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みんかぶニュース コラム 10日の株式相場見通し=反発、欧米株高続き買い戻し誘う  10日の東京株式市場は主力株中心に幅広く買い戻す動きが強まり、日経平均株価は大幅反発し3万8000円台半ばまで水準を切り上げる展開も想定される。前日は欧州株市場で主要国の株価指数が上昇基調を継続し、独DAXや英FTSE100はいずれも5連騰で連日の最高値更新とリスクオンの流れが鮮明。注目された英中銀の金融政策委員会の結果は政策金利を据え置いたものの、ベイリーBOE総裁のコメントなどを受け早晩利下げに動くとの見方が強まった。また、米国株市場でも景気敏感株を中心に物色意欲は旺盛でNYダウは7連騰と気を吐いた。この日に発表された週間の新規失業保険申請件数が事前予想を上回り、労働需給の緩和が意識されるなかFRBによる年内利下げへの期待が全体相場を押し上げる格好となっている。投資マインドが強気に傾くなか、ダウは直近7営業日で1500ドル以上も水準を切り上げた。こうした欧米株市場の強い動きを引き継いで、きょうの東京市場でもリスク選好の地合いが予想される。ただ、米株市場ではエヌビディア<NVDA>やマイクロンテクノロジー<MU>など半導体関連株が冴えず、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は反落となったことで、半導体セクターには風向きが悪く、日経平均の上値を重くする可能性もある。  9日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比331ドル37セント高の3万9387ドル76セントと7日続伸。ナスダック総合株価指数は同43.509ポイント高の1万6346.265だった。  日程面では、きょうは株価指数オプション5月物の特別清算指数(オプションSQ)算出日。このほか、3月の家計調査、3月の国際収支、4月の貸出・預金動向、4月の景気ウォッチャー調査など。海外では5月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・速報値)、4月の米財政収支など。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/10 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=世界を俯瞰しながら日本株を考える  きょう(9日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比128円安の3万8073円と続落。大型連休明けとなった今週は上下に激しく揺さぶられたが、結局のところは材料不在、週末のオプションSQ算出をにらんだ先物を絡めた仕掛け、というのが実体のようだ。きょうは後半に売り込まれたものの、TOPIXはしっかりプラス圏で着地し値上がり銘柄数が全体の65%を占めた。後場の崩れ足を過度に悲観すると間違える可能性がある。  市場関係者の声を聞いても強気と弱気が入り乱れている状況で、しかもいずれも決定的な根拠に乏しい。それだけ先が見えにくい相場環境といえる。ひとつ確かなことは、年初からの急騰を目の当たりに一時は「新NISA特需」を囃し今後も下値を切り上げる相場が続くというイメージがあったが、これは修正を余儀なくされたということ。一本調子とはいかないまでも「とりあえず4万円台固め」を経て、次のステージつまり年内5万円大台を目指すというシナリオは希薄化した。ネット証券大手の話では、4月に入ってからNISAの口座数が今年に入って初めて減少に転じたという。決して悪い意味で言うのではなく、“夢から醒めた”というのが現在地なのかもしれない。実際問題、今は近くて遠い4万円大台ラインをいつ、どういう形で跨いで行くのか、ということが現実的な関心事となっている。  世界を俯瞰すれば相場は決して弱くはない。欧州株式市場ではここまで英国FTSE100が最高値街道を邁進中だったが、直近は独DAXも遂に史上最高値圏に回帰した。年内の利下げ有るや無しやで一喜一憂する米国株市場とは異なり、欧州市場はECBが6月利下げに動く可能性がかなり高いとみられており、流動性相場復活への期待が募る。  一方、アジア市場に目を向ければ、不動産バブル崩壊でリスキーな経済環境が喧伝されていた中国・上海株の戻り足が鮮明だ。香港ハンセン指数もこれに歩調を合わせてにわかに上値指向に弾みがついている。ついこの間まで中国からの投資資金退避(流出)の観測がメディアを賑わしていた。少々の景気指標の改善で、潮の流れが劇的に変わるとも思えないが、もしそれが根拠であるとしたなら、中国株凋落のシナリオを底値圏で喧伝したメディアの先見性のなさは罪深いものとなる。  個別株は決算発表が佳境を迎えつつある。社数的にはあす10日をピークに来週半ばまでに集中的に開示され、15日でほぼ終了形となる。決算跨ぎで株を保有するのはなるべく避けた方が無難だが、好決算を発表した銘柄の中から日柄とチャートを吟味して改めて投資対象を選別していくというのは有効な作戦である。好実態株はそれが表面化した時に過剰に買われる傾向があるが、それが一巡した後に調整を入れても大半は下値切り上げ波動を維持しているケースが多く、いわば「買いの目印」がついたような状態となる。  例えば、工業炉トップの中外炉工業<1964.T>の業績は好調を極めており、4月末に発表した25年3月期の営業利益は前期比74%増益予想で、配当も前期実績から20円増配となる100円を見込む。PER・PBRともに割安感があり、7日に3545円の高値をつけた後に調整を入れているが、そろそろ狙い場が近づいているように見える。全固体電池関連としてのテーマ性も内包しておりチェックしておきたい。また、九州電との関係密接で存在感を示す正興電機製作所<6653.T>も好チャート。24年12月期は大幅増収増益で売上高・経常利益ともに過去最高を更新する見通しだが、株価面では最高値が21年2月の2615円で時価とかなりのギャップがある。このほか、好決算発表組で押し目買い妙味のある銘柄としては、航空機などのオペレーティング・リースを手掛けるジャパンインベストメントアドバイザー<7172.T>や中古車クレジットや自動車保証などを主力展開するプレミアグループ<7199.T>。また、SNSでの炎上対応などネットセキュリティービジネスを展開するエルテス<3967.T>の底値離脱を先取りする作戦も面白そうだ。  あすは、株価指数オプション5月物の特別清算指数(オプションSQ)算出日。このほか、3月の家計調査、3月の国際収支、4月の貸出・預金動向などが朝方取引開始前に開示されるほか、午前中に3カ月物国庫短期証券の入札、30年物国債の入札が予定されている。午後取引時間中には4月の景気ウォッチャー調査が開示される。海外では5月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・速報値)、4月の米財政収支など。インドネシア市場は休場となる。国内主要企業の決算発表では、資生堂<4911.T>、オリンパス<7733.T>、東京エレクトロン<8035.T>、三井不動産<8801.T>、NTT<9432.T>などが予定されている。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/09 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=ガイシ、DS事業が今期業績を牽引  日本ガイシ<5333.T>は4月26日、25年3月期通期の連結業績予想を公表。経常利益は前期比12.6%増の710億円を見込み、年間配当は前期比10円増配の60円を計画している。  自動車関連は前期並みとなりそうだが、デジタルソサエティ(DS)事業が好業績を牽引する見通し。具体的には半導体製造装置用製品が半導体需給バランスの改善に伴って徐々に需要が回復するとみられるほか、電子デバイスではハードディスクドライブ(HDD)用圧電素子や水晶向けセラミックパッケージの在庫調整が進んでいることから今後の巻き返しが期待される。  株価は4月26日に年初来高値2188円をつけたあと一服商状となっているが、日足チャートでは25日線や75日線が上昇基調を維持。PERやPBRといった指標面に割高感はなく、押し目は積極的に狙ってみたい。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/09 10:00 みんかぶニュース コラム 9日の株式相場見通し=買い優勢か、欧州株高と強調続くNYダウに追随  9日の東京株式市場は強弱観対立のなかも押し目買いの動きが勝り、日経平均株価は反発する可能性が高そうだ。前日の欧州株市場は高安まちまちも独、仏、英など主要国の株価指数は総じて頑強な値動きを継続しており、独DAXと英FTSE100は揃って史上最高値を更新した。米国株市場でもNYダウが6日続伸と上値指向を継続し、3万9000ドル大台を約1カ月ぶりに回復した。FRBによる年内利下げ実施の思惑が再燃しており、これを拠りどころとした株式の相対的な割高感の後退が、投資家のセンチメントを強気に傾けている。この日はFRB高官がインフレ目標の達成には想定していたよりも時間を要するとの見解を示したが、これを特に嫌気する動きは見られなかった。ただ、景気敏感株やディフェンシブストックは買われたものの、米長期金利が強含みで推移したこともあってハイテク株は冴えない値動きをみせるものも目立ち、ナスダック総合株価指数は小幅ながら続落している。東京市場では前日に日経平均株価が先物主導で売り込まれ630円あまりの急落をみせたが、きょうは欧米株市場が強い動きをみせたことで安心感が広がり押し目買いを誘導しそうだ。