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毎月分配型ファンドの騰落率を自分で計算
高い分配金が期待できることを背景に毎月分配型ファンドが人気化し、高水準の資金流入が継続しています。
毎月分配型ファンドの運用成績をみる場合は、分配金や分配金利回りだけに注目するのではなく、分配金を加味した基準価額の値動き(トータルリターン)をみることが大切です。
分配金が高くても基準価額が下落して、トータルの運用成績がマイナスのファンドもあります。
分配金を再投資した場合の基準価額を理解するために、ある外債型ファンド(ファンドA)の実際の基準価額と分配金のデータを使って、運用レポートなどに掲載されている3ヵ月間騰落率を計算してみましょう(図表1参照)。
まずは、4月の月間騰落率を求めます。月中の分配金を考慮しない場合、3月末と4月末の基準価額を比較するだけでよいので、計算式は(5477円−5390円)/5390円となります。
月中の分配金を単純に月末に足し込むだけなら、(5477円+35円−5390円)/5390円です。
ただ、無分配型のファンドと運用成績を比較するには、月中の分配金を分配落ち日に再投資したとして計算し、決算日(分配落ち日)から月末までの増減率を考慮する必要があります。この増減率を求めるには、分配金に対して、決算日(分配落ち日)と月末の基準価額の変化率を掛け合わせればよく、計算式は35円×(5477円/5420円)。これを全体の月間騰落率の計算式に入れると、4月の月間騰落率は、{5477円+35円×(5477円/5420円)−5390円}/5390円≒2.27%になりました。同様に、5月と6月の月間騰落率は以下の通りです。
5月の月間騰落率:
{5346+35×(5346/5263)−5477}/5477≒−1.74%
6月の月間騰落率:
{5290+35×(5290/5245)−5346}/5346≒−0.39%
次に、この3つの月間騰落率をもとに3ヵ月間騰落率を計算します(図表2参照)。
2.27%+(−1.74%)+(−0.39%)と計算しがちですが、これは間違いです。
例えば、100万円の資産を持っていたとして、最初の月に50%上昇すると150万円、その翌月に50%上昇すると225万円です。初めの月からみれば、100%でなく125%上昇していることになります。
つまり、期間騰落率を計算する際は、月間騰落率を掛け合わせていく(累積する)必要があります。
したがって計算式は{1+(2.27/100)}×{1+(−1.74/100)}×{1+(−0.39/100)}−1≒0.10%となります。
このように、実際のファンドのデータをもとに騰落率などを自ら計算することで、ファンド本来の運用成績を実感できるのではないでしょうか。
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