信用取引を学ぶ

差金決済取引とは?現物取引と信用取引との違いをわかりやすく解説!

最終更新:2022/01/20 16:37

金融取引の売買における決済方法には、手持ちの現金や手持ちの有価証券等を受け渡しする「現物決済」と、決済に生じる損益のみを受け渡しする「差金決済」があります。このうちの「差金決済」は先物取引等で広く利用されていますが、株式の取引においては、現物取引での差金決済が禁止されています。 株式取引で差金決済に該当する事例や、株式取引でも差金決済が認められている信用取引での注意点等について、しっかりと確認しておきましょう。

差金決済とは

差金決済とは「現物の受け渡しを行わないで、反対売買によって生じた差額のみの受け渡しをする取引」で、商品先物取引、株価指数先物取引などの先物取引や外国為替証拠金取引(FX)などで主に採用されています。

例えばトウモロコシなどの商品先物取引で言えば、ヘッジ目的や投機目的で売買している人にとっては、現物の決済にしてしまうと、大量のトウモロコシの輸送や保管に莫大なコストと手間がかかってしまうのが、差金決済であれば差額の金銭授受だけで完結できると考えるとイメージが付きやすいと思います。

また、差金決済のメリットとしては、資金効率が良くなるという点もあります。後程詳しく説明しますが、現物決済の場合では、購入資金は拘束されてしまい、たとえ購入した対象物を同日に売却したとしても、売却代金を再度の買い付けにすぐに使うことはできませんが、差金決済の場合は売却代金をもって取引が可能となりますので、いわゆる回転売買も可能となります。

このようにメリットもある差金決済ですが、株式の取引においては、信用取引以外での差金決済は禁止されています。株式取引における差金決済の規制内容について詳しく確認していきましょう。

株式取引の差金決済に対する規制

株式取引の差金決済買に対してはいくつか規制が存在します。それぞれ見ていきましょう。

信用取引以外での差金決済取引の禁止

株式取引における差金決済取引は、金融商品取引法上、「信用取引を行うことを明示しない取引」とされ、信用取引によらない現物取引について禁止されています。

つまり、現物売買において差金決済を行うことは委託保証金を積むことなく信用取引と同様の効果を得る不公正な取引とみなされるということです。どういう取引が差金決済取引に該当するのか、詳しく確認していきましょう。

差金決済の具体例

株式売買における差金決済は、「同一日」に「同一銘柄」を「同一資金」で「買付⇒売付⇒買付」または「売付⇒買付⇒売付」を行うことを指します。「買付⇒売付⇒買付」のケースで言いますと、手元資金が1回分の買付代金しかない場合は、2回目の買付は、手元資金の二重使用(その前の売付代金はこれには使用できません)として差金決済となってしまいます。

なお、一日の買い付け代金以上の手元資金がある場合は、「同一資金」にはならないので差金決済には当たりません。また、銘柄を乗り換える場合など、異なる銘柄を同日に同一資金で売買する場合は法令上の差金決済取引には該当しませんが、証券会社によっては対応していない場合もありますので、あらかじめ取引を行う証券会社に確認することが必要です。

保有している銘柄が売れない場合も

先ほど説明した差金決済の該当条件のうち「売付⇒買付⇒売付」のケースは特に注意が必要です。保有株を売却後、同日で買い戻した場合も、買戻し後の売却は保有株券の二重使用にあたり差金決済となってしまいます。

つまり、同日中に買戻しを行った銘柄について相場の急変等でもう一度売却したいと思っても、この場合は売却できないということになります。十分注意して取引を実施するようにしましょう。

信用取引の場合

株式取引で差金決済が禁止されているのは現物取引だけで、予め口座設定約諾書や委託保証金を差し入れて行う信用取引については差金決済が認められています。株式取引における差金決済は、以前は全て禁止されていましたが、2013年に信用取引に限り解禁されています。したがって、信用取引は、同じ銘柄を同じ資金で同じ日に繰り返し売買することも可能となりますので、日計り取引(デイトレード)において広く利用されているようです。

ただし、信用取引を使った場合には、日計り取引(当日中に全ての建玉の反対売買を行い、翌日に建玉を残さない取引)とは言っても、取扱い証券会社や取引規模によっては、金利等の信用取引に伴うコストが発生する場合がありますので、あらかじめ証券会社に確認し、取引条件を確認することが大切です。

まとめ

株式の現物取引において禁止されている差金決済について、該当する条件や注意点を確認してきました。一方で、差金決済が認められている信用取引では、最小限の資金で回転売買を行うこともできますので、金利等のコストやリスク等に十分注意しながら、必要に応じて活用してみましょう。

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