つみたてNISAは長期投資をすることが前提の制度であるため、自分に合った口座選びが大切です。つみたてNISA口座は一人一口座しか作れないため、どこで作るか悩む人も多いでしょう。
つみたてNISA口座を開設後に別の証券会社や銀行に移すことも可能ですが、手続きには時間や手間がかかります。したがって、1番最初の口座選びは非常に重要です。
そこで、この記事では証券会社・銀行を比較して、おすすめのつみたてNISA口座を紹介します。口座を開設した後には、どのような銘柄を選ぶべきかも重要なポイントです。口座開設後におすすめの銘柄についても詳しく解説します。
つみたてNISAを口座開設する際のポイント
つみたてNISAは、金融機関によって運用の仕方が異なります。そのため、複数の金融機関を比較し、自分に合ったつみたてNISA口座を選び開設することが重要です。
ここでは、つみたてNISA口座をどこで開設するか決める際の比較ポイントを4つ紹介します。
つみたてNISA口座のポイント
- 取扱銘柄数
- 最低積立金額
- 積立頻度(タイミング)
- ポイントサービス
取扱銘柄数
つみたてNISA口座の開設先を決める際の重要なポイントの1つに、「取扱銘柄の多さ」があります。つみたてNISAの対象銘柄は200本以上あります。しかし実際に対象のNISA銘柄に投資できるかどうかはそれぞれの金融機関が独自に銘柄ラインナップを決めるため、同じつみたてNISA口座でも取扱銘柄数に大きな差が生じることがあります。
取扱銘柄が多い金融機関では、より多くの銘柄を選択できるため、より自分に合った投資先を見つけることができます。また、新しい銘柄を早く取り入れることが多いため、投資機会を逃さずに済む可能性が高くなります。
逆に、取扱銘柄数が少ない金融機関では、限られた銘柄の中から選ぶことになるため、自分に合った投資先を見つけることが難しくなります。さらに、新しい銘柄を取り扱うのが遅れるため、投資機会を逃す可能性が高くなります。
つみたてNISA口座を開設する際は、つみたてNISAの取扱銘柄の数を比較し、できるだけ選択肢の広い金融機関を選ぶことをおすすめします。
最低積立額
つみたてNISAでは、長期間にわたり、定期的に積立投資を続けることができます。例え少額だとしても定期的に積立投資を行うことで将来的には大きな投資額にすることができます。加えて時間差による分散投資も期待することができます。しかし、家計の変化などによって、最初に設定した積立額での積立が難しくなることもあります。
そのため、口座開設先を選ぶ際には、自分が無理なく続けられる最低積立額を設定できる金融機関を選ぶことが大切です。最低積立額は、金融機関によりますが、毎月1,000円、3,000円、5,000円などから設定できるところが一般的です。ただし、一部の大手ネット証券では最低毎月100円から積立できるところもあります。
特に、100円から始められると、お試し感覚で始めることができ、本格的に始める前に自分に合うかどうかを試すことができるため、最低積立金額の観点で言えば、投資初心者はネット証券での口座開設がおすすめだと言えるでしょう。
<つみたてNISAの最低積立金額>大手ネット証券 | 大手銀行 | ||
SBI証券 | 100円~ | 三菱UFJ銀行 | 1,000円~ |
楽天証券 | 100円~ | ゆうちょ銀行 | 1,000円~ |
松井証券 | 100円~ | みずほ銀行 | 1,000円~ |
auカブコム証券 | 100円~ | りそな銀行 | 1,000円~ |
マネックス証券 | 100円~ | 三井住友銀行 | 10,000円~ |
積立頻度(タイミング)
つみたてNISAの積立の頻度には、「毎月」「毎日(毎営業日)」「毎週」などの選択肢があります。最近はネット証券を中心に、より細かい分散投資が行えるように、より高頻度のプランが提供されるようになっています。
積立の頻度によって、分散投資のリスク管理ができるため、投資初心者でも安心して始めることができます。比較表を参考に、自分に合った積立の頻度を選んで口座開設することが重要です。
<つみたてNISAの積立頻度>大手ネット証券 | 大手銀行 | ||
SBI証券 | 毎月 / 毎週 / 毎日 | 三菱UFJ銀行 | 毎月 |
楽天証券 | 毎月 / 毎日 | ゆうちょ銀行 | 毎月 |
松井証券 | 毎月 / 毎日 | みずほ銀行 | 毎月 |
auカブコム証券 | 毎月 | りそな銀行 | 毎月 |
マネックス証券 | 毎月 / 毎日 | 三井住友銀行 | 毎月 |
ポイントサービス
近年、金融機関では、投資信託の保有残高に応じてポイントが付与されたり、そのポイントで積立投資ができたりする、ポイントサービスが多く登場しています。
ポイントサービスが利用できる金融機関の口座を選べば、積立投資をしながらポイントが貯まったり、そのポイントを使って投資ができたりするため、お得に投資を進めることができます。ただし、ポイントサービスの仕組みや付与率は金融機関によって大きく異なるため、注意が必要です。実際にどのくらいのポイントがもらえるのかは各証券会社のHPを参考に判断するようにしましょう。
例えば、積み立て額の0.5%分のポイントを付与する金融機関があった場合、年間60万円積み立てれば、最大3,000ポイントを獲得することができます。
事前にポイントによるおトク度をチェックしておくと良いでしょう。
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つみたてNISAでおすすめの証券会社は?
