投資信託 [ Jリート abc ]
【第6回】
J-REITの投資対象は何?
J-REITが、主に投資するのは収益を生む不動産ですが、一口に不動産といっても、その用途は多岐にわたり、所在する地域もさまざまです。今回は、J-REITの投資対象について見てみましょう。
投資対象となる資産は?
J-REITの主な投資対象は、『現物不動産』と『不動産信託受益権』です。『不動産信託受益権』とは、信託銀行に管理運用を託した不動産が生む利益を受け取る権利をいいます。
実際には、J-REITの投資対象の多くが不動産信託受益権となっています。理由の一つは、現物不動産を取得する際にかかる不動産取得税が、不動産信託受益権の場合は不要であるなどコスト面でメリットがあることです。さらに、既に信託銀行が保有している物件であるため、遵法性や環境面等で一定の基準を満たしていることが安心感につながるといわれています。
J-REITが投資対象とする物件の用途
J-REITの投資対象としては、オフィスビル、住居、商業施設、倉庫などの物流施設、ホテルなどが挙げられます。
J-REITの保有資産額の中で、最も大きな割合を占めるのはオフィスビルです。オフィスビルは、信用力の高いテナントを最も集めやすく、物件の規模も大きいため、投資対象となりやすいといえるでしょう。しかし、企業をテナントとしている以上、賃料が景気動向に左右されやすい側面があるのも事実です。住居は賃貸借契約の相手が個人であるため、企業をテナントとするオフィスビルと比べて一般的にテナントの信用力は劣りますが、賃料が景気動向の影響を受けにくいという性格を持っています。
その他、REITによっては、ショッピングセンターなどの商業施設も投資対象です。商業施設においては、核となるテナントがREITの収益力を左右します。賃貸借契約の期間は、オフィスや住居に比べて長いのが一般的ですが、核テナントが退去するような場合は、収益力が一気に低下することも考えられます。倉庫、ホテルについても、大半は物件ごとに一つのテナントに対する一棟貸しのため、テナント退去の影響を大きく受けるリスクは、商業施設と同様でしょう。
いずれにしても、収益力のバロメーターになるのは、テナントの信用力です。加えて、オフィスにはオフィスなりの、住居には住居なりの、といった用途ごとの立地やスペックに関する利便性が問われます。
J-REITが投資対象とする地域
投資対象が不動産であるJ-REITの場合、万が一地震や火災などの災害で建物が使用不可能になると、賃料が途絶え、投資家への分配も減少するリスクがあります。また、景気の状況が地域の産業動向などで影響を受ける可能性も無視できません。このようなリスクを回避する観点から、同じ地域に集中投資するのは避けるのが望ましいといえます。
とはいえ、全国にまんべんなく投資することは、物件管理上等の問題からも難しく、多くのREITは、東京、大阪、名古屋の三大都市圏を中心としたポートフォリオです。しかし、ホテルに関しては、ビジネスホテルは都市圏に立地するものの、リゾートホテルは地方に立地しているという事情から、都市部以外にも投資している点で特徴があるでしょう。
J-REITは3つのタイプに分類される
J-REITには、物件の種類ごとに不動産の運用のノウハウに違いがあることや、投資家へ何に投資しているという説明の分かりやすさを考慮のうえ、あえて投資対象を絞っている「特化型」があります。これに対して、投資対象を分散するために、オフィスと商業施設など2つの用途に投資するものが「複合型」、オフィス、商業施設、住宅などの3つ以上の用途を投資対象とするものが「総合型」です。現在、最も多いのは「総合型」で、その数は16、続いて特化型の15 となりますが、特化型は、その中でオフィス型や住居型が多くなっています。
各REITがどのような不動産に投資するかといった方針は、投資法人のホームページ上の『投資運用方針』等で確認できます。投資対象とする不動産の用途や地域、あわせて建物規模やスペックなど、物件を選定する上での基準などの要点が分かりやすく掲載されていて、REITの特徴を把握するのに便利です。もっとREITを身近に感じたければ、各REITの旗艦物件に注目してみるのもいいでしょう。
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