足もと外国為替市場では円安方向に振れており、輸出セクターには追い風となりやすい。一方、英半導体設計のアーム<ARM>が決算発表後に時間外で大きく株価を下げており、これは半導体関連には逆風で全体指数の上値を押さえる可能性もある。  8日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比172ドル13セント高の3万9056ドル39セントと6日続伸。ナスダック総合株価指数は同29.799ポイント安の1万6302.756だった。  日程面では、きょうは3月の毎月勤労統計、4月上中旬の貿易統計、日銀金融政策決定会合の主な意見(4月25~26日開催分)、4月のオフィス空室率、3月の景気動向指数速報値など。海外では4月の中国貿易統計、1~3月期フィリピンGDP、マレーシア中銀、ポーランド中銀、メキシコ中銀などが政策金利を発表、イングランド銀行(英中銀)の金融政策委員会の結果発表と議事録開示など。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/09 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=再びの上昇気流「AI関連株」リベンジ  きょう(8日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比632円安の3万8202円と急反落。大型連休明けに広範囲に買い戻されヤレヤレ感が漂ったのも束の間、きょうは前日の上げ幅を帳消しにする大幅安に見舞われ、今の相場の不安定さが浮き彫りとなった。何よりも米長期金利が低下しているのに、外国為替市場ではドル買い・円売り圧力が強まり、今度は円安に振れているにもかかわらず、株式市場ではハイテク株が売り一色となるなど、セオリー無視の流れに警鐘を鳴らす市場関係者もいる。為替も株も狂った計器を想起させる相場つきで、何やら風雲急を告げているように見えなくもない。  きょうは午後1時55分のトヨタ自動車<7203.T>の決算発表にマーケットの視線が集中した。端的に言えばポイントは25年3月期業績のガイダンスだったが、案の定というべきか市場コンセンサスから大幅に下振れた。しかし、保守的な予想は半ば想定されたことで、想定為替が実勢よりかなり厳しめの設定であり、これは業績上振れ要因として作用する。もう一つのカギは株主還元だったが、こちらは期待にたがわず最大1兆円の自社株買いを発表。もし全体相場が凪状態ならばトヨタの株価は大幅高していた可能性がある。結局は地合い悪に流され小安く引けたものの、決算イベント自体は勝ち名乗りを上げたに等しい。  足もと油断のならない相場だが、決算発表期を通過すればテーマ買いの動きが再燃する可能性を念頭に置いておきたい。投資テーマとしては、やはりデータセンターの増設需要の源泉ともなっている生成AI周辺から目が離せない。もはやAIは“諸刃の剣”であることが世界的に強く認知されており、日本でも岸田政権がAI開発の国内外の大規模事業者を対象に法規制を検討する方向にあることが伝わっている。今月中に開く政府の「AI戦略会議」で、法規制導入や想定される具体策について議論する方向という。これは、それだけAIが持つ両刃の不都合な側の切れ味に人類は身構えるよりなくなった状況を意味し、逆に言えば色褪せることがないテーマ性を担保していることになる。  決算発表イベントに邪魔されない銘柄の中からAI関連の有力株を探してみると、例えば圧倒的に不足するAI/DX人材の育成で実力を発揮し、加速度的に売上高を拡大させるアイデミー<5577.T>のリベンジ相場に期待。株価は大底圏で売り物を枯らし動き出せば足は軽そうだ。また、AI技術を駆使してソリューション開発及び運用を手掛けるpluszero<5132.T>もマークしておきたい銘柄。こちらもトップラインの伸びが著しく、25年10月期以降は利益面でも飛躍期突入の可能性がある。株価は2200~2300円(分割後株価)のゾーンで売り物をこなし再浮上の機をうかがう。  このほか、クラウド導入支援ビジネスを展開し大企業との取引実績も豊富なテラスカイ<3915.T>も要マークだ。25年2月期営業利益は前期比73%増の9億500万円予想と目を見張る伸びで一気に過去最高を更新する見通し。NTTデータグループ<9613.T>との資本・業務提携で業容拡大の道筋が見え、グッと輝きを増している。同社はセールスフォース<CRM>の顧客を対象に生成AIによって社内情報を検索し情報漏洩リスクも少ない「ミトコAI」で需要を開拓している。  これ以外では株価が既に動兆著しいが、生体認証・画像解析・マシンラーニング技術を活用したオンライン認証ソリューションを展開するELEMENTS<5246.T>に着目。また、医薬、法務、財務など専門性の高い分野でAIを活用した自動翻訳サービスを手掛けるメタリアル<6182.T>などもソーサーボトム形成から立ち上がりの初動にあり、チェックしておいて損はない。番外として、来週15日に24年12月期第1四半期決算発表を控えている銘柄だが、にわかにチャートに生気が戻ってきたAVILEN<5591.T>を挙げておきたい。前出のアイデミーと同業で、時流に乗るビジネスモデルが中期的な上値の可能性を示す。  あすのスケジュールでは、3月の毎月勤労統計、4月上中旬の貿易統計、日銀金融政策決定会合の主な意見(4月25~26日開催分)、4月のオフィス空室率、3月の景気動向指数速報値などが発表される。海外では4月の中国貿易統計、1~3月期フィリピンGDPのほか、マレーシア中銀、インドネシア中銀、ポーランド中銀、メキシコ中銀などが政策金利を発表。また、イングランド銀行(英中銀)が金融政策委員会の結果と議事録を開示する。米国では週間の新規失業保険申請件数が注目され、米30年債の入札も行われる。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/08 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=JINSHD、会社の修正計画は保守的  ジンズホールディングス<3046.T>は、上期決算と同時に24年8月期通期の最終利益予想を下方修正し、これを受けて株価は大きく下落したが、修正計画は保守的との見方が強い。今後、国内売り上げの回復基調確認で株価も反転攻勢が期待でき、時価水準は下値買いの好機だろう。  同社は「JINS」ブランドを展開するアイウェア(眼鏡)製造・販売会社。4月12日に発表した第2四半期累計(23年9月~24年2月)連結決算は、中国事業の苦戦から売上高は従来予想の385億円を下回る380億1800万円(前年同期比10.0%増)を計上。一方で主に国内アイウェア事業で広告宣伝費や業務委託費を抑制した効果により、営業利益は18億4000万円の計画に対して25億6300万円(同69.9%増)となった。  上期決算の発表にあわせて同社では、国内で店舗従業員の待遇改善による人件費増加などを理由に通期最終利益予想を31億円から29億円(前期比64.6%増)へ引き下げた。ただ、販促や接客の強化により有料オプションレンズの装着率が上がり、眼鏡一式単価が上昇していることや、下期の既存店売上高前提4.6%増に対して4月は5.5%増と想定を上回っていることなどを考慮すると計画上振れの可能性は十分で、会社計画の通期営業利益予想55億円(前期比13.5%増)に対して、65億円を見込む調査機関もある。上方修正期待が高まれば、株価の見直しも進みそうだ。(仁) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/08 10:00 みんかぶニュース コラム 8日の株式相場見通し=売り優勢、米株上昇一服受け利食い誘発  8日の東京株式市場は強弱観対立のなかもやや売り優勢の地合いとなり、日経平均株価は下値を探る動きとなりそうだ。前日の米国株市場ではNYダウが5日続伸も小幅の上昇にとどまり、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数はわずかながら4日ぶりに反落して引けた。前週から急速に戻り足をみせていた米株市場だが、足もと上昇一服感をみせている。週明けのマーケットはFRBによる早期利下げ期待が再燃していることを背景に下値抵抗力を発揮したものの、目先高値警戒感から利益確定を急ぐ動きが上値を押さえ、主要株価指数は揃って狭いゾーンでもみ合う展開となった。決算発表を受けてウォルト・ディズニー<DIS>が9.5%安と急落したことが市場センチメントを冷やす要因となっている。東京市場では大型連休明けとなった前日に、日経平均株価が先物主導で急伸をみせ、3万8800円台まで一気に水準を切り上げたが、きょうは米株市場が様子見ムードとなったことを受け、一段と上値を買い進む動きは見込みにくい。取引時間中はここ乱高下している外国為替市場の動向に左右される場面も想定される。個別にはトヨタ自動車<7203.T>の決算発表に投資家の視線が向いやすく、投資マインドにも影響を与えそうだ。  7日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比31ドル99セント高の3万8884ドル26セントと5日続伸。ナスダック総合株価指数は同16.690ポイント安の1万6332.555だった。  日程面では、きょうは10年物国債の入札、4月の輸入車販売、4月の車名別新車販売、4月の軽自動車販売など。海外ではスウェーデン中銀、ブラジル中銀などが政策金利を発表。このほか3月の米卸売在庫・売上高、米10年国債の入札など。