【第２回】

米国におけるＥＴＮの現状

米国で最初に登場したＥＴＮは、バークレイズ銀行（Barclays Bank PLC）のiPath DJ-UBS Commodity Index TotalReturn ETN（ティッカー：ＤＪＰ）とiPath S&P GSCI Total Return Index ETN （ティッカー：ＧＳＰ）で、両ＥＴＮとも2006年６月12日にニューヨーク証券取引所アーカへ上場しました。なお、「iPath」はバークレイズ銀行におけるＥＴＮのブランド名です。

iPath DJ-UBS Commodity Index TotalReturn ETNは、商品指数であるDJ-UBS Commodity Indexへの連動を目指すＥＴＮで、iPath S&P GSCI Total Return Index ETNは、同じく商品指数であるS&P GSCI指数への連動を目指すＥＴＮです。この二つのＥＴＮの上場後、米国のＥＴＮ市場は急速に市場規模が拡大してきています。National Stock Exchangeによると、2011年５月末現在、165のＥＴＮが米国市場に上場し、その規模は166億ドルに達しており、これは2009年５月の58億ドルから３倍以上に拡大していることになります。

 

出所：National Stock Exchange

 

米国において、ＥＴＮは、1933年証券法（Security Act of 1933） を根拠法としており、1940年投資会社法（Investment Company Act of 1940） を根拠法とするＥＴＦとは法的に異なる取り扱いがなされています。そのため、ＥＴＦは米国の投資信託の業界団体であるInvestment Company Instituteの統計情報に含まれていますが、ＥＴＮは含まれていません。

米国で最も規模の大きなＥＴＮは米国初のＥＴＮでもあるiPath DJ-UBS Commodity Index TotalReturn ETN (DJP)で、2011年５月末の時価総額は約30億ドルです。なお、時価総額上位５位銘柄は次のとおりです。

 

 

米国における代表的なＥＴＮのブランドとしては、バークレイズ銀行のiPathとドイツ銀行のPowerSharesが挙げられます。また、ＥＴＮの市場シェアを発行会社別にみると、2011年５月末現在では、バークレイズ銀行が過半数を占め、JPモルガン、Swedish Export Credit、ドイツ銀行と続いています。

 

出所：National Stock Exchange

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