脳卒中(脳梗塞、脳出血、脳挫傷など)になってからでも入れる生命保険とは?保険加入時の選び方や注意点について解説!

投稿日:2022/04/08 最終更新日:2023/03/17
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「脳卒中の治療をしたから、医療保険の加入は諦めるしかない」とお悩みの方は少なくありません。しかし現在では、脳卒中の治療を受けられた方でも加入できる医療保険があります。 病歴があっても比較的加入しやすい医療保険として挙げられているのが「引受基準緩和型保険」と「無告知型保険」です。 今回の記事では、脳卒中の治療後でも加入しやすい民間の医療保険や、加入する際の注意点についてご説明します。脳卒中の治療を受けられた方は、今回の記事を参考に保険への加入をご検討ください。
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脳卒中の治療歴があっても医療保険に加入できる?

一般的に、重い病気を発症された方や持病がある方は、医療保険に加入することが難しいとされています。脳卒中の治療後でも加入できる医療保険はあるのでしょうか?

通常の生命保険に入ることは難しい

脳卒中(脳梗塞、脳挫傷、くも膜下出血)の治療を受けられた方は、重い病気の発症経験や持病がある方と同様に、通常の医療保険に加入することは難しいとされています。なぜなら、脳卒中の再発リスクが高くなるほか、後遺症が残りやすいとされるためです。脳卒中を一度発症された方の再発リスクは、発症してから1年で12%、5年で35%にものぼります。さらに、脳卒中は脂肪のリスクが高く、入院や手術など高額な医療費を伴う病気であるため、必然的に保険会社が支払う保険金も高くなりますので、通常の医療保険はやや厳しくなります。

しかし、脳卒中の発症後にも加入できる医療保険もあります。脳卒中を発症された方でも、医療保険への加入を断念する必要はありません。

参考:厚生労働省「脳卒中の回復期・維持期の診療提供大勢の考え方

症状や治療状況によっては入れる場合も 

脳卒中の発症後も、症状や治療状況によっては通常の医療保険に加入できる可能性があります。ただし、主に以下の3つの状況において、現在の健康状態に問題がないことが前提とされています。

・症状
・治療状況
・経過年数

経過年数の具体的な目安は「完治後5年以上」です。医療機関では、診療記録を5年間保管することが義務付けられており、5年間が経過するとそれまでの診療記録が処分されます。

保険の審査時に、保険会社が既往歴(過去に患った病気や過去の健康状態)を把握できなくなるため、通常の医療保険に加入できる可能性が高くなります。

このように、脳卒中の「症状」「治療状況」「経過年数」によっては保険に加入できる可能性があるため、保険会社に確認したうえでご検討ください。
審査によって通常の医療保険への加入が難しいと判断された場合は、脳卒中の発症歴があっても加入しやすい医療保険を検討することをおすすめします。

脳卒中の経験後でも入りやすい保険って?

脳卒中の発症歴があっても加入しやすい医療保険には、以下が挙げcられます。

・条件が付加された通常の医療保険
・引受基準緩和型保険
・無選択型・無告知型保険

上記3つの医療保険は通常の医療保険と比べ保険料が高くなりますが、脳卒中の発症歴がある場合でも加入できる可能性があります。

なぜなら、通常の医療保険と「告知内容」が異なるためです。医療保険における告知とは、現在の健康状態や既往歴を保険会社に伝えることを指します。

代表的な告知内容は以下のような例が挙げられます。

・現在の職業
・最近の健康状態
・過去2年以内で受けた健康診断等の結果
・過去5年以内の既往歴
・持病や障害の有無

脳卒中を発症された方でも加入しやすい医療保険では、この告知内容の条件が緩和、あるいは告知項目が少なくなっています。通常の医療保険と比べて加入条件が緩やかとなっているため、病歴があっても加入できる可能性が高くなります。

ただし、虚偽の告知を申告すると、保険金が給付されず解約されてしまうリスクがあります。質問された告知内容は、正しく申告しましょう。

以下では、比較的加入しやすい「条件が付加された通常の医療保険」「引受基準緩和型保険」と「無告知型保険」について詳しくご説明します

条件が付加された通常の医療保険

通常の医療保険に一定の条件を付加することで、病歴があっても保険に加入できる可能性があります。一定の条件には、保険料の割増や受け取れる保険金の削減などが挙げられます。なかには、特定の病気や身体部位に対して、保障の対象外とする条件もあります。条件は各保険会社によって異なるため、加入前に必ず確認しましょう。

