つみたてNISAのおすすめ銘柄は?組み合わせ方と変更方法について

投稿日:2022/10/17 最終更新日:2024/05/13
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つみたてNISAは、利益に対して税金がかからない制度です。投資の利益に対して税金がかからないのはiDeCoとNISAだけなので、非常に大きなメリットです。しかし、どのような銘柄を選んで良いのかわからない方は多いのではないでしょうか?

そこで今回は、つみたてNISAのおすすめの銘柄について紹介をします。

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この記事の監修者

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菅原良介

株式会社Finatext

証券アナリスト

Finatext サービスディレクター・アナリスト。日本テクニカル協会認定テクニカルアナリスト。早稲田大学 政治経済学部 経済学科卒業。Finatextグループで展開される投資・証券サービスのディレクターを担当する傍ら、アナリストとしても活動。グループで展開するコミュニティ型株取引アプリSTREAM内で開催されるイベントのモデレーターなども務め、国内メディアへの寄稿も行う。

初心者向け!つみたてNISAの銘柄の選び方

初心者向けのつみたてNISAの銘柄選びをする際は、投資信託の種類と投資信託の投資対象について理解するのが重要です。つみたてNISAの投資対象は投資信託とETFになりますが、本記事では投資信託にフォーカスして説明をします。  

投資信託の種類

投資信託には、主にインデックスファンドとアクティブファンドの2種類があります。インデックスファンドとアクティブファンドについて詳しく説明します。 

インデックスファンドとアクティブファンド

インデックスファンドとは、日経平均株価やNYダウなどの指数に連動するのが目的の投資信託です。一方、アクティブファンドは、指数を上回る、または指数に捉われずに高いリターンの獲得を目指す投資信託になります。 インデックスファンドとアクティブファンドの違いを表にまとめました。

  アクティブファンド インデックスファンド
運用目標  株価指数などのインデックスを上回る  株価指数などのインデックスに連動する 
組入銘柄 調査や分析を通じて優良な銘柄を厳選 指数と同様の構成
手数料 高い 低い

つみたてNISAではインデックスファンドのほうが圧倒的に多いです。つみたてNISAで運用できるファンドは金融庁の厳しい審査に通る必要があります。つみたてNISAの採用条件は以下の通りです。

一方、アクティブファンドの採用基準は以下のようになります。
つみたてNISAは長期にわたって運用することを前提としているため、アクティブファンドは運用実績や手数料といった面で厳しい条件が課せられています。特に、手数料については購入時の手数料と保有時の手数料(信託報酬)に分かれ、以下の条件があります。

  • ノーロード(購入時手数料がかからない投資信託)
  • 信託報酬:国内に投資するファンドで年1.0%以下、海外に投資するファンドは年1.5%以下  
 

【関連記事】つみたてNISA対象商品はどうやって選ぶ?おすすめファンドは?

投資信託の投資対象

投資信託は2022年7月時点で14,000本を超える商品が日本にはあります(※)。たくさんの種類が投資信託にはありますが、投資対象で大きく分けると以下の通りです。

投資信託の種類 投資地域や投資内容
株式ファンド 国内・海外(先進国・新興国)
債券ファンド 国内・海外(先進国・新興国)
REIT(不動産投資信託) 国内・海外(先進国・新興国)
バランスファンド さまざまな資産に分散
その他 原油やゴールドなどの商品(コモディティ)など 

株式ファンドは、日本国内の株式や海外の株式に投資している投資信託です。たくさんの銘柄に分散投資されているのが一般的なので、個別銘柄への投資に比べるとリスク分散できます。また、株式は債券などに比べて値動きが大きいため、大きな利益を上げられる可能性があるのがメリットです。

債券ファンドは国債や企業が発行する社債などの債券に投資をする投資信託で、値動きは株式などに比べて比較的安定しています。REITは不動産投資信託のことで、国内外の不動産に投資をする投資信託です。

REITは投資家から集めた資金で不動産投資の専門家がオフィスやマンションなどを購入します。購入した不動産を賃貸して得られる家賃収入や不動産の売却益から費用を引いた収益を投資家に分配する投資信託です。

