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新型コロナ感染症で会社を休むともらえる傷病手当金って?受け取る条件と手続きについて解説!

最終更新:2022/04/08 13:44

昨今、新型コロナウイルス感染症の影響を誰もが少なからず受けています。自分やご家族が罹患した場合の保障についてはあまりピンとこない方もいらっしゃるのではないでしょうか。 そんなもしもの事態が起こる前に確認しておきたい制度が傷病手当金です。傷病手当金は通常、怪我や病気の時に生活を補助してくれる制度です。会社を休んでも、健康保険組合に加入していれば支給されます。 今回は公的な健康保険で保障される傷病手当金について、受け取る条件や期間、金額、注意点を解説します。また、新型コロナウイルス感染症に罹患した場合、手当の支給がされるかについても条件を踏まえてみていきます。

そもそも傷病手当金とは?

傷病手当金とは怪我や病気のために会社を休み、会社から十分な給与が受け取れないときに支払われるお金のことです。
病気や怪我、がんや精神疾患、適応障害などさまざまな理由で働くことができない時も、その間の給与を補助されるありがたい制度です。
この記事では健康保険の傷病手当金に焦点を当てて説明します。労災保険の一種である休業補償給付や雇用保険の一種である「傷病手当」とは異なるもののためご注意ください。

傷病手当金を受け取る条件とは?

傷病手当金は労働者が傷病を負った際にはぜひとも活用したい制度ですが、いつでも受け取ることができる訳ではありません。支給を受けるには下記に記載する4つの条件全てを満たす必要があります。

①病気・怪我が業務外の事由であること
②仕事に就くことができない「就業不能状態」であること
③連続した3日間の後、4日目以降も仕事に就くことができないこと
④休業した期間について、勤め先より給与の支払いがないこと

間違えて理解してしまうと、支給されるはずだった傷病手当金をもらい損ねてしまう可能性や、無理をして出勤したことが仇になってしまう可能性もあります。
制度をよく理解するためにひとつずつ確認していきましょう。

病気・怪我が業務外の事由であること

たとえば、下記のようなパターンがあったとします。

・営業中に会社の車で事故に遭って怪我をした
・通勤途中に怪我をした

これらの場合は労働者であればアルバイトやパートタイマー等の雇用形態は関係なく「労災保険の給付対象」となり、傷病手当金の支払い対象ではありません。
また、美容整形などの事由は病気とはみなされないため、こちらも同様に傷病手当金の支給対象には当てはまりません。
健康保険の傷病手当金が支払われるのは、業務に関連していないことでの病気や怪我の場合のみと覚えておきましょう。

仕事に就くことができない「就業不能状態」であること

たとえば、下記のようなパターンです。

入院中で医師の指示により安静にしていなければならない場合
 →物理的に出勤ができないためこの条件に該当します。

また、通院しながらの自宅療養でも働けない状態(就業不能状態)であれば、上記の条件を満たしています。

就業不能状態かどうかは病院の医師や療養担当者からの意見等を基に、本人の仕事内容を考慮した上で判断されます。不安があれば医師の判断を仰ぎましょう。

連続した3日間の後、4日目以降も仕事に就くことができないこと

4日間には「連続した3日間の待機期間」を含む必要があります。

つまり、傷病手当金は下記図のように、3日以上連続して働くことのできない状態が続いた後に(待機期間)4日目も働くことのできなかった日に支給されます。

注意したい点は、4日以上就業不能状態であったとしても、連続して3日間以上休んでいない場合には傷病手当金の対象にならないという点です。

また、待機期間はその日が本来、給与の支払いがあった日かどうかは関係がありません。有給休暇や土日・祝日等の公休日であっても待機期間としてカウントされます。

さらに、勤務時間中であっても、業務外の理由で発生した怪我や病気のために就業不能状態となった場合は、その当日が待機日の初日としてカウントされます。

傷病手当金は3日以上続けて働くことのできない状態が続いた後に、4日目も働くことのできなかった日に支給される。

休業した期間について、勤め先より給与の支払いがないこと

傷病手当金は前述した通り、病気や怪我等で休業している期間の生活保障を行うための制度です。会社から給与が支払われている場合にはしばらくの生活費については心配がないとみなされて、傷病手当金はいらないものと判断されてしまいます。
しかし例外として、支払われたお給料の額が傷病手当金の支給額よりも少額である場合には、その差額分を受け取ることが可能です。

傷病手当金がもらえる期間はどのくらい?