ここでは、上記の比較ポイントを参考に選んだつみたてNISAでおすすめの証券会社として、上記の比較ポイントを参考に選んだ3つの証券会社、楽天証券、SBI証券、松井証券について紹介します。これらの情報を参考に証券口座の開設を検討してみましょう。
こちらが、3つの証券会社の取扱銘柄数、最低積立金額、積立頻度、ポイントサービスについてまとめた表になります。
証券会社 | |||
証券会社名 | 楽天証券 | SBI証券 | 松井証券 |
取扱銘柄数 | 190本 | 193本 | 186本 |
最低積立金額 | 100円 | 100円 | 100円 |
積立頻度 | 毎月/毎日 | 毎月/毎週/毎日 | 毎月/毎日 |
ポイントサービス | <ポイントの還元>
楽天ポイントをつみたてNISA口座で利用できる |
<ポイントの還元>
Tポイント/PontaポイントをつみたてNISA口座で利用できる |
<ポイントの還元> 投資信託の保有金額に応じて松井証券ポイントを還元 <ポイント投資> |
楽天証券
楽天証券では、投資信託の積立によって楽天ポイントを貯めることができます。楽天ポイントを貯める方法は2つあり、1つは楽天カードを使用してクレジット決済で積み立てる方法で、積立金額の0.5〜1%がポイント還元されます。
もう1つは楽天カードから楽天キャッシュにチャージして積立する方法で、楽天カードからのチャージ額に対して0.5%がポイント還元されます。楽天証券では楽天ポイントを使って投資することもできます。つみたてNISAも対象となっているため、楽天ポイントを使って積立注文することができます。
また、楽天証券の特徴の一つに、つみたてNISAに対応している商品が多いことが挙げられます。つみたてNISAの口座からは、すべての投資信託を購入することはできませんが、金融庁の最新データによると、つみたてNISAに対応している商品は全部で246種類あります。そのうち、楽天証券では194種類の商品に対応しています。(2023年8月30日時点)
さらに、楽天証券では月額100円からの積立が可能である点も魅力的です。楽天証券では毎月100円から投資が始められます。投資には一定の大きい金額が必要というイメージを持つ人も多いかもしれませんが、楽天証券では少額からでも始めることができます。
最初は100円から始めて、実際に積立の方法や効果を体感してみましょう。自身の投資への実感が高まったら、徐々に毎月の運用額を増やしていくことができます。
SBI証券
SBI証券は、投信マイレージというポイント付与システムを採用しています。投資信託の残高に応じてTポイント、Pontaポイント、dポイントの3種類から選べるポイントが貯まります。 つみたてNISAで購入した投資信託もポイント対象となるため、このシステムを積極的に活用できます。ポイントの付与率は、投資信託の種類によって異なりますが、多くの低コストのファンドでは0.05%程度となっています。
更に、クレジットカードを使った投信の積立(クレカ積立)に対応しています。三井住友カードをお持ちの方は、クレカ積立を利用することで、決済額の0.5%のポイント還元が受けられます。ただし、ポイント還元率はカードの種類によって異なり、0.5〜5.0%の範囲内で設定されています。
SBI証券でもポイント投資が可能です。SBI証券の場合は、TポイントまたはPontaポイントを、1ポイント=1円として使用することができます。
そして、つみたてNISAに対応している多数の投資信託商品を取り扱っており、つみたてNISA口座から選択できる投資信託の数は業界トップクラスの193種類の商品に対応しています。
また、SBI証券では100円からの積立が可能です。多くの人々が大きな投資資金を用意することは難しいかもしれませんが、100円といった少額からであれば投資へのハードルが低くなるのではないでしょうか。
少額の投資では、投資のリターンを実感しにくいかもしれませんが、無理のない範囲で長期的な投資を継続することが重要です。まずは100円から投資を始め、徐々に慣れていきましょう。もちろん、途中で投資金額を変更することも可能です。
松井証券