バランスファンドとは、株式や債券、REIT、コモディティなどのさまざまな資産に分散して投資されている投資信託になります。株式や債券などの資産はそれぞれ値動きが違うため、組み合わせて保有すると安定した資産運用ができます。バランスファンドは1本でさまざまな資産に分散されているため、手軽に分散投資できるのがメリットです。

※参照:投資信託協会「投資信託の全体像(純資産総額・ファンド本数)直近データ」  

つみたてNISAの銘柄を選ぶ際のポイント

つみたてNISAの銘柄を選ぶ際のポイントは「積極的な運用で利益を上げたい人」と「安定して長期的に運用したい人」の2種類あります。

まず、「積極的に運用したい人」は、株式ファンドがおすすめです。株式ファンドは、債券ファンドやバランスファンドに比べて値動きが大きいので、大きな利益が狙いやすくなります。ただし、値動きが大きいので損失を負ってしまう可能性もあるので注意してください。

株式ファンドにはインデックスファンドとアクティブファンドがありますが、大きな利益を狙いたいのであればアクティブファンドが良いでしょう。

ただし、アクティブファンドは、運用を実際に行うファンドマネージャーによって運用成績が大きく変わりますし、インデックスファンドに比べて運用の実態がわかりづらいため、値動きがわかりやすい商品が良い場合はインデックスファンドのほうが良いでしょう

一方、「安定して長期的に運用したい人」は、バランスファンドがおすすめです。バランスファンドは株式や債券、REITなどの値動きが違うさまざまな資産に分散されているため、安定した運用が期待できます。分散投資と長期保有を組み合わせることによってさらに安定した値動きが期待できるので安定的に長期投資をしたい方におすすめです。  

【関連記事】【初心者向け】つみたてNISAのおすすめ銘柄10選!選び方についても解説

つみたてNISAで購入できる銘柄の比較ポイント

つみたてNISAで銘柄を購入する際の比較ポイントは以下です。

  • 信託報酬
  • 純資産総額
  • 運用実績
  • 自分のリスクレベルに合っているかどうか

それぞれのポイントについてみていきましょう。  

信託報酬

まず信託報酬ですが、つみたてNISAで運用できるファンドは基本的に信託報酬が低いです。信託報酬とは、投資信託を保有している間にかかる費用です。信託報酬は日々引かれており、基準価額は信託報酬が引かれた後の価額になります。国内のインデックスファンドの場合の信託報酬は0.5%以下に定められていますし、アクティブファンドの場合も、国内が投資対象であれば1%以下に定められています。

つみたてNISAの場合、インデックスファンドマーケティングファンドも信託報酬が低いですが、インデックスファンドの方がアクティブファンドより信託報酬が低いのが一般的です。信託報酬を抑えたい方はインデックスファンドを選ぶようにしましょう。  

純資産総額

純資産総額もつみたてNISAの銘柄を選ぶ際の重要なポイントです。純資産総額とは、投資信託の基準価額に購入口数を掛けた金額のことで、投資信託の運用規模を知る目安となります。

純資産総額が少ないと安定的な運用ができなくなってしまいますが、つみたてNISAの場合資金流入額も採用基準になっていますので、つみたてNISAで運用する場合はあまり気にしなくても良いでしょう。  

運用実績

運用実績は銘柄を選ぶ際非常に重要なポイントです。誰だってリターンが高いファンドを選びたいはずです。ただし、短期間で高いリターンを上げているファンドの場合、逆に短期間で大きな損失を被ってしまう可能性もあるので注意するようにしましょう。  

自分のリスクレベルに合っているかどうか

そして、最も重要なのが許容できるリスクの商品を選ぶことです。いくらリターンが良くても許容できないほど大きな値動きをするファンドであれば安心して運用できない事が考えられます。ご自身の運用スタイルに合ったファンドを選ぶようにしてください。  

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最適なポートフォリオと銘柄の組み合わせ

ポートフォリオを組む際の基本的な考え方や目的別のポートフォリオを紹介するので参考にしてください。  

ポートフォリオを組む際の基本的な考え方

ポートフォリオを組む際の基本的な考え方は2つあります。

  • 投資目的と目標から考える
  • バランスを意識する

それぞれのポイントをみていきましょう。  

投資目的と目標から考える

ポートフォリオを組む際は投資目的と目標から考えるようにしましょう。なぜならポートフォリオの組み方は始める年齢と目的によって異なるからです。目的が老後資金の方もいれば、教育資金のために投資を始める方もいるでしょう。