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/08 08:01 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=「データセンター関連」5月再噴火の兆候  4連休明けとなった7日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比599円高の3万8835円と急反発。5月といえば「セル・イン・メイ」の格言もあり、大型連休明けの相場に警戒ムードは確かにあった。実際、4月下旬には為替市場で1ドル=160円台に乗せる急激な円安を不穏視する向きもあったが、当局の円買い介入で歯止めがかかった。その後は荒い値動きながら152~155円のゾーンの往来となっており、この水準の上下動なら株式市場に与える影響として少なくともネガティブには作用していない。  24年3月期の企業業績はここまで総じて好調なものが目立っている。その反動で25年3月期は慎重な数字を出す企業が多いのは、日本の企業文化的な要素を理解したうえで悲観的に見る必要はない。ここからドル安・円高が加速するような場面があれば、それは株式に投資する側も仕切り直す必要があるが、1ドル=150円台前半のゾーンはいわばゴルディロックス的な心地良さがあり、リスクオンの側に針が振れやすい状況といえる。  また東京市場が休場の間、前週末に発表された4月の米雇用統計の結果もショート筋にはボディーブローのように利いている。米国でのインフレ警戒感は根強く、年内は利下げなしという見方がマーケットを揺るがしたが、それを大方織り込みつつあったところで、今度は事前想定を下回る雇用者数の増加や賃金の伸びが明らかとなった。これにハト派的姿勢を印象づけるパウエルFRB議長のイメージが重なり9月利下げ期待が再燃、しかも年内2回の利下げシナリオがメインストリートに躍り出て、ショートを積み上げていた向きが慌てて買い戻すという流れとなった。これから先もFRBの金融政策に対するコンセンサスは二転三転することが予想されるが、一瞬にして利下げの有る無しが入れ替わるほど地に足がついていない代物であることを認識し、これに振り回されないようにすべき。いみじくもそれを今回の米雇用統計が教えてくれた。  個別株は決算発表のピーク突入を目前になかなか手を出しにくい場面にある。決算跨ぎの銘柄を確信犯で狙うのであれば、それはそれで否定できないが、決算発表はいわゆるノイズであって、銘柄観に自信があればこそノイズに晒されるタイミングに敢えて買いを入れる必然性には乏しい。過去10年を振り返って、日経平均の月足で5月は高かったケースが8回つまり8勝2敗で、6月も6勝4敗であるから、「セル・イン・メイ」はアノマリー的に信憑性がそれほど高くはないことが分かる。ただ、5月の決算発表を跨ぐ前にいったんキャッシュポジションを高めておくのは、投資する側の知恵として有効性が高い。  日経先物主導の上昇は個別株の物色意欲とは合致しないが、きょうの地合いについて言えばテーマ買い復活の兆候も見られる。日経平均寄与度の高い半導体関連株への買い戻しとは別に、4月10日の当欄でも取り上げた「データセンター関連株」が繚乱のごとく返り咲きの様相をみせた。米アップル<AAPL>がデータセンター向けに独自のAI用半導体開発に取り組んでいると米ウォール・ストリート・ジャーナルが報じたことが導火線となったもようだが、株価的に休養十分のさくらインターネット<3778.T>が急動意、決算発表を通過したブロードバンドタワー<3776.T>はストップ高に買われる人気となった。本来であればさくらケーシーエス<4761.T>なども大立ち回りをみせておかしくないが、来週13日に決算発表を控えているだけに、買い方も腰が引ける。もっとも、決算発表期を通過した5月後半相場でデータセンター関連株は改めて要マークとなる公算は大きい。  このほか、決算発表済みの銘柄の中からチェックしておきたい銘柄を挙げると独立系ソフトウェア会社のアイ・エス・ビー<9702.T>はPER10倍で配当利回り3.2%台。バリュー株ではPBR0.4倍台の日本鋳鉄管<5612.T>も意外性を内包している。  あすのスケジュールでは、10年物国債の入札が午前中に行われるほか、4月の輸入車販売、4月の車名別新車販売、4月の軽自動車販売などが発表される。海外ではスウェーデン中銀、ブラジル中銀などが政策金利を発表。また、米国では3月の卸売在庫・売上高が開示され、米10年国債の入札も行われる。国内主要企業の決算発表ではトヨタ自動車<7203.T>、三菱重工業<7011.T>、ローム<6963.T>、伊藤忠商事<8001.T>、日本郵船<9101.T>などが予定されている。海外ではアーム・ホールディングス<ARM>の決算に市場の関心が高い。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/07 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=良品計画、今期最終5割増益で押し目買い妙味  良品計画<7453.T>に妙味がある。25日移動平均線とほぼ同水準まで調整を入れた時価近辺は押し目買いのタイミングと判断したい。「無印良品」で抜群の認知度を誇るが、24年8月期業績はスキンケア製品や生活雑貨が牽引役を担い、商品値上げ効果も反映され極めて好調だ。売上高が前期比10%増の6400億円と過去最高を更新予想、最終利益も同50%増の330億円予想と急拡大し、ピーク利益に肉薄する見込み。  同社は海外売上比率が4割を占めるが、中国や東南アジアでの積極的な店舗展開が功を奏し業容拡大が続いている。また、足もと外国為替市場で円高傾向にあることも、海外生産比率の高い同社にとってはプラス要因となる。年間配当は40円配を続けており、配当利回りにして1.6%前後と高くはないが、株主に「無印良品」の割引が適用される優待カードをもれなく贈呈(年2回)していることはポイントとなる。株価は4月15日につけた年初来高値2599円を通過点に3000円大台を目指す強調展開が期待される。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/07 10:00 みんかぶニュース コラム 7日の株式相場見通し=大幅反発、米株高受け投資家心理改善  7日の東京株式市場は主力株中心に広範囲に買いが広がり、日経平均株価は大幅反発し3万8000円台後半に水準を切り上げる展開が想定される。きょうは大型連休明けとなるが、この間に欧米株市場が上値指向を強め、とりわけ米国株市場ではハイテク株をはじめ買いに弾みがつき、NYダウは前日まで4日続伸し合計1000ドル以上の上昇、ナスダック総合株価指数も3日続伸で合計740ポイントあまりの急伸をみせた。前週末発表された4月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数の増加幅や賃金の伸びが事前の予想を下回り、FRBによるタカ派的政策への過度な警戒感が和らいだ。米長期金利が低下基調を強めるなか、株式の相対的な割高感が緩和され、景気敏感株やグロース(成長)株などに物色の矛先が向いている。週明けには取引時間中にイスラム組織ハマスがイスラエルとの休戦を受け入れると伝わったことも、原油先物価格の下落とともに投資家心理を強気に傾ける背景となった。外国為替市場では荒い値動きとなっているが、急速に円高に振れた後はドルが買い戻され円安方向に押し戻されており、輸出セクターへのマイナス影響も限られそうだ。国内企業の決算発表もここまで総じて好調で、好業績銘柄を中心に全体相場を押し上げる地合いが想定される。  6日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比176ドル59セント高の3万8852ドル27セントと4日続伸。ナスダック総合株価指数は同192.917ポイント高の1万6349.245だった。  日程面では、きょうは5月の日銀当座預金増減要因など。海外では豪中銀の政策金利発表、3月のユーロ圏小売売上高、3月の米消費者信用残高など。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/07 08:00 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=日本企業決算の佳境入りで反発狙えるか  2日の東京市場は、日経平均株価が一時300円を超す下落となる場面もあったが、売り一巡後は値を戻し、結局前日比37円安で引けた。市場の関心を集めた米連邦公開市場委員会(FOMC)は、政策金利は予想通り据え置きだった。注目のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見では、追加利上げに関して「可能性が高いとは思わない」と発言。懸念されたタカ派姿勢はみられず、1日のNYダウは87ドル高で取引を終えた。  むしろ、2日の東京市場に対して直接的な影響が大きかったのはAMD<AMD>の急落などで米半導体株が下落したことだった。しかし、東京エレクトロン<8035.T>やレーザーテック<6920.T>も朝安後はプラス圏に切り返した。このため、株式市場は大きな波乱はなく、話題は為替介入の観測が強まるなか急激な円高に振れた為替市場に集中した。とはいえ「米インフレ懸念は依然として根強く警戒は怠れない」(市場関係者)との見方は強く、6月11~12日の次回FOMCに向けて要注意の姿勢は続きそうだ。  東京市場は明日からゴールデンウイーク後半の4連休に突入するが、明日3日には米4月雇用統計が発表される。また、5月月内では15日の米4月消費者物価指数(CPI)などが注目されそうだ。また、経済指標以外では22日のエヌビディア<NVDA>決算を視野に半導体関連株は神経質な値動きが続く展開も予想される。  そんななか、来週は日本では決算発表が佳境を迎え、週末10日には700社前後が予定されている。