【第3回】ETFでポートフォリオを作成する - ETFの応用 - ETF
ETF [ ETFの応用 ]
【第3回】
ETFでポートフォリオを作成する
ポートフォリオを作成する場合、どこから初めてよいかわからないという投資家は多いと思います。証券会社や銀行などでは、年齢やファイナンシャルゴール、預貯金やその他の保有資産額、投資経験などに関する質問に答えることで、コンピュータでポートフォリオを作成してくれるところがあります。また、オンラインでも同様のサービスを提供しているサイトがありますので利用してみるとよいでしょう。このとき大切な点は、ポートフォリオの組入資産が分散されていること、そしてコストが安いことです。
今回は、複雑な金融工学も理論も使わずに、ジョン・C・ボーグルの「私の好きな経験則」に従って、ETFを使ったシンプルなポートフォリオを作る方法を考えてみたいと思います。ボーグルは、米国の投資信託大手のバンガード・グループの創始者で、インデックスファンドを米国のみならず世界中に広めた人物でもあり、バークシャー・ハサウェイのウォーレン・バフェットなどと並び称される投資業界のカリスマ的存在です。そのボーグルは、著書「マネーと常識(英題:The Little Book of Common Sense Investing)の中で、「年齢と同じ割合で債券を保有するというのが自分の経験則からの好む資産配分である」と述べています。
これに従うと、30代であれば30%を債券に、70%を株式に配分し、40代では、40%を債券に、60%を株式に配分することになります。ここでは、急な出費などに備えた現金については考慮しないことにします。つまり、現金については別に確保してあるという前提です。大雑把に言うと、株式はハイリスク・ハイリターンの商品、債券はローリスク・ローリターンの商品です。ボーグルの「年齢と同じ割合で債券を保有する」という資産配分によれば、若い時にはリスクは高いものの、高いリターンの期待できる商品に多く配分し、年齢を経るにつれ、リスク商品の割合を減らしていくことになります。これは、資産運用の基本的な考え方でもあり、投資信託の中でもライフサイクルファンドなどに採用されている手法です。若い時はリスクをとって積極的な運用を行ない、資産を増やすことを重視する、中高年に入ったらリスクを抑えて、安定的な運用を行ない、資産の保全を重視するというわけです。
これに従うと、年代別の配分は次のようになります。
このポートフォリオの債券と株式の部分に、現物の債券と株式の代替としてETFを活用します。ETFを用いるメリットの一つは少額で購入できることにあります。最近は株式を購入する場合でも、最低購入単位が低下してきているので、株式投資に必要な金額もかつてほど多く必要ありませんが、それでも数十万円が必要なケースが多いと思います。一方、ETFは一口単位で購入できるものも多く、少額での投資が可能です。
また、ETFを活用するもう一つのメリットとして、ETF自体が分散投資されているため1銘柄でリスク分散が実現できることも挙げられます。株式や債券の個別銘柄を組み入れる場合に、リスク低減を図るためには複数銘柄を購入する必要が生じ、かなりの投資金額が必要になりますが、ETFは、貴金属ETFや農産物ETFなどを除くと、複数の銘柄で構成されているため、1銘柄を保有することで分散投資を実現できます。例えば、東証株価指数への連動を目指すETFであれば東証株価指数を構成する1665銘柄(2010年10月末現在)に概ね分散投資されています。
ポートフォリオ作成の第一歩として、株式と債券のシンプルなポートフォリオにETFを利用することで、分散と低コストの両者を兼ね備えたポートフォリオを構築することが可能となります。
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