目的に応じて選ぶ商品や目標金額を決めてポートフォリオを組むようにしましょう。  

バランスを意識する

ポートフォリオを組む際は、バランスを意識するのも重要になります。なぜならリスクとリターンの関係は投資をする金融商品によって異なるからです。

例えば、株式ファンドの場合、値動きが大きいため大きなリターンを得られる一方、大きく損失を被ってしまう可能性があります。 一方、債券ファンドは株式ファンドに比べて動きは安定していますが、短期間に大きなリターンを得るのは難しいでしょう。

このように、商品によってリスクとリターンの関係は全く異なりますので、ご自身のリスクレベルに合わせたバランスの良いポートフォリオを組むのが重要になります。投資対象によるリスクレベルをまとめておきましたので、参考にしてください。  

投資対象によるリスクレベル

投資対象によるリスクレベル

目的別のポートフォリオ例

目的別の主なポートフォリオの実例を紹介します。今回紹介する目的別のポートフォリオは3つです。

  • 老後資金を準備するため
  • 子供の養育費を準備するため
  • 資産を積極的に増やすため

それぞれの目的別のポートフォリオについて見ていきましょう。  

老後の資金を準備するため

老後資金を準備するためにおすすめなのが、インデックスファンドです。インデックスファンドは手数料が低く、値動きがわかりやすいのが特徴になります。

インデックスファンド1本だけだとリスクが高くなってしまいますが、複数の商品を組み合わせることによって安定的なリターンが狙えるはずです。老後資金までは比較的時間があるので株価に連動したインデックスファンドなどで積極的に運用するのが良いでしょう。  

子どもの養育費を準備するため

子供の養育費は使う時期がある程度はっきりしているはずです。使う時期が減ってしまっていては困るので、リスクを抑えながらある程度リターンを狙っていくのが重要になります。おすすめは安定的な値動きが期待できるバランスファンドです。

夫婦でつみたてNISAを利用すれば年間80万円まで非課税で投資ができますので、計画的に教育委費を貯めていきましょう。  

資産を積極的に増やすため

資産を積極的に増やすためであれば、インデックスファンドも良いですが、より積極的に運用できるアクティブファンドをポートフォリオに組み入れるのが良いでしょう。 短期的に見ると大きく減ってしまう可能性もありますが、その分大きなリターンも期待できます。

【関連記事】つみたてNISAの銘柄のおすすめの組み合わせは?

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つみたてNISAおすすめの銘柄

ついてNISAのおすすめの銘柄を3つに分けて紹介します。

  • コストを抑えて運用できる銘柄
  • 安定して長期的に運用できる銘柄
  • ハイリターンが狙える銘柄

それぞれの特徴について見ていきましょう。  

コストを抑えて運用できる銘柄

コストを抑えて運用したい方におすすめの銘柄をまとめました。

ファンド名 信託報酬 インデックスファンド
OR
アクティブファンド
投資対象  投資地域
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド  0.0938%  インデックス型 株式 米国
SBI・V・全米株式インデックス・ファンド 0.0938% インデックス型 株式 米国
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) 0.0968% インデックス型 株式 米国
SBI・先進国株式インデックスファンド 0.1022% インデックス型 株式 日本含む主要先進国
ニッセイ外国株式インデックス・ファンド 0.1023% インデックス型 株式 日本を除く主要先進国 

どの投資信託も信託報酬が非常に低いのでおすすめです。信託報酬は長期投資を行えば行うほど影響が大きいので、長期投資をする方は特にこだわりましょう。なぜなら、信託報酬は投資信託を保有している間ずっとかかるので、長期保有すればするほど負担が重くなるからです。投資信託を選ぶ際は、信託報酬が低い投資信託を選ぶようにしましょう。  

安定して長期的に運用できる銘柄

安定した運用を行いたい場合は、バランスファンドがおすすめです。値動きの良いおすすめのバランスファンドをまとめました。

ファンド名 信託報酬  ファンドの種類
三菱UFJ国際
つみたて8資産均等バランス
0.242% バランスファンド 
三菱UFJ国際
つみたて4資産均等バランス
0.242% バランスファンド
ニッセイ
<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)
0.154% バランスファンド
AM-One
たわらノーロードバランス(8資産均等型)
0.154% バランスファンド
大 和
iFree 8資産バランス
0.242% バランスファンド