なかでも、8日にはトヨタ自動車<7203.T>が場中に決算発表を行うほか、9日には日本製鉄<5401.T>、10日には東エレクといった主力銘柄の発表が予定されている。24年3月期の業績に関しては業績の上振れが目立つとも伝わっているが、25年3月期見通しに対して市場がどんな反応を示すかが焦点となる。  上記以外のスケジュールでは、海外では9日に中国4月貿易収支、10日に米5月ミシガン大学消費者マインド指数が発表される。7日にウォルト・ディズニー<DIS>、8日にアームホールディングス<ARM>の決算発表がある。国内では、9日に4月開催分の日銀金融政策決定会合の「主な意見」、10日に4月景気ウォッチャー調査が公表される。決算発表では7日に任天堂<7974.T>、JFEホールディングス<5411.T>、川崎汽船<9107.T>、8日に伊藤忠商事<8001.T>、三菱重工業<7011.T>、オムロン<6645.T>、9日にパナソニック ホールディングス<6752.T>、日産自動車<7201.T>、住友金属鉱山<5713.T>、10日に三井不動産<8801.T>、ホンダ<7267.T>、アシックス<7936.T>などが予定されている。来週の日経平均株価の予想レンジは3万7600~3万8600円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/02 17:21 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=note、コストマネジメント強化で赤字幅は縮小傾向  note<5243.T>は、クリエイターがユーザーとコミュニケーションをとりながらデジタルコンテンツを創作・公開・販売できるプラットフォーム「note」を運営。また、法人向け情報発信SaaS「note pro」なども展開している。  4月10日に発表した24年11月期第1四半期の連結決算は、主力の「note」事業が堅調だったことから売上高は8億400万円(今期から連結決算に移行したため前年同期との比較なし)で着地。営業損益は700万円の赤字となったが、コストマネジメントの強化で前期の第3四半期(5300万円の赤字)及び第4四半期(1600万円の赤字)から改善している。  株価は4月11日に年初来安値495円をつけ、その後は持ち直す動き。日足チャートでは25日移動平均線と75日移動平均線とのゴールデンクロスが目前で、戻りを試す展開に期待したい。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/02 10:00 みんかぶニュース コラム 2日の株式相場見通し=続落、急速な円高受けリスクオフの地合いに  2日の東京株式市場はハイテク株中心に売りに押される展開が予想され、日経平均株価は続落する公算が大きい。前日の米国株市場では主要株価指数が高安まちまちの展開となり、NYダウは小幅反発したものの、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は取引終了間際にマイナス圏に沈み小安く引けている。いずれも取引終盤に急激な上下動をみせた。注目されたFOMCでは事前の予想通り6会合連続の政策金利据え置きを決めたほか、これと合わせて量的引き締め(QT)の減速方針も決定した。会合後のパウエルFRB議長の記者会見では、インフレの沈静化には時間がかかるとの認識を示し早期利下げの可能性を否定する一方、「次の政策金利の変更が利上げになる可能性は低い」と発言し、マーケットには安心感が広がった。NYダウは一時500ドルを超える急騰をみせたが、その後は急速に値を消すなど荒れた値動きをみせている。一方、外国為替市場ではドル売り・円買いの動きが加速、一時1ドル=153円台前半まで円高に振れる波乱含みの展開に。きょうの東京市場ではこの円高が警戒材料となり、ハイテク株など輸出セクター中心に売り優勢の地合いを強いられる可能性が高い。日経平均は為替の動向を横にらみに不安定な値動きを強いられ、3万8000円台を割り込む場面もありそうだ。  1日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比87ドル37セント高の3万7903ドル29セントと反発。ナスダック総合株価指数は同52.341ポイント安の1万5605.481だった。  日程面では、きょうは日銀金融政策決定会合の議事要旨(3月18~19日開催分)、4月のマネタリーベース、4月の消費動向調査など。海外では3月の米貿易収支、3月の米製造業受注など。中国市場は休場。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/02 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=レーザーテックの咆哮が響き渡る  名実ともに5月相場入りとなった1日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比131円安の3万8274円と反落。前日の欧州株が全面安で、米国株市場でもNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに大幅安となり、きょうは3万8000円台割れがあっても不思議はなかった。だが思いのほか底堅く、後場は日経平均がプラス圏に浮上する場面すらあった。後場寄りから先物主導の戻り足となったが、市場筋によると「FOMC会合後のパウエルFRB議長の記者会見が想定よりもハト派に傾斜するとの観測が一部にあり、先物にショート筋の手仕舞いが反映された」(ネット証券アナリスト)という。早期利下げ期待は雲散霧消した状態だが、こうなると今度は売り方が疑心暗鬼となりやすい。もちろん、今晩の米国株はFOMC後のガイダンスを嫌気して波乱安となる可能性もあり、フタを開けて見なければ分からない。ただ、眼前にあるハードルはかなり低くなった。  売り方の疑心暗鬼といえば、その縮図のようなメカニズムが3連休明けとなった前日のソシオネクスト<6526.T>の値動き。前週末に発表された今期の低調な業績見通しにもかかわらず、貸株市場を通じた空売り筋の買い戻しが利いて想定外の上昇を演じ、マーケット関係者の耳目を驚かせた。前週末引け後のPTSの同社株の値動きを見る限り、3連休明けの取引でも急落決定のムードだったが、実際は真逆のベクトルが働いた。全上場企業の中で売買代金トップとなり9%高の大立ち回り。何が流れを変えたかといえば、連休中の欧米株の強さが挙げられるが、それは結果論であって、本質は“売り方の焦り”であったかと思われる。下がって当たり前の局面であるからこそ早く回収したい(買い戻したい)のだが、それに見合った売り板が朝方の投げ売り一巡で消滅してしまった。こうなると黙っていても株価には浮揚力が働く。「株は需給」といわれる所以(ゆえん)である。  そして東京市場において、きのうの主役がソシオなら、きょうの主役は紛れもなくレーザーテック<6920.T>であった。前日こそ売買代金トップの座をソシオに譲ったとはいえ、長きにわたって売買代金首位といえばレーザーテクの“定位置”である。きょうは、それに輪をかけて巨額の投資マネーが錯綜し、同社株1銘柄で6400億円を超える売買代金をこなした。ちなみにこの日、グロース市場に上場する全銘柄の売買代金を合計しても1000億円に届いていない。  売買代金だけでなくレーザーテクの株価は砂塵を巻き上げ突き進む重戦車のごとし、一時6000円超の上昇、率にして18%近い急騰をみせ一気に4万円台に乗せる場面もあった。同社株は日経平均の構成比では上位10傑にも遠く及ばないが、この日は日経平均寄与度で群を抜き、1銘柄で約70円近く押し上げるスーパー・パフォーマーと化した。   躍動の背景となったのは前日の取引終了後に発表した24年6月期第3四半期(23年7月~24年3月)決算で売上高が1572億円、営業利益が581億円といずれも前年同期比でほぼ倍増という変貌を遂げた。加えて1~3月期の受注高も前年同期比2.3倍の763億円と高水準に積み上がっており、生成AI市場拡大がもたらした先端半導体・AI用半導体需要の凄まじさを投資家の脳裏に焼き付けた。半導体関連株の業績は跛行色こそあるものの、2ナノプロセスの最先端半導体分野など成長スポットに足を踏み入れている銘柄であれば、その将来性は「顔パス」で担保されるようなところがある。レーザーテクはその象徴。AI用半導体(HBM)やその高集積化プロセスで必須のEUV露光など、マスクブランクス検査装置世界シェア100%の実力が改めて認知されつつある。  この今回のレーザーテクの好決算と同じフィールドに展開するAI用半導体関連の銘柄を探してみる。EUVレジスト原料を手掛ける大阪有機化学工業<4187.T>、HBM向け高誘電材料の製造で一頭地を抜くトリケミカル研究所<4369.T>、HBM用封止装置で独自技術を開花させるTOWA<6315.T>などが挙げられる。今すぐに結果が出なくでも、あくまで将来性という観点から押し目買いの有力対象となり得る。   あすのスケジュールでは、日銀金融政策決定会合の議事要旨(3月18~19日開催分)にマーケットの関心が高い。また、朝方取引開始前に4月のマネタリーベースが開示されるほか、午後取引時間中には4月の消費動向調査が発表される。海外では3月の米貿易収支、3月の米製造業受注などが注目されている。中国市場は休場。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/01 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=シルバライフ、内製化によるコストダウン進む  シルバーライフ<9262.T>は2月15日につけた年初来安値801円を底に株価は出直り歩調にあったが、直近では上げ一服となっている。