医療保険、引受基準緩和型医療保険、無選択型医療保険のそれぞれの特徴
医療保険、引受基準緩和型医療保険、無選択型医療保険のそれぞれの特徴

引受基準緩和型保険

引受基準緩和型保険は、通常の医療保険に比べ告知項目が少ないため、比較的加入しやすい医療保険です。通常の医療保険は代表的な告知項目が少なくとも7つ程度ありますが、引受基準緩和型保険の告知項目は3つ程度に設定されていることが一般的です。具体的な告知内容は各保険会社で異なるため、加入前に確認しましょう。

また、引受基準緩和型保険は告知項目が少ないこと以外にも、医師の診断書や健康診断結果を提出する必要がないといった特徴もあります。保険会社が加入する方の健康状態を詳細に確認しないため、脳卒中の発症歴があっても加入しやすくなります。

ただし、引受基準緩和型保険にはメリットだけでなくデメリットもあります。両者を加味したうえで、ご自身に適した保険を選ぶことが重要です。

引受基準緩和型保険のメリット

引受基準緩和型保険に加入するメリットとして、以下が挙げられます。

・告知項目が少ない
・通常の医療保険に加入できない方も加入できる可能性がある
・持病の悪化も保障される場合がある

現在、引受基準緩和型保険を取り扱う保険会社が増えています。複数の保険会社で比較・検討されることをおすすめします。

引受基準緩和型保険のデメリット

デメリットには、以下が挙げられます。

・保険料が通常の医療保険より高い
・給付金額が加入から一定期間は減額される場合がある
・特約項目の種類が少ない、もしくは特約保険料が通常より高い

引受基準緩和型保険料の目安は、通常の医療保険と比較すると約1.5倍とされています。また、ほとんどの引受基準緩和型保険では、加入から一定期間の給付金額が半額程度に設定されています。引受基準緩和型保険を検討される際は、受け取れる保険料や減額の有無について確認しておきましょう。

また、通常の医療保険の特約項目は10種類以上と豊富ですが、引受基準緩和型保険料の場合は限定的です。特約項目の数が通常の医療保険とあまり差がない場合は、その特約保険料が通常より高くなるケースがほとんどです。

*特約項目:医療保険の主契約とは別に、必要な保障内容を加えるオプション項目

無選択型・無告知型保険    

無選択型・無告知型保険は、加入時に健康状態についての告知や医師による診査が不要な医療保険です。病歴や年齢制限によって通常の医療保険に加入できなかった人を対象としており、持病や既往歴に関係なく加入できるため、脳卒中を発症された方でも加入しやすくなっています。

無選択型終身保険
無選択型終身保険

無告知型保険のメリット

無告知型保険に加入するメリットとして、以下が挙げられます。

・加入条件が緩やか
・健康状態に関する告知がない
・高齢の方でも加入できる可能性が高い

通常の医療保険や引受基準緩和型保険と比べて、加入条件がもっとも緩やかなため、誰でも加入できるメリットがあります。脳卒中を発症された方のほか、現在治療中の方や高齢者の方でも加入しやすくなっています。

無告知型保険のデメリット

無告知型保険には、以下のデメリットもあります。

・引受基準緩和型保険と比べ、保険料が高い
・給付金額が加入から一定期間免責される
・保障内容に制限がある

無告知型保険では、加入者の病状悪化や再発のリスクが高いため、通常の医療保険と比較して保険料が高額になります。

また、加入から一定期間は、保険金の給付がなされない「免責期間」が設けられています。免責とは、保険会社が保険金を支払わなくてもよいことを指します。無告知型保険ではほとんどの場合、加入から90日程度の免責期間が設けられています。

さらに、保障内容も通常の医療保険とは大きく異なります。再発や症状悪化に関する保障が含まれない場合もあるため、保障内容は詳細まで確認しておく必要があります。加入しやすくても、必要な保障を受けられるかどうかの見極めが肝心です。

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脳卒中を経験された方が気を付けるべきこと

脳卒中の治療後に医療保険の加入を検討される際、注意すべきポイントがあります。
自分に合った医療保険を見極めるためにも、以下3つのポイントを押さえましょう。

発症後の経過年数を確認する

脳卒中を発症してから、もしくは完治してからの経過年数によって、通常の医療保険に加入できる可能性があります。一般的な経過年数は5年以上で、この期間に再発や症状の悪化がなければ、通常の医療保険に加入できる高くなる可能性があります。