つみたてNISAのバランスファンドは信託報酬が低いので長期保有にも向いています。信託報酬は長期保有すればするほど影響が大きいのでこだわるようにしましょう。  

ハイリターンが狙える銘柄

ハイリターンを狙うのであれば、積極的な運用が期待できるアクティブファンドがおすすめです。

ファンド名 信託報酬 ファンドの種類 投資対象
ひふみプラス 上限1.078%  アクティブファンド 国内外の上場株式
年金積立 Jグロース 0.902% アクティブファンド 日本株
コモンズ30ファンド 1.078% アクティブファンド 日本株
フィデリティ・米国優良株・ファンド    1.639% アクティブファンド 米国株
SBI-EXE-i グローバル中小型株式ファンド 0.311% アクティブファンド  全世界株 

アクティブファンドは大きな利益が狙える一方、信託報酬は高めなので注意してください。信託報酬が高いので信託報酬を上回る高いパフォーマンスが出せているか、こまめにチェックするようにしましょう。

このようにつみたてNISAで運用できる投資信託にはさまざまな種類があります。ただし、金融機関によって取り扱い商品数は異なりますので注意してください。SBI証券と楽天証券は非常に取り扱い商品数が多いので、おすすめです。  

つみたてNISAの銘柄を変更したい時の注意点            

つみたてNISA銘柄を変更したいときの注意点は以下です。

  • 「スイッチング」に要注意
  • 銘柄変更をすべきタイミング

それぞれの注意点についてみていきましょう。  

「スイッチング」に要注意

スイッチングとは、今まで積み立てていた銘柄を売却して新たな銘柄を買うことです。 スイッチングは今までの銘柄を売却し新たに銘柄を買うことになるので、非課税枠を消費することになります。つみたてNISAは年間40万円しか利用ができず、売却した場合も枠が復活することはないので注意してください。

例えば、4月に40万円つみたてNISAのファンドを購入し、7月に全額売却しても、該当年度は4月に40万円の枠を使っているのでつみたてNISAの利用はできません。  

銘柄変更をすべきタイミング

銘柄変更すべきタイミングは、主に2つあります。

  • 全く同じ投資対象で信託報酬が安い銘柄が出た時
  • 投資スタイルを変更したい時

銘柄の変更自体は問題ありませんが、あまり頻繁に行うと長期分散投資の効果が享受できません。同じ銘柄を購入し続けることで、基準価額が高いときも低いときも購入することになります。結果的に平均購入単価が安定し利益が出しやすくなるのです。しかし、頻繁に銘柄を変えては、平均購入単価を安定させる効果は薄れてしまうので注意してください。  

まとめ

今回はつみたてNISAのおすすめの銘柄を紹介しました。また組み合わせ方と変更方法についても説明しています。つみたてNISAは、利益に対して特定口座のように税金がかからない、非常にメリットの多い制度です。最長20年間利用できる制度でもあるので、長期運用に適した銘柄選定を行うようにしましょう。ぜひ今回の記事をご自身に合った銘柄を選ぶ参考にしていただければ幸いです。

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よくある質問

Q

つみたてNISAは何銘柄くらい買えばいいですか?

A

運用方針によっても異なりますが、複数銘柄を購入して分散投資をするようにしましょう。ただし、バランスファンドのように1つの投資信託で分散が効いているものであれば1銘柄への投資でも良いでしょう。

Q

利回りの高い銘柄のリスクは?

A

短期で見ると大きな損失を被ってしまう可能性があることです。利回りの高い銘柄は特に長期保有を前提にしましょう。

関連記事:「つみたてNISA利回りランキング!平均利回りと商品の選び方について解説

Q

つみたてNISAでほったらかしにしていい銘柄は?

A

基本的につみたてNISAの銘柄はほったらかしにしてかまいません。なぜなら金融庁の厳しい審査を通った内容の良い投資信託ばかりで、長期投資を行えば平均購入単価が安定し利益がでる可能性が高いからです。

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