ただ、高齢化社会の進展を背景に業績拡大期待は根強く、ここは拾い場と考えたい。  同社は高齢者向け配食サービスのFC運営や調理済み食材の販売を行うほか、冷凍弁当の自社販売及びOEM販売を展開する。高齢者施設向けは、施設の慢性的な人手不足を背景に、安価で便利な完全調理済みの冷凍食材の需要が増加。3月に発表した第2四半期累計(23年8月~24年1月)単独決算は、営業利益4億9000万円(前年同期比17.6%増)と2ケタ増益となった。  足もとで内製化によるコストダウンが進んでいることに要注目で、3月末に新たな機器を導入し、4月末からは内製化率が従来の60%から80%まで上昇する見込み。また、5月以降は物流の一元集約も開始されるほか、カット野菜の内製化もスタートする。順調なコストダウンを裏付けに2月から冷凍弁当を10~15%値下げしており、価格優位性を高めることで拡販姿勢を強めている。  24年7月期通期業績予想は、冷凍弁当の拡販効果などに加えて、生産・物流体制の整備、人員の適正配置、コストコントロールなどで営業利益7億6000万円(前期比13.4%増)を見込む。ただ、上期の進捗状況から保守的との見方も強く、調査機関では24年7月期営業利益8億円、25年7月期同10億円を見込むところもある。(温羅) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/01 10:00 みんかぶニュース コラム 1日の株式相場見通し=売り優勢、米株大幅安でリスク回避ムードに  1日の東京株式市場は主力株をはじめ幅広い銘柄に売りが優勢の地合いとなりそうだ。前日の欧州株市場で主要国の株価指数がほぼ全面安に売り込まれたほか、米国株市場ではNYダウが3日ぶりに大幅反落、インフレに対する根強い懸念を背景に景気敏感株や大手IT株など総じてリスク回避ムード一色となるなか、570ドルあまりの下げに見舞われた。また、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数はダウを上回る2%強の下げとなり、両指数ともほぼ安値引けとなっている。この日に発表された1~3月期の米雇用コスト指数が事前コンセンサスを上回り、インフレ長期化が懸念された。FRBによる利下げ期待が一段と後退し、米長期金利が上昇したことで株式の相対的な割高感が意識された。一方で、同日発表の4月の米消費者信頼感指数は予想を下回る内容で消費意欲の停滞を暗示、スタグフレーション的な環境が投資マインドを冷やしている。これを受けて東京市場でもリスクオフの流れが波及し、日経平均は3万8000円大台攻防の展開となることも予想される。米FOMCの結果発表とパウエルFRB議長の記者会見を日本時間あす未明に控え、この内容を見極めたいとの思惑が買い手控えムードを助長しそうだ。ただ、個別株の物色意欲は失われておらず、決算発表を背景に好業績株はピンポイントで物色される地合いが想定され、全体指数を下支えする可能性もある。  30日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比570ドル17セント安の3万7815ドル92セントと3日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同325.262ポイント安の1万5657.822だった。  日程面では、FOMCの結果発表とパウエルFRB議長の記者会見にマーケットの関心が高い。このほか、4月のADP全米雇用リポート、4月の米ISM製造業景況感指数、3月の雇用動態調査(JOLTS求人件数)など。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/01 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=ソシオの踏み上げ相場が流れ変えるか  3連休明けとなった30日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比470円高の3万8405円と大幅続伸。前週末は反発したものの、引け後のソシオネクスト<6526.T>やアドバンテスト<6857.T>などの決算発表を受けて重苦しい空気が漂っていた。しかし、世界を見渡すとリスクオフとは決して言えない状況にある。アジア株市場では香港ハンセン指数や上海総合指数、シンガポールST指数などいずれも強い動きを継続、更に欧州でも英FTSE100が史上最高値を連日更新するなど、むしろ株高局面を満喫している。年初からの日本株の急騰パフォーマンスが際立ったが、4月はその裏返しで日本株が勢いを失う時間帯に移行した。であるならば、弱気相場は時の流れこそが何よりの特効薬で、再び浮揚力が働く場面が訪れる。今はその時をイメージして、じっくりとディスカウントされた銘柄の中から、リベンジできる候補を選りすぐっていく。これは投資家にとって好機にほかならないが、埋もれている金剛石を拾う作業は、決算発表期を通過してからでも十分に間に合う。  外国為替市場ではドル・円相場がトレーダー泣かせの激動となり、一時は1ドル=160円台に入る強烈な円安に遭遇したのだが、その後は政府・日銀の円買い介入思惑から一気に6円程度も円高方向へと切り返す波乱展開となった。「過去にあまり記憶がないマグニチュード8クラスの縦揺れで、かなりの数のFXトレーダーが退場級の痛手を被った」(ネット証券ストラテジスト)とも指摘される。  これまで介入を匂わせながらも音無しの構えを続け、市場関係者からは“(介入を)するする詐欺”などと揶揄されたが、当局サイドは明言を避けてはいるものの、ようやくにして伝家の宝刀を抜いたもようだ。ただ、円買い介入を行っても日銀の金融政策スタンスが変わらなければ、根本的な円売り圧力を拭い去ることはできない。実際問題、いったんは1ドル=154円台まで円高方向に“弾丸リバウンド”したものの、その後は再び156円台後半から157円をうかがう円安方向に押し戻される動きとなっており、これは、近いうちに改めて投機筋の円売り攻勢が再演される余地を残している。どうしてもハト派路線から飛び立つことのできない植田日銀総裁に対し、挑戦状が突き付けられたような状況が続く。  今週は、あす1日にFOMC後のパウエルFRB議長の記者会見で、利下げの一段の後ずれを確信させるようなコメントが発せられるのかどうかが焦点。現状は、利下げ開始時期が6月から7月に、更に9月にと、あっという間に後ろに押しやられているが、遂に年内利下げシナリオが消えるところまで来ている。極端な円安演出は、日米が同時に金利差縮小とは反対方向の政策路線に向かっていることが要因で、これは日銀のせいばかりではない。  個別株は半導体関連が息を吹き返している。ソシオが前週末26日引け後に発表した24年3月期決算は営業63%増益で計画を大幅に上振れて着地したが、その反動もあって25年3月期の同利益は24%減益見通しとなった。上振れ着地で次期業績を保守的に出すのは、“極めてありがち”なパターン。ソシオの場合、特にその可能性が高いとの見立てで、貸株市場を調達した空売りターゲットとなっていた。ところが、PTSで存分に脅しをかけられた急落シナリオが、きょうの相場では真逆の方向にバイアスがかかった。寄り付きこそ投げ売りに買い戻しをぶつけられたものの、売り板は瞬間蒸発となり、その後はショート筋の自爆的な踏み上げ相場に移行した。売買代金はプライム市場第1位。きょうはソシオの動きが、その他の半導体関連にも活力を与えたといってよい。  とはいえ、今は基本的に決算発表跨ぎの銘柄は避けるべきである。半導体関連で決算発表通過後の銘柄としてマークしておきたいものでは、3月決算期でない銘柄で、オキサイド<6521.T>や巴工業<6309.T>などが挙げられる。また、前週末26日に好決算を発表し、急動意をみせているトクヤマ<4043.T>は押し目買い前提で狙える。PER9倍強で過去最高値は2007年2月につけた1万1500円と天井も高い。  あすのスケジュールでは、国内では特に目立ったイベントは見当たらないが、三井物産<8031.T>、双日<2768.T>など総合商社の決算発表が注目。海外ではFOMCの結果発表とパウエルFRB議長の記者会見にマーケットの関心が高い。また、4月のADP全米雇用リポート、4月の米ISM製造業景況感指数、3月の雇用動態調査(JOLTS求人件数)なども予定。米主要企業の決算発表ではクアルコム<QCOM>に耳目が集まる。 出所:MINKABU PRESS 2024/04/30 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=オルガノ、最先端半導体分野で脚光再び  オルガノ<6368.T>は7000円台のもみ合いから早晩上放れる可能性が高そうだ。総合水処理エンジニアリング企業として、エレクトロニクス産業の幅広いニーズを捉えているが、特に半導体向け純水製造装置で高水準の需要を獲得し業績の飛躍的な伸びに反映させている。  高集積化・微細化の進む半導体洗浄用途で使われる水は、極微の不純物の存在すら許されない文字通り超ハイレベルの純水製造が不可欠となるが、同社はこの分野で屈指の技術力と実績を有している。とりわけ生成AI市場の急速な成長を背景に、世界的に開発競争が加速している2ナノメートルプロセスの最先端半導体分野で、存在感を今後更に高めていくことが予想される。  24年3月期は営業利益段階で前の期比45%増の220億円見通しと大幅な伸びで連続ピーク利益更新が見込まれている。株価は25日移動平均線を絡めた中段もみ合いだが、ここを足場に上値追い局面に移行し、8000円台活躍を視野に入れる可能性も。