ETF初心者入門

外国債券ETF- ETF活用術 - 東証ETF活用プロジェクト 東証ETF

最終更新:2022/05/09 15:42

東証ETF・ETN活用プロジェクト [ 個人投資家のETF活用術 ]

【第7回】

外国債券ETF

先進国とアジア諸国の債券をリターンドライバーに

安全性と配当が人気の外国債券
個人向け投資信託の人気分野のひとつは、間違いなく外国債券でしょう。世界中の国債(ソブリン・ボンド)に投資して毎月分配金の出るソブリン系商品は、証券会社や銀行などのチャネルで販売される投資信託の代表銘柄でしたし、現在でもブラジルやオーストラリアの国債を中心に投資する投資信託が、新規投資が増えていることを示す「資金流入ランキング」の上位にランクインしています。
人気の理由は、日本の国債と同様に高い確率で安全とみられ、なおかつ、日本の国債よりも高い配当が得られる可能性が大きいことです。だから、貯金以外の資産運用をと個人が考えたとき、外国の国債ほか優良な債券で構成する投資信託が最初の選択となりやすいわけです。
東京証券取引所に上場されるETFにも外国債券ものが登場してきています。現時点では2銘柄——「上場インデックスファンド海外債券(Citigroup WGBI)」毎月分配型」(日興アセットマネジメント)と「ABF 汎アジア債券インデックス・ファンド」(ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ・シンガポール・リミテッド)——です。
株式ETFの銘柄数と比べて、「たった2つだけ?」と思われる方もいるかも知れません。しかし、この2銘柄は機関投資家が必要とする最低限の外国債券投資をカバーしています。
このコラムでご紹介してきた通り、個人がETFを活用する意義は、ETFを使えば個人でも機関投資家のファンドマネジャーとほぼ同じポートフォリオ運用を実現できることです。つまり、個人投資家にとっても必要最低限の外国債券投資の「ツール」が用意されていると言ってもいいでしょう。
ポートフォリオ内での債券
まず、ポートフォリオ運用の中での外国債券の意味を考えてみましょう。欧米の年金基金や大学基金といった機関投資家が心がけているのは、「投資先を広く分散したポートフォリオを作り、目標リターンを上回るように管理していくこと」です。
機関投資家のポートフォリオには、資産額が大きいがゆえに投資可能な、私募のヘッジファンドなども含まれていますが、考え方の基本は個人でも変わりません。金融商品別、地域別に自分が管理可能な限り、広く分散することです。そして、各投資先の性格を念頭に、配分変更などを管理していくのが投資家のミッションです。
債券は、多くの金融商品の中で“比較的安全性の高い資産”と位置づけられています。株式にしても不動産にしても、たいていの金融商品は大きく値上がりするときがある一方で、大きく値下がりするときもあります。それに対して債券は、とりわけ優良な発行体のものを選んでおけば、予定外の値上がりも値下がりもほとんどありません。つまり債券は、ポートフォリオの中で、華々しい値上がりをすることはありませんが、ほぼ予定した利回りを期待できる部分です。
さらに言えば、債券の発行は、国や企業が「発行時に一定の利息を払います」と宣言し、ある一定期間資金を借りることに他なりません。投資する側からすれば、発行者がデフォルト(債務不履行)状態にならない限り、満期まで保有するといくらの利息が入るか最初からわかっています。
個人の投資にひきつけて言えば、日本国債は銀行の定期預金とほぼ同じ感覚で見られますよね。ですから、ETFに日本国債がないからといって困る必要はありません。その部分は個人向け国債や定期預金を配分していると考えればいいわけです。
外国債券の魅力とリスク
現在、円建ての定期預金などを十分に保有していると考えられるなら、投資ポートフォリオ内では外国債券を検討してみましょう。まさに冒頭でお話した外国債券の投資信託と同じく、日本国債に近い安全性と日本国債より少しは高いリターンを狙って。
人気の外国債券の投資信託は基本的に、発行体や5年物・10年物といった期間など、ある一定の条件を決めて債券を買い集めて満期まで保有し、集まってくるクーポン部分から配当を出していきます。外国国債が日本国債より魅力的になっているのは、クーポン部分が日本国債より高めであること、つまりは、その国の金利が日本より高いからです。
 したがって、個人投資家にとって債券のリスク管理は、デフォルトリスクの可能性に気を配ることと、金利動向を読むことに尽きます。どちらも、発行体が外国であると情報収集・分析が難しくなります。もっとも、債券に限らず外国資産への投資に付きものの「為替リスク」も無視できません。
 実は、機関投資家のポートフォリオ内の外国債券は、ピンポイントでどこかの国の債券へ投資するケースもありますが、大半はインデックスを活用した運用になっています。
外国とはいえ、先進国とか新興国といったグループ単位を投資対象にしておけば、リスク管理の効率がかなり上がるからです。
外国債券ETFの活用
 
