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退職・年金ナビ [ 目指せ!バランスシート・リッチ 長期資産づくり ]
【第22回】
23歳〜35歳、36歳〜45歳のアセット・アロケーション戦略
- 今回から3回に分けて世代別アセット・ロケーション戦略について具体的に説明していきます。
23歳〜35歳のアセット・アロケーション戦略
グローバル・リンク・アソシエイツ 代表 米田 隆
- 先ず最も若い世代である23歳から35歳のアセット・アロケーションの戦略についてコメントします。この世代は、65歳の公的年金受給を前提とすれば引退までの期間が40年超と長く、概ねほとんどの人が毎年実質所得上昇の期待しうるという特徴を持っています。この時期に毎年の実質所得純増分の3〜4割程度にライフスタイル(=固定性生活費)の向上を抑え、残りを着実に強制貯蓄すれば投資元本を急速に増加させ、貯蓄の勝ち組みに入ることが可能となります。また運用期間が40年と超長期であるため、短期間でみた場合大きく元本割れする可能性があるものの、潜在的には収益性の高い海外株式等の運用比率を高めることも出来ます。こうした高いリスク許容度を前提にこの世代に向けたアセット・アロケーションは、日本株10%、米国株25%、欧州株15%、新興国株50%と株100%で、外貨比率90%、非先進国比率50%と大変リスクの高い運用提案となっています。(前回の世代別戦略アロケーション表をご覧ください。)
- アセット・アロケーションの年平均期待収益率は10.88%ですが、一方、このアセット・アロケーションの元本割れリスクを保有期間別に見ると、長期保有のもたらす収益安定効果がよく理解出来ます。(表参照)例えば、毎月5万円ずつ同じアセット・アロケーションで定時定額投資を継続すると、5年での元本割れリスク出現率は30%前後と高い比率で生じますが、7年18.8%、10年では6.2%となり、15年では遂に元本割れリスクがほぼゼロとなります。
表:運用期間別アセット・アロケーションの元本割れリスク
年代別アロケーション | ||||
---|---|---|---|---|
運用年数 | 35歳まで | 45歳まで | 55歳まで | 65歳まで |
1年 | 30.20% | 28.60% | 26.50% | 19.60% |
3年 | 30 .9% | 27.30% | 21.80% | 8.50% |
5年 | 32.60% | 28.40% | 17.70% | 5.00% |
7年 | 18.80% | 16.20% | 8.50% | 3.40% |
10年 | 6.20% | 6.20% | 2.50% | 0.00% |
13年 | 8.90% | 4.40% | 0.00% | 0.00% |
36歳〜45歳のアセット・アロケーション戦略
- 次に36歳から45歳のアセット・アロケーションを見てみましょう。今後、日本では年功賃金制度の見直しの影響から35歳以降、実質所得の伸び悩む人が過半となることが予想されます。しかし、23歳から実質賃金上昇の半分強を強制貯蓄することに成功した人は、結果としてライフスタイル・コストのコントロールに成功している筈です。そのため、たとえ35歳以降実質賃金が伸び悩んだとしても、20代から良い貯蓄習慣を身に付けた結果、毎月の投資余力は月額10万円を生みだすことも十分可能となるでしょう。この世代のアセット・アロケーションは日本株7.5%、米国株18.75%、欧州株11.25%、新興国株37.5%と株は全体の75%となります。残り25%の内20%を先進国の為替ヘッジ付き債券に、5%を新興国の為替ヘッジの無い債券へと各々配分します。このアセット・アロケーションの収益率は9.70%で、元本割れ出現率は5年で28.4%、 10年で6.2%、13年間の保有では4.4%となり、ほぼ元本割れのリスクが回避することが出来ます。
- 執筆:株式会社グローバル・リンク・アソシエイツ 代表/米田 隆
掲載日:2012年月2月2日
米田 隆(よねだ たかし)氏
株式会社グローバル・リンク・アソシエイツ代表取締役
1981年早稲田大学法学部卒業、日本興業銀行入行。 85年米フレッチャー法律外交大学院修士(国際金融法務専攻)。85〜91年、日本興業銀行企業審査部、PB推進部に勤務。91年(株)グローバル・リンク・アソシエイツを設立、代表取締役に就任。96年(株)グローバル・ベンチャー・キャピタルを共同設立、取締役就任。99年エル・ピー・エル 日本証券(株)代表取締役社長、2008年12月より同社取締役会長。2010年6月同社退任後、グローバル・リンク・アソシエイツ代表に復帰。