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/30 10:00 みんかぶニュース コラム 30日の株式相場見通し=続伸、米株高受け3万8000円台回復へ  30日の東京株式市場はリスク選好ムードのなか日経平均株価は続伸し3万8000円台を回復する展開が予想される。3連休明けとなる東京市場だが、この間に米国株市場でNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに続伸しており、半導体関連などを中心にハイテクセクターへの買いも顕著だったことで、この流れが波及する公算が大きそうだ。FRBによる利下げへの期待が剥落していることでここ米株市場は不安定な動きを続けていたが、NYダウは前週末を境に再び買い優勢の地合いに変わり、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は25日移動平均線との下方カイ離をほぼ解消する水準まで戻りを示している。一方、外国為替市場ではドル・円相場が大荒れの展開となり、一時1ドル=160円台までドル高・円安が進んだが、その後政府・日銀による円買い介入の思惑を背景に一気に154円台まで円高方向に押し戻される場面があった。ここ急激な円安の進行を受け、株式市場もこれを好感する動きが薄れていただけに、いったん円安に歯止めがかかったことは安心感につながるが、足もとで上下にボラティリティの高いドル・円相場の値動きが投資マインドに影響を与える可能性もある。今週はあす1日までの日程でFOMCが開催されることで、この結果にマーケットの視線が注がれることになる。  29日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比146ドル43セント高の3万8386ドル09セントと続伸。ナスダック総合株価指数は同55.184ポイント高の1万5983.084だった。  日程面では、きょうは3月の失業率・有効求人倍率、3月の鉱工業生産など。海外では4月の中国製造業・非製造業PMIのほか、米国ではFOMCが5月1日までの日程で開催される。 出所:MINKABU PRESS 2024/04/30 07:59 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=5月「FOMC」経てハイテク株上昇はあるか  4月26日の東京市場で、日経平均株価は一時400円を超える上昇となった。この日の株高の原動力となったのは、日銀金融政策決定会合で「現状維持」が発表されたことだ。もちろん金融政策の据え置きは予想通りの結果だったが、一部から「日銀が国債購入縮小の方法を検討」との報道が流れていたことから、事実上の引き締めへの警戒感が強まっていた。  しかし、日銀の声明文では国債購入縮小には触れられず、月間6兆円程度の買い入れは続く方向性が示された。この発表を受け「金融引き締めに身構えていた投機筋などが一気に円売り・株買いに動いた」(市場関係者)という。これを受け、日経平均株価は一時3万8000円台を回復したが、引けにかけては伸び悩んだ。  東京市場は明日からゴールデンウイークに突入し、来週の立ち会いは3日間のみ。ただ、海外では重要イベントが続き、場合によっては相場が荒れる可能性があることには注意が必要だ。足もとでは、政府・日銀の為替介入がいつあるかが注目されている。また、今晩は米3月個人消費支出(PCEデフレーター)が発表されるほか、何と言っても4月30日~5月1日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。  米国では年3回の利下げが予想されてきたが、足もとでは「年1回かゼロ、場合によっては利上げの議論が浮上する可能性も」(アナリスト)と警戒されている。来週のFOMCでは金融政策は据え置きの見通しだが、パウエル議長が記者会見で今後の金融政策に対し、どのような姿勢を示すかが焦点だ。FOMCの結果次第では、金利に敏感なハイテク株、とりわけ半導体関連株に大きな影響が出てくることが予想される。更に、3日には米4月雇用統計も発表されるだけに気は抜けないだろう。    上記以外のイベントでは、30日には米4月消費者信頼感指数、1日に米4月ISM製造業景況指数、同ADP雇用統計、3日に米4月ISM非製造業景況感指数が発表される。30日には韓国サムスン電子、アマゾン<AMZN>、5月2日にはアップル<AAPL>の決算発表も予定されている。特に、足もとの株価が軟調なアップルの決算内容は注目されそうだ。  国内では30日にレーザーテック<6920.T>のほか、JR東日本<9020.T>や東京電力ホールディングス<9501.T>、1日には三井物産<8031.T>、2日には三菱商事<8058.T>や日本航空<9201.T>などの決算が予定されている。更に、28日には衆議院の3選挙区の補欠選挙が予定されている。その結果次第では岸田政権の基盤が揺らぐ可能性もあり無視はできない。来週の日経平均株価の予想レンジは、3万7400~3万8400円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/26 17:23 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=ACCESS、今期黒字見通しのIOWN関連有力株  ACCESS<4813.T>はソフトウェア開発会社。日本電信電話<9432.T>と次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」の実用化で資本・業務提携すると昨年末に発表し、これを機にIOWN関連の有力株として人気化。提携発表前に600円台だった株価は今年3月に1800円台まで上昇し、足もとでも1400円近辺で推移している。  短期急騰で高値警戒感が依然意識されやすいが、業績面からのサポートに期待したい。3月に発表した24年1月期決算は通信キャリアやデータセンター事業者向けで製品販売が伸び、大幅増収・営業赤字縮小で着地。続く25年1月期は増収基調を継続するとともに、5期ぶりに黒字転換を果たす見通しだ。(イ) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/26 10:00 みんかぶニュース コラム 26日の株式相場見通し=強弱観対立、日銀決定会合も絡み不安定な値動きに  26日の東京株式市場は強弱観対立のなか、日経平均株価は3万7000円台後半で売り買いを交錯させる展開が予想される。前日の米国株市場ではリスク回避目的の売りが加速し、NYダウが一時700ドルを超える下げをみせた。また、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は今週に入って相対的に強さを維持していたが、この日は4日ぶりに反落を余儀なくされている。発表された今年1~3月期の米実質国内総生産(GDP)速報値が市場予想を下回ったが、同時に発表されたPCE物価指数(コア指数)の伸び率が事前コンセンサスを上回ったことで、米景気減速の一方でインフレが加速する悪循環が意識され、投資家心理が冷やされる格好となった。米10年債利回りが4.7%台まで上昇し一段と株式の割高感が強まったことも下げを助長している。これを受けて東京市場でもリスクオフの流れは拭えないが、日経平均は前日に先物主導で800円を超える急落を余儀なくされており、その分下値抵抗力を発揮する可能性が高い。ただ、きょう取引時間中に開示される日銀の金融政策決定会合の結果や、引け後の植田日銀総裁の記者会見などに投資家の関心が高く、“日銀プレー”で不安定な値動きとなることも予想される。  25日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比375ドル12セント安の3万8085ドル80セントと大幅続落。ナスダック総合株価指数は同100.989ポイント安の1万5611.760だった。  日程面では、きょうは4月の都区部消費者物価指数(CPI)、日銀の金融政策決定会合と植田日銀総裁の記者会見など。海外では3月の米個人所得・消費支出(PCE)など。 出所:MINKABU PRESS 2024/04/26 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=日銀決定会合後の動向に関心集まる  今週は注目イベントが相次ぐが、日経平均株価が大幅安となった今日の東京市場に大きな影響を与えたのは、24日のメタ・プラットフォームズ<META>の決算発表だった。同社の4~6月期売上高見通しは市場予想に達せず、時間外取引で株価は急落。ナスダック指数先物が下落したことを受け、東京市場も急落した。  25日の日経平均株価は831円安の3万7628円となり、前日に907円高と急伸した上昇分の多くを吐き出し、再び3万8000円を割り込んだ。今晩もマイクロソフト<MSFT>やアルファベットといったビッグテック企業の決算が予定されているほか、米1~3月期国内総生産(GDP)の発表も予定されている。  そして、明日は日銀金融政策決定会合の結果が発表される。3月の会合でマイナス金利政策の解除を決定した直後だけに、「現状維持」との見方は少なくない。ただ、日銀の政策スタンスに大きな変化はない、との方向性を見透かしたかのように為替相場では約34年ぶりとなる1ドル=155円後半への円安が進んでいる。  明日の日銀会合の結果を受け、一段の円安進行はあるのか。そして、政府・日銀による為替介入はあるのか。株式市場では、かつてのようには円安を好感していないだけに、為替市場の動向に株価がどう反応するかは大きなポイントとなる。明日はゴールデンウイークを控えた週末ということもあり、株式市場ではいったん手仕舞い売りが出るかもしれない。  足もとでは、米国の10年債利回りが4.6%台で上昇基調にあることが関心を集めているが、日本でも同利回りは0.89%前後と強含んでいる。