なぜ、結婚で保険を見直す必要があるの?
結婚によって、人生は「自分でコントロールする生活」から「パートナーとともに築いていく生活」へとシフトします。さらに、子どもが増えることで「子どもを含めた生活の保障」も築かなければなりません。
保険とは、生活を正常に送るうえでリスクをできるだけ回避するために備えておくものです。例えば、夫婦で暮らす場合や子どもができた場合、病気やケガで収入を得ているパートナーが就業不能に陥った時や女性が妊娠をして出産するまでの間、適切に費用を備える必要があります。そのため、ライフステージにおいて変化が起こるたびに、生命保険への加入や見直しが必要です。
結婚によって生まれるリスク
結婚によって生まれるリスクを代表するものとして、以下の3つを紹介します。
- パートナーの死亡によるリスク
- 家族の病気やケガに対するリスク
- 老後資金に関するリスク
それぞれのリスクに備えるために、保険への加入や保障内容の再検討をする必要があります。
パートナーの死亡によるリスク
パートナーのどちらかが専業主婦(主夫)であったとしても、共働き家庭だったとしても起こり得るリスクです。結婚後、収入を大きく得ている一方に不幸が起きた際、収入が途絶えてしまうと家計に多大なる影響が出てしまいます。このようなリスクには「終身保険」や「定期保険」といった保険で、遺族の生活費に備えます。
「終身保険」はパートナーの死亡または高度障害状態が確認された際に、遺族が一生涯の保障を得ることができる保険です。「定期保険」は、契約時に設定した保険期間中に死亡や高度障害状態に至った際に所定の年齢までもしくは一定期間、受取人が保障を得ることができる保険です。各保険の保障内容を受取人の生活費として補填できます。
家族の病気やケガに対するリスク
パートナーや家族が大きな病気やケガのため、長期入院や手術を余儀なくされた際のリスクを指します。病気やケガの完治までに、以下の費用がかかります。
・入院費
・手術費を含めた治療費
・通院にかかる通院費
病気によっては治療に専念している期間は休業を余儀なくされ、収入が減少するケースもあります。一般的に会社員である場合「傷病手当金」の受理が可能ですが、受理できる期間や金額には限りがあります。また、個人事業主や自営業の方で国民年金のみに加入されている場合は傷病手当金の制度はなく、休業期間中の手当金による保障はありません。そのため、結婚後の「家族の病気やケガに対するリスク」を回避するために会社員や自営業の方でも「医療保険」や「就業不能保険」に加入することがおすすめです。
「医療保険」は入院や手術を含む治療費を保障する保険です。病気やケガの種類により入院日数や手術内容などが異なるため、受け取ることができる給付金の金額も異なってきます。保険契約の際に給付金を受け取ることができる病名や入院日数といった細かな点も、事前に確認しておいた方がよいでしょう。
「就業不能保険」は重い病気やケガで長期入院や療養を余儀なくされ、労働不可能な状態が一定の期間以上継続した際に、毎月一定額の給付金が受理できる保険です。このような保険に加入しておくことで、家計の中心となっているパートナーが病気やケガで働くことができない状態になったとしても、給付金により経済的な不安要素を少しでも解消できます。
老後資金に関するリスク
結婚したばかりの時期はまだパートナーとの「老後の生活」を思い描きにくいかもしれません。しかし、将来的には今よりも年金受給金額が減額されている可能性があることや、互いの介護問題に対して保険で備えておく必要があります。そのために「個人年金保険」や「介護保険」で老後への備えを始めておくこともおすすめです。
「個人年金保険」には契約内容によりさまざまな種類がありますが、基本的には契約時から規定の年齢まで保険料を納めます。その後、契約時に取り決めた年齢から年金を受理します。受理期間は一定期間や終身、一括タイプといった受取方法が一般的です。
「介護保険」は、契約内容にある介護状態に陥った際に、年金や一時金で給付を受理でき、公的な介護保険で充分ではない保障を補填するために加入する保険です。一生をともに生活する夫婦であるからこそ将来への備えとして、早いタイミングから準備をしておくことが安心した老後の生活へとつながるのです。
参考:社会保険庁「厚生年金保険 受給者の平均年金月額の推移」
家族を守るため
夫であれ、妻であれ、とくに家計を大きく支えているパートナーが、長期入院や死亡してしまった場合には、残された家族には精神的な負担だけではなく、経済的にも大きな負担を強いることになってしまいます。保険には、そのような経済的なリスクを回避してくれる役割があります。公益財団法人である生命保険文化センターの2021年度「生命保険に関する全国実態調査」によると、世帯の普通死亡保険金額は平均2,027万円で低下傾向にあります。これは全体を平均した金額であるため、実際は個々のライフステージに応じた死亡保険金を設定しておくとよいでしょう。結婚をしたことで大きくライフステージは変化します。自身のことだけではなく、万が一のことが起きた際にパートナーや家族が暮らしに困窮しないために備えておきましょう。
加入は出来るだけ早く!