健康保険法の改正に伴い、令和4年1月1日から傷病手当金の支給期間が通算化されました。傷病手当金の受給期間は待機期間が確定してから、「支給される条件4つを満たしている日」が通算で1年6ヶ月に達するまでの期間です。

つまり、傷病手当金の受給期間が開始してからは、会社に出勤した日は1年6ヶ月の期間から除外され、会社を休んだ日が1年6ヶ月(549日)に達するまでは傷病手当金を受給することができます。もし、1年6か月の間に仕事へ復帰できた期間があり、その後また同じ病気や怪我によって仕事ができなくなった場合、仕事に復帰していた期間は1年6か月の間にカウントされないため、引き続き傷病手当金を受給することができます。

たとえば、下記にある図のように、傷病により支給開始日から6か月間仕事を休んだ後に、職場へ復帰。3か月間職場で働いてみたものの、思いがけず再度同じ病気や怪我で働けなくなり職場を欠勤することになった場合においても、支給される期間は仕事を休める残りの12ヶ月になります。

また、仕事ができる状態にない場合でも支給開始から1年6か月を超えると、傷病手当金は支給されません。

傷病手当金がもらえる期間
傷病手当金がもらえる期間

傷病手当金の給付金額はどのくらい?

おおよその給付金額は「給与の3分の2」と考えておくと分かりやすいでしょう。
具体的な金額の算出は下記の通りです。

傷病手当金の支給が始まる日を含む月以前の、継続する12か月の標準月額を平均した金額の30分の1に相当する金額のさらに3分の2の金額

健康保険への加入期間が支給開始日前時点で12か月間満たない場合は次の2つのうち、低い方の額を使用して計算されます。

①支給を開始した月以前の継続した標準報酬月額の平均
②30万円(※標準報酬月額より算出した平均額)
※標準報酬月額とは、健康保険料の算出に必要なひと月あたりにおける報酬の基準額で、給与額に基づいた50等級の区分があります。

給付金額の計算式
給付金額の計算式

新型コロナにかかった場合でも傷病手当金は受け取れる?

昨今では新型コロナウイルス感染症に疾患した場合の保障について、不安をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

ここから新型コロナウイルス感染症に疾患した場合、傷病手当金の対象なのか、受け取るための条件・判断基準について説明します。

傷病手当金の条件を満たせば受け取れる

原則として、新型コロナウイルス感染症が陽性の場合や症状があった場合、前述した傷病手当金の受け取り条件を満たしていれば支給されます。

具体的には下記①または②に該当している方で、さらに傷病手当金の受け取り条件を満たしている方が新型コロナウイルス感染症に係る傷病手当金の対象です。

①新型コロナウイルス感染症において「陽性」の方
②新型コロナウイルス感染症において「陰性」で発熱等の症状のある方

つまり、新型コロナウイルス感染症で陽性の場合はもちろん、陰性でも症状があった場合には傷病手当金の受け取り条件を満たしていれば、傷病手当金が支給されます。

しかし、注意すべき条件はこちら

新型コロナウイルス感染症は、原則として傷病手当金の支給対象になるものの「陰性」かつ「症状がない方」は対象でないため注意しましょう。
つまり、新型コロナウイルス感染症において陰性で症状もないのに、自宅待機といった状況で仕事ができないという状況にある方は支給対象外です。

たとえば、自分は無症状だったが濃厚接触者に指定されたため会社を休んだ場合です。その後の検査で無事「陰性」と判明した場合には本人が陰性かつ症状がないため、傷病手当金の対象外になります。

前提として傷病手当金とは、業務災害以外のせいで療養する必要があり、就業できないときに給付されるものです。陰性で症状も出ていないということは「疾病、負傷等の療養のため」に該当せず、新型コロナウイルス感染症関連だとしても残念ながら支給の対象にはなりません。

新型コロナウイルス感染症で傷病手当金を受け取る際に見極めるべきポイントは?