松井証券は1918年に創設され、業界の中でも歴史が長く、長年に渡り投資家から信頼されてきました。また、専門スタッフによるサポート体制や充実した情報ツールがあり、初心者の方でも安心して投資を始めることができます。
株式投資の取引について現物取引・信用取引どちらも1日あたり50万円までなら売買手数料が無料という点も魅力的です。
松井証券では投資信託の保有金額に応じて、松井証券ポイントを還元しています。貯まった松井証券ポイントは「ひふみプラス」、「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」、「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」の人気がある3種類の投資信託の購入や、Amazonギフト券、商品の交換などに使用できます。
また、つみたてNISAの取扱銘柄数が190種類の商品に対応(2023年8月30日時点)しており、業界でもトップクラスの商品ラインアップを誇っています。
松井証券でも100円からの積立が可能です。いきなり大きな金額ではなく、少額から気軽に投資を始めることができます。
少額の投資では、投資のリターンを実感しにくいかもしれませんが、無理のない範囲で長期的な投資を継続することが重要です。松井証券では、100円からの積立を通じて資産形成の第一歩を踏み出すことができます。
つみたてNISAの銘柄はどれがいい?
ここからは、初心者の方におすすめの銘柄について解説していきます。投資初心者の場合、株式や積立など馴染みのない言葉が多く、投資する商品を選ぶ基準がわからないという人は少なくありません。初心者の方がつみたてNISAを始める場合には、以下のような銘柄を選ぶことをおすすめします。
銘柄の選び方
- インデックス型の銘柄
- 全世界型または米国型の銘柄
- 信託報酬が安い銘柄
インデックス型の銘柄
インデックス型の銘柄とは、特定の指数に連動して値動きする銘柄のことです。一般的にインデックスファンドと呼ばれるものです。
インデックスファンドは、つみたてNISAの中でも特に初心者におすすめです。インデックスファンドが市場全体の平均的なパフォーマンスを目指すため、リスクが少なく、長期の積立投資に適しています。
インデックスファンドは、1つの銘柄で十分な分散投資が期待できます。インデックスファンドは特定の指数に連動するように様々な資産や商品を組み合わせているためです。そのため、例えばその中の1つの価値が下がったとしても、他の商品が補うことで全体として、リスクを少なくすることができます。特に、eMAXISやeMAXIS Slimなどの全世界に投資するファンドは、分散投資の観点からも良い選択となるでしょう。
またインデックスファンドは、マーケット全体の成長に合わせて運用されるため、長期的な投資であれば、値上がりが期待できます。
以上の理由から、インデックス型の銘柄は、初心者にもおすすめの商品といえます。
全世界型または米国型の銘柄
投資のリスクを抑えるためには、分散投資が重要です。投資先を特定の国や地域に絞ると、その国や地域の社会情勢や景気が悪化した場合にファンドの価格が暴落するリスクがあります。
そのため、つみたてNISAでは、全世界や複数の国に分散投資をすることがおすすめです。全世界に分散することで、たとえ一つの国の経済が低迷しても、他の国で補うことができます。
また、米国市場は、世界の時価総額の約半分を占める、世界最大のマーケットです。米国市場の動きは、世界の株式市場に非常に大きな影響を与え、世界の金融市場をリードしています。
米国株が下落するときは、全世界株の株価も下落することとなるため、全世界もしくは米国に分散投資されている銘柄を選択するのがおすすめです。
手数料が低い銘柄
信託報酬(手数料)が低い銘柄を選ぶことも重要です。ファンドを保有している期間は、ずっと手数料がかかるため、信託報酬が低い方が長期的な投資でも安心して運用することができます。
インデックスファンドは手数料が低めに設定されているため、コストパフォーマンスの高い投資ができます。
つみたてNISAでおすすめの銘柄は?
