健康寿命とは?
健康寿命とはWHOによって2000年に提唱されたもので「健康上の問題で日常生活が制限されること無く生活できる期間」です。いうなれば、健康でいられる期間のこと。
この健康寿命を伸ばすことが、個人の人生の充実にも繋がっていきます。
都道府県別の健康寿命
健康寿命は平均寿命と同じように都道府県別によっても変わります。
厚生労働省の2016年の資料によると、健康寿命が一番長い県は山梨県で、男性は72.52年、女性は75.78年でした。
全国平均では男性が71.19年、女性は74.21年となっており、健康寿命が長い県には静岡県や福井県、三重県、宮崎県などが挙げられ、反対に健康寿命が短い県には大阪府や徳島県、京都府などが挙げられます。
山梨県の健康寿命が長い理由は明確にはなっていませんが、梨県は県のサイトで「がん検診や特定健康診査の受診率が高いこと」や「60歳以上の有業割合が全国2位と高く元気に働き続けている高齢者が多い」などを挙げています。
概ね70歳前後までは健康で生活ができる反面、75歳以上になると病気や怪我などを患う方が多いという理解をしておきましょう。
平均寿命とは?
平均寿命とは0歳時点から何歳までを生きられるかを統計的に予測した平均余命です。厚生労働省が発表している平成30年簡易生命表によると、男性の平均寿命は81.25年、女性の平均寿命は87.32年となっています。前年と比較しても男性は0.16年、女性は0.05年上回ってます。主な年齢の平均余命でも男女ともに前年を上回っています。
年 | 男性 | 女性 | 男女差 |
昭和22年 | 50.06 | 53.96 | 3.90 |
昭和25~27年 | 59.57 | 62.97 | 3.40 |
昭和30年 | 63.60 | 67.75 | 4.15 |
昭和35年 | 65.32 | 70.19 | 4.87 |
昭和40年 | 67.74 | 72.92 | 5.18 |
昭和50年 | 71.73 | 76.89 | 5.16 |
昭和55年 | 73.35 | 78.76 | 5.41 |
昭和60年 | 74.78 | 80.48 | 5.70 |
平成2年 | 75.92 | 81.90 | 5.98 |
平成7年 | 76.38 | 82.85 | 6.47 |
平成12年 | 77.72 | 84.60 | 6.88 |
平成17年 | 78.56 | 85.52 | 6.96 |
平成22年 | 79.55 | 86.30 | 6.75 |
平成27年 | 80.75 | 86.99 | 6.24 |
平成28年 | 80.98 | 87.14 | 6.16 |
平成29年 | 81.09 | 87.26 | 6.17 |
平成30年 | 81.25 | 87.32 | 6.06 |
※出典:厚生労働省「平成30年簡易生命表の概況」
統計が始まった1947年(昭和22年)の平均寿命は男性が50.06歳、女性が53.96歳でしたが、1990年(平成2年)には男性75.92歳、女性81.90歳となっていいます。
高度成長期から平成30年間も平均寿命は毎年伸び続けていると言えるでしょう。
都道府県別に見ると厚生労働省が2015年(平成27年)に発表した資料によれば、男性では滋賀県が81.78年で最も高く、次いで長野県が81.75年、京都府が81.40年となっています。
女性では長野県が87.675年で最も高く、次いで岡山県が87.673年、島根県が87.64年となっており、男女ともに平均寿命が最も低い県は青森県となっています。
平均寿命と平均余命の違いは?