新型コロナウイルス感染症による傷病手当金の受け取りに関して、下記の具体例を基に申請可能な期間や満たすべき条件、手続き、また傷病手当金の申請が可能か見極めるポイントをご紹介します。

自覚症状があり自宅療養を行っていた期間も給付対象?

症状が出ていたもののただの風邪かと思い、自宅で待機していたら悪化したため病院に行ってみたところ新型コロナウイルス感染症にかかっていた場合や自覚症状があり受診しようと思ったが混んでいたため受診するのを諦め、自宅待機することに。後日改めて病院で検査を受けると新型コロナウイルス感染症に感染していた場合。

上記のような自宅療養期間は給付の対象になります。手続きとしては、自宅療養後に医師の診察を受け、「初診日より前に就業不能状態であった」と認められることです。

新型コロナウイルス感染症について、病院への相談と受診の目安は下記の2点を目安にするよう、推奨されているため、同様の理由で自宅療養を行っていた期間が初診日の前であっても「療養のために仕事に従事できなかった期間」に該当すると考えられますので受診時の目安にしてみてください。

①風邪の症状や 37.5℃以上の発熱が4日以上続いている(解熱剤を飲み続けなけ ればならないときを含む。)
②強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある
※ 高齢者や基礎疾患等のある方は、上の状態が2日程度続く場合

引用:厚生労働省保険局保険課「事務連絡

体調悪化などのため病院など医療機関を受診できなかったときは?

上記で説明した2点の症状があったにもかかわらず、以下のようなケースも考えられます。

・体調悪化時に、医療機関を受診できなかったケース
・病院で受診ができなかったケース
・病院での受診ができず、医師からの意見書も添付できないケース

下記にある2つの手順を踏むことで就業不能状態だったと認められれば、傷病手当金が支給されます。

①傷病手当金の申請書を提出する際に、体調悪化を理由として医療機関を受診できなかった旨について記載する。
②勤め先の事業主から、その期間に本人が療養を理由として仕事を休んでいた旨について証明する書類を添付する。

家族が濃厚接触者に指定されたなどで、就業できなくなった場合は?

家族が濃厚接触者に指定され、本人は陽性ではなく、症状もないが就業できない場合には、残念ながら傷病手当金が支給されません。

傷病手当金は、本人が疾病、負傷等の療養をするため、 仕事に従事できないときに給付されるものです。自身が就業不能状態でない場合は、ご家族が濃厚接触者という理由であっても傷病手当金は支給されません。

勤務先が新型コロナウイルス感染症で休業し、就業できなくなった場合はどうなる?

本人は陽性ではなく、症状もないが、勤務先が新型コロナウイルス感染症で休業し就業できなくなった場合も、残念ながら傷病手当金支給の支給対象にはなりません。
傷病手当金は本人が疾病、負傷等の療養をするため、 仕事に従事できないときに給付されるものです。そのため、自身が就業不能状態でない場合は、勤務先が新型コロナウイルス感染症を理由として休業しても傷病手当金は支給されません。
しかし、雇用主自身の判断で労働者に一律に休んでもらう場合は、労働基準法に基づき休業期間中の休業手当として平均賃金の60% 以上が支払われます。なお、傷病手当金とは異なりますのでご注意ください。

まとめ

新型コロナウイルス感染症にかかった場合の保障について、傷病手当金の対象に該当し、基本的に支給を受けられることについて紹介しました。また、自宅療養の場合や陰性だった場合にも、傷病手当金を受け取ることは可能ですが、条件や、手続きが必要だという事にも言及しました。それぞれの内容を確認しておくことでいざという時に役立つことでしょう。

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