保険に加入することを決断したらできるだけ早めに加入手続きを済まされることをおすすめします。当然のことながら20〜30歳代よりも40〜50歳代、さらには60歳代以上へと年齢が上がるごとに、病気やケガへのリスクは高まります。そのため、少しでも若いうちに保険加入した方が保険料を低く抑えることができるのです。ただし、保険加入を検討する際には「保険年齢」で保険プランを設定している保険会社が多くあるため、年齢の基準には注意が必要です。「保険年齢」と「満年齢」には以下のような違いがあります。
- 保険年齢:誕生日の以前6か月は切捨て、誕生日の以後6か月は切上げて計算する年齢
- 満年齢 :誕生日を過ぎた日の年齢
たとえば、29歳7か月で保険に加入した際の保険年齢は30歳になります。一般的に保険料は1歳ごとに値上がりしていきます。保険に加入される際には、ぜひこの「保険年齢」も考慮に入れ、少しでも若く、病気のリスクが高まる前に契約を結ぶことをおすすめします。
保険を見直す3つのポイント
生命保険は日常生活におけるリスクに備え、安心した生活を送るためにあります。そのため、結婚などでライフステージに変化が生じるごとに、適した保険内容であるかを見直す必要があります。保険の見直しには、すでに加入している保険内容・今後のライフプランを踏まえた保障内容・家計に適した保険料のポイントをぜひ確認してください。
今までに加入している保険を確認しよう!
まずは加入している保険の内容を確認しましょう。保障内容を現状に適したものに変えることで保険料を抑えることが出来るかもしれません。保険内容を見直す際には以下の5点について確認しておきましょう。
- 保険の種類は定期保険であるか、終身保険であるか
- 保険期間は現在の状況に適しているか
- 保険料の金額が家計を圧迫していないか
- 受理可能な保険金や給付金などで、今後の生活を円滑に過ごすことができるか
- 保険金の受取人は適任者であるか
生命保険を見直す際には「保険の種類」を確認してください。具体的には、保障内容に特化している定期保険であるか、保障内容と貯蓄が併合した終身保険であるかなどです。それが現状に則した保険であるかを見極める必要があります。定期保険は保険期間が契約時より定められておりますが、一方終身保険は一生涯にわたった保障を受けることができます。このため、定期保険で保険期間が満了すると、契約を更新しなければなりません。しかし、年齢とともに保険料は上がるため、契約更新時には必要とする保険期間がどの程度であるかを見直す必要があります。
一般的に定期保険は掛け捨てタイプではありますが、その分保険料は終身保険に比べ低めに設定されています。その一方で、保障内容を厚くすると保険料は高くなります。将来的な安心のために、現在の暮らしが高い保険料に圧迫されていてはいけません。現在加入している保険を見直すことで、本当に必要性のある保障だけを残し、保険料を抑えることもできるのです。
また、現在の契約内容で補償される保険金や給付金が今後の生活を支えることができるのかについても検討してみましょう。貯蓄タイプの保険に加入している場合は、今すぐに解約すると解約返還金がいくらになるのか把握しておくことも大切です。さらに、満期保険金・死亡保険金・解約返還金は、すべて課税対象になっているため、保険受取人に誰を指定しておくかで課税の種類や課税額が異なります。たとえば、死亡保険金の相続税の場合、誰が保険金受取人になっているかによって非課税枠適用の有無が変わってきます。このように保険の契約内容によって納めるべき税額にも変化が生じるため、契約内容をきちんと確認しておきましょう。
今後のライフプランを考えて必要な保障を知ろう!