日本では円安進行も追い風となり長期金利の上昇基調は変わらないとみられるだけに、金融株の見直し余地はまだ大きいだろう。三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>やみずほフィナンシャルグループ<8411.T>のほか、七十七銀行<8341.T>や千葉銀行<8331.T>、ふくおかフィナンシャルグループ<8354.T>、宮崎銀行<8393.T>などといった地銀株にも注目したい。  他の明日のスケジュールでは、明晩に米3月個人消費支出(PCEデフレーター)が発表されるほか、国内では引け後にアドバンテスト<6857.T>や日立製作所<6501.T>、NEC<6701.T>、野村ホールディングス<8604.T>、TDK<6762.T>などが決算発表を行う。 出所:MINKABU PRESS 2024/04/25 17:01 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=グロービー、開発中のAI英会話サービスに期待  Globee<5575.T>は人工知能(AI)英語学習プラットフォーム「abceed(エービーシード)」を開発・運営。2月末時点の有料会員数は9万2000人と順調に伸びている。  1月に実施したキャンペーンの効果もあって、4月12日に公表した24年5月期第3四半期累計の単独経常利益は前年同期比42.2%増の2億3600万円で着地。通期見通しは従来通り3億1600万円(前期比30.9%増)で据え置いているが、3月に行ったProプランの値上げ効果などから上方修正される可能性がありそうだ。また、開発中のAI英会話サービスは今期末もしくは来期の初めごろにリリース予定だとしており、新規有料会員の更なる増加が期待される。  株価は4月12日につけた直近安値1155円を底に下値を切り上げる展開。日足チャートでは25日移動平均線と75日移動平均線とのゴールデンクロスが目前で、時価は仕込み好機と捉えたい。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/25 10:00 みんかぶニュース コラム 25日の株式相場見通し=反落、重要イベント控え持ち高調整の売り優勢に  25日の東京株式市場は売り優勢の展開となり、日経平均株価は反落し3万8000円大台攻防を視野に入れる軟調な地合いとなりそうだ。前日は東京市場を含めアジア株市場が全面高で世界的な株価上昇局面にあったが、欧州時間の取引終盤にリスクオフムードとなり値を消し、主要国の株価が軒並み下落する展開となった。米国株市場では米10年債利回りが再び上昇に転じたことを受け買いが手控えられ、NYダウが小幅ながら5日ぶりに反落した。主力ハイテク企業の決算発表を前にこの内容を見極めたいとの思惑も上値を重くしている。ただ、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数はプラス圏で着地し3日続伸となった。東京市場では前日に日経平均が900円を超える上昇を示したが、先物主導で買われ過ぎた面もあり、きょうはその反動が出そうだ。週末26日に日銀の金融政策決定会合の結果発表と展望リポートの開示、植田日銀総裁の記者会見を控えるほか、米国ではPCEデフレーターに市場の関心が高く、買いポジションを高めにくいタイミングでもある。外国為替市場ではドル買い・円売りの動きが一段と進み、約34年ぶりに1ドル=155円台の円安となっているが、介入思惑もくすぶるなかでこれを好感する動きは限定的なものにとどまりそうだ。   24日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比42ドル77セント安の3万8460ドル92セントと5日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同16.109ポイント高の1万5712.749だった。  日程面では、きょうは2月の景気動向指数改定値、3月の外食売上高、3月の全国百貨店売上高など。海外では1~3月期韓国国内総生産(GDP)、トルコ中銀による政策金利発表、週間の米新規失業保険申請件数、1~3月期米GDP速報値、3月の米仮契約住宅販売件数など。 出所:MINKABU PRESS 2024/04/25 08:01 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=半導体関連が満を持して逆襲高へ  きょう(24日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比907円高の3万8460円と続急騰。引け際に先物主導の巻き戻しで高値引けとなるのはAIアルゴリズムお決まりのコース。中東の地政学リスクを口実に売り仕掛けが入ったものの、イランとイスラエルの対立が先鋭化したとしても、これによって株式市場のトレンド自体が変わることはないというのは、これまで繰り返してきた通りだ。ネタニヤフ首相がバイデン大統領の忠告に従ったことで過度な不安心理が後退し、リスクオフの巻き戻しが入ったという一連の流れは、後付け講釈であって本質ではない。もし相場が立ち直れなければ中東情勢以外の別の理由があるはずだったが、今回それは杞憂だったようだ。  穿った見方ならイラン大使館攻撃に始まった顛末は、株価波乱のトリガーを引いたのではなく、引かせたように見せたという方が的を射ているかもしれない。裏返せば今回のイラン・イスラエルの対立先鋭化がなくとも、何かしらの理由で相場は調整を強いられる時間軸にあったということになる。  これまでの日経平均急落の象徴は半導体セクターの総崩れだったわけだが、きょうは分かりやすく半導体復活を原寸大で投影したような相場だった。半導体関連は決算発表絡みで主力どころの銘柄は特に手を出しにくいが、きょうの戻りは純粋な値ごろ感からの押し目買いが機能したわけではなく、ショート筋の買い戻しが株価押し上げの原動力となった。売買代金第4位までを半導体セクターを代表する銘柄群が独占し、その中でも日経平均寄与度トップの東京エレクトロン<8035.T>の上げ足が鮮烈だった。  また、ソシオネクスト<6526.T>などは直近、外資系証券経由の空売りがかなり積み上がっていたことから、そのアンワインドの動きが続く可能性がある。ただし、同社は今週末26日に24年3月期通期の決算発表を控えているだけに安易に買いも入れにくい。24年3月期は大幅増益で仮に計画を上振れて着地しても、25年3月期予想は保守的に出してくる可能性がそれなりに高いからだ。したがって、見切り発車で追撃するのは賭けである。同社は2ナノ半導体関連の急先鋒として将来的な成長に向けたキャパシティーは十分であり、ここは決算発表通過を待って、株価が上下どちらに振れてもタイミングを見て入り直すというのが“急がば回れ”の正攻法といえる。  このほか、直近で決算発表が絡まない中小型株に照準を合わせる手もある。データセンター関連の穴株では光関連デバイスを手掛ける精工技研<6834.T>に着目。24年3月期は大幅減益見通しながら株価には既に織り込まれている。進捗率から上振れて着地する公算が大きいが、それ以上に同社株の場合は25年3月期の急回復シナリオが期待できる点が強み。データセンター向けに同社が生産する光コネクタや同製造装置、測定装置などが引っ張りだこになるシナリオが見え隠れする。  更に時価総額100億円未満の小型株ながらシステム受託開発で高実績を有する東海ソフト<4430.T>もマークしたい。5月期決算企業で、この時期“決算跨ぎ縛り”に該当しない銘柄である点はポイント。高い技術力に加え、地の利を生かしてトヨタ自動車<7203.T>向け車載用電子制御ユニット(ECU)などで将来性が見込まれる。業績は目を見張る高成長路線を走るが、時価予想PERは10倍を割り込み、株主還元も今期配当利回り3%超と申し分がない。加えて、ROEが14%台と高いにも関わらず、PBRが1.3倍台というのは評価不足が際立つ。株価はここ急速に見直されているとはいえ、水準訂正余地はむしろここからの方が大きい可能性がある。  あすのスケジュールでは、2月の景気動向指数改定値、3月の外食売上高、3月の全国百貨店売上高など。また、この日は東証グロース市場にコージンバイオ<177A.T>が新規上場する。海外では1~3月期韓国国内総生産(GDP)、トルコ中銀による政策金利発表のほか、米国では週間の新規失業保険申請件数、1~3月期米GDP速報値、3月の米仮契約住宅販売件数が注目される。なお、国内主要企業の決算発表では信越化学工業<4063.T>、ディスコ<6146.T>、富士通<6702.T>、キーエンス<6861.T>、ルネサスエレクトロニクス<6723.T>などが予定。海外主要企業ではマイクロソフト<MSFT>、アルファベット<GOOGL>、インテル<INTC>、キャタピラー<CAT>などの決算発表に市場の関心が高い。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/24 17:00 みんかぶニュース コラム 24日の株式相場見通し=続伸、欧米株高続きセンチメント改善続く  24日の東京株式市場はリスク選好の地合いが続き日経平均株価は3日続伸と戻り足を強めそうだ。今週は世界的に株高傾向へと流れが変わってきている。前日の欧州株市場はほぼ全面高様相となり、英国では主要株価指数が史上最高値を更新したほか、米国株市場でもNYダウが4連騰。ここ下げがきつかったナスダック総合株価指数も続伸し、直近2営業日合計の上昇幅は400ポイントを超えた。中東情勢に対する不安心理が後退するなか、地政学リスクに対する警戒感の緩和が米長期金利の低下につながり、10年債利回りは一時4.6%台を下回り、ハイテク株を買い戻す動きを誘発している。