ここで、「平均寿命」と「平均余命」という2種類の言葉が出ていることに気がついた方もいるでしょう。
平均寿命は0歳時点、産まれてから死ぬまでの期間を指す言葉で、平均余命は、その年齢時点での残された命の時間のことを指しています。
0歳の平均余命が平均寿命と考えればよいでしょう。
年齢 | 男性 | 女性 |
0歳 | 81.25 | 87.32 |
5歳 | 76.47 | 82.53 |
10歳 | 71.49 | 77.56 |
15歳 | 66.53 | 72.58 |
20歳 | 61.61 | 67.63 |
25歳 | 56.74 | 62.70 |
30歳 | 51.88 | 57.77 |
35歳 | 47.03 | 52.86 |
40歳 | 42.20 | 47.97 |
45歳 | 37.42 | 43.13 |
50歳 | 32.74 | 38.36 |
55歳 | 28.21 | 33.66 |
60歳 | 23.84 | 29.04 |
65歳 | 19.70 | 24.50 |
70歳 | 15.84 | 20.10 |
75歳 | 12.29 | 15.86 |
80歳 | 9.06 | 11.91 |
85歳 | 6.35 | 8.44 |
90歳 | 4.33 | 5.66 |
※出典:厚生労働省「平成30年簡易生命表の概況」
ちなみに、死亡者数が最大になる年齢と平均寿命は少しずれています。
厚生労働省の2018年(平成30年)の簡易生命表によると、男性では死亡者数が最も多いのは88歳、女性でもっとも死亡者数が多いのは92歳となっています。
\ お金・保険のことならマネードクターへ /
健康寿命と平均寿命の違いは?
健康寿命と平均寿命はどんな点が違うのでしょうか?
健康寿命は「健康でいられる期間」で、平均寿命は「0歳時点からのどれだけ余命があるのかの期間」で、健康寿命と平均寿命にはおよそ10年弱の開きがあります。
人生の終盤も健康に過ごせることが一番ですが、この期間は健康に何かしらの問題があるというのも事実でしょう。
この期間を問題なく過ごすためには事前の準備が必要で、また、この健康寿命をいかに伸ばすかが国としての課題になっています。
健康寿命と平均寿命の推移
健康寿命と平均寿命の推移を比較してみましょう。
厚生労働省が発表している2018年の平成30年版厚生労働白書から作成したグラフでは、健康寿命と平均寿命はどちらも女性の方が男性より長い傾向があり、また、それぞれ10年ほど差が開いています。
健康寿命の期間を以下に伸ばすかが、老後を快適に過ごすために重要なファクターと言えるでしょう。
健康寿命を伸ばす取り組み
健康寿命を伸ばすためにはどのようなことをすればよいのでしょうか?
厚生労働省は健康寿命を伸ばすために「スマートライフプロジェクト」という取り組みを行っており、そのスマートライフプロジェクトの内訳は「適度な運動」と「適度な食生活」「禁煙」「積極的な社会参加」です。
それぞれについて見ていきましょう。
適度な運動
歩くことは生活習慣病の予防に効果があり、男性では1日9000歩、女性では1日8000歩を歩くことが目安と言われています。
ただし、男女の1日の歩数を図ってみると、それぞれ1日に1000歩ほど足りていないことが分かっています。1000歩は、約10分ほど歩くことで解消でき、プラス10分歩くことが健康に繋がります。
また、苦しくない範囲で速歩きをするのも生活習慣病の予防になります。
適度な食生活
生活習慣病の予防には適度な食生活も必要です。
日本人は1日280グラムの野菜を摂取していますが、実は1日に必要な些細は350グラム。プラスしてもう70グラムを摂取することが必要です。
野菜サラダをメニューに追加するなどの工夫や、また、スープにしたり煮物など温野菜として摂取するのも効果的です。
また、朝食を摂らない方も増えていますが、朝カフェでサラダを摂ることで野菜不足を補うこともできるでしょう。
禁煙
タバコを吸うのは健康を損なうだけでなく、肌の美しさや若々しさを失います。
タバコにはおよそ4000種類の有害物質が含まれており、健康寿命を伸ばすためには禁煙は必要な要素です。
妊娠中にタバコを吸っていると流産してしまうリスクも指摘されていたりするので、タバコを吸っている方は禁煙をしましょう。
積極的な社会参加
生活習慣の見直しだけなく、積極的な社会参加も実は健康を維持する上では必要になります。