子どもが誕生した、住宅を購入した、子どもが成長し学費がかかるといった場面で、ライフプランを立て直すタイミングが発生します。そのタイミングで保険を見直すことはとても重要です。それぞれで家計の運用に変化が生じるため、これまで滞りなく支払うことができていた保険料が家計の負担につながる可能性もあります。将来のライフプランについて改めて考えるタイミングで必要な保障内容を再度検討しましょう。
家計にあった保険料にしよう!
結婚・出産・育児・教育・住宅ローンなど家計に大きな変化をもたらすタイミングで、保険料の見直しを検討しましょう。保障額を減額したり、重複している保険を整理したりすることで、現状の支払いに無理が生じないような保障の見直しにしましょう。
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結婚だけではない!保険を見直すタイミング
人生においていくつか訪れる大きなライフイベントのひとつが「結婚」であり、このタイミングで生命保険を見直すことをおすすめしてきました。しかし、人生において保険を見直さなければならないライフイベントは結婚だけではありません。仕事の変化・子どもの誕生・マイホーム購入の際にも、ぜひ保険の見直しをおすすめします。
仕事が変わった時、転職した時
脱サラや転職をした直後は収入が下がることもあります。その際は、保険内容を見直して保険料を抑える必要が出てきます。その反対に、転職や事業展開が成功し収入が大幅に増える人もいるでしょう。その際は、家計にも余裕が生まれるため、より保障の手厚い保険に見直した方がよいケースもあります。どちらの場合にせよ家計の収支状況に変化が生じた際には、家計負担が少ない保障内容へと見直す必要があるのです。
子どもが生まれた時
子どもを授かることで、妊娠・出産・育児・教育に必要な費用が発生します。加えて、育児に専念している期間は一時的に収入が低下することもあります。たとえば、妻が仕事をしている場合は、妊娠により育児休暇または子育てに専念するため辞職する人もいるでしょう。このように、子どもの養育費による支出増と育児による収入減のため、今まで加入していた保険を配偶者と相談しながら見直す必要が出てくるのです。
具体的には、保険会社では子どもの教育費や大学進学に備える学資保険を提供しており、妊娠中や子育て中は学資保険の加入を夫婦で相談します。また、子どもが独立した際には、自身の病気やケガに備えて医療保険を手厚くするか夫婦で相談します。
マイホームを買う時
マイホームを購入する際、多くの人は住宅ローンを組みますがそれに加えて「団体信用生命保険」に加入することがあります。団体信用生命保険には保険加入者が死亡した場合、残っている住宅ローンが免除される制度があります。そのため、万が一のことがあってもローンの返済を心配する必要はありません。また、生命保険と重複する内容も発生するため、住宅ローンを組む以前から加入していた死亡保険については見直しを行うとよいタイミングでもあります。
まとめ
結婚をし家族を守るための保険、結婚によって生まれるリスクを回避するための保険、人生のライフプランに合わせた保険といった項目について解説しました。結婚を期に、自分自身のみを保障する保険ではなく、夫婦・家族単位で保障をしてくれる生命保険へ見直しをしてみましょう。
家族に万が一のことが起きた際、精神的なダメージを大きく受けます。残された家族のことを考え、経済的なダメージだけでも回避するために保険の見直しをしましょう。
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よくある質問
Q | どうして結婚後に保険を見直す必要がありますか? |
A | 結婚後は、パートナーと新たな生活が始まり、また将来子どもが増える可能性もあります。このように、結婚後はライフステージの変化が起きやすいタイミングのため、これまでの保障で十分に足りているか保険を見直す必要があります。 詳しくは「なぜ、結婚で保険を見直す必要があるの?」を参照。 |
Q | 妊娠や出産時に保険を見直すポイントを教えてください。 |
A | 妊娠や出産時には、妊婦向けの保険や生命保険、さらに子どものための学資保険などが選ぶポイントとなります。家族と話し合って、どのような保険に入れば、金銭面や健康面のリスクを減らせるかが見直しのポイントです。 |
Q | 結婚以外で保険を見直すタイミングはありますか? |
A | 結婚以外では仕事が変わったり、配偶者が妊娠や出産に入ったり、さらにマイホームを購入したりするときが保険の見直しのタイミングです。 詳しくは「結婚だけではない!保険を見直すタイミング」を参照。 |