【第3回】海外ETFの注意点 - ETF
ETF [ 海外ETF事情 ]
【第3回】
海外ETFの注意点
豊富な選択肢や安い信託報酬といったメリットが強調されることが多い海外ETFですが、注意すべき点がいくつかあります。
手数料負担が大きくなることがある
海外ETFの信託報酬(運用管理費)は、国内のETFと比較して、かなり低い水準に設定されており、コストメリットのある投資対象と思われていますが、実際には必ずしもそうならないこともあります。海外ETFの購入にあたっては、国内の証券会社に支払う売買手数料、外国証券取引口座の口座管理費、為替手数料、海外で発生する手数料を合わせると、かなりの額の費用負担が発生することがあるのです。特に、売買額が少額の場合は、費用の投資金額に対する割合がかなりの大きさになることもあります。これらの手数料をきちんと理解した上で、それでもコストメリットがあるかどうかを判断する必要があります。
為替リスクが伴う
海外ETFは外貨建ての投資対象ですから、為替リスクが伴います。通常の投資信託であれば、為替ヘッジのあるファンドを選択することで、為替リスクを軽減することができますが、海外ETFは全て外貨建てであり、為替ヘッジは存在しません。米ドル建てやユーロ建てのファンドだけでなく、途上国の株式や債券に投資するファンドでは、米ドルやユーロ建てのファンドよりもさらに為替の変動の影響が大きくなることがありますので、より注意が必要です。
ファンドの情報が限られている
海外ETFの説明資料については、一部のファンドを除くと、日本語では日本証券業協会による「外国証券の取引に関する規則」に従って作成された外国証券内容説明書と呼ばれる概要程度の資料が存在するだけです。目論見書のような資料は日本語では入手できません。目論見書は海外ではプロスペクタス(prospectus)と呼ばれており、上場している海外の取引所や運営管理会社のホームページに英文で掲載されているので、自分で見つけて理解する必要があります。
アクティブ運用のファンドある
日本の取引所に上場しているETFは、2009年11月10日現在、株価指数や債券指数など、特定の指標への連動を目的としたインデックスファンドですが、海外のETFにはアクティブ運用のETFが登場しています。ETF=インデックスファンドであるという概念は海外ETFでは通用しないことを念頭に置くことが大切です。
償還されることがある
これは海外ETFに限定されることではありませんが、海外ETFも途中償還されるものがあります。例えば、2009年5月に米国を代表するETFの運用会社であるインベスコ・パワーシェアーズは19本のETFの償還を発表しました。この中には、日本で取り扱われているPOWERSHARES DYNAMICAsiaPacificとPOWERSHARES DYNAMIC EUROPEが含まれていました。海外ETFの償還が決まると、長期的に保有していたいと考えていた投資家でも、最終売買日までに売却するか、取引が終了するまでの間は償還を待って現金を受け取らなければなりません。 売却する場合には、通常の取引手数料がかかってしまいます。
最新ネット証券比較ランキング
口座開設されてない初心者の方に向けた、ネット証券が比較できる最新ランキングTOP10はこちらです。口座開設手続きはネット上で完結できます。口座開設キャンペーンもご紹介してます。是非この機会に、ネット証券の口座開設を行ってみましょう。
監修者:菅原 良介
編集者:K-ZONE money編集部