通常の医療保険であれば、保険料を安く抑えられるほか、保障内容も充実しています。脳卒中を発症後5年以上の期間に投薬や再発がない方は、通常の医療保険に加入できるかどうか確認することをおすすめします。

脳卒中が再発した場合に保障があるか確認する

脳卒中の発症後でも加入しやすい「引受基準緩和型保険」と「無告知型保険」ですが、再発した場合に対する保障がないケースもあります。そのため、保険の加入前には保障内容を確認することが必要です。

基本的に医療保険には、主契約と特約があります。引受基準緩和型保険や無告知型保険において、脳卒中に関する保障がついていない場合でも、特約を付加することで保障内容を充実できる場合があります。

一般的な保険会社には、特約のひとつとして「三大疾病特約」が用意されています。三大疾病は以下3つの疾病を指します。

・がん
・急性心筋梗塞
・ 脳卒中(脳梗塞・脳内出血・くも膜下出血)

三大疾病特約は、この三大疾病に備えた保障です。三大疾病は日本人の死因として上位を占めるうえ、入院期間が長引く可能性も高いとされています。三大疾病を発症した場合、保険への加入の有無で治療にかかる費用負担が大きく変わるため、三大疾病特約の付加を検討しましょう。

三大疾病特約における保障内容は、主に以下の3種類です。

・一時金が支払われる
・入院が無制限で保障される
・保障は継続されるが、保険料の支払いが免除される

それぞれの特約により保険料が異なるため、自分に合った特約を選ぶ必要があります。ただし、三大疾病特約の契約には、「三大疾病を発症した際、所定の状態でなければ保険金が給付されない」といった条件が付加されることもあります。

詳しい三大疾病特約の保障内容・保険料については、必ず保険会社に問い合わせて、内容をしっかりと把握したうえで契約を結ぶようにしてください。

本当に保険が必要か、検討する

十分な貯蓄がある方は、医療保険に加入する必要性をご検討ください。医療保険は必ずしも加入しなければならないものではありません。

公的医療保険制度により、医療機関での自己負担額は一般的に小学校入学後から70歳未満で3割、70歳以上は1~3割とされています。また、自己負担額が高額になった場合には、高額療養費制度も用意されています。高額療養費制度は、1か月(1日~末日までの同一月)の間に支払った医療費が高額になった際、自己負担限度額を超えた分が払い戻される制度です。

民間の医療保険は、あくまで公的医療保険で補えないケースについて保障するための保険です。そのため、三大疾病の診察や治療に関しても自己負担額を自分の貯蓄で補える場合は、医療保険加入についてよく検討する必要があります。

参考:厚生労働省「医療費の自己負担

まとめ

脳卒中を発症された方は、一般的に通常の医療保険へ加入することは難しいとされています。しかし、近年では保険の種類も多様化し、脳卒中を発症された方にも加入しやすい医療保険が増えてきています。

そのなかでも「引受基準緩和型保険」と「無告知型保険」は、比較的加入条件が緩やかで病歴がある方でも加入しやすい医療保険です。脳卒中の再発リスクなどの観点から、通常の医療保険と比較すると保険料が割高ではありますが、万が一に備えておきたい方は加入をご検討ください。

医療保険それぞれの特徴を理解したうえで、自分に合った医療保険や特約を見極めましょう。医療保険の加入について疑問や不安が残るようであれば、専門家に相談することもひとつの選択肢として考えておきましょう。

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よくある質問

Q

脳卒中の治療歴があると保険の加入にどのような影響がありますか?

A

脳卒中の治療歴があると、通常の生命保険の加入は難しくなります。ただし、治療状況によっては通常保険に加入できる可能性もあり、また発症歴があっても加入しやすい保険もあるので、諦める必要はありません。

詳しくは「脳卒中の治療歴があっても医療保険に加入できる?」を参照。

Q

脳卒中の発症歴があっても、入れる保険について教えてください。

A

入れる保険としては、条件付きの通常保険(保険料の割増など)、引受基準緩和型保険、無選択型・無告知型保険の3つがあります。

詳しくは「脳卒中の経験後でも入りやすい保険って?」を参照。

Q

引受基準緩和型保険や無選択型・無告知型保険のデメリットについて教えてください。

A

これらの保険は、通常の保険に比べて保険料が割高な点がデメリットです。そのため、加入の際は本当に保険に入る必要があるか前もって考えましょう。

【関連記事】持病があっても入れる引受基準緩和型・無選択型保険とは?メリット・デメリット・注意点をおさえよう

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