内閣府は自由で生き生きした生活を目指す「エイジレスライフ」を提唱していたり、厚生労働省は介護予防の「通いの場」などを提唱しています。
さまざまな取り組みが自治体によっても行われているので積極的に社会参加をしていきましょう。
\ お金・保険のことならマネードクターへ /
健康寿命と生活習慣病の繋がり
健康寿命を伸ばすためにはということで「スマートライフプロジェクト」について解説をしました。何気なく送っている生活を今一度見直してみましょう。生活習慣病にならないためにはまずは、健康寿命を伸ばさなければなりません。生活習慣病は、健康長寿を妨げる大きな要因です。
生活習慣病の年齢推移
次に生活習慣病になる年齢推移について解説していきます。
25歳~29歳の代から徐々に生活習慣病になる人口は徐々に増えていき、60~64歳の代がピークになります。60~64歳でもっとも多い疾患は高血圧症です。高齢者だけではなく、各年代で一番多い疾患が高血圧症です。次に多い疾患が糖尿病、高脂血症の順になっています。
男性は高血圧症、糖尿病、高脂血症の順ですが、女性の場合は高血圧症、高脂血症、糖尿病の順になります。
日頃から予防
スマートライフプロジェクトでは4つの取り組みについて解説しました。さらに予防を頑張りたい人は次のことについても注意しながら生活を送ってみてください。
・十分な睡眠をとる
・お酒との付き合い方
・口、口腔の健康
規則正しい生活を行うことで体内時計が整い、ホルモン分泌を調整し快適に寝ることができます。
お酒は肝臓だけに悪いと思っていませんか?アルコールは主に小腸から吸収されたのち、血液中に入り、全身に巡りさまざまな健康障害をもたらします。最も心配しなければいけない健康障害は、がん、脳萎縮、うつ病です。
定期的に振り返る
次に自ら行える予防は定期的に自身について振り返ることです。定期検診は積極的に受け、正確な数値を見ながら改善していきましょう。
特に肥満、血圧、コレステロール、血糖に注意しましょう。
病気について知る
脳卒中とはどのような症状が現れますか?前触れの症状について少しでも知っていれば処置が早くなり、早めの治療を受けられます。どのような後遺症が残ってしまうのかも知っておきましょう。
スマートライフプロジェクトでは、主に脳卒中、心疾患、糖尿病の合併症、がん、COPD(慢性閉寒性肺疾患)について紹介されています。生活習慣病として知っておきましょう。
健康のリスクに備える方法
健康寿命と平均寿命の差はは9~12年ほどありますので、事前にリスクに備える方法を取るのが望ましいでしょう。金銭的に備える手段は2つあります。健康寿命を損なわないためにリスクに備える方法について見ていきましょう。
保険で備える
健康寿命を超えた期間の備えとして、保険で備える方法があります。
医療保険や介護保険に加入しておくと、病気や怪我をしたときにも安心ですし、介護が始まったとしてもその金銭的な負担に備えることができます。保険で備える場合には、その保険期間を終身にして一生涯の保障を得られるようにしておくとより安心できます。
健康増進型保険
運動や食事など健康寿命を延ばすための活動を習慣づけることで、加入時よりも保険料が安くなる保険「健康増進型保険」もあります。
これは、健康であり続けることによって保険料が節約できる保険で、よい健康状態を維持できれば保険料が安くなり、より安心できるでしょう。近年、健康増進型保険は増加傾向にあります。
貯蓄で備える
保険以外に貯蓄で備える方法もあります。
現金で貯蓄をしておけば、さまざまな課題に対応することができますが、一方、貯蓄額がその備えとイコールになります。
小さな保険料で大きな保障を得られる保険に対して、貯蓄額がそのまま備えの大きさになるので、長期間かけて計画的に貯蓄をしていくことが求められます。
貯蓄で備える場合には、何歳までにいくら金額を貯めるのかなどしっかり考えておきましょう。
まとめ
健康でいられる期間である健康寿命。この健康寿命をいかに伸ばすかが老後の期間を有意義に過ごせるかに繋がってきますので、健康寿命を意識して、生活自体を見直していきましょう。
そして、健康寿命から平均寿命までの期間については必要な保障を得られるように医療保険や介護保険などを検討しておくとより老後の生活については安心できるでしょう。
\ お金・保険のことならマネードクターへ /