この日はエヌビディア<NVDA>やテスラ<TSLA>をはじめマグニフィセントセブンも全面高となり、市場のセンチメント改善を後押ししている。恐怖指数と言われるVIX指数も大幅低下し再び15ポイント台まで水準を切り下げた。これを受けて東京市場でも主力株をはじめ幅広い銘柄に買いが広がり、日経平均は3万7000円台後半から3万8000円大台近辺をうかがう強調展開が見込まれる。ただ、今週末の日銀金融政策決定会合の結果発表や米国のPCEデフレーターの開示を控えていることで、これらの内容を見極めたいとの思惑から買い一巡後は上げ幅を縮小する可能性もありそうだ。  23日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比263ドル71セント高の3万8503ドル69セントと4日続伸。ナスダック総合株価指数は同245.335ポイント高の1万5696.640だった。  日程面では、きょうは3月の企業向けサービス価格指数など。海外では、インドネシア中銀が政策金利を発表、4月の独Ifo企業景況感指数、3月の米耐久財受注額など。 出所:MINKABU PRESS 2024/04/24 08:02 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=渇望される米利下げと恐怖のアノマリー  きょう(23日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比113円高の3万7552円と続伸。日経平均は高かったものの、ショート筋の買い戻しが一巡すると実需の買いが続かず戻りの勢いは弱い。取引開始直後に380円ほど上昇したが、ほぼ寄り天状態で下値を切り下げ、マイナス圏に沈む場面もあった。相変わらず半導体関連が冴えない。売買代金で圧倒的首位の座をキープしたレーザーテック<6920.T>が、断崖チャートを形成し連日の年初来安値に叩かれているというのもある種異様な光景である。  前日の欧州株市場はイタリアを除きほぼ全面高、米国株市場でもようやくハイテク株が買い戻される展開となり、ナスダック総合株価指数が7日ぶりに反発した。これに円安が加わり東京市場にとっても流れは悪くなかったが、強かったのはスタート直後だけで、後は例によって慣性の法則で坂道を転がるように軟化した。売り一巡後に日経平均は再び上昇に転じたとはいえ、終始覇気の感じられない地合いだった。  米国に続き日本でも企業の決算発表が本格化するなか、全体観として市場関係者は一様に日米揃って好調な決算内容を予想する。だが、逆に期待のハードルが高いことがリスクとして意識され、ちょっと手が出しにくいというのが投資家の本音といえる。また、今の株式市場には何か需給面で芳しくない事情を暗示するような上値の重さがある。「ヘッジファンドの売り仕掛けといった投機性の強い戦略的売買ではなく、過剰に組み入れ過ぎたファンドのロングポジション調整が相次ぎ、束になることで増幅されたような、合成の誤謬的な売り圧力」(中堅証券ストラテジスト)という見方もある。  一体、今のリスクオフの正体は何か。米国の政策金利が5.25~5.5%と高止まりする中で、米国経済の強さが七不思議のように取り沙汰されているが、マーケットはその経済の強さが実はイミテーションではないかという疑念を持ち始めているのではないか。世界株市場を牽引してきた米国株が危機的な下げに遭遇するとすれば、強すぎるはずの経済が、急転直下で冷え込むような場面が想定された時。長短金利の逆転現象(米10年債利回りと2年債利回りの逆イールド)が長く続いているが、もしこの金利差が急速に縮小する動きをみせたら、その時は投資家も身構えなければならない。  一部報道では米国債の逆イールドは3月下旬時点で過去最長を更新したもようで、それまでは1978年オイルショック時に記録した624営業日が最長だったという。なお、市場関係者は「リーマン・ショックがあった2008年にも540日にわたる逆イールドが生じている」(ネット証券アナリスト)と指摘する。この逆転現象が修正されるとすれば、FRBによる利下げ開始が挙げられる。今はその時期の後ずれ観測が相場の重荷となっているが、利下げによる逆イールド解消はリセッションが始まる直前に実現するケースが多い。利下げが経済の実勢悪のスピードに追いつかないためだ。そして、過去のケースから逆イールドはその期間が長いほど景気の谷も深く、株価の下振れ余地もそれに連動する。今はまだモラトリアムな時間帯にあるが、米利下げに対する渇望は、実はその瞬間が近づくほどに相場がリスクオフモードに傾くという皮肉な結末となる可能性もある。  きょうの東京市場に目を向けると、プライム市場の覇気のなさはともかく、グロース市場の弱さが気になるところ。グロース市場指数、グロース250指数ともに水準的には大底圏で拾い場を示唆しているように見えるが、売買代金の少なさが投資マインドの低迷を如実に物語る。短期スタンスで臨むなら唯一の例外エリアが直近IPOのリバウンドで、人工知能(AI)関連の新星トライアルホールディングス<141A.T>や、サイバー防衛の精鋭カウリス<153A.T>などに着目してみるのも一法だ。  あすのスケジュールでは、3月の企業向けサービス価格指数が朝方取引開始前に開示される。また、環境省と気象庁が「熱中症警戒アラート」の運用を開始する。この日はIPOが1社予定されており、東証グロース市場にレジル<176A.T>が新規上場する。また、ファナック<6954.T>の3月期通期決算やキヤノン<7751.T>の1~3月期決算が発表される。海外では、インドネシア中銀が政策金利を発表するほか、4月の独Ifo企業景況感指数、3月の米耐久財受注額などにマーケットの視線が集まる。主要企業の決算発表ではメタ・プラットフォームズ<META>、IBM<IBM>、ボーイング<BA>などが予定されている。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/23 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=サンアスタ、DXで業績成長続き底値買い好機  Sun Asterisk<4053.T>の900円近辺のもみ合いは底値買いの好機とみたい。ソフトウェアの受託開発を主力に企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)支援ビジネスを展開している。ソフト開発に付随する形で企画・開発・運用まで一気通貫で顧客に提供できるのが同社の強み。また、IT人材の育成も手掛けており、ベトナム子会社からの人材供給で優位性を発揮し商機を捉えている。24年12月期は大企業を中心に顧客数の更なる拡大が見込め、大幅増収増益が続く公算大。人件費の増加を吸収して営業利益段階で前期比22%増の21億6200万円を見込んでいる。  株価は2月下旬に1088円の年初来高値を形成した後は調整色を強めているが、時価近辺は売り物がこなれており、上放れのタイミングを待つ状態。テクニカル的には960円近辺を横に走る75日移動平均線が目先の戻りメドとして意識され、ここをクリアしての4ケタ大台復帰も視野に入る。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/23 10:02 みんかぶニュース コラム 23日の株式相場見通し=続伸、欧米株高を受け戻り歩調続く  23日の東京株式市場は前日に続き値ごろ感からの押し目買いや空売り筋のショートカバーが優勢となり、日経平均株価は続伸する公算が大きい。3万7000円台後半に水準を切り上げる展開が想定される。前日の欧州株市場はほぼ全面高様相となったほか、米国株市場でもNYダウが一時450ドルを超える上昇を示すなど、買い気の強い地合いとなった。中東情勢に対する過度な不安心理が後退し、ハイテク系グロース株を含めた幅広い銘柄に投資資金が流入した。これまでハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数の下値模索が続いていたが、この日は米長期金利の低下を背景に7日ぶりに上昇に転じている。調整色を強めていたエヌビディア<NVDA>が4%を超える急反発をみせたのをはじめ半導体セクターに買いが流入、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も4日ぶりに切り返しに転じている。東京市場では前週末に日経平均株価が1000円あまりの大幅安を強いられたが、週明けはリバウンド狙いの買いが表面化した。きょうも欧米株高を受けリスク選好の地合いが見込まれる。外国為替市場で1ドル=154円台後半まで円安が進んでいることもあり、半導体関連株の切り返しが期待されるところ。一方、本格化する企業の決算発表を横にらみに個別には好業績株が買われる一方、決算内容が芳しくない銘柄は売りの対象となりやすく、神経質な展開となることも予想される。  22日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比253ドル58セント高の3万8239ドル98セントと3日続伸。ナスダック総合株価指数は同169.295ポイント高の1万5451.305だった。  日程面では、きょうは2年物国債の入札、3月の食品スーパー売上高、3月の全国スーパー売上高など。海外では4月のユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)、4月の米PMI(S&Pグローバル調査・速報値)、3月の米新築住宅販売件数など。 出所:MINKABU PRESS 2024/04/23 08:00

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