東証に上場する外国債券ETF
対象指標 コード 名称 売買
単位(口)
運用管理費用(信託報酬)(税抜き) 管理会社(検索コード) 主な運用手法
iBoxx ABF パン・アジア指数 1349 ABF汎アジア債券インデックス・ファンド(アジア国債・公債ETF)(注1) 1 0.20〜0.25%程度 ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ・シンガポール・リミテッド 指標構成銘柄への投資
シティグループ 世界国債インデックス(除く日本、ヘッジなし・円ベース) 1677 上場インデックスファンド海外債券(Citigroup WGBI)毎月分配型 10 0.25%程度 日興アセットマネジメント 指標に連動するファンドへの投資
注1:外国籍のETFであるため、外国証券取引口座の開設が必要になります。これらの課税上の取扱いについては、それぞれの商品概要パンフレットの巻末をご参照いただくか、もしくは管理会社及び税務署・税理士等の専門家までお問い合わせください。
「インデックスを活用した運用」といえばETFですよね。そこで、以下は東証に上場する外国債券ETFの2銘柄を紹介します。
まず「上場インデックスファンド海外債券(Citigroup WGBI)毎月分配型」は、シティグループ世界国債インデックス(除く日本、ヘッジなし)への連動を目指しています。この指数は、日本以外の主要国の国債市場の総合収益を時価総額にしたがって加重平均して算出されます。北米・欧州諸国のほか豪州やシンガポールなど、やや広い意味の先進国の債券をカバーしています。
一方、「ABF 汎アジア債券インデックス・ファンド」のほうは、iBoxx ABF汎アジア指数という、中国・韓国・インドネシアなどアジア主要国の国債・公債の総合的な値動きを示すインデックスに連動しています。
前者が先進国を、後者がアジア新興国の国債の成績を代表しているのですから、必要最低限の分散ツールがそろっていると言えるわけです。安全性を重視したETFポートフォリオを作るなら、このあたりに多めの配分をすることになります。もちろん、個人資産運用の場合は、預金など“安全資産”が多いはずですから、ETFポートフォリオでは多少リスクを多くとりにいくこととし、債券部分を少なくするのも一つの方法です。
 注意すべきことは、分配金狙いで外国債券の投資信託を買うのとは違い、外国債券ETFを株式やコモディティなどとともにETFのポートフォリオを構築する場合には、そのポートフォリオ内での調整のため、外債が割安時に買い増し、割高時に一部売る、といったポートフォリオ管理をすることが重要です。その際は、ETFの日々の値動きに注意しましょう。
それでも外国債券ETFの場合は、先進国の財政・金利動向、新興国の財政・金動向が値動きの参考情報となります。たとえば、アジア新興国が全般に財政状態が良好で、成長に応じたインフラ投資の必要性から国債発行が増えているなら、アジア債券の指数も上向きかなと考えられますし、ある先進国が財政危機でデフォルトの可能性までニュースになっているとしたら、先進国の債券指数も下がっているかな、などと考えながら、ウォッチしてみてください。
 


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