大豆、菜種、米など、家畜には牛や豚など、ソフトには、綿花、砂糖、コーヒー、ココア、牛乳などがあります。
- 農産物の先物取引市場としては、シカゴ・マーカンタイル取引所が代表的です。
- コモディティ価格の変動要因
- コモディティの価格は、実際の需要と供給に大きな影響を受けます。
- 近年、新興国の経済成長や人口増加などに伴って、これらの国での消費は顕著な伸びを示しています。消費の伸びはそのまま、資源や商品の需要につながっていきます。
- 他方で、供給面を見ると、エネルギー資源や金属セクターは、埋蔵量の問題や開発コストの問題などがあり、需要が増えたからといってすぐに供給量も多くなるとは限りません。
- 農産物についても人口増による食料需要、食の欧米化による飼料需要などによって、需要が急速に拡大している一方、干ばつなどの異常気象による供給不安がつきまといます。
- その他、先進諸国の金融緩和政策で資金は余剰状態にあり、投機的なマネーが商品市場に流入すると価格上昇要因になります。また逆に、投機的なマネーの引き上げは商品価格の下落につながります。
- コモディティ価格に連動するETF
- コモディティの価格に連動するETFには、コモディティの総合指数に連動するタイプと、原油や金といった個別のコモディティ価格の指数に連動するタイプの2種類があります。
- 1. コモディティの総合指数に連動するETF
- 「イージーETF S&P GSCI商品指数キャップド・コモディティ35/20クラスA米ドル建」(1327)」
- 「S&P GSCI商品指数キャップド・コモディティ35/20トータル・リターン指数」への連動を目指すETFです。当指数は、S&Pインデックス・サービスが算出しているインデックスで、エネルギー、貴金属、農産物などの24種類の商品で構成されています。
- コモディティ全体の値動きをとらえた指数ではありますが、市場規模が大きい原油や天然ガスなど、エネルギーセクターの影響が大きいという特徴があります。
「イージーETF S&P GSCI商品指数キャップド・コモディティ35/20クラスA米ドル建」(1327)」
出所:Fanet MoneyLife
出所:Fanet MoneyLife
- 「ETFS 総合商品指数(DJ-UBSCI)上場投資信託」(1684)」
- 「DJ(ダウ・ジョーンズ)-UBSCI総合商品指数」への連動を目指すETF(外国投資法人債券)です。当指数の2012年10月現在の構成比率は、エネルギーが32%(うち原油13%)、穀物23%、貴金属13%、など、3つのセクターのバランスがとられているのが特徴です。
- なお、発行会社であるETFセキュリティーズは、海外で上場しているETFのうち19本を東証に重複上場させています。
「ETFS 総合商品指数(DJ-UBSCI)上場投資信託」(1684)」
出所:Fanet MoneyLife
出所:Fanet MoneyLife
- 上記2本はコモディティの総合指数に連動するタイプですが、これ以外にセクター別の「エネルギー」「産業用金属」「農産物」などの指数に連動するETFもあります。
- 2. 個別のコモディティ価格に連動するETF
- ◎ エネルギー:原油、天然ガス、ガソリン
- ◎ 金属:金、銀、銅、プラチナ(白金)、ニッケル、パラジウム、アルミニウム
- ◎ 農産物:小麦、とうもろこし、大豆
- 前述のETFセキュリティーズは外国投資法人債券の形態で、数多くの個別コモディティのETFを上場させています。(参考)東証上場ETF/商品(外国投資法人債券)
- ただし、金や原油のETFを除けば、これらのコモディティETFの中には流動性が低いものも存在します。投資を考える場合には、出来高などについても調べておく必要があるでしょう。
- 以上、6回にわたりETFの活用方法についてお話ししてきました。
- 目的やライフステージに合わせて、資産分散した基本ポートフォリオを長期的に保有することをベースに、その時々の市況にも対応していく上で、ETFは活用しやすい商品といえるでしょう。
- ぜひ上手に活用して、自分に合ったポートフォリオ構築を行ってください。
- ありがとうございました。
(掲載日:2013年01月24日)
- 神戸 孝(かんべ たかし)氏プロフィール
FPアソシエイツ&コンサルティング代表取締役
著書:
勝つ投資信託(2011年3月発行)朝日新聞出版、地獄を見た11人の天才投資家たち(2010年11月発行)道出版(共訳) ほか多数
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