続いて、実際におすすめの銘柄を紹介していきます。本記事では、以下の3つの銘柄をおすすめします。なお、3つともインデックスファンドとなっています。
楽天・全米株式インデックス・ファンド
楽天・全米株式インデックス・ファンドは、米国株式市場の中でも4,000銘柄に分散投資でき、中小型銘柄も含まれているため、幅広い市場に投資できる魅力があります。様々な銘柄に分散投資することで、リスクを減らすことができます。
また、信託報酬は0.132%程度であり、この銘柄がベンチマークとする「CRSP US Total Market Index」に連動する銘柄の中では低い水準となっています。
このファンドは、長期的に大きなリターンを期待でき、利回りも高い優れたインデックスファンドとして高く評価されています。初心者から上級者まで、幅広い投資家層におすすめできる商品です。
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
SBI・V・S&P500インデックス・ファンドは、低コストで米国株式市場に投資することができる人気の投資信託です。
このファンドは、米国の代表的な株価指数である「S&P500指数」に連動する投資成果を目指し、購入することでアメリカの主要企業500社に分散投資することができます。
さらに、年0.0938%(税込)程度の信託報酬は、S&P500に連動する商品の中でも最も低い水準です。そのため、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドは、米国株式市場への参加を検討する投資家にとって、非常に魅力的な選択肢の一つとなっています。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
eMAXIS Slim 全世界株式 (オール・カントリー)は、世界約50ヶ国にまたがる株式市場に投資できるインデックスファンドです。この商品では、多様な地域・国の企業に投資することができ、投資家は地政学的リスクを最小限に抑えることができます。
また、各地域の経済成長の状況に応じて、ポートフォリオ内の投資比率や銘柄が自動的に最適化されるようになっており、投資家に安定したリターンをもたらすことを目指しています。
さらに、低い運用コストにより、投資家は低コストでグローバル投資をすることができます。 リスクを抑えつつ、将来性のある成長分野に投資できるため、初心者から上級者まで幅広くおすすめできる商品です。
まとめ:ネット証券でインデックス型の銘柄に投資するのがおすすめ!
金融機関の取扱銘柄が豊富な場合、多くの選択肢から自分に適した投資先を見つけることができます。逆に、取扱銘柄が少ない金融機関では、選択肢が制限され、投資機会を逃す可能性が高まります。
最低積立金額や積立頻度も金融機関によって差があるため、できるだけ柔軟に投資できるように、各金融機関のつみたてNISAの運用方法をよく比較しましょう。
最近、最低積立金額や積立頻度、銘柄などの選択肢が幅広く、ポイントサービスが充実しているネット証券が増えてきています。スムーズに、お得に取引するならネット証券がおすすめです。
また、初心者にはインデックス型の銘柄がおすすめです。インデックス型の銘柄は、株価指数などの基準に沿って運用され、市場の動向に応じたパフォーマンスを追求するため、投資初心者にもわかりやすい投資手段となります。信託報酬もインデックス型の銘柄の方が低い場合が多く、コストを抑えて投資できます。
リスクを抑えるという点では分散投資もおすすめです。全世界型または米国型の銘柄であれば、様々な銘柄に投資することができ、値下がりリスクをさらに分散することができます。つみたてNISA口座を開設する際に本記事を参考にして、証券会社や銘柄を選んでみてください。
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よくある質問
Q | つみたてNISAの口座開設のおすすめはどこですか? |
A | つみたてNISAの口座開設において、いくつかの要素を考慮すると、ネット証券がおすすめです。 ネット証券は以下の利点を持っています。
詳しくは「つみたてNISAの口座開設はどこがいい?」を参照。 |
Q | つみたてNISAで初心者におすすめの銘柄は? |
A | つみたてNISAで初心者におすすめの銘柄選びのポイント3つは以下の通りです。
詳しくは「つみたてNISAの銘柄はどれがいい?」を参照。 |
Q | 還元サービスとは何ですか? |
A | 還元サービスは、特定の商品やサービスを購入した際に、一定の割合または金額が消費者にポイント等で返金されるサービスです。 詳しくは「還元サービス」を参照。 |
Q | つみたてNISAは儲かりますか? |
A | 積立NISAの収益は、積立期間や運用利率によって異なります。以下は、毎月2万円を10年間積み立てた場合の例をまとめました。 積立額: 毎月2万円 積立期間: 10年間 年利3.0%の場合:10年間の積み立て総額は 2万円 × 12ヶ月 × 10年 = 240万円 利益を含めた総額は約 279万円(運用益約79万円) 年利7.0%の場合:10年間の積み立て総額は 2万円 × 12ヶ月 × 10年 = 240万円 利益を含めた総額は約 346万円(運用益約106万円) |
Q | つみたてNISAは元本割れしますか? |
A | つみたてNISAには元本割れリスクが存在します。金融商品の価格が必ず上昇することは保証されておらず、投資家自身が慎重に管理を行い、適切なタイミングで売却することで利益を生み出すことができます。しかし、最悪の場合は投資した金額よりも市場価格が低下している状況で売却することになり、その結果